インフィニット・ハンドレッド~武芸の果てに視る者   作:カオスサイン

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EPⅥⅩⅥ「文化祭!そして襲撃と…PARTⅨ」

Side春季

「よお…」

「な、なんでアンタが此処にいるのよ!?…」

「それに白式は強制的に倉持に返還させられた筈だ!

何故所持している!?」

イチカ兄さんの二度目の暴走に加え、そこにつけいるかのように牢獄にいる筈の秋彦が所持権を強制的に剥奪された筈の白式を纏って現れたのだ。

それに当然、他の人達は驚愕している。

「はん!まずはテメエ等からだ!おらよお!」

鈴達の質問に答えず雪片を振るってくる秋彦。

俺が前に出て雷砲血神を盾にし防ぐ。

「今はアンタの相手をしていられる場合じゃない!…」

「んな事、この俺が知るかよ!」

こうしている間にもイチカ兄さんの暴走が進行し見境無く破壊を繰り返してしまう!

だがそんな事はお構い無しとばかりに秋彦は見当違いの憎悪をぶつけてくる。

「クッ!?…」

「何!?この力は…」

「あひゃはっはは!凄い力だぜこりゃあよぉ!」

以前と全く変わっていない馬鹿正直な剣道の型ではあったが、それを上書きする程の力を得た事で押し通されてしまう。

「ひゃははあー!」

「!?…」

「音六!?」

「一体どうしたのよ!?」

暴れる秋彦を止めようと動き出そうとした途端急に音六が頭を抱えながら苦しみだしたのだ。

 

Side音六

「うああっ!?…」

「ひゃはははー!」

投獄されていた筈のはーくん達の怖い元お兄さんが女尊男卑の襲撃者達と一緒に襲いかかってきた。

その時彼が纏っている白式のISコアであるハクナから助けを求める声が聞こえていた。

「くうぅっ!?…そんな事を白式に、ハクナにさせないで!…」

「何?まさか白式は!?…」

私はハクナの苦しみを代弁するように叫んだ。

あの時見た夢はこの事を暗示していたんだ…

そしてはーくんが一早く理由を察してくれる。

「ハクナに何をしたの!?…」

「あ?俺の言う事を全然ききやがらねえから俺を脱獄させてくれた奴に細工してもらったんだよ!」

「「!?…」」

元お兄さんは全く悪びれもしないでそう言った。

PiPi!

そんな私達の驚きをよそに通信が入る。

束博士だ。

「『皆、大変なんだよ!』」

「白式の事ですか?それなら今しがた奴の口から聞きましたが…」

はーくんが言い当てるが話はそれだけではないようだ。

「『それもなんだけど…それより全員早く機体を解除して!』」

「え?…」

「『良いから早く!説明している暇は…』」

「ひゃははあー!」

「「!?」」

束博士の慌てぶりをよそに元お兄さんが機体からドス黒いオーラを放ちながらこちらへと向かってきた。

「此処は私が!」

「オルコットさん駄目!…」

「おっとそれはいけないなあ~!」

「キャア!?」

不味い!

オルコットさんがビットで牽制しようとするがアレはそれだけで防げる代物ではないことを感じた私は慌てて止めようとしたがその前に元お兄さんが彼女を掴んでいた。

「おらよお!」

「キャアアァー!?……」

掴まれたオルコットさんは悲鳴を上げドス黒いオーラが彼女の体に入っていってしまう。

機体も強制解除されてしまい地に落とされる。

「セシリア!」

「うう!…」

「ん?皆コレ見て!」

「こ、コレは!?…」

デュノアさんが慌てて駆け寄る。

なんとか意識は保っているようだった。

ふとデュノアさんが何かに気が付き叫んだ。

彼女の手に握られていた綺麗な蒼である筈のブルー・ティアーズの待機状態であるイヤリングが黒く染まっていたのだ。

「…」

駄目!…イヤリングからはブルー・ティアーズのコア人格の声が聴こえてこない!…

代わりに何故か白式の方からブルー・ティアーズの苦しむ声が聴こえてきた。

「まさか白式と同じ様にブルー・ティアーズも!?…」

「そらそらあー!」

「!ツクモ!…」

私はすぐに心当たりに行き着く。

元お兄さんは意に介さず白式が出せない筈のビットを繰り出してきた。

私はすかさずバリアを展開し防ぐ。

「あれはセシリアのビット!?…まさかISコアがアイツに乗っ取られたとでもいうの!?」

「「ええ!?」」

「『これは…確かに白式の拡張領域が強制的に拡張されています!』」

「なんて事だ!?…」

繰り出されたビットに鈴ちゃんが気が付き、リィがそう分析結果を出し皆驚愕するしかない。

束博士が伝えたかったのはこの事だったのか…。

「ガアアァァ!」

「ウゼえんだよこのゴミが!」

「ガ!?」

未だ暴走状態にあるいーくんが元お兄さんに向かって行くがビットで近付けない。

「ひゃはっははは!」

「ガアァー!?…」

吹きとばされてしまういーくん。

皮肉にも暴走は止められた。

だがこのままではあの元お兄さんにいーくんが殺されてしまう。

「アバよぉ!死ねぇ!」

元お兄さんが雪片をいーくんに振り翳そうとしたその時…

「秋彦!」

「何ッ!?…」

突然現れた箒さんによって雪片が弾き飛ばされ防がれた。

「箒姉さん…」

「此処は彼女に任せてみよう…」

「え?…音六ちゃんそれ本気?」

「うん…」

「音六がそう言うなら俺だけ残って皆は下がっていてくれ」

「わ、分かったわ!」

ISコアを乗っ取ったのが百武装の能力によるものだとしたら恐らく箒さんには効かない筈だ。

はーくんに後を頼み私達は下がった。

 

Side箒

「秋彦…」

「へえ…俺の邪魔をするんだ?」

山籠もりからようやく学園に戻って事態を察した私だったが彼がまたも凶刃を振るうのを見て介入した。

「ああ…今迄が間違っていたんだ!

もうこんな事はやめてくれ秋彦!」

「俺に意見するなよ裏切り者が!」

「あ、秋彦…」

私の言葉は最早彼に届きはしなかった。

ならばもう迷いなどない。

「私の篠ノ之流でお前を修正する!」

「やってみろよ!」

私の空烈をいとも簡単に防ぎ掴む秋彦。

「!?なんで効きやがらねえ!?

話が違うじゃねえか!」

「?」

私はその発言に訝しむ。

音六の予想通りだった。

秋彦のISコアを乗っ取る能力は彼が人工ヴァリアントとして発現させたフィールド型の百武装【クライムネスオーラ】によるものだった。

セシリアのブルー・ティアーズだけでは飽き足らず箒の紅椿までもを奪おうとした秋彦だったが彼はあの時無常にも気絶させられていた為、箒がアンチセンスエナジー体質だという事を知らなかったのだ。

おかげでオーラは打ち消され何も問題は無い。

「箒姉さん無事か!?」

「あ、ああ…SEの残量は?」

「心許ないな…回復を頼むよ」

「ああ【絢爛舞踏】!」

駆け付けた春季も箒に回復して貰い安堵する。

「誰も彼も俺をコケにしやがってぇー!」

更に逆上した秋彦はオーラを更に強めながら突っ込んでくる。

「…はっ!」

一呼吸置き私は雨月を振るった。

「何ッ!?…」

「そ、その技は!?…」

驚くのも無理はないか…。

「な、なんでお前があのゴミの技を使ってやがるんだ!?…」

「言った筈だ…私の篠ノ之流の技でお前を修正すると…何時までも下らない拘りに縋っていては駄目だと教えられたからな」

「やっぱり残影斬か!」

最もトウカとの模擬戦の一件がなければ永久に私は悩んだままであっただろう…。

「く、糞がっ!…!?」

「着いたようだな」

援軍が到着した合図が聴こえてくる。

 

Sideイチカ

「グッ?…」

歌声が聴こえてくる…でもカレンやサクラさんじゃない?

だけどとても心地良いな…はっ!?

「剣崎イチカ!それでもヴァリアントか!武芸者としての貴様の誇りはそんなものか!」

男の怒号が聞こえてくる。

俺は確かワザと力を暴走させて…そうだ俺は!

「俺は…戻るんだあああー!」

俺は手放していた意識を取り戻した。

「はあああああー!」

「チッ!?…今日の所はここまでにしといてやるぜ!

あばよ!」

まさかコイツまでいたとはな。

秋彦は苦しみながらも俺の姿を目にすると少しは学習したのか撤退していった。

一体何がどうなったのだろうか?

 

 

 

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