遊戯王UA   作:akc

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第37話-悪魔と機械のオーバーレイ

何メートル転落したのか、そんなことにも頭が回らず、バリアン七皇の一人、アリトは遊士とのデュエルでの敗北を噛みしめていた。

 

「くそっ。まさか俺が…負けるとはな。」

「あぁ、俺もそう思ったぜ。」

 

暗闇の中からのその声によって、アリトは瞬時に首を後ろに向けた。満身創痍の彼にできることは、それが精一杯であった。

 

「誰だ!?」

「誰って、俺だよ、俺。ベクター!」

「ベ…ベクター?ヘッ。負けて無様な俺の姿を見に来たか。趣味の悪い奴だな!」

「そんな冷たい言い方するなよなぁ?俺らはバリアン七皇同士だろ?」

「その蔑んだような目のことを、俺は言って…うっ!」

 

これ以上喋らせまいとしたのかは不明だが、ベクターは黙って掌をアリトに向け、そこからギラグに対してやったことと同じく、邪悪なオーラを出し始めた。

 

「ベ…ベクター…てめえ…」

「わりいな、アリト。俺にとっちゃ、お前が負けても勝っても、どっちでも良かったんだよぉ!これがお前の…結末だからさ!!」

 

(す…すまねえ…七皇のみんな。ギラグ…)

 

アリトは果たして感じ取ることができたのだろうか。自分自身が光の粒となっていく過程を。

 

 

------

 

Ⅳ&零児

 

・LP300

・手札(Ⅳ:2枚)(零児:3枚)

・(モンスター)なし

・(魔法・罠)《供託手続の契約書》(∞)/1枚

 

ヌメロ兄弟

 

・LP3000

・手札(ロウ:0枚)(ハッグ:4枚)

・(モンスター)《No.51 怪腕のフィニッシュ・ホールド》(ATK2600)(ORU0)/《No.75 惑乱のゴシップ・シャドー》(ATK2600)(ORU1)(+)

・(魔法・罠)《ルインズ・レート》(発動中)/《ナンバーズ・エディター)(+)

 

 

零児の目の前で開いた永続罠、《供託手続の契約書》が《ルインズ・レート》の闇の波動を受け止め、ダメージを防いだ。

 

「ほう。仕留めそこなったか。」

「君らはお互いのことをパートナーだって認めていない、みたいな感じだったけど?」

 

突然のそのロウの質問に、零児が一歩前に出て答えた。

 

「ほんの数ターンではあったが、タッグデュエルを通じて私はわかったのだ。彼が如何にしてナンバーズという強大なものに対して立ち向かうデュエリストなのかをな。」

「零児。」

「それに、君にどんな事情があれ、我々に負けは許されない。そうだろう。」

「ヘッ。そりゃそうだ。」

 

「残念だが、君たちでは我々を倒すことはできないがな。私はカードを3枚伏せて、ターンエンド!(1)」

<Ⅳ&零児:伏せ1枚 ヌメロ兄弟:伏せ3枚>

 

「ではいこう。私のターン!(4)このスタンバイフェイズに、《供託手続の契約書》の効果を発動!自分は1000ポイントのダメージを受ける!」

「フッ。結局はその場しのぎか!!これは傑作だね!」

 

勝利を確信したからか、今まで以上にロウは高らかに笑ったが、その笑いを消したのは、《供託手続の契約書》のカードそのものだった。

 

「…ダメージが発生していない?」

「《供託手続の契約書》は、あらゆる効果ダメージを無効にする。もちろん、このカードの効果によって発生するダメージも例外ではない!」

「だが、お前の言うリスクって奴を払わなきゃいけねえんじゃねえのか?」

「その通りだⅣ。次の我々のターンのスタンバイフェイズには《供託手続の契約書》は破壊され、この効果で破壊された時、無効にしたダメージ分のダメージを受けることになる。」

 

「何!?」

「それじゃあ、次のⅣ兄様のターンが来たら、無効にした2000ポイントのダメージを受ける!?」

 

それをⅢが言い終わるか言い終わらないかのタイミングで、零児が言い放った。

 

「私はカードを1枚伏せる!(3)」

「…」

 

「そして私は永続魔法、《魔神王の契約書》を発動!(2)」

 

 

《魔神王の契約書》

永続魔法

「魔神王の契約書」の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。

①:自分メインフェイズに発動できる。自分の手札・フィールドから、悪魔族の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。「DD」融合モンスターを融合召喚する場合、自分の墓地のモンスターを除外して融合素材とする事もできる。

②:自分スタンバイフェイズに発動する。自分は1000ダメージを受ける。

 

 

「手札またはフィールドから、悪魔族の融合モンスターの素材を墓地に送り、その融合モンスターを召喚する!私は手札から、《DDD完醒王ザッハーク》と、《DDD死偉王ヘル・アーマゲドン》を融合!(0)」

 

 

神々の黄昏を打ち破り、押し寄せる波の勢いで、新たな世界を切り開け!融合召喚!出現せよ、極限の独裁神!《DDD怒涛壊薙王カエサル・ラグナロク》!!

 

 

《DDD怒涛壊薙王カエサル・ラグナロク》

融合モンスター

レベル10/闇属性/悪魔族/攻撃力3200/守備力3000

「DDD」モンスター×2

➀:1ターンに1度、このカードが戦闘を行う攻撃宣言時に、このカード以外の自分フィールドの「DD」カードまたは「契約書」カード1枚を対象として発動できる。そのカードを持ち主の手札に戻し、このカードと戦闘を行うモンスター以外の相手フィールドの表側表示モンスター1体を選んで装備カード扱いとしてこのカードに装備する。

➁:このカードの攻撃力は、このカードの効果で装備したモンスターの元々の攻撃力分アップする。

 

 

「ほう。ここに来て攻撃力3200のモンスターを出してきたか。」

「ようやくお前もやる気になったか、零児!」

 

「けど、Ⅴ兄様。ナンバーズはナンバーズでなければ倒せない。いくらカエサル・ラグナロクの攻撃力が高くても、600ダメージを与えるに留まりますよ。」

「それは彼が一番よくわかっていることだろう。」

 

 

(カエサル・ラグナロクは、自身のDDと名の付くカードまたは契約書を私の手札に戻し、戦うモンスター以外の相手モンスターを装備し、その攻撃力分攻撃力を上げる効果がある。カエサル・ラグナロクでゴシップ・シャドーに攻撃を仕掛け、私の契約書を手札に戻しつつ怪腕のフィニッシュ・ホールドを装備すれば、カエサル・ラグナロクの攻撃力は5800となる。確かにゴシップ・シャドーは、オーバーレイユニットを使えばモンスター効果を書き換えられる強力なナンバーズ。だが、その効果を使うためにはオーバーレイユニットが2つ必要となる!)

 

 

《No.75 惑乱のゴシップ・シャドー》:ORU1

 

 

(問題は彼らの場の3枚の伏せカードだが…考えていたところで彼らの伏せカードが何かわかる訳ではない。ならば…)

 

「バトルだ!《DDD怒涛壊薙王カエサル・ラグナロク》で、《No.75 惑乱のゴシップ・シャドー》を攻撃!」

 

波の中にでもいるかのようなオーラを纏ったカエサル・ラグナロクが惑乱のゴシップ・シャドーの方へと体を向けた。

 

「この瞬間、カエサル・ラグナロクのモンスター効果発動!戦闘を行う相手モンスター以外のモンスターを装備し、その攻撃力を、このカードの攻撃力に加える!」

「なっ…」

「私は《魔神王の契約書》を手札に戻し、装備するのは…当然、《No.51 怪腕のフィニッシュ・ホールド》!」

 

カエサル・ラグナロクがその巨大な手を広げると、そこに引き寄せられるようにして、怪腕のフィニッシュ・ホールドが吸収されそうになったが、吸収を終えていない段階で、カエサル・ラグナロクはその手を閉じた。

 

「どうした、カエサル・ラグナロク!?」

「無駄な足掻きだったな!惑乱のゴシップ・シャドーをよく見てみるが良い!」

「あ…あいつにはオーバーレイユニットがねえ!さっきまで1つあったのによ!」

「ない、ということは…使ったということか?」

「そうだ。私は罠カード、《オーバーレイ・ブリード》を発動していたのだ。」

 

 

《オーバーレイ・ブリード》

通常罠

 

 

「この罠カードは、自分フィールドに2体以上エクシーズモンスターが存在する場合、墓地のモンスターをその数だけ選び、それぞれのモンスターの下に重ねてオーバーレイユニットとすることができる!これで、惑乱のゴシップ・シャドーに2つ目のオーバーレイユニットが乗り、モンスター効果が使用できたということだ!さあ再び、カードを引くが良い!(2)」

「クッ。(1)だがバトルはまだ続いている!カエサル・ラグナロクで、惑乱のゴシップ・シャドーを攻撃!」

 

 

ジ・エンド・オブ・ジャッジメント!!

 

 

「罠カード、《軍神の采配》を発動!攻撃対象となるモンスターは私が決める!さあ、怪腕のフィニッシュ・ホールドに攻撃をするが良い!」

「しまった!モンスター効果を…」

 

 

ヌメロ兄弟:LP3000→LP2400

 

 

「《No.51 怪腕のフィニッシュ・ホールド》のモンスター効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、このカードにカウンターを1つ置く!!」

 

「またそれかよ。いい加減しつこいぜ。」

 

 

《No.51 怪腕のフィニッシュ・ホールド》:ORU1→ORU0/カウンター0→カウンター1

 

 

「このターンで仕留めることはできなかったか。カードを1枚伏せて、ターンエンドだ!(0)」

<Ⅳ&零児:伏せ3枚 ヌメロ兄弟:伏せなし>

 

「このターンで仕留めることはできなかった……?そんなセリフが良く言えたものだね!僕がこのターンで仕留めてあげるよ!僕のターン!(1)」

 

ロウがドローした永続魔法、《ナンバーズ・リワード》を一瞥していると、零児の声が遺跡内に響いた。

 

「だが、君のナンバーズでは、カエサル・ラグナロクを倒すことはできない!」

 

「そんなことがわからない我々だと思うか?私は場の罠カード、《オーバーレイ・ハンマー》を発動!」

 

 

《オーバーレイ・ハンマー》

通常罠

 

 

「発動後オーバーレイユニットとなり、私のフィールドのエクシーズモンスターの下に重ねられる!私はこのカードを、《No.51 怪腕のフィニッシュ・ホールド》の下に重ねる!」

「なに?」

「これで、怪腕のフィニッシュ・ホールドの攻撃力は1000ポイントアップする!」

 

 

《No.51 怪腕のフィニッシュ・ホールド》:攻撃力2600→攻撃力3600

 

 

「バトル!フィニッシュ・ホールドで、カエサル・ラグナロクを攻撃!」

「な…」

「カエサル・ラグナロクの攻撃力は3200ポイント。そしてフィニッシュ・ホールドは3600ポイント。その差は400!お前たちのライフは残り…300!これで止めだ!」

 

仁王立ちする零児の目の前にいるカエサル・ラグナロクに対し、フィニッシュ・ホールドの拳が近づいてくる。物凄い速さであったはずだが、彼にはスローモーションのように見えた。

 

そんなことを考えている刹那、カエサル・ラグナロクの前に出たのはⅣであった。

 

「罠カード、《ギミック・フェイカー》を発動!」

 

 

《ギミック・フェイカー》

通常罠

相手ターンでのみ発動可能。このカードは発動後装備カードとなり、自分フィールド上に存在するモンスター1体に装備される。装備モンスターはレベルが2つ下がり、効果は無効化される。また、装備モンスターは1ターンに1度だけ、戦闘によっては破壊されず、装備モンスターの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは半分となる。

 

 

突然カエサル・ラグナロクの体がやせ細り、四肢に細い黒い棒が入り込み、まるで操り人形のようになってしまった。

 

「Ⅳ!すまない!!……ぐっ!」

「《ギミック・フェイカー》によって、カエサル・ラグナロクはギミック・パペット化し、バトルダメージは半分となる!ヘッ。お前に貸しがあるままってのは、気に入らねえからな!」

 

 

Ⅳ&零児:LP300→LP100

 

 

空中で体勢を立て直し、その場に着地した零児を見ると、ⅢとⅤは安堵の息を漏らした。Ⅳは口では「フンッ!」と言っていたが、その表情には笑みが見えた。

 

「くっ!しぶとい奴らめ!だがバトルを行ったことで、《No.51 怪腕のフィニッシュ・ホールド》のモンスター効果を発動!オーバーレイユニットを1つ使い、このカードにカウンターを1つ置く!」

 

 

《No.51 怪腕のフィニッシュ・ホールド》:ORU1→ORU0/カウンター1→カウンター2

 

 

「僕はさらに永続魔法、《ナンバーズ・リワード》を発動!」(0)

 

 

《ナンバーズ・リワード》

永続魔法

「No.」と名の付いたモンスターの効果によって、相手フィールド上に存在するカードが破壊された場合、その時に破壊されたカード1枚につき、相手に1000ポイントのダメージを与える。フィールド上に表側表示で存在するこのカードが相手によって破壊された場合、自分のデッキからカードを1枚ドローする。

 

 

「ナンバーズの効果によって相手のカードが破壊された場合、1枚につき1000ポイントのダメージを与える!これで君たちにはもはや成す術はない!」

「やはり。そのモンスターにはカードを破壊する効果がある訳だな?」

「そうさ!怪腕のフィニッシュ・ホールドには、カウンターが3つある場合、戦闘を行ったバトルフェイズ終了時に相手フィールドのカードを全て破壊する効果がある!」

「ロウ。お前は頭に血が上るとすぐに…」

「上ってなんかいないよ、兄さん!それに、いいじゃないか!効果がわかったところで、どうせ彼らは僕らを倒すことはできない!僕らの持つナンバーズ、4枚のうち、1枚だけ持って帰るという訳さ!」

 

「4枚…」

 

そうⅤが呟いたのをハッグは見逃さなかった。その直後に、Ⅳがロウに向かって言い放った。

 

「けど、お前のナンバーズにはもうオーバーレイユニットがねえじゃねえか!それでどうやって3つ目のカウンターを溜めるんだよ?」

「フッ!《No.75 惑乱のゴシップ・シャドー》の効果発動!」

 

 

ゴシップ・コンバート!!

 

 

フィールドに存在していたゴシップ・シャドーがその姿を光の玉のようなものに変えたかと思うと、それが怪腕のフィニッシュ・ホールドの周囲を飛び始めた。彼らにはすぐにわかった。その玉が何を表しているのか…

 

「ゴシップ・シャドーが…オーバーレイユニットに!?」

「そう!このカードは自身が持つオーバーレイユニットごと、他のナンバーズのオーバーレイユニットにすることができるのさ!」

 

 

《No.51 怪腕のフィニッシュ・ホールド》:ORU0→ORU1

 

 

「これでは次のⅣのターンで、仕掛けにくくなった。動くべき時ではなくなったのか。」

「いや、そうはいかないね!ゴシップ・シャドーに装備されていた、《ナンバーズ・エディター》の効果が発動される!このカードが墓地に送られた次の相手ターン、バトルフェイズを行い、モンスターでの攻撃をしなければならない!しなければ、そのペナルティとして、ゴシップ・シャドーの攻撃力1000ポイント分のダメージを受けてもらう!」

 

「ロウ!もういいだろう。ターンが終わりなら…」

「わかっているよ、兄さん!僕はこれで、ターンエンド!(0)」

<Ⅳ&零児:伏せ2枚 ヌメロ兄弟:伏せなし>

 

ロウはターンを終えると、思い出したかのような顔を見せ、すぐ後に笑みを浮かべた。彼の視線の先には、Ⅳと零児の永続罠、《供託手続の契約書》があった。

 

「そういえば!次のⅣのターンのスタンバイフェイズだったね!《供託手続の契約書》の効果が発動するのは!黙っていても、君たちは負けるんだったね!」

 

 

それは思った。そう。Ⅳからしてみれば、《供託手続の契約書》の存在を忘れることなどあり得ない。零児の発動した罠カードで、チームとは言え、自分のターンで、ライフが0になるのだから。

 

零児のターンが終わり、零児は黙って後ろに下がり、Ⅳが中央の魔法・罠カードゾーンの真後ろに立つ形となった。ここからハッグのターンが終わるまでは、Ⅳ&零児チームではⅣが主導権を握ることとなる。

 

目の前にあるのは、《供託手続の契約書》、カエサル・ラグナロクの効果が書き換えられたことで手札に戻ることはなかった《魔神王の契約書》、そして《ギミック・フェイカー》と伏せカードが2枚。

 

その伏せカードを見た時、Ⅳはある光景を思い出した。そして彼は思わず、後ろにいる零児に顔を向けた。

 

2人とも同時に、微かに、首を縦に動かした。そんな気がした。

 

 

「ヘッ。いくぜ!!俺のターン!(3)このスタンバイフェイズに、《魔神王の契約書》の効果と、《供託手続の契約書》の効果が発動!それぞれ1000のダメージを受ける!」

「フッ!これで終わりだよ、2人とも!自らの契約書で、破産する時だっ!」

 

2枚の契約書のカードイラストの部分が同時に光ると、ロウがそう高らかに言ったが、それを言い終わるか言い終わらないかのところで、2枚の契約書は砕け散った。

 

「契約書…?そんなもの…」

「なっ…!?」

「私は罠カードを発動させてもらったよ。《契約洗浄(リース・ロンダリング)》をね!このカードの効果で、フィールドの契約書を全て破棄し、1枚につき1000ポイントのライフを回復し、回復ライフ1000ポイントにつき1枚ドローする!さあ、Ⅳ!カードをドローするがいい!」

 

 

Ⅳ&零児:LP100→LP2100

 

 

「ケッ。とんでもねえ社長だな。けどよ…嫌いじゃねえぜ、そういうの!ドロー!!(5)手札から、《ギミック・パペット-ボム・エッグ》を召喚!(4)」

 

 

《ギミック・パペット-ボム・エッグ》:攻撃力1600

 

 

「そしてこいつを対象に魔法カード、《レベル・クロス》を発動!手札を1枚墓地に送り、(2)ボム・エッグのレベルを2倍にする!」

 

 

《レベル・クロス》

通常魔法

手札1枚を墓地へ送って発動する。 自分フィールド上に存在するレベル4以下のモンスター1体のレベルは倍になる

 

 

《ギミック・パペット-ボム・エッグ》:☆4→☆8

 

 

「さて、《ギミック・フェイカー》の効果で、カエサル・ラグナロクのレベルは今現在8だ!」

 

 

《DDD怒涛壊薙王カエサル・ラグナロク》:☆8

 

 

「いくぜ、俺はレベル8となったボム・エッグと、レベル8となったカエサル・ラグナロクで、オーバーレイ!!2体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!」

 

 

万物を従えし異次元の覇者よ!使者の血肉を啜り、滅びの権利を行使せよ!《DDDギミック・パペット-カラミティ・デーモン》!!

 

 

6メートルほどの高さで彼らを見下ろすのは、《DDDギミック・パペット-カラミティ・デーモン》。頭部以外は金色であり、5メートルほどの巨大な錫杖を持つ姿は、デステニー・レオを彷彿させるが、頭部は明るい緑色であり、2本の角の生えた、羊のような悪魔のような、気味の悪さを持っている。

 

「こ…これは!?」

 

 

《DDDギミック・パペット-カラミティ・デーモン》:攻撃力2500

 

 

「図体の割には攻撃力は2500か。それでは残念だが、怪腕のフィニッシュ・ホールドには及ばんな。」

「舐めんなよ!俺はカラミティ・デーモンの効果発動!1ターンに1度だけ、墓地の悪魔族か機械族のモンスター1体を選び、このカードに装備し、その攻撃力分だけ、攻撃力をアップさせる!俺は墓地の、《CNo.15 ギミック・パペット-シリアル・キラー》を装備し、攻撃力を2500ポイントアップさせる!」

 

 

《DDDギミック・パペット-カラミティ・デーモン》:攻撃力2500→攻撃力5000

 

 

「攻撃力5000!?」

「フッ。安心しろロウ。私は墓地の罠カード、《オーバーレイ・ハンマー》のもう一つの効果を発動する!」

「兄さん!」

「相手モンスターの攻撃力がアップした時、墓地からこのカードを除外することで、オーバーレイユニットを持った怪腕のフィニッシュ・ホールドの攻撃力は2000ポイントアップする!」

 

 

《No.51 怪腕のフィニッシュ・ホールド》:攻撃力3600→攻撃力5600

 

 

「これで再び、フィニッシュ・ホールドの攻撃力が、カラミティ・デーモンの攻撃力を上回ったな。」

「くっ。」

「諦めるのは早い!私は永続魔法、《戦神との不正契約書》を発動!」

 

 

《戦神との不正契約書》

永続魔法

➀:1ターンに1度、自分・相手のメインフェイズに、 自分フィールドの「DD」モンスター1体と 相手フィールドのモンスター1体を対象としてこの効果を発動できる。 このカードがフィールドに存在する限り、バトルフェイズ終了時まで、 対象の自分モンスターの攻撃力は1000アップし、 対象の相手モンスターの攻撃力は1000ダウンする。

➁:自分スタンバイフェイズに発動する。 自分は1000ダメージを受ける。

 

 

「自分フィールドのDDモンスターの攻撃力を1000ポイントアップさせ、相手モンスターの攻撃力を1000下げる!」

 

 

《DDDギミック・パペット-カラミティ・デーモン》:攻撃力5000→攻撃力6000

 

 

《No.51 怪腕のフィニッシュ・ホールド》:攻撃力5600→攻撃力4600

 

 

 

「なっ!」

「何だと!?」

 

「Ⅳ。もしも我々が意志疎通を図ることができるデュエリスト同士ならば、どんな兄弟が相手だろうと、負ける可能性は低いな?」

「ヘッ。そういうところがいちいちムカつくぜ!負ける可能性は低い…じゃなくてよ、負けることはありえねえ、だろうが!」

「ビジネスに絶対はない!だが…気概という意味なら、絶対、と言えるかもしれんな。」

「ケッ。癪に障るぜ!」

 

そう言いながら楽しそうに笑みを浮かべるⅣは、腕を前に伸ばして、カラミティ・デーモンの攻撃を宣言した。

 

「俺は《DDDギミック・パペット-カラミティ・デーモン》で、フィニッシュ・ホールドを攻撃!」

 

 

全てを滅ぼせ、エクスペル・ディザスター!!

 

 

カラミティ・デーモンの持つ杖から、光と闇の雷が混じりあい、フィニッシュ・ホールドへと向かっていく。

 

 

ヌメロ兄弟:LP2400→LP1000

 

 

「だが、戦闘ダメージは受けたが、私たちのライフポイントは残る!」

「それに、バトルが終わった時には、フィニッシュ・ホールドの効果が発動し、君たちのフィールドのカードは全て破壊される!そして、《ナンバーズ・リワード》の効果で、破壊したカード1枚につき1000ポイントのダメージを与える!」

 

「バトルが終わった時にはな!!」

「何…?」

「残念だが、てめえらのライフは、バトルが終わる時には残ってねえ!俺はカラミティ・デーモンのモンスター効果を発動!オーバーレイユニットを1つ使い、モンスターをバトルで破壊した時、お前のフィールドのカードを全て破壊し、1枚につき1000ポイントのダメージを与える!」

 

「な…バカな…」

「我々が、カード1枚につき1000ポイントのダメージ…だと?」

 

地面にぶつかった閃光の塊がその場で弾け、大きな爆発が起こり、ヌメロ兄弟は後方に吹き飛ばされた。

 

「うわあああああっ!」

「ぐわああああっ!」

 

 

ヌメロ兄弟:LP1000→LP0

 

 

「おおっ!」

「Ⅳ兄様と赤馬零児のタッグが勝った!!」

 

「ヘッ!」

「フッ…」

 

彼らに言葉はなかった。一瞬目を合わせて笑みを見せた。それだけで、勝利を分かち合うのには十分すぎる時間だった。

 

「くっ…こんなはずじゃない!今のは…たまたまだ!もう一度デュエルすれば…」

「やめろ、ロウ。負け惜しみほどみっともないものもない。」

「兄さん。こいつらに…ナンバーズを渡すの?」

「ああ。彼らの実力は、ナンバーズを手にするのに相応しい。」

 

ハッグはその場で立ち上がり、近づいてきたⅣに2枚のナンバーズを渡した。

 

「《No.51 怪腕のフィニッシュ・ホールド》に、《No.75 惑乱のゴシップ・シャドー》か。よし。」

「兄様!あそこに出口がありますよ!」

 

Ⅲの指先に、光の漏れる場所があったことで、そこがすぐに出口だとその場にいたものにはわかった。

 

だが、出口に進みかけた時、Ⅴは踵を返した。

 

「待て。ナンバーズは全部で4枚ではなかったのか?」

「そういえば!てめえ、あと1枚はどこだ?」

「あぁ。ロウが言ってしまったな。」

「それは…確かにあったんだけどね。つい最近ここを訪れたデュエリストが…今渡したナンバーズ2枚と引き換えに持って行ってしまったんだ。」

「何だと!?それじゃてめえら、ナンバーズを守ってるとかなんとか言っておきながら、全然守ってねえじゃねえか!」

 

「そんなことはない!」

「そうだ!」

 

「話にならんな。やはり私が動くべき時ではなかったか。」

 

 

Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ、零児の4人はその遺跡から出ていくこととした。周囲を夜の闇が包んでいると思った矢先、遊歩道のようなところから出て、鉄橋に差し掛かったところで若い男性に声をかけられた。

 

「おい。」

 

「ン…?」

「誰だお前?」

 

真っ白のスーツに身を包み、眼鏡をかけた狐目で茶髪の男性が、そこに立っていた。夜であるためか、かなり目立っている。

 

「お前ら…そのナンバーズ、渡してもらおうか。」

 

「何。」

「何だと!?」

 

 

 

(次回に続く)

 




<今日の最強カード>
《No.75 惑乱のゴシップ・シャドー》(小説版)
エクシーズモンスター
ランク3/風属性/魔法使い族/攻撃力1000/守備力2600
レベル3モンスター×2体以上
このカード名の➂の効果は1ターンに1度しか使用できない。
➀:このカードは「No.」と名の付いたモンスター以外のモンスターとの戦闘では破壊されない。
➁:1ターンに1度、相手モンスターの効果が発動した時、このカードのエクシーズ素材を2つ取り除いて発動できる。その効果は「お互いのプレイヤーは、それぞれデッキから1枚ドローする」となる。
➂:このカード以外の自分フィールドの「No.」と名の付いたエクシーズモンスター1体を対象として発動できる。このカードをそのモンスターの下に重ねてエクシーズ素材とする(このカードがエクシーズ素材を持っている場合、それらも全て重ねてエクシーズ素材とする)。


<次回の最強カード>
《コズミック・フリッパー》
効果モンスター
レベル4/光属性/戦士族/攻撃力1600/守備力1200



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