インフィニット・ハンドレッド~武芸の果てに視る者   作:カオスサイン

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EPⅣⅩⅡ「臨海学校と陰謀PARTⅥ」

Side春季

「速過ぎる!…」

「私もブルーティアーズをなんとか掠めさせるのが精一杯ですわ…」

福音の事を任された俺達だったが今も尚劣勢を強いられていた。

『RuLiLaー!』

「なっ!?これは!…」

「ここにきて第二次移行!?」

突如福音が咆哮を上げ、セカンドシフトしたのだ。

強化された銀の鐘のオールレンジ攻撃が俺達に向かって降り注いでくる。

「くあっ!?…」

「今ならば隙がある!うおおおー!」

「箒姉さん!?駄目!」

銀の鐘を撃った直後の硬直をチャンスと見たのか後方支援していた箒が福音に突撃していってしまう。

『ULiLa!』

「な、なんだと!?こはっ!?…」

それさえも読まれていたのか箒は福音の手刀を二度受けてしまい仰け反った上で吹きとばされてしまう。

どうする?…鳳凰裂突破でも銀の鐘どころか奴のアームも吹き飛ばせはしない。

その上に雷砲血神のカートリッジの残数も心許ない状況だ。

そんな思案を巡らせていた時だった、

「うららああー!!」

「イチカ兄さん!?…」

今迄聞いた事の無いイチカ兄さんの叫びが聞こえたのは…。

 

Sideカレン

「イチカさん!?」

サベージの駆逐を行っていた途中恐らく私達と同じ武芸者の男性が突然乱入してきたのです。

その男性の姿をイチカさんが視界に入れた瞬間、彼は物凄い形相で乱入者へと襲いかかっていったのです。

「ギリウス・クラウス・ウェンズ!

よくもその薄汚い顔を俺の前に出せたな!」

「え!?それってもしかして…」

「ああ、コイツはダグラス卿の元弟だった奴だ!」

イチカさんが言った男性の名前を聞いて以前似た名前をした方の事を私は思い出しました。

そう元の世界で全世界武芸大会が開催される前日に私に言い寄ってきたダグラスさんの事を。

でも元?…まさか!

「カレンの思っている通りだ…。

コイツは…ダグラス卿を含むウェンズ王家の暗殺を目論んでいたんだからな!

そしてリトルガーデンを陥れようとした張本人でもある!」

「ハッ!何が武芸者至上主義だよ。

ダグラス兄さんも所詮馬鹿な人類の一人に過ぎない奴だったよ。

この俺にとって邪魔な存在でしかなかったのだからよ!

次元の穴に飲まれて辿り着いたのはこんな住みやすい世界!

だけど剣崎イチカ、貴様がまた性懲りも無く俺の前に現れやがった!

長話が過ぎたな…今度こそお前も終わりにしてやる!」

「黙れぇー!」

いつものイチカさんではない動きで男、ギリウスに斬りかかっていくが容易く回避されてしまい…。

「おっと!」

「き、消えた!?」

「ひゃっはあー!グサリとなっと!」

「がはっ!?…」

ギリウスは回避を終えた直後、姿を消しイチカさんをEバリアを展開する間も取らせないかのようにを斬りつけていた。

「イチカさん!?…駄目ぇー!」

「ウッ!…ウルガアァー!!…」

私の悲痛な叫びも虚しくイチカさんはヴァリアントの力を暴走させてしまうのでした…。

 

Side春季

「どうしてイチカさん達以外の男性がISに乗っているのですの!?…」

イチカ兄さんの先程の叫びといい、乱入者といい事態の把握が困難だった。

「!?ハイパーセンサーでも感知出来ない不可視からの攻撃!?」

鈴がそう叫ぶ。

乱入者の男が突然姿を消したかと思うと凄まじいスピードでイチカ兄さんを斬りつけてしまっていた。

「ウッ!?…ウルオォー!!…」

絶対防御を突き抜けた攻撃で斬りつけられ大量の血を流したイチカ兄さんの様子が更におかしくなった。

「一体兄上に何が!?…」

「はーくん!

イーくんとカレンちゃんが!…」

一早くイチカ兄さんの異変を察知していた音夢がボーデヴィッヒさんと一緒に此方に退避してきていた。

「アレは!…ボーデヴィッヒさんの時以上に非常に不味い!

早く止めないと!…」

「え、ええ!…キャア!?」

そう思い動き出そうするものの福音に阻まれてしまう。

「ガアァァー!!」

案の定、間に合わずにイチカ兄さんはまるで暴走した獣の様な咆哮を上げていた。

「はーくん!…」

「音六…分かっている!

今からでも間に合う筈だ!

だから一緒に…!?」

そう告げようとした瞬間、福音のAIが優先的に危険を判断したのかイチカ兄さんに向かっていっていたのだ。

「不味いぞ!リィ、福音の動きを!…」

「『この距離じゃAICのバリア波弾も射程不足で届きません~!』」

「クッ!?…」

ボーデヴィッヒさんが対応しようとするも既に距離を離されていて攻撃が届かない。

「なら俺がいく!」

俺は千式雷牙のブースターを全開にして福音を追っていく。

だがこの時俺や他の皆が予想し得なかった事態が起ころうとしていたとは夢にも思わなかった…。

 

 

 

 




次回、ギリウスへの敵意を燃やし冷静でいられなくなったイチカはヴァリアントの力を暴走させてしまう。
カレンは彼を止める為に必死に歌おうとするが…。
一方、暴走状態のイチカに迫ろうとする福音を止める為春季は単身で乗り出すが…その先には誰もが予想し得ない事態が迫ろうとしていた。
「臨海学校と陰謀PARTⅦ」

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