遊戯王UA   作:akc

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第40話-俺様系デュエリスト!夜の騎士(ナイト)

ダイソン・スフィアの一撃を受けてムジョウは大きく吹き飛び、鉄橋に腕をぶつけ、その際に彼のデュエルディスクもぶつかった。

 

「しまった!」

 

デュエル中にはオーディオボタンを押しても反応しないため、毒針が飛び出ることはないと踏んでいたⅢたちは恐れてはいなかった。そう思った直後、彼の左腕についていたデュエルディスクが外れた。

 

「壊れたか…クッ!」

「フッ。これで毒針とやらも、無意味だな。」

「もはや使うつもりはない。負けは負け。お前の勝ちだ、Ⅴ。」

 

ムジョウは彼に《No.69 パラダイスマッシャー》を渡し、「このカードは使わないかもしれないな」と付け加えた。

 

同時に、遊歩道の中から、3人の人影が見えた。そのうち1人は「おーい」と呼び掛けているが、零児にはその声に聞き覚えがあった。

 

「おーい!!」

 

「…誰だ!?」

 

「…遊矢か!?」

「おおっ!!零児か!!おーい!!」

 

「彼らは…?」

 

Ⅴは、手を振りながら近づいてきた遊矢たちを見てそう零児に聞いた。

 

「共に旅をする者だ。」

「共に旅をする…者。」

 

「どこ行っちまってたんだよ!?探したんだぜ!」

「すまないな。前線基地を探しているうちに、ナンバーズの遺跡に迷い込んでな。それで、彼らに会って、協力して遺跡を出たという訳だ。」

 

「え…?」

「彼ら。」

 

「そうです!初めまして、僕はⅢで、Ⅳ兄様。そして、Ⅴ兄様です!」

 

ⅣとⅤの2人は「よろしく」という旨の挨拶をし、権現坂と柚子も挨拶をかわし、ムジョウはそれを見ていたので軽く挨拶をして、続けた。

 

「お前らも、ナンバーズを?」

「ナンバーズ…?」

「違う。俺たちは、零児を探しに来たんだ。」

 

「なるほど。君たちは、その、零児の言う、前線基地というものを探していたのか?」

「はい、そうです。でも…ちっとも見つからなくて。壊されてるんです、どこも。」

 

Ⅴの質問に柚子が答えると、今度はⅣが聞き返した。

 

「おい、そもそもよ、その…前線基地ってのは、何なんだ零児?」

「前線基地は、別の次元に行くための基地だ。融合次元にな…」

「融合次元…あぁ、なるほどな。」

「わかるのか、Ⅳ?」

「俺たち兄弟は、次元のことについて研究しているからな。他の次元が存在していることは、もうわかっているぜ。」

「なるほど。」

 

「別の次元についてわかる人がいるなんて!すげぇ!だったら零児!一緒に連れて…」

「何を言っている遊矢。彼らにはすべきことがあるはずだ。我々にもすべきことがあるように。」

「あ…そうだよな。」

 

遊矢は半ばわかっていたことではあったが、その零児の返答に肩を落とした。沈黙が訪れたと思うのも束の間、今度はⅢが彼らに声をかける。

 

「でも…一体誰が前線基地を破壊したんですかね?」

「それはわからない。融合次元の者の可能性もあるが、ヘヴンズ・チルドレンの可能性もある。」

「ヘヴンズ…チルドレン。」

「そう。彼らからすれば、次元を行き来することは、人間が成して良いことではないようだ。だから我々に宣戦布告をした。前線基地を破壊したとしても、不思議ではない。」

「ヘヴンズ・チルドレンか。カイトも言ってたな。」

「だが我々は行かなければならない!前線基地に!」

「えっ?」

 

「まだ生き残っている前線基地があることがわかっている!この遺跡の傍だ!」

「本当か、零児!?」

「ああ!行こう。3人とも。」

 

零児がⅢたちに対して背を向け、歩き出そうとしたが、すぐに踵を返した。

 

「フッ。Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ。協力に感謝する。元気で。」

「零児さんも、お元気で!」

「あばよ!悪徳社長!」

「さらばだ。」

 

傍らで見ていたムジョウは、独特な挨拶だと思って、それを見ていた。

 

 

------

 

 

「俺様とのデュエル・タイムだ!」

「ヘッ。俺たちとやろうってのか?ヘヴンズ・サードだからっていって、大したことねえってのは、よくある話でな。」

「何だと!?この俺様をなめてもらっちゃ困るぜ!」

 

「待て!!」

 

すっかり陽は沈み、夜の闇が辺りを包んでいたころであったので、真上からその声が聞こえても、どこからかがわからなかった。

 

その声の持ち主は勢いよく上空から地上に降り立ち、遊士、遊馬、そして夜ノ騎士の間に割って入った。

 

コートに身を包んだ長身の男、彼が何者かはすぐにわかった。

 

「あっ!!お前…」

「黒咲!!」

「フッ。久しぶりだな、遊馬、遊士。」

 

「何だお前は!外野は引っ込んでろ!」

 

「外野だと?貴様がどう思おうと勝手だが、俺は貴様に聞かなければならないことがある!」

「何?」

「貴様らヘヴンズにとっては、俺たちのように、次元を行き来できる者は…倒すべき相手だということか?」

 

いきなりの核心を突いた質問に騎士は戸惑ったが、すぐに毅然とした態度で答えた。

 

「当たり前じゃねえか!ヘヴンはな、人がそれ以上の存在であろうとする奴らを、粛清するのさ!」

「粛清…だと?わかった。それだけ聞ければ十分だ。」

 

その口ぶりからこの場を去るのかと思った遊馬だったが、黒咲は赤い紐のようなものを取り出したかと思うと、それを騎士の腕に投げつけ、巻き付けた。

 

「これは…デュエルアンカー!?」

「貴様の相手は俺だ。仲間たちの無念を…晴らさせてもらう!!」

 

「えっ!?」

「どういうことだよ、黒咲!?」

 

「奴らは…俺たちエクシーズ次元の者が、融合次元に飛び立つための基地、『前線基地』を破壊した。生かしてはおけん。」

「前線基地…?」

「ヘヴンズ・サードの奴がとぼけるとはな!」

「前線基地を…破壊?破壊行為なんて、ヘヴンズはしないと思うけどな。副次的なものならともかく。」

「黙れ!貴様の戯言に耳を傾けるつもりはない!構えろ!」

「まあいいぜ。どの道お前も倒すつもりだったしな!九十九遊馬、草薙遊士!お前らも俺様のデュエルを見てな!」

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

 

黒咲隼 :LP4000

夜ノ騎士:LP4000

 

 

 

「いくぜ!俺様の先攻!俺様は、モンスター1体を裏側表示でセットして、ターンを終了する!(4)」

<黒咲:伏せなし 騎士:伏せなし>

 

(どんな手で来るかと思えば、モンスターをセットしただけか。)

「俺のターン!(6)俺は手札から、《RR-インペイル・レイニアス》を召喚!(5)」

 

 

《RR-インペイル・レイニアス》

効果モンスター

レベル4/闇属性/鳥獣族/攻撃力1700/守備力1000

「RR-インペイル・レイニアス」の➁の効果は1ターンに1度しか使用できない。

➀:このカードが召喚・特殊召喚に成功したターンの自分メインフェイズに1度だけ、

フィールドの表側攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを表側守備表示にする。

➁:このカードが攻撃したターンの自分メインフェイズ2に、自分の墓地の「RR」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。

 

 

「バトルだ!インペイル・レイニアスで、セットされたモンスターを攻撃!」

 

 

《紫炎の影武者》:守備力400

 

 

インペイル・レイニアスは飛び上がった後急降下し、自身の鋭い刃のような嘴で《紫炎の影武者》を一刺しした。

 

「シエンの…影武者…だと。レベル2の通常モンスターか。俺はカードを1枚伏せて、ターンエンド。(4)」

<黒咲:伏せ1枚 騎士:伏せなし>

 

「俺様のターン!(5)」

 

騎士は甲冑を纏っているとは思えないほど身軽に動き、ドローしたカード、《騎士団の行軍》を一瞥すると、そのカードとは別のカードを魔法・罠スロットに差し込んだ。

 

「俺様は魔法カード、《予想GUY(ガイ)》を発動!」

 

 

《予想GUY(ガイ)

通常魔法

自分フィールド上にモンスターが存在しない場合に発動することができる。デッキからレベル4以下の通常モンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する。

 

 

「自分の場にモンスターがいない時、デッキからレベル4以下の通常モンスターを特殊召喚するぜ!」

「レベル4以下の通常モンスターだと?」

「来い、《悪の無名戦士》!」

 

 

《悪の無名戦士》

通常モンスター

レベル3/闇属性/戦士族/攻撃力1000/守備力500

素早い動きで真空を作り出し、相手を切り刻む戦士。

 

 

青い体色が特徴的な悪の無名戦士が、《予想GUY》の発動で生み出されたワームホールのようなところからゆっくりと歩いて出て来た。するとさらに続けて騎士はカードを発動した。

 

「速攻魔法、《クラスター・サモン》を発動!(3)自分がレベル4以下の通常モンスターの特殊召喚に成功した時、そのモンスターよりも攻撃力が低くて、攻撃力が1000以下の通常モンスターを、俺様のデッキから特殊召喚するぜ!俺様は、攻撃力900の《ヴィシュワ・ランディー》を特殊召喚!」

 

 

《ヴィシュワ・ランディー》

通常モンスター

レベル3/闇属性/戦士族/攻撃力900/守備力700

闇に仕える女戦士。相手を血祭りにあげることが生きがい。

 

 

「そして通常召喚!《ウッド・ジョーカー》!(2)」

 

 

《ウッド・ジョーカー》

通常モンスター

レベル3/地属性/戦士族/攻撃力800/守備力1200

嫌な笑みを浮かべた悪魔。手にするカマで、器用に攻撃をかわす。

 

 

あっという間に騎士の目の前にモンスターが3体並んだ。独特な雰囲気を持つモンスターばかりで、統一性がないが、3体とも戦士族ではある。《ウッド・ジョーカー》のテキストには、「悪魔」と書かれているのだが。

 

「ザコがいくら出て来ようと、俺のレイド・ラプターズには勝てはしない!」

「チッチッチッ。わかってねえなぁ。」

 

3体のモンスターのレベルに注目した遊馬が、その場に響き渡るほどの声で言う。

 

「あっ!!そうか!これって、レベル3のモンスターが3体…来るか!?って、展開だよな、アストラル!?」

「いや、そうとも言えない。」

「えっ!?そういう展開じゃねえのか!?」

「彼は確かにレベル3のモンスターを立て続けに3体呼び出しているが、それならわざわざ通常モンスターに拘る理由が見当たらない。」

「あっ。確かに…そうか。」

 

「いいところに気が付くなお前ら!そうよ!俺様のデッキの真骨頂、見せてやるぜ!俺様は手札から永続魔法、《騎士団の行軍》を発動!」(1)

 

 

《騎士団の行軍》

永続魔法

このカードの発動に対し、相手は魔法・罠カードを発動することはできない。自分フィールド上に表側表示で存在する攻撃力1000以下の戦士族の通常モンスターは、相手に直接攻撃することができる。

 

 

「騎士団の行軍!そうか!」

「えっ!?どういう効果なんだよ、遊士!?」

「あれは攻撃力1000以下の戦士族の通常モンスターに、直接攻撃の権利を与える永続魔法だ!」

 

「そうよ!俺様のデッキは、相手のモンスターじゃなくて、ライフを直接削っていくデッキよ!さあ、直接攻撃の嵐を受けやがれ!まずは《悪の無名戦士》で、ダイレクトアタック!!」

 

装着されたパタ(手甲剣)を振り下ろし、黒咲を無表情のまま切りつけようとしたが、黒咲は咄嗟にそれをデュエルディスクで防いだ。もちろん、ダイレクトアタックが通ったことに変わりはない。

 

 

「ぬうっ!」

 

 

黒咲隼:LP4000→LP3000

 

 

「そして、《ヴィシュワ・ランディー》!ダイレクトアタックだ!」

 

彼女の持つ6本の手に、ナイフのようなものが現れたかと思うと、すぐさまそれを投げつけてきた。黒咲は咄嗟に真横に飛んでそれらを避けた。

 

 

黒咲隼:LP3000→LP2100

 

 

「まだまだぁ!《ウッド・ジョーカー》で、ダイレクトアタックだ!」

「チィッ!」

 

フレイバー・テキストにはカマで攻撃をかわすとかいてあるが、攻撃にも使えるようで、木から飛び降りたウッド・ジョーカーは、カマを振り上げ、黒咲を切りつけようとした。黒咲は寸前のところでバックステップをし、攻撃の回避に成功した。

 

 

黒咲隼:LP2100→LP1300

 

 

「黒咲!」

「やべえぞ、一気にライフが2700も持ってかれた!」

「どうよ。俺様のデッキ!どんなモンスターを並べようと無意味だぜ!直接、お前のライフを削っていくんだからよ!」

「なるほど。ザコモンスターを並べたのはそういうことか。だが…貴様のデッキには致命的な弱点があるようだな。」

 

幼い容姿の印象のまま、プライドもそれ相応に高いようであり、ナイトは顔を赤くして地面を二度三度蹴った。

 

「何だと!?うっせえな!俺様のデッキに弱点はねえんだよ!」

「ならば貴様にそれを思い知らせてやろう!俺は手札から、《RR-アベンジ・ヴァルチャー》を特殊召喚!(3)」

 

 

《RR-アベンジ・ヴァルチャー》

効果モンスター

レベル4/闇属性/鳥獣族/攻撃力1700/守備力100

自分が戦闘・効果でダメージを受けた場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は「RR」と名の付いたモンスターしかエクストラデッキから特殊召喚できない。

 

 

「なに!?」

「こいつは俺がバトルダメージを受けた時に手札から特殊召喚が可能!」

「ヘッ!俺様はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ!(0)」

<黒咲:伏せ1枚 騎士:伏せ1枚>

 

「俺のターン!(4)俺は手札から、《RR-ミミクリー・レイニアス》を攻撃表示で召喚する!(3)」

 

 

《RR-ミミクリー・レイニアス》

効果モンスター

レベル4/闇属性/鳥獣族/攻撃力1100/守備力1900

「RR-ミミクリー・レイニアス」の➁の効果は1ターンに1度しか使用できない。

➀:このカードが召喚・特殊召喚に成功したターンの自分メインフェイズに1度だけ発動できる。自分フィールドの全ての「RR」モンスターのレベルを1つ上げる。

➁:このカードが墓地へ送られたターンの自分メインフェイズに、墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから「RR-ミミクリー・レイニアス」以外の「RR」カード1枚を手札に加える。

 

 

「おおっ!これで黒咲のフィールドにはレイド・ラプターズが3体並んだ!」

「3体のモンスターの攻撃力は全て、ナイトのフィールドのモンスターの攻撃力を上回っている!これで殲滅できる!」

「しかも次のターンに、あの俺様野郎が通常モンスターを呼んでも、《騎士団の行軍》で直接攻撃が可能なのは攻撃力1000以下のモンスターに限る!黒咲のライフが1300である以上、黒咲を倒せねえぜ!」

 

勝利が見えてきた遊馬、アストラル、遊士は無意識のうちに表情が明るくなっていたが、黒咲は表情を変えない。

 

(奴のフィールドには伏せカードがある。おそらく、攻撃時に発動するつもりなのだろう。だが、俺のフィールドの伏せカードは、《ラプターズ・ガスト》。)

 

 

《ラプターズ・ガスト》

カウンター罠

自分フィールド上に「RR」と名の付いたカードが存在し、魔法・罠カードが発動した時に発動できる。その発動を無効にし、破壊する。

 

 

(これで奴の伏せカードの発動は阻止する!!)

「バトルだ!《RR-インペイル・レイニアス》で、《悪の無名戦士》を攻撃!」

「無駄だぁっ!永続罠、《Heaven's Transcend Field》を発動!」

 

 

《Heaven's Transcend Field》

Continuous Trap

When your opponents activate a card whose name includes "Heaven's," you can negate it by sending this card from your hand to your graveyard. This card's activation and effect cannot be negated except by cards whose names include "Heaven's."

➀:Normal monsters on your field which have ATK1000 or less are not destroyed by battle.

➁:As long as this card is faced up, battle damage caused by normal monsters with ATK1000 or less on your field is become 100.

 

 

「このカードによって、俺様のフィールドの攻撃力1000以下の通常モンスターは戦闘では破壊されないぜ!」

「こけおどしが!カウンター罠!《ラプターズ・ガスト》で、その発動を無効にし、破壊する!」

 

 

ところが黒咲の宣言を意に介さず、《Heaven's Transcend Field》によって張られた青い結界は破壊されないまま、インペイル・レイニアスは結界に鋭利な嘴を突き刺し、《悪の無名戦士》は倒せないまま、黒咲のフィールドに戻った。

 

「な…何だと!?俺の《ラプターズ・ガスト》で、貴様のカードは無効になったはず!」

「残念だったな!!俺様たちヘヴンの操るヘヴンよりいただいたヘヴンカードは、ヘヴンカードじゃなければ無効にできねえのさ!!」

 

動揺した黒咲を見た遊馬たちだったが、冷静であったアストラルが青い結界とナイトを睨んだ。

 

「だが、戦闘で破壊されずとも、ダメージは通る。最も攻撃力の高いインペイル・レイニアスかアベンジ・ヴァルチャーで最も攻撃力の低いウッド・ジョーカーを攻撃すれば、今のバトルによって発生した700ダメージに加え、さらに1800のダメージが与えられる。」

 

「残念だったなぁ!そうはいかねえんだよアストラル!《Heaven's Transcend Field》の効果によって、俺様の、攻撃力1000以下の通常モンスターから発生するバトルダメージは一律して100になる!」

「何!?」

 

 

夜ノ騎士:LP4000→LP3900

 

 

「これで単純計算で、お前はあと39回俺様を攻撃しなけりゃいけないってことよ!」

「バトル続行!《RR-アベンジ・ヴァルチャー》で、《ヴィシュワ・ランディー》を、そして《RR-ミミクリー・レイニアス》で、《ウッド・ジョーカー》を攻撃!」

 

 

夜ノ騎士:LP3900→LP3800→LP3700

 

 

「効かねえなぁ!」

「残念な奴だ。」

「な!?」

「今こそ教えてやろう!貴様のデッキの致命的な弱点を!」

 

「だから!俺様のデッキに弱点なんてねえ!」

「俺は、《RR-ミミクリー・レイニアス》の効果を発動!俺のフィールドの全てのレイド・ラプターズのレベルを1つ上げる!」

 

 

《RR-インペイル・レイニアス》:☆4→☆5

《RR-アベンジ・ヴァルチャー》:☆4→☆5

《RR-ミミクリー・レイニアス》:☆4→☆5

 

 

「俺はレベル5となったレイド・ラプターズ3体で、オーバーレイ!3体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!」

 

 

獰猛なるハヤブサよ。激戦を切り抜けしその翼翻し 寄せ来る敵を打ち破れ!現れろ、ランク5!《RR-ブレイズ・ファルコン》!

 

 

《RR-ブレイズ・ファルコン》:守備力2000

 

 

「ランク5のエクシーズモンスター!?」

「これが貴様の弱点だ。」

「何だと?」

「これだけ言ってもわからんとはな、よほど自惚れているらしいな!貴様は、俺のライフを削ることだけを考え、俺のフィールドのモンスターの数を気にしない!その結果、俺はモンスターを特に失うこともなくデュエルを進めることができ、エクシーズ召喚につなげることができた!それが貴様のデュエルの弱点だということだ!!」

「そ…そんなのたまたまだっ!!それに、ランク5でも、呼んだモンスターの攻撃力は1000しかねえじゃねえか!」

「ならば見せてやろう、ブレイズ・ファルコンの力を!《RR-ブレイズ・ファルコン》の効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、敵の場にいる特殊召喚されたモンスターを全て破壊し、1体につき500ポイントの効果ダメージを与える!くらえ!」

 

 

《RR-ブレイズ・ファルコン》:ORU3→ORU2

 

 

いつものように小型の飛行砲台が放たれ、《悪の無名戦士》と《ヴィシュワ・ランディー》を取り囲み、全方位射撃で2体のモンスターは破壊された。

 

「ぐあっ!!」

 

 

夜ノ騎士:LP3700→LP2700

 

 

「10回分の攻撃になった訳だな。」

「くそっ!!てめえ!」

「さらにオーバーレイユニットになっていたミミクリー・レイニアスを墓地から除外することで、自分のデッキから、レイド・ラプターズと名の付いたカード1枚を手札に加える!俺はデッキから、《RR-フューチャー・チッキー》を手札に加える!(4)」

 

 

《RR-フューチャー・チッキー》

効果モンスター

 

 

「俺はカードを1枚伏せて、ターンを終了する!(3)」

<黒咲:伏せ2枚 騎士:伏せなし>

 

「俺様のターン!(1)……クッ…クソッ!!!」

 

黒咲にはすぐにわかった。通常モンスターを引けば勝利を手にできるこの状況で、通常モンスターを引き当てられなかったということが…

 

(ヘヴンズ・サードには最大で3枚、ヘヴンカードを入れることが許されている。俺様の手札には2枚目のヘヴンカード。でもこいつは、俺様の手札が他にないと使えねえ!!)

「バトル!いけっ!《ウッド・ジョーカー》!!」

「…」

 

 

黒咲隼:LP1300→LP500

 

 

「どうだ、黒咲!てめえのライフは500だぜ!」

「フッ。残念な奴だ。この状況で通常モンスターを引き当てられなかったとはな。」

「黙れっ!!どの道次のターンで俺様の勝ちだ!ターンエンド!(1)」

<黒咲:伏せ2枚 騎士:伏せなし>

 

「俺のターン!(4)貴様が直接攻撃をするのなら…こちらも直接攻撃をさせてもらおうか!《RR-ブレイズ・ファルコン》を攻撃表示に変更!」

 

 

《RR-ブレイズ・ファルコン》:攻撃力1000

 

 

「そしてブレイズ・ファルコンはオーバーレイユニットを持っている場合、相手に直接攻撃をすることができる!バトルだ!」

「何だと!?直接攻撃!?」

「貴様の永続罠、《Heaven's Transcend Field》はあくまで通常モンスターからの戦闘ダメージを100にするだけだ。ブレイズ・ファルコンの直接攻撃の戦闘ダメージを防ぐことはできない!」

 

 

ストライク・クロウ!!

 

 

鋭いかぎ爪でナイトの両肩を切りつけた。ヘヴンが関わっているこのデュエルでは、ダメージは実際のものを受けることになりかねないが、ナイトは肉体的なダメージよりも精神的なダメージの方が大きかった。

 

 

夜ノ騎士:LP2700→LP1700

 

 

「けどな、次の俺様のターンで、《ウッド・ジョーカー》のカマが、てめえの首を狩るぜ!!」

「残念だがそれはない!ブレイズ・ファルコンの効果発動!戦闘ダメージを与えた場合、敵のフィールドのモンスター1体を破壊する!」

「なっ!!《ウッド・ジョーカー》!!」

 

ウッド・ジョーカーが捕まっていた木ごと突然爆発し、ナイトのフィールドにはモンスターがいなくなった。

 

「さらにこのカードは、俺のフィールドにエクシーズモンスターが存在する場合、手札から特殊召喚できる!《RR-シンギング・レイニアス》を守備表示で特殊召喚し、ターンエンドだ!(3)」

<黒咲:伏せ2枚 騎士:伏せなし>

 

 

《RR-シンギング・レイニアス》:守備力100

 

 

「クソッ!俺様のターン!(2)」

(引いたカードは《戦士の生還》か。墓地の戦士族モンスターを手札に加えられるけど、あいつのフィールドには《ラプターズ・ガスト》が伏せられている。それで無効にされちゃ、勝ち目はねえ。だったら…)

 

ナイトは少し考えた後、ドローしたカードを墓地に送った。

 

「俺様は手札を1枚捨てて、(1)魔法カード、《Heaven's Reload》を発動!手札が0枚になるように、魔法・罠カードを墓地に送り、墓地に送った枚数プラス1枚になるように、デッキからカードをドローする!(2)」

「またヘヴンカードか。《ラプターズ・ガスト》が使えんか。」

 

精神的に疲弊していたようにも見えてきたナイトだったが、ドローの直後、彼の表情を見て、彼に力が戻ったのが明らかであった。

 

 

「来た。来たぜ!!!ヘヴンカードの中でも最強の1枚!!こいつこそが、俺様にとっての本当の切り札!俺様は手札から魔法カード、《Heaven's Ritual》を発動!」

「ヘヴンズ……リチュアル?」

「自分フィールドにモンスターがいない時、ライフを半分払って発動!俺様のデッキまたはエクストラデッキに存在するモンスターの中で、《Heaven's Ritual》を使って呼び出すことが可能なモンスター1体を相手に見せる!俺様は、デッキに存在する、《Heaven's First Sharpness》をお前にみせるぜ!」

「来るか。」

「そしてその召喚条件を満たすように、手札あるいはデッキからモンスターを選ぶ!俺様はデッキの《Heaven's First Shaprness》の召喚条件は、攻撃力1000以下の戦士族の通常モンスター3体のリリース!俺様はデッキから《マグネッツ1号》、《王座の守護者》、《デス・ストーカー》をリリース!!さあ、準備は整ったぜ!!」

 

 

夜ノ騎士:LP1700→LP850

 

 

ツワモノに宿りし魂!真の敵を貫き、勝者の剣の刃となりて、天が導く運命を示せ!尖鋭の象徴、《Heaven's First Sharpness》!

 

 

 

《Heaven's First Sharpness》:攻撃力2500

 

 

(次回に続く)

 




<今日の最強カード>
《Heaven's Transcend Field》
Continuous Trap
When your opponents activate a card whose name includes "Heaven's," you can negate it by sending this card from your hand to your graveyard. This card's activation and effect cannot be negated except by cards whose names include "Heaven's."
➀:Normal monsters on your field which have ATK1000 or less are not destroyed by battle.
➁:As long as this card is faced up, battle damage caused by normal monsters with ATK1000 or less on your field is become 100.


<次回の最強カード>
《Heaven's First Shaprness》



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