遊戯王UA   作:akc

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第14話-運命のクロス・フォース

九十九遊馬

 

・LP4000

・手札3枚

・(モンスター)《ゴゴゴゴーレム》(ATK1800)

・(魔法・罠)1枚

 

 

黒咲隼

 

・LP4000

・手札1枚

・(モンスター)《RR-デビル・イーグル》(ATK1600)/《RR-アナザー・ファルコン》(ATK2700)

・(魔法・罠)なし

 

 

「行けッ!《RR-アナザー・ファルコン》!!」

「トラップ発動!《ハーフ・アンブレイク》!」

 

 

《ハーフ・アンブレイク》

通常罠

フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。このターン、選択したモンスターは戦闘では破壊されず、そのモンスターの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは半分になる。

 

 

「俺のモンスターは戦闘では破壊されず、戦闘ダメージは半分になる!」

「チッ…」

 

 

鋭いクチバシが突き刺したのは、《ゴゴゴゴーレム》ではなく、《ゴゴゴゴーレム》を覆うバリアのようなものであった。

 

 

九十九遊馬:LP4000→LP3550

 

 

「戦闘ダメージは受けたけど、デビル・イーグルの攻撃力は、《ゴゴゴゴーレム》より下だぜ!」

「俺はこれで、ターンエンドだ!(1)」

<遊馬:伏せなし 黒咲:伏せなし>

 

「よし、遊馬!《ゴゴゴゴーレム》はフィールドに残せた。エクシーズ召喚のチャンスだ!」

「ああ!俺のターン!(4)俺は手札から、《ガンバラナイト》を召喚!(3)」

 

『ガンバァァァァ!!』という声と共に、天より地上に着いたのが《ガンバラナイト》。気合い十分だが、攻撃力が0であるのが残念なところ。

 

「レベル4の《ゴゴゴゴーレム》と、《ガンバラナイト》で、オーバーレイ!2体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!」

 

 

現れろ、《No.39 希望皇ホープ》!!

 

 

《No.39 希望皇ホープ》(小説版)

エクシーズモンスター

ランク4/光属性/戦士族/攻撃力2500/守備力2000

レベル4モンスター×2

このカードは「No.」と名の付いたモンスター以外のモンスターとの戦闘では破壊されない。自分または相手のモンスターが戦闘を行う攻撃宣言時またはバトルステップ時に、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。そのモンスターの攻撃を無効にする。

 

 

「これは、アストラルが使っていたカード!ナンバーズは、お前のカードでもあるということなのか?」

 

遊士が遊馬にそう尋ねると、遊馬は明るい口調で答えた。

 

「ああ!ナンバーズは、俺とアストラルの絆の証なんだ!いくぜ!ホープで、《RR-デビル・イーグル》を攻撃!」

「デビル・イーグルのモンスター効果発動!オーバーレイユニットを1つ使うことで、敵の場にいるエクシーズモンスター1体の攻撃力分のダメージを与える!」

 

 

ホープ剣・スラッシュによる一撃がデビル・イーグルを斬るのと同時に、雨のように降る紫色の光が、遊馬を襲った。

 

 

「なにっ!ぐあっ!」

「さらに、エクシーズ素材となっていた、《RR-スカル・イーグル》の効果も発動!オーバーレイユニットとなっていたこのカードが取り除かれた場合、このカードを除外することで、墓地のRRと名の付いたカードを俺の手札に戻すことができる!俺は墓地から、《RR-アライブ》を手札に加える!(2)」

 

 

 

九十九遊馬:LP3550→LP1050

黒咲隼  :LP4000→LP3100

 

 

 

「2500ポイントの効果ダメージ!こりゃいてえな、遊馬、アストラル。」

「まだまだ!こんなんじゃ、俺のかっとビングは終わらねえぜ!」

 

「かっとビング…」

「なんだ?そのセンスの欠片も感じられない言葉は?」

 

遊士のその言葉に、遊馬はヘッドスライディングを能動的にするかのようにその場にこけた。

 

「センスありまくりだろーがー!」

「どういう意味なんだよ?」

 

「かっとビングってのは…ゆ」

 

 

「勇気を持って踏み出すこと。どんなピンチでも決して諦めないこと。あらゆる困難にチャレンジすること。その3つのことだ。いわばチャレンジ精神ということだ。」

 

 

「ってアストラル!おいしいところだけ持ってくんじゃねー!」

 

心の無さそうなアストラルがそれら3つを言い切ったことは、遊士にとっては確かに印象に残ることであった。遊馬が心から大切にしていることであり、彼が筋を通し続けていることへの、何よりの裏付けであった。

 

「確かに、諦めるという文字は、俺たちの辞書にもない。かっとビングか。遊士の言うように、センスの欠片も感じないが、いいだろう!!かかって来るが良い!!俺の、鉄の意志と鋼の強さを持ち合わせたデュエルに勝てるのなら!!」

「ああ!勝ってみせるぜ!カードを2枚伏せて、ターンエンド!(1)」

<遊馬:伏せ2枚 黒咲:伏せなし>

 

 

「俺のターン!(3)このスタンバイフェイズに、《RR-アナザー・ファルコン》のモンスター効果を発動!自分の墓地に存在するレイド・ラプターズを効果を無効にし、守備表示で特殊召喚する!」

 

 

《RR-デビル・イーグル》:守備力0

 

 

「レイド・ラプターズが蘇った!?」

「そして…お前たちに見せてやろう。本物のランクアップマジックをな!《RUM-スキップ・フォース》を発動!」

 

 

《RUM-スキップ・フォース》

通常魔法

①:自分フィールドの「RR」と名の付いたエクシーズモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターよりランクが2つ高い「RR」と名の付いたモンスター1体を、対象の自分のモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

②:自分の墓地からこのカードと「RR」と名の付いたモンスター1体を除外し、自分の墓地の「RR」と名の付いたエクシーズモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

 

 

「なにっ!?ランクアップマジックだって!?」

 

疑っていた訳ではないのだが、改めて遊馬とアストラルの知らないランクアップマジックが目の前で発動されたことに、驚きを隠せなかった。

 

遊馬は興奮しているようだが…

 

「すげぇ!どんなモンスターが出てくるんだ!?」

 

遊馬と黒咲とでは、2人の温度差を感じているのは黒咲だけであった。ランクアップマジックは、彼が戦場で覚えた感情そのもの。

 

「貴様ら…」

 

「スキップ・フォースは、俺のレイド・ラプターズよりも2つランクの高いモンスターへと進化させる!」

 

 

ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!!現れろ!RR-ブレイズ・ファルコン!!

 

 

《RR-ブレイズ・ファルコン》:攻撃力1000

 

 

「攻撃力1000じゃな!ホープは倒せないぜ!」

「甘いぞ!ブレイズ・ファルコンはオーバーレイユニットを持っている場合、相手に直接攻撃をすることができる!」

 

ブレイズ・ファルコンが夕焼けの空に飛翔すると、アストラルが思わず声をあげた。

 

「遊馬!これを受けたらライフが50になるぞ!」

「そんなこと言われなくたってわかってるって!ホープの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、モンスターの攻撃を無効にする!!」

 

 

ムーン・バリア!

 

 

《No.39 希望皇ホープ》:ORU2→ORU1

 

 

「ほう。そんな効果を持っていたか。ならば俺は、ブレイズ・ファルコンの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、敵の場に特殊召喚されたモンスターを全て破壊し、1体につき500ポイントのダメージを相手に与える!」

 

 

《RR-ブレイズ・ファルコン》:ORU1→ORU0

 

 

ブレイズ・ファルコンの飛ばした小型のビーム兵器がホープを取り囲み、一斉射撃を放った。

 

「させねえ!罠カード、《エクシーズ・バリア》を発動!俺のフィールドのモンスターはこのターン、カード効果で破壊されない!」

「またしても躱したか。だがこれは躱せまい!《RR-アナザー・ファルコン》で、希望皇ホープを攻撃!」

「攻撃力の差は200ポイント。だったら…」

 

 

巨大な翼をホープを打ちつけたアナザー・ファルコン。ホープはよろけたが、倒されてはいない。バトルが終わると、腰に手を当てて立っている。

 

 

九十九遊馬:LP1050→LP850

 

 

「ナンバーズはナンバーズ以外のモンスターとのバトルでは破壊されない。そうだったな…カードを1枚伏せて、ターンエンドだ。」(1)

<遊馬:伏せ1枚 黒咲:伏せ1枚>

 

「俺のターン!!(2)いくぜ!ホープで、《RR-ブレイズ・ファルコン》を攻撃!」

 

 

ホープ剣・スラッシュ!!

 

 

ブーメランのようにして投げられた剣は、ブレイズ・ファルコンの頭部に命中し、直後に爆破するようにしてブレイズ・ファルコンは倒された。

 

「ぐっ!」

 

 

黒咲隼:LP3100→LP1600

 

 

「だが俺のフィールドにはまだ、アナザー・ファルコンが残っている。これで更なるエクシーズモンスターを呼べば…」

「それはどうかな!」

「何だと?」

「リバースカード、オープン!罠カード、《オーバーレイ・ボム》!」

 

 

《オーバーレイ・ボム》

通常罠

自分フィールド上のエクシーズモンスターが相手モンスターを戦闘で破壊した場合に発動することができる。そのエクシーズモンスターのエクシーズ素材を3つまで、任意の数だけ取り除き、相手フィールド上に存在するカードをその枚数分だけ破壊する。

 

 

「ホープのオーバーレイユニットを1つ使い、相手のカードを1枚破壊する!俺はこの効果で、《RR-アナザー・ファルコン》を破壊するぜ!」

 

ホープが前方に胸を突き出すと、ホープのオーバーレイユニットがアナザー・ファルコンへと向かい、アナザー・ファルコンの胸元で光を放ち、爆発を起こした。

 

「アナザー・ファルコンッ!」

「よっしゃあ!これで2体とも撃破だぜ!」

「おのれ…貴様、これで終わりだと思うなよ!俺の…いや、俺たちレジスタンスの不屈の闘志を…終わりなき反逆を見せてやる!リバースカード、オープン!《反逆の狼煙》!」

 

 

《反逆の狼煙》

通常罠

 

 

「俺の闇属性モンスターが破壊されたターン、手札を1枚墓地に送り、自分のデッキから、ランクアップ・マジックを手札に加える!俺は手札から、《RR-アライブ》を墓地に送る!そしてデッキから、《RUM-レヴォリューション・フォース》を手札に加える!」

「また、ランクアップ・マジックか…」

 

アストラルがそう呟いたのを聞くと、遊馬は何かを感じたのか、先ほどから手札にある魔法カードをフィールドに伏せた。

 

「カードを2枚伏せて、ターンエンド。(0)」

<遊馬:伏せ2枚 黒咲:伏せなし>

 

黒咲の様子は、ここ数ターンで大きな変わりはない。レイド・ラプターズは全て破壊され、黒咲のフィールドは、かつての自分の故郷のようになっているが、それでも、鋭い眼差しで、遊馬を捉えている。

 

「この状況じゃ、さすがにキツイんじゃないか、黒咲は。」

「でもあいつ…このデュエルを諦めた目じゃないぜ。あいつにも、かっとビングの魂があるってことだ!」

 

「かっとビングなどと、くだらん。」

「なっ!」

 

 

「俺のターン!!(2)俺は墓地に存在する、《RUM-スキップ・フォース》の効果を発動!墓地のこのカードと、レイド・ラプターズを1体除外することで、墓地に存在するレイド・ラプターズと名のついたエクシーズモンスターを復活させる!俺は墓地から、《RR-スカル・イーグル》を除外し、《RR-ブレイズ・ファルコン》を復活!」

 

 

《RR-ブレイズ・ファルコン》:守備力2000

 

 

「スキップ・フォースにはそんな効果が。だから、アナザー・ファルコンがやられても、大丈夫なのか。すげえぜ!」

「感心している場合ではない!俺は手札から速攻魔法、《RUM-レヴォリューション・フォース》を発動!(1)」

 

 

《RUM-レヴォリューション・フォース》

速攻魔法

①:発動ターンによって以下の効果を発動できる。

●自分ターン:自分フィールドの「RR」と名の付いたエクシーズモンスター1体を対象として発動できる。ランクが1つ高い「RR」と名の付いたエクシーズモンスター1体を、対象の自分のモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

●相手ターン:相手フィールドのエクシーズ素材の無いエクシーズモンスター1体を対象として発動できる。そのエクシーズモンスターのコントロールを得る。その後、ランクが1つ高いエクシーズモンスター1体を、対象のモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

 

 

「ブレイズ・ファルコンをエクシーズ素材として、オーバーレイ!!」

「更なるランクアップか!」

 

 

誇り高きハヤブサよ、英雄の血潮に染まるその翼翻し、革命の道を突き進め!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!!現れろ!ランク6!《RR-レヴォリューション・ファルコン》!!

 

 

《RR-レヴォリューション・ファルコン》

エクシーズモンスター

ランク6/闇属性/鳥獣族/攻撃力2000/守備力3000

鳥獣族レベル6モンスター×3

①:このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。このターン、このカードは相手モンスター全てに1回ずつ攻撃できる。

②:このカードが特殊召喚された表側表示モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に発動する。そのモンスターの攻撃力・守備力を0にする。

③:このカードが「RR」と名の付いたエクシーズモンスターをエクシーズ素材としている場合、以下の効果を得る。

●1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを破壊し、その攻撃力の半分のダメージを相手に与える。

 

 

「かっけぇ…」

「レヴォリューション・ファルコンは、エクシーズ素材にレイド・ラプターズと名の付いたエクシーズモンスターを持っている場合、相手モンスターを破壊し、その攻撃力の半分のダメージを与える効果がある。遊馬!貴様のライフは残り850!これで終わりだ!」

「そうはいかねえ!罠カード、《オーバーレイ・ソウル》!フィールドのモンスターエクシーズのオーバーレイユニットを全て取り除くことで、発動したそのモンスター効果を無効にする!」

 

 

《No.39 希望皇ホープ》:ORU1→ORU0

《RR-レヴォリューション・ファルコン》:ORU1→ORU0

 

 

レヴォリューション・ファルコンは急上昇したものの、そこから爆撃を行うことはなく、再び黒咲の元へと戻った。

 

「これでお前のモンスターエクシーズのオーバレイユニットはなくなったぜ!」

「甘いな!《RR-レヴォリューション・ファルコン》は、特殊召喚されたモンスターと戦闘する場合、そのモンスターの攻撃力・守備力を0にする!これはオーバーレイユニットの有無には関係がない!しかも今のトラップで、貴様のホープのオーバーレイユニットはなくなった!攻撃を止めることはできない!」

「くそっ!」

「貴様の全てを聞かせてもらう!レヴォリューション・ファルコンの攻撃!」

 

 

レヴォリューショナル・エアレイド!!

 

 

だが、遊馬の口元が緩むのを黒咲は見逃さなかった。追いつめられているはずなのに、なぜ不敵な笑みを、そう考えたのは、彼だけではなかったはずだ。

 

「速攻魔法、《RUM-クロス・フォース》!!」

「なにっ…」

 

 

《RUM-クロス・フォース》

速攻魔法

相手の墓地に存在する「RUM」と名の付いた魔法カード1枚を選択して発動する。選択した魔法カードの効果をこのカードの効果として発動する。

 

 

「相手の墓地に存在するランクアップマジックを発動する!」

「バカなっ、俺の墓地のランクアップ…!?やはり貴様は、俺がランクアップマジックを使用することを知っていて…」

「それはちげえ!俺は、いや、俺とアストラルは、ランクアップマジックを使って戦うデュエリストたちと、今でも戦っている最中なんだ!だからその対策に、このカードを入れていたんだ!」

「ランクアップマジックを使って戦うデュエリスト…たち…?」

 

ランクアップマジックについての情報を得るため、黒咲は遊馬にデュエルを仕掛けた。黒咲の墓地にある魔法カードの中で、発動条件を満たすカードは1枚しかない。黒咲は、このデュエルの結末が見えていた。それゆえその情報を手に入れることに注がれたその闘志は、徐々に薄れていった。

 

「いくぜ!俺はお前の墓地にある、《RUM-レヴォリューション・フォース》を発動!相手フィールドのオーバーレイユニットのないモンスターエクシーズのコントロールを得て、そのモンスターよりも1つランクが高いモンスターエクシーズへと進化させる!ランク5の《RR-レヴォリューション・ファルコン》で、オーバーレイ!!」

 

黒咲は思わず手を伸ばした。その光景は、奪われた者がいる黒咲にとって、見たくないものの一つであったことは間違いない。

 

 

熱き魂を引き絞り、狙いをつけろ!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!!《ガントレット・シューター》!!

 

 

《ガントレット・シューター》

エクシーズモンスター

ランク6/地属性/戦士族/攻撃力2400/守備力2800

レベル6モンスター×2

自分のメインフェイズ時、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターを破壊する。

 

 

「ガントレット・シューター。俺のモンスターが…エクシーズ素材に使われただと…」

「黒咲!我々は負ける訳にはいかない!ナンバーズを求めて戦う以上、負けは許されないのだ!いくぞ、遊馬!」

「おう!俺のターン!(1)《ガントレット・シューター》で、ダイレクトアタック!」

「くっ…俺は…仲間たちを助けるために…」

 

 

 

黒咲隼:LP1600→LP0

 

 

 

もう既に陽は沈み、夜の闇が辺りを包み込もうとしていた。彼ら3人は、開きかかっている倉庫の前で、佇んでいる。

 

「俺は…デュエルをすれば皆仲間だというお前の言葉を、飲み込むことはできない。」

「黒咲。でも、伝わったんだ!」

「伝わった…?」

「お前の思いだ!お前がなぜレヴォリューション・ファルコンを使ったのか。どうしてレヴォリューション・フォースを手に入れたのか!そして、お前がなぜ、取り戻したいものがあるのか…その気持ちは伝わったんだ!」

「貴様に同情される覚えはない!だが……俺は敗北した。戦場での敗北が、何を意味するか、それはお前もわかるだろう。」

 

 

「バリアン。」

 

 

突如アストラルに言われたその単語は、ボリュームとしてはあまり大きくはなかったものの、閑静な場所であるからか、彼らに響いた。

 

「何?」

「我々は、バリアンと戦うためにこのランクアップマジックを使っている。」

「バリアン…だと?」

「でも、アストラル。黒咲はいきなりバリアンなんて言われても…」

「いや、彼の認識しているエクシーズ次元と、我々の認識しているエクシーズ次元が異なる理由だ。その認識がずれているから、君からすれば、我々をそう簡単に信じることができないのだろう?」

 

敗北し、彼らに背を向け、歩き出そうとしていた黒咲は振り返った。

 

「聞いたことのない名前だ。」

「黒咲!俺たちに力を貸してくれ!バリアンが悪い奴なんだ!そいつを倒せば、きっとお前の失った人たちも返ってくる!」

「勘違いをするな。俺は大切な人を奪ったのが誰かまではわかっている。」

「えっ…?」

「融合次元という次元の者だ。どうやらそいつらとは関係無さそうだな…」

 

再び彼らに背を向けた黒咲に、今度は遊士が声をかけた。

 

「おい。力を貸してやったらどうなんだよ?」

「貴様には関係のないことだ!」

「お前、負けたじゃねえか、遊馬に。お前にとっては、デュエルってのは生死を賭けた戦いなんだろ?それだったら、命をもらった訳じゃねえか。」

「…」

 

「頼む、黒咲!バリアンを倒すためには、一人でも多くの…」

「うるさい、黙れ!!」

「黒咲っ!」

「……少しだけだ。少しの間だけだ!!」

「おおおっ!!ありがとう、黒咲!!」

 

 

「おい。盛り上がっているところ悪いんだけどさ、俺、そろそろ向こうの次元に戻りたいんだけど。」

「遊士!お前もこっちにいればいいのに…」

「お前のところにいつまでもいる訳にはいかねえだろ?それに、俺はまだ大会の最中だって…って、あれ?黒咲…お前、大会は?」

 

「あんな茶番に出る必要はない。俺は招待されただけだ。もしも俺を求める奴がいるとするのなら、次元を超えてでも、会いに来るだろうからな。」

 

「あっ、そう。じゃあ、遊馬、アストラル。短い間だったけど、ありがとな。」

「本当に短かったな!」

「大丈夫だ。また我々は会える。」

 

不思議であった。根拠はないはず。少なくとも遊士の中には根拠はない。なのだが、アストラルのその言葉を、信じざるを得なかった。

 

 

「ああ、またな!!」

 

 

気が付けば良かった。思い出せれば良かった。エクシーズ次元に来たのが、あの光に包まれたのが、彼ら2人だけではなかった…

 

彼が手を取ろうとしていた、大切な人もまた、そうであったということを…

 

(次回に続く)

 

 

 

 




<今日の最強カード>
《RUM-クロス・フォース》
速攻魔法
相手の墓地に存在する「RUM」と名の付いた魔法カード1枚を選択して発動する。選択した魔法カードの効果をこのカードの効果として発動する。


<次回の最強カード>
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