シンクロ次元 ~戦慄~ 作:僕だ!
『申し訳ありません。ターゲットのDホイーラー、完全に見失いました』
「……わかりました。引き続き捜索を。 あのデュエルはシティの全市民が見ていたと言っても過言ではありません。その内
立場上 部下にあたる『デュエルチェイサー』との通信を切った『治安維持局・長官』ジャン・ミシェル・ロジェは、長官室でチェス駒を手で
「極論、『キング』は誰であってもいいのですが、何処の誰とも知れない存在よりも 『コモンズ』出身のジャック・アトラスの方が何かと都合がいいのですよ。私の計画を推し進めるときには、ね」
今はまだその時ではない、と己に言い聞かせるように口にするロジェ。その目が見すえるのは 己の理想の世界であった
「アクセルシンクロ、そして チューナーでもあるシンクロモンスター。シンクロの…デュエルの進化は まだまだ先があるようですが……それを見せた彼」
長官室のディスプレイに映し出された、先程のライディングデュエルの映像。その中に映る 正体不明の謎のDホイーラー
「『キング』に肉薄するほどの実力……彼には
チェス盤の上の『白のキング』の前に『黒のキング』を置き、ロジェは嫌らしい笑みをうかべた
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『キング』ジャック・アトラスは不完全燃焼であり、乾きが潤うことはなかった
だが、ある種の『希望』を胸に抱くことが出来た
あのデュエルがあった後日、シティでは 新たなカードが作成されるようになっていた
『シンクロチューナー』
チューナーとしてのチカラを持ったシンクロモンスター。そして、それに関連するカードたちだ
ジャックは新たな風を感じた。『ライディングデュエル』が行われるようになった時のような 新たな流れ
その流れの中で進化を遂げたデュエリストが 眼前に現れることを期待しながらも、高層建築の屋上で
「まだ勝負はついていないぞ……!」
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捕縛どころか、あれ以降 発見されることも無い謎のDホイーラー
彼はシティのデュエルに、人々に 大きな影響を与えた
そんな彼はといえば……
「「
「そう言うお前こそ。聞いたぜ「
子供のようにはしゃぐ2人
その2人から少し離れたところに停めたDホイールのそばでしゃがみこんでるトニーとデイモンが、はしゃぐ2人を見ながら話していた
「シンジとクロウ、喜んでっけど 俺たち『コモンズ』のところまで回ってくるのか?新カードたちはよ」
「問題無いだろ。『トップス』連中は1枚発揮のパワーカード推しなわけだし。 それに 良くか悪くか『トップス』から見たら『コモンズ』のヤンチャは良い見せ物、それをさせるためのカードは流すだろうさ」
「はぁーなるほどな。…………その流したカードたちで いずれ噛みつかれるとは夢にも思ってもいないだろうな『トップス』は」
革命の火種を心の中で燻らせながらも、彼らは日々を過ごしていく
「やあ。何だか賑やかだけど……何か良い事でもあったの?」
しゃがんていたトニーとデイモンに 彼らの顔見知りが声をかけた
「ああ、ブルーノか。仕事 お疲れさん」
「実はだな……」
デイモンが事情を話すよりも先に、はしゃいでいた2人が ブルーノに駆け寄ってきた
「聞いてくれよ!俺の「
「こっちは「
「あ、あははは…、なるほど」
2人の勢いに押されて 引き気味のブルーノに、トニーたちが「まあ、そうなるよなー」と軽く呟いた
「でも、確かに2人のデッキが強くなるのは 楽しみだよね。…よし!仕事先で「
「「ほ、本当か!?」」
「ブルーノ。他人のこともいいが、自分のことも気にしろよ」
「そうだな。Dホイールはともかくとしても、そろそろデッキくらいは作ったらどうだ?」
デイモンとトニーの言葉に、ブルーノは軽く笑って言葉を返す
「いちおう カードは買ったりしてるよ。まあ ほぼ全部 さっき孤児院にあげてきたんだけどね……そうそう!その孤児院に Dホイールを自分で作りたいって子が2人いてね。今度 Dホイールのこと 色々教えてあげることになってさ!それで―――」
その話を聞いた その場にいた全員が「また始まった」と呆れながらも 慣れたようにブルーノの話を聞き流しだした
「デュエルよりもDホイールいじりなんだな、ブルーノは」それが、彼らの共通意見だった
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『ランサーズ』という集団が 次元を超えてくる、その数年前の出来事
シンクロは 新たな地平へと 着実に進化していっていた……