ドラえもんのいないドラえもん  ~超劇場版大戦 地球は何回危機に遭う~   作:ルルイ

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感想、及び誤字報告ありがとうございます。



真・鉄人兵団8

 

 

 

 

 

 この日もメカトピア上空の宇宙宙域ではメカトピア軍とハジメのモビルソルジャー部隊が激戦を繰り広げていた。

 超大型ロボット、ハジメ達の言うジュド級が投入されたことでモビルソルジャーの撃墜率が上がり、兵士たちは相手の動きに慣れてきたことで一撃で落とされることも少なくなってきていた。

 しかしハジメ達地球側はモビルソルジャーをこれまでよりもさらに増員する事で、メカトピア側の消耗率をもとの状態にまで戻していた。

 メカトピア軍は更に増えたモビルソルジャーの部隊に圧倒され、連日の戦闘に機械の体であっても人のような心を持つロボットであるためか精神的な疲れを感じさせ始めていた。

 

「司令官か。 本来は名誉な事なのだろうが、この戦場では嫌な役回りだ」

 

「何せ地球人との戦争が始まってから、既に四回も旗艦を落とされていますからな。

 今日の戦闘で私たちが生き残るかどうかは、五分五分と言ったところでしょうか」

 

「なんという事だ。 なぜ私はあの時パーを出してしまったんだ…」

 

「司令官をじゃんけんで決めるのもひどい話ですな。

 副官として巻き込まれた私に一言謝ってくれてもいいでのは」

 

「死なばもろともと言うだろ、って冗談だ。

 それにこれでも旗艦として動かす人員を最小限にしてるんだ。

 諦めて付き合え」

 

「…仕方ありませんね」

 

 これまでの戦闘でハジメ達はメカトピア軍の旗艦を落とす事で、その日の戦闘の区切りにする事が多かった。

 その為に司令官の乗る旗艦は何度も狙われ、共に撃沈する事になった。

 今や司令官の座は前線の兵士と同じくらい死にやすい場所になっていた。

 

「超大型兵のお陰で一時的に士気を取り戻しましたが、敵の大幅な増員に出鼻を挫かれましたな」

 

「敵がまだまだ本気じゃないことはわかっていたが、これじゃあ勝ち目が見えないな。

 議会も人間奴隷化計画など余計な事をやってくれたもんだ」

 

「その議会から特殊武器が送られてきたことは確認しておりますか?」

 

「当てれば一撃で敵を行動不能に出来るという武器だそうだな。

 敵指揮官機に使えとお達しだが、試作品で予備が無く、更に射程が非常に短いから確実に当たるように近づいて使えとか。

 効果の保証があるのなら有用かもしれないが、それでもかなりの無茶を言ってくれる」

 

「敵の一般兵であれば難しくありませんが、敵指揮官機はどれも一騎当千の立ち回りをしていますからな」

 

「だから尚の事、敵指揮官機に特殊武器を必ず当てるために多くの兵員を集中させるそうだ」

 

「敵機の戦闘能力を考えると、どれほどの損害を出す事になるか」

 

「被害が出ているのは毎日だ。 それなら戦果を上げられる可能性に賭けた方が意義がある」

 

「それでダメだったら責任取らされますよ」

 

「俺達も今日死ぬかもしれんのだ。 責任など気にしていられるか。

 大体これ、議会からの指示だろう」

 

「戦場での失敗は司令の責任になるんですよ」

 

「なんて嫌な席だ。 逃げ出したい」

 

 

 

 

 

 Zガンダムのモビルソルジャーことゼータは、ムラサメ部隊を束ねる高機動部隊の指揮官機として戦闘機形態で飛び回りメカトピア兵をヒット&アウェイで攻撃し続けていた。

 高速で動き回る機体としては当然の戦術だ。

 そのゼータと共に動き回っていた十数機のムラサメ部隊に何十条のものレーザーが降り注いだ。

 

「くっ!」

 

 ゼータは即座に回避行動を取ったが、追従するムラサメには回避しきれず飛行不能になり編隊から離れある機体はそのまま爆散する。

 メカトピア兵の無数のレーザー攻撃がこれまでなく集中して向けられ、ゼータを中心とした部隊に連続して降り注ぎ続ける。

 指揮官機として特別高性能に作られたゼータはともかく、量産機のムラサメはどんどん落とされていった。

 

「私が狙いだという事か。 むっ!」

 

「ここは通さん!」

 

 自身が狙いだと気づき集まってきている敵の勢力圏から離脱しようとするが、目の前に二体のジュド級のロボットが両手を広げて立ち塞がる。

 急停止すると同時に人型形態に変形し、ビームサーベルを構える。

 二体のジュド級から高出力フィンガーレーザーが合計二十条、ゼータに向かって放たれる。

 ゼータは盾を構えながら左右上下に回避行動を取り、レーザー攻撃から逃げ回る。

 量産機とは耐久性能が違うので当たってもすぐに落とされることはないが、それでも攻撃を集中して受ければ無視できないダメージを受ける可能性はあった。

 攻撃は二体のジュド級だけでなく、周囲のメカトピア兵からもレーザーが発射され包囲されつつあった。

 

 

 

 ゼータに戦力が集中したことにはハジメの船でもすぐに観測された。

 

「マイスター、ゼータが敵の集中攻撃を受けている模様。

 かなりのメカトピア兵がゼータへの攻撃に動員されています」

 

「指揮官機に戦力を集中させてきたか。 ファースト…いやダブルゼータの部隊に救援と支援の指示を送れ。

 敵が集中しているなら大火力の攻撃が有用になる。

 ゼータに当てないようにまとめて攻撃するように指示をしろ。

 ファーストには敵の兵力が薄くなったところを攻撃させろ」

 

「了解」

 

 一か所に戦力を集中させれば他が疎かになると、ハジメはファーストに弱くなったところを突くように指示。

 ゼータも指揮官機として特別高性能に作ってあるので簡単には落とされないと、慌てずダブルゼータに救援と同時に支援攻撃の支持を出した。

 

 

 

 ゼータの周りには既にムラサメ部隊は残っておらず、孤立しつつあることを認識する。

 ならばと無理に逃げようと飛び回る事はせずに、メカトピア兵の集まっているところに飛び込み乱戦をしかけた。

 味方が入り乱れる場所であれば無闇にレーザー攻撃を使えば同士討ちになると狙っての判断だ。

 ゼータ自身は人型になっても高い機動力で敵の間を飛び回りながら鎧袖一触のビームサーベルで敵を切り裂いて倒していく。

 まさに一騎当千の戦いぶりだった。

 

「おのれぇ!」

 

「フッ」

 

 どんどん落とされていく味方の姿に激高し、ジュド級の一体がゼータに向かい拳を振るう。

 このような乱戦ではジュド級の火力は発揮できず、一番味方を巻き込まない巨体による格闘戦を仕掛けたのだ。

 それをあざ笑うようにゼータはひらりと回避し、そのままジュド級の懐に潜り込む。

 巨体では小回りが利かないという判断で急接近し、そこから急上昇しながらビームサーベルを振るい拳を振るった腕の付け根を切り飛ばした。

 ジュド級ほどの巨体ではビームサーベルの一撃で装甲ごと斬り裂いて倒すのはさすがに無理なので、耐久力の低い関節を的確に狙って斬り裂いた。

 これでフィンガーレーザーの威力は半減したことになる。

 

「くそぉ!」

 

「くらえ!」

 

 腕を切り落とされた衝撃で動けないところに、ゼータが頭の電子頭脳を狙ってビームライフルを放つ。

 巨体と言えども電子頭脳を収める頭部は小さく、当たれば一撃で破壊されるだろう。

 ジュド級は危機感を感じて、残った片腕で頭部を守りビームに耐えた。

 

「ぐぅ!」

 

「耐えたか」

 

「それ以上やらせん!」

 

 もう一体のジュド級がフィンガーレーザーで牽制し、仲間への追撃を止める。

 ゼータは回避行動を取り、再び兵の中へ飛び込み乱戦に持ち込む。

 

「大丈夫か!」

 

「まだ大丈夫だが片腕をやられた。 これでは戦力は半減だ。」

 

「俺達で小さくて早い奴に格闘戦を挑むのは不利だ。

 当たればいいが回避されたら今みたいに返り討ちにあう」

 

「やっぱりあいつの動きを抑えようなんて無理があるんじゃないか」

 

 ゼータに向かって攻撃を仕掛けている兵士は、特殊武器を使うための足止めが目的だった。

 しかしゼータの動きが早く攻撃力もあるのでどんどん犠牲が増えていくだけだった。

 そんな二人に上級兵の一人が接近する。

 

「お前たち、まだ動けるか」

 

「隊長、俺はいいですがこいつは片腕を…」

 

「動けるならばいい。 この作戦は犠牲を覚悟せよと命令が下っている。

 このまま犠牲を恐れていては無駄な被害を出すだけで終わってしまう。

 作戦がある、お前たちも覚悟を決めてもらう」

 

「「………」」

 

 二体のジュド級は僅かに思案した後、頷いて覚悟を決めた。

 

 作戦を聞いた二体は態勢を整えて、同時に乱戦になってゼータが暴れている場所に飛んでいく。

 ゼータも二体のジュド級が再び向かってきたことに気づいており、いつでも攻撃の回避行動がとれるように乱戦の中で警戒する。

 先ほどの様に拳を振るってくる距離の直前に、ジュド級二体はフィンガーレーザーと背部のバスターカノンをゼータに突然向けて一斉発射した。

 

「なに、味方ごと!?」

 

 予想外の攻撃に、ゼータは盾を構えて耐える。

 ゼータの周囲には乱戦状態で自身に向かってきているメカトピアの兵士がまだまだいた。

 自身を狙っていたとはいえ何体もの兵士が攻撃に巻き込まれている。

 そのような攻撃をしてくるとは思っておらず、ゼータは防御体勢を取らざるを得なかった。

 そしてジュド級の接近を許してしまう。

 

「しまった!」

 

「腕のお返しだ!」

 

 片腕となったジュド級の拳が防御体勢のゼータにクリーンヒットする。

 量産機であればその一撃で大破しているが、ゼータは吹き飛ばされひるむ程度で済んだ。

 その怯んだ所へもう一体のジュド級が両手でゼータを掴みかかった。

 

「捕らえました、隊長!」

 

「グゥ・・・・・・ォォォオオオ!」

 

「な、なに!」

 

 巨体差から一度捕まえれば力で抑えられると考えていたジュド級だが、ゼータは巨体の拘束を力ずくで振りほどいていく。

 左右から挟むように抑え込んでいた両手が、ゼータのパワーで開き始めていた。

 

「急いでください隊長!」

 

「任せろ!」

 

 慌てる声にジュド級の後ろから上級兵が現れてゼータに接近する。

 ゼータに急接近する際にジュド級の巨体の後ろに隠れていたのだ。

 上級兵の攻撃力では自分に有効打を一撃で与えるのは不可能だが、耐えられるからと言ってあえて攻撃を受けようとは思わない。

 だがジュド級の拘束から抜け出すにはもう少しかかるために、次の攻撃を避けられないと判断してゼータは衝撃に備える。

 

―ガキャンッ!―

 

 上級兵はゼータに体当たりをしてその衝撃でジュド級の手の間を抜けだす。

 体当たり程度で自身が破壊されるわけがないとゼータは困惑するが、上級兵の体調は近距離で隠し持っていた特殊武器を取り出す。

 

「これをくらえ!」 

 

「なんだ!? ガッ…ガガガ………」

 

 押し当てられるほどの距離までくれば自動で起動するという説明の下、特殊武器と呼ばれたものは動作し、ゼータの人工知能に干渉した。

 そしてその直後、ゼータは動きを止めてしまった。

 

 

 

「緊急事態ですマイスター。 ゼータの活動が停止しました」

 

 ゼータの動きが止まったことをオペレーターはハジメに告げる

 

「なに! まさかやられたというのか!?」

 

「いえ、システムシグナルは正常を示してしますが、本体が一切の行動を起こしません。

 ゼータ本人からの通信も無し」

 

「故障だというのか?」

 

「信号と観測だけでは原因を特定しきれません。

 いずれにせよ敵の真っただ中で機能停止しているは非常にまずいかと」

 

「確かにその通りだ! 向かわせたダブルゼータにゼータの回収の最優先を伝えろ。

 ファーストにもゼータ回収の最優先を各部隊に指示

 ゼータ回収後に、今日の戦闘を終えて後退する」

 

「了解」

 

 

 

 ハジメからの命令で各部隊の量産機が一気に動いた。

 ゼータの機能停止した近くの部隊から一斉にゼータの元へ動きはじめ、ダブルゼータも支援攻撃ではなくゼータの回収を目的としてその周囲の敵に対し攻撃を開始した。

 

「こいつが止まったら奴らの動きが急に変わりやがった」

 

「それだけこいつを止めたことに意味があったんだろう。

 どうします隊長。 こいつを連れて撤収しますか?」

 

「いや、特殊武器によって停止させられた敵は、回収が可能であればと上からの指示だ。

 奴らの動きを見る限り、無理に捕らえようとすればどんな逆襲をされるか想像もつかん。

 敵の指揮官機にも有効な武器があると分かっただけでも収穫だ。

 こいつはここに放置して距離を置く」

 

「「ハッ」」

 

 隊長機の指示で機能停止したゼータを放置して周囲の残存兵と共に撤退を開始する。

 そのあとすぐにダブルゼータが到着して、ゼータの状態を確認する。

 

「ゼータ、無事か!? ゼータ!

 駄目ですマイスター。 メカトピア兵はゼータを放置して撤収しましたが、肝心のゼータからは何の反応も帰ってきません。

 見たところ大きな損傷は無いように見えますが、反応だけまるでありません」

 

『そうか、原因がわからんなら詳しく調べてみるしかないな。

 今日の戦闘はこれで終了する。 ダブルゼータはムラサメ部隊にゼータを預けて撤収してくれ。

 ゼータは二番艦に撤収させて、後で僕が調査しておく。

 何らかの故障であれ敵に攻撃が原因であれ、明日ゼータが動けるとは限らないな。

 代役に同じ可変機のウイングでも用意しておくか』

 

 ハジメの指示の下、ゼータの機能停止を切っ掛けに戦闘を終了させた。

 メカトピア軍もゼータを機能停止させることに成功したとはいえ増長はなく、これまで通りハジメ達の撤退に合わせて戦闘終了を受け入れていた。

 今日の戦闘の被害のまとめや大破した機体の回収など、戦闘の片づけをやっていく。

 既に何日も同じことをやってきたので、その処理もハジメはだいぶ手慣れた様子で進んだ。

 

 

 

 ダブルゼータからムラサメ部隊に渡されたゼータは、そのまま二番艦に収容された。

 シグナルは間違いなく起動状態を示していたが、運び込まれ安置されるまでの間ゼータは沈黙を守っていた。

 周囲は戦闘後の後処理でムラサメと作業用ジムが動き回っていたが、そんな中で横たわっていたゼータが突然上体を起こした。

 

 それに周囲のモビルソルジャー達は反応しない。

 全て命令だけに従うタイプの量産型であり、人工知能は判断が必要な指揮官機とオペレーターのみに搭載されているからだ。

 故にこの場で即時に判断を下せるものは誰もいなかった。

 

 

 

―ビービービー―

 

 戦闘の後処理を終わらせようとしていたハジメは、突然の警報音を耳にする。

 これまでの戦闘でもなる事のなかった緊急の知らせだ。

 

「警報音!?」

 

「二番艦より入電。 停止していたゼータが動き出し格納庫で暴走をしているとのこと」

 

「暴走!? まさかそんなことが!?」

 

 ゼータを作ったハジメだが、100%とは言い切れないが暴走するような仕組みではなかったはずだ。

 これまでこの手の失敗などなかったハジメは、ゼータが自身の何からの設計ミスで暴走したとは思えなかった。

 何か原因があるとすれば、今日のメカトピアの戦闘と決定づける。

 

「今日のメカトピア軍の動きは確かにいつもと少し違った気がする。

 いったいゼータは何をされた」

 

「マイスター、どうなさいますか?」

 

「はっ! そうだな、まずはゼータを止めないと。

 緊急停止信号は?」

 

「既に試していますが機能しません」

 

「だろうな。 こんなことなら独立した自爆装置でもつけておくべきだったか」

 

 ハジメ達は自爆装置をロマンで付ける案もあったが、ドラ丸がいる手前そういったことはやり辛く取り付ける事はなかった。

 

「二番艦内のモビルソルジャー達はどうしている。

 ゼータの足止めをしているか?」

 

「はい、二番艦に搭乗しておられるマイスターの指示で既に動いています」

 

「そうだった、あっちにも僕が乗ってるんだった。

 念のため退去を」

 

「もう逃げてきてるよ」

 

 どこでもドアが現れ二番艦の艦長をやっていたハジメが現れた。

 

「オペレーターの提案でこっちに逃げるように言われてね」

 

「一体何があった?」

 

「聞いての通りゼータが格納庫で暴れまわってる。

 ムラサメたちに足止めをさせているけど、指揮官機相手じゃカカシで的になりに行くようなもんだ」

 

 量産機と指揮官機の性能にはそこまで隔絶した差が作られている。

 ひみつ道具程の性能は搭載されていないが、リアルロボットではなくスーパーロボットのような性能があるのだ。

 サイズの違うジュド級の拘束から逃れられるくらいの力がある。

 

「ファーストとダブルゼータにゼータを止めるように指示を出せ。

 最悪破壊する事も許可する」

 

「了解」

 

「くそっ」

 

 せっかく作ったゼータに破壊の指示を出さなければいけないことに悪態をつく。

 

「指揮官機の予備もこっちに連れてきておくべきだったか」

 

『間に合わないだろうが、今そちらに送れるだけのモビルソルジャー主要機を準備している』

 

「今できるのはそれくらいか。 ゼータが暴走するなんて…

 …どう思う?」

 

「暴走に脈絡が無さすぎる。 メカトピア軍に何かされたとしか思えない」

 

『情報部に戦闘記録を確認させるように指示も出した。

 後はゼータの暴走が止まるのを望むしかない』

 

「ファースト及びダブルゼータが、ゼータと戦闘を開始しました。

 二機が押しております」

 

「だろうな、あの三機に大きな性能差はない」

 

 モデルのモビルスーツは後に続くにつれて強くなる後継機だが、モビルソルジャーとしては武装による特性の違いはあれど、素体のスペックに大きな差はない。

 二対一なら数が多い方が勝つ。

 

「ゼータ変形しました。 格納庫より飛び立ちます」

 

「なに、外に出る気か!?」

 

「止めろ!」

 

 ハジメ達の望みも空しく、二番艦からゼータが飛び立ち遠くへ離れていく。

 向かった先はメカトピア本星。

 

「…偶然じゃないな。 ゼータ自身じゃない誰かの思惑でゼータは暴走、あるいは操られている」

 

「追わせますか、マイスター」

 

「いや駄目だ、なぜゼータがああなったかわからない以上迂闊なことはさせられない。

 ファーストとダブルゼータにはゼータを追わせず、注意を呼び掛けておけ」

 

『ゼータを奪われたままにはしておけないが、原因の究明が先決だ』

 

「それにこのタイミングでメカトピア軍が何かをする可能性もある」

 

「そういうわけだからファーストとダブルゼータは部隊の指揮のみに専念し周囲の警戒を。

 特にゼータの様に操られたら元も子もない。 敵機との直接の戦闘は控えさせろ」

 

「了解」

 

 そしてこの状況でメカトピア軍は動くことはなく、こちらの混乱に乗じて攻撃を仕掛けてくることはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 本日もぎりぎりアウトでの更新になっちゃいました。
 これはいけない感じです、気合を入れなおさないと。
 


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