雲が空を覆うようにして、世界が紅色に染まっていく。バリアンに対抗するデュエリストは多くいるものの、時間の問題のようだ。
遊馬はナンバーズクラブの面々にメッセージを送り、電話もしたが、キャッシーだけ繋がらないことに不安を覚えていた。
彼女の電話がどこにあるかはGPSによってわかってはいるものの、一時間ほど場所が変わっていないという指摘をアストラルから受けた遊馬は、小鳥に声をかけ、共にキャッシーの屋敷にいくように催促し、今まさに小走りで向かっているところである。
当然遊馬と行動を共にしている遊士も向かっているが、黒咲は前線基地の跡地を調べに行った。
「キャットちゃんと連絡が取れない!?」
「ああ。ずっと電話してるんだけど、繋がらないんだ!」
「急ぐぜ!」
「おう!」
「はいっ!」
------
「私の先攻!私は手札から、《猫招き》を発動!」
《猫招き》
通常魔法
自分のデッキから「猫」または「キャット」と名の付いたモンスター1体を自分の手札に加える。
「デッキから《捨て猫》を手札に加える!そして永続魔法、《猫集会》を発動!(4)」
《猫集会》
永続魔法
「猫」または「キャット」と名のつくモンスターが召喚された時、手札の「猫」または「キャット」と名のつくレベル3以下のモンスター1体を特殊召喚する事ができる。
「《捨て猫》を召喚!(3)」
《捨て猫》:攻撃力100
ひっくり返ったダンボールと、そのダンボールに対して顔を向け、尻尾を璃緒に向けている。
「《捨て猫》…?」
「この《捨て猫》を侮らにゃいことね!私は永続魔法、《猫集会》の効果発動!自分が猫モンスターの召喚に成功した時、手札から猫モンスターを特殊召喚できる!私はもう1体の、《捨て猫》を召喚!(2)」
《捨て猫》
効果モンスター
レベル1/地属性/獣族/攻撃力100/守備力300
このカードが表側攻撃表示でフィールド上に存在する限り、 相手はこのカード以外のモンスターを攻撃対象に選択出来ない。
「攻撃力100のモンスターが2体…あいつはデュエル初心者なのか?」
ミザエルがそう言って彼女を蔑んで笑ったが、キャッシーはそれをものともせず、デュエルを続けた。
「私はこれで、ターンエンド!(2)」
<キャッシー:伏せなし 璃緒:伏せなし>
「私のターン!(6)私は《ブリザード・サンダーバード》を召喚!(5)」
《ブリザード・サンダーバード》
効果モンスター
レベル4/水属性/鳥獣族/攻撃力1600/守備力1400
?
「さあ、いきなさい!《ブリザード・サンダーバード》!」
《ブリザード・サンダーバード》が容赦なく《捨て猫》に攻撃しようとしたものの、突然《ブリザード・サンダーバード》はキョロキョロと周りを見渡し始めた。
「どうしたの、《ブリザード・サンダーバード》?」
「残念ね!《捨て猫》は、フィールドに攻撃表示で存在する限り、他のモンスターを攻撃できなくする!」
「そうか。その効果を持つモンスターが2体か。お互いがお互いを守り合い、どちらも攻撃できなくするということか。」
「なっ…《捨て猫》ロックだと!?」
ミザエルはそう言って驚いたが、璃緒はすぐさまデュエルを続けた。
「私はカードを1枚伏せて、ターンエンド!(4)」
<キャッシー:伏せなし 璃緒:伏せ1枚>
「私のターン!(3)私は手札から3体目の《捨て猫》を召喚!(2)」
《捨て猫》:攻撃力100
「攻撃力100のモンスターを3体そろえても、勝てないわよ。」
「防御のためだけにこのモンスターを出した訳じゃない!手札から永続魔法、《
《猫嫉妬》
永続魔法
自分のメインフェイズ1で発動することができる。自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターの攻撃力の合計が、相手フィールド上に表側表示で存在する最も攻撃力の低いモンスターの攻撃力より低い場合、自分フィールド上に表側表示で存在する「猫」または「キャット」と名の付いたモンスターの数×300ポイントのダメージを相手に与える。この効果はこのターン、この効果を発動した時に自分フィールド上に表側表示で存在していた「猫」と名の付いたモンスターの数だけ発動することができる。この効果を発動するターン、バトルフェイズは行えない。
「ねこじぇらしー…?」
「私の場の猫モンスターの攻撃力の合計が、相手モンスターの中で最も攻撃力の低いモンスターの攻撃力を下回る時、私の猫モンスターの数×300ダメージを与えて、その数値分だけライフを回復する!」
猫じゃらしのような形のブーメランがイラストの部分から璃緒に飛んでいき、璃緒の目の前で爆発をした。
爆風から身を庇う璃緒を見つつ、キャッシーは得意そうな表情で続けた。
「クッ…」
神代璃緒 :LP4000→LP3100
キャッシー:LP4000→LP4900
「しかもこの効果は私の場の猫モンスターの数だけ使える!」
「そう。じゃああと2回使えるのね。…でも、そうはいかないわ。手札から《ガード・ペンギン》を守備表示で特殊召喚!(3)」
璃緒が目の前にカードを翳すと、上空に魔法陣が現れ、そこから《ガード・ペンギン》が降り立った。まるで紙吹雪でも浴びせるかのように、璃緒に粉雪を降らせている。
《ガード・ペンギン》
効果モンスター
レベル4/水属性/鳥獣族/攻撃力0/守備力1200
カードの効果によって自分がダメージを受けた時に発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、受けたダメージの数値分だけ自分のライフポイントを回復する。
「ペンギン!?」
「このモンスターは、カード効果によるダメージを受けた時、手札から特殊召喚し、その数値分だけライフを回復する!」
神代璃緒:LP3100→LP4000
「1回分の効果ダメージを防いだということね!でも、ねこじぇらしーの効果はあと2回使えるのよ!」
「残念ね。このターン、もうねこじぇらしーの効果は使えないわ。」
「にゃっ!?どうして…!?」
「ねこじぇらしーの効果は、あなたの猫の攻撃力の合計が、私の場の最も攻撃力の低いモンスターの攻撃力を超えていては使えない。私の場に攻撃力0の《ガード・ペンギン》が現れた以上、効果は使えないわ。」
「……やるわね。カードを1枚伏せて、ターンエンド!(0)」
<キャッシー:伏せ1枚 璃緒:伏せ1枚>
「私のターン!(4)」
(やっぱりこれなら、バリアンの力を使うまでもない。九十九遊馬や天城カイトと言ったデュエリストなら、バリアンの力で倒さざるを得ない。けど、この子は、私たちの戦い巻き込まれただけ。別に魂をバリアンに捧げてもらう必要は…ないわ。)
人間体のナッシュとミザエルが後ろで腕組みをして立っている。2人とも、璃緒が何を考えているのか、それを見透かしているのかは定かではないが…今の璃緒は、やるべきことをやるだけであった。
彼女がドローすると同時に、キャッシーは二度耳をピクピクさせた。
「にゃっ!?」
「…?」
璃緒が不思議そうにすると、キャッシーは素早くバルコニーの入口の巨大な扉に近寄った。彼女が耳を扉に近づけると、数匹の猫の声が聞こえたことがすぐにわかったのだ。
間もなくして彼女が扉を開けると、三匹の子猫が誰かを率いて来るようにしてやってきた。その誰かというのは、すぐにわかった。
「遊馬、小鳥!そして…遊士…さん!?」
「キャット!!」
遊馬、小鳥、遊士の3人はキャッシーがデュエルをしていることはすぐにわかった。その後は当然ながら誰が対戦相手かを確かめる。確かめた先に居た人物を見て、最初にこえをあげたのは小鳥だった。
「璃緒さん!!…どうして、2人が…デュエルを?」
残念ながらというべきか、遊馬はそれが、好ましい形のデュエルではないことがすぐにわかった。その根拠は…後ろに控えていたデュエリストたちのうちの1人の存在である。
「シャーク!!それに…てめぇっ…ミザエル!!どうしてお前がここに!?」
「遊馬か。」
「私のギャラクシーアイズの力に圧倒されて以来、怯えて出てこれないかと思ったがな!」
「どういうことか説明しろ!シャーク!いもシャ!何でキャットちゃんとデュエルしてんだ!?そんでもって、何でお前らが、ミザエルと一緒にいる!?」
「いもシャはやめなさい。ネーミングセンスのない。」
「妹シャークでも何でもいいけど、ちゃんと教えろ!」
「……」
「もういいだろう。バリアンであることを明かすしかない。ナッシュ!」
「なら私も…」
「いや、お前はバリアル・フォーゼするな。」
「えっ?」
「無駄な殺生はしたくないんだろ?それくらいはわかる。」
「ナ…ナッシュ。」
ひそひそと話をした後、ナッシュとミザエルは一歩前に出て、左腕を突き出した。
「「バリアル・フォーゼ!!!!」」
人間体からバリアンの形態へと姿を変えた2人に、声をあげたのは遊士だった。
「あっ!!てめえは…あの時ベクターと戦ってた、ナッシュとかいう!」
「草薙遊士。また会ったな。」
「そ…そんな!?シャ…シャークが…バリアン!?」
「そうだ。自己紹介がまだだったな。俺はバリアン七皇のリーダー、ナッシュ!」
「そして私は真のギャラクシーアイズ使い、ミザエル!!」
「ミザエルは知ってるから良いんだけど…そんな、ナッシュって…どういうこと!?それじゃ、璃緒さんはまさか…」
「そうよ。私はバリアン七皇の一人、メラグ。」
遊馬と小鳥には気持ちの整理がつかない。目の前で何が起きているのか、彼らが何を話しているのか、それを受け入れることができない。遊馬は首を横に振りながらシャークに言い放つ。
「ちょっと待てよ!何の冗談だよ!?お前がバリアンだなんて…!!お前は神代凌牙だろ!?シャークだろ!?」
「てめえの知ってる神代凌牙もシャークも死んだんだよ。それだけの話だ。俺たちはバリアンとして生きる運命なんだよ。」
運命、というフレーズに、彼の冷めた気持ちを感じた。突き放すようなそのものの言い方に心が折れそうになったが、それでも遊馬の熱い思いは、運命の一言には負けはしなかった。
「運命って…シャーク!お前は、もう…覚悟ができてんのかよ!?おい、俺たち、一緒に戦ってきた仲間じゃねえのかよ!?忘れちまったのかよ!?」
「忘れる訳ねえだろ。トロン一家と戦ったのも、Dr.フェイカーを一緒に倒したのも、全部覚えているさ。」
「だったら…」
「だから言ったろ?運命だって。俺にはもうとっくに覚悟ができてんだよ。」
一貫した冷たいその物の言い方に、今度は小鳥が物を言う。
「待って!だったら、キャットちゃんとデュエルしてるのは…」
「それは、彼女が持っているからよ。ナンバーズを…」
「何だって!?ナンバーズを!?」
「本当に偶然なんだけど、ナンバーズがこの屋敷付近にあって。それを彼女の飼い猫の一匹が拾って彼女に届けたの。」
「やっぱり。」
メラグの言葉に対して、俯きながらキャッシーがそう言った。決して大きな声ではなかったが、周囲の人全員が聞き取れていた。
「あなたが私にデュエルを挑んだ時、いつもの璃緒さんとは違う何かを感じたの。それが何かはわからなかった。猫の…勘?でも、理由がわかったのならなおさら、あなたに負ける訳にはいかない!!たとえシャーク、そして妹のあなたがバリアンになろうが何だろうが、私はナンバーズクラブの一員!遊馬、そしてみんなのために…戦うって決めたの!!」
彼女の瞳は真っすぐに目の前のメラグを捉えていた。
「キャットちゃん…」
小鳥がキャッシーがいつになく真剣な表情でナッシュたちがバリアンであるという事実(ナッシュの言う運命)に向き合っているのを見ると、自らの心に熱い何かを感じた。そしてキャッシーはすぐに遊馬に視線を向けた。
「遊馬!!徳之助くんみたいな人を出しちゃいけないって思ってるのは、あなただけじゃない!!私たちはみんな、ナンバーズクラブ!!デュエルは強くなくったって、仲間なの!だからたとえ相手がナッシュでもメラグでも、ナンバーズを守るためには、守らなきゃダメなの!」
「キャットちゃん。」
遊馬はキャッシーを別に見下していたつもりはなかった。彼女も仲間の一人だと思っているのは事実だ。だが同時に、自分が他の人を守らなければならない、と気負いすぎているのも…事実だったのかもしれない。
「それを聞いて安心したわ。あなたの闘志が、私たちがバリアンだと聞いて、なくなってしまうのではないかと思ったけれど…」
「そんな心配はにゃいわ!!かかってらっしゃい!!」
(どの道このターンで決着はつくわ。)
「私は手札から、《オーロラ・ウィング》を召喚!(3)」
《オーロラ・ウィング》
効果モンスター
レベル4/水属性/鳥獣族/攻撃力1200/守備力1600
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、このカードを表側攻撃表示で特殊召喚できる。「オーロラ・ウィング」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
「そして、《ガード・ペンギン》と、《オーロラ・ウィング》で、オーバーレイ!2体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!」
現れよ、《零鳥獣シルフィーネ》!!
《零鳥獣シルフィーネ》
エクシーズモンスター
ランク4/水属性/鳥獣族/攻撃力2000/守備力2200
鳥獣族レベル4モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。相手フィールド上に表側表示で存在する全てのカードの効果を無効にし、このカードの攻撃力はこのカード以外のフィールド上に表側表示で存在するカードの数×300ポイントアップする。このカードの効果は次の自分のスタンバイフェイズ時まで適用される。
「攻撃力2000!でも、どんなモンスターが相手だって、《捨て猫》の効果があれば…」
「シルフィーネの効果発動!!オーバーレイユニットを1つ使い、相手フィールド上に表側表示で存在する全てのカード効果を次の私のスタンバイフェイズまで無効にする!」
パーフェクトフリーズ!!
「きゃっと!?そんな!!」
シルフィーネが翼を一振りすると、吹き付けた雪が3体の《捨て猫》と《猫集会》と《猫嫉妬》のカードを凍り付かせた。
「これであなたの《捨て猫》は尻尾を振れなくなったわ。そしてシルフィーネの効果はまだ続く。このカード以外の表側表示で存在するカードの数×300ポイント、攻撃力がアップする!今表側表示で存在するカードは、私の場の《ブリザード・サンダーバード》と、あなたの場の3体の《捨て猫》と《猫集会》と《猫嫉妬》の合計6枚!」
《零鳥獣シルフィーネ》:攻撃力2000→攻撃力3800
「《捨て猫》の攻撃力はわずか100。バトル!シルフィーネで、《捨て猫》を攻撃!」
アイス・レイ!!
「ぐっ!!」
「キャットちゃん!」
キャッシー:LP4900→LP1200
「《ブリザード・サンダーバード》の攻撃力は1600!《捨て猫》を攻撃して、終わりよ!」
「速攻魔法、《怪猫変化》を発動!自分の《捨て猫》がバトルで破壊された時、デッキから《化け猫》を特殊召喚する!」
「《化け猫》ですって!?」
再び子猫が現れたかと思うと、子猫から影が伸び、それが立体的に映し出されたかと思うと、恐ろしい形相で《ブリザード・サンダーバード》を見下ろした。
「このモンスターが特殊召喚された時、相手のレベル4以下のモンスターは全て破壊され、1体につき800ダメージを与える!」
「そんな!?……うっ!!」
メラグ:LP4000→LP3200
「フッ。そうこなくちゃ面白くないわね。ターンエンド。(3)」
<キャッシー:伏せなし メラグ:伏せ1枚>
キャッシーは自分の手札が0枚で、効果が無効になった《捨て猫》2体と《猫嫉妬》、攻撃力が0の《化け猫》があるだけということを再認識し、深呼吸した。
そして口を大きく開けて…
「キャットビングよ!!アタシ!!ドロー!!(1)」
(来た!!)
「私はまず、《化け猫》の効果を発動!1ターンに1度、墓地から《捨て猫》を手札に加える!(2)そして、魔法カード、《猫借り手》を発動!私のフィールドと手札に同名の猫モンスターが3体存在する時、デッキからカードを2枚ドローする!私のフィールド、そして手札に《捨て猫》が3体揃っていることで、カードをドロー!(3)さらに、《猫借り手》の効果で、手札から《捨て猫》を墓地に送って、(2)自分フィールドの猫モンスター2体までのレベルを1つ上げる!」
《捨て猫》:☆2
《捨て猫》:☆2
「レベル2が2体…」
「私はレベル2となった《捨て猫》2体で、オーバーレイ!!2体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!」
出でませ、《No.29 マネキンキャット》!!
キャッシーが着用しているいわゆるゴシックロリータの衣装を身に纏い、猫耳をつけている人型のモンスターが目の前に現れた。体色が紫色であることや、無表情であることが、人型ではあるものの、すぐにそのモンスターがマネキンであることを認識させた。
「ナンバーズ!?」
「キャットちゃん!?」
「やはり、ナンバーズを持っていたか!」
《No.29 マネキンキャット》:攻撃力2000
「けどそのモンスターの攻撃力は2000。《ブリザード・サンダーバード》は倒せても、《零鳥獣シルフィーネ》は倒せない。」
「私はマネキンキャットの効果を発動!オーバーレイユニットを1つ使い、相手の墓地のモンスター1体を相手フィールド上に特殊召喚する!蘇れ、《ガード・ペンギン》!!」
《ガード・ペンギン》:攻撃力0
「そしてマネキンキャットの更なる効果を発動!このカードが既に表側表示で存在する場合に相手フィールドにモンスターが特殊召喚された時、そのモンスターと同じ種族または属性のモンスターを自分の手札・デッキ・墓地から1体特殊召喚する!」
「《ガード・ペンギン》は水属性、鳥獣族。あなたのデッキは獣族デッキ。鳥獣族はいないはず。ということは…」
「そう!私は自分のデッキから、水属性・獣族の《
《女遊猫》
効果モンスター
レベル4/水属性/獣族/攻撃力0/守備力0
?
「女遊猫…?」
「あら…知らないの?遊女は…猫が化けているんじゃないかって話?この女遊猫は、その魅力で、あなたのモンスターをいただくのよ!モンスター効果発動!相手フィールドのモンスター1体を、装備カード扱いとしてこのカードに装備する!」
鋭い眼差しでシルフィーネを睨むと、シルフィーネは女遊猫に吸い寄せられていく。
「フフ…強力な効果だけど、あなたが水属性のモンスターを呼んだ時点で、決着はついたわ!罠カード、《ダイヤモンド・ダスト》を発動!」
《ダイヤモンド・ダスト》
通常罠
フィールド上の水属性モンスターを全て破壊する。その後、この効果で破壊され墓地へ送られた水属性モンスターの数×500ポイントダメージを相手ライフに与える。
「にゃに!?」
「《ダイヤモンド・ダスト》は、フィールドの水属性モンスターを全て破壊し、その数×500ダメージを相手に与える!フィールドの水属性モンスターは《ガード・ペンギン》、《ブリザード・サンダーバード》、《零鳥獣シルフィーネ》、《女遊猫》の4体!!2000ポイントのダメージを受けてもらうわ!」
キャッシー:LP1200
「そうはいかないわ!《女遊猫》の効果を発動!デュエル中に一度、相手のモンスターが3体以上いる場合、相手がカード効果を発動した時、フィールドのこのカードと、相手フィールドのモンスター1体をデッキに戻す!」
「2体のモンスターを!?」
「シルフィーネと、《女遊猫》はデッキに戻る!」
「くっ!これでは、ダメージが1000に減ってしまう!」
「きゃあっ!」
キャッシー:LP1200→LP200
「でもこれで…あなたのフィールドのモンスターは全ていなくなったわ!覚悟しなさい!マネキンキャットで、ダイレクトアタック!!」
マネキン・ニャンニャン・パンチ!!
無表情のままその場で飛び上がり、メラグに向かって急降下しつつ右手の肉球でのパンチを繰り出した。メラグは左腕で咄嗟にガードしたものの、見た目よりも勢いがあったのか、少し後退した。
「くっ!!」
メラグ:LP3200→LP1200
「すげえ、キャットちゃん!」
「璃緒さんのライフは1200…あと少しよ!」
「《化け猫》を守備表示に変更し、カードを2枚伏せて、ターンエンド!(0)」
<キャッシー:伏せ2枚 メラグ:伏せなし>
《化け猫》:守備力0
小鳥の声を聞いたメラグは、顔を下に向けたままゆっくりと立ち上がった。
「璃緒…いいえ、違うわ。私は…メラグよ!!私のターン、ドロー!(4)私は手札から魔法カード、《死者蘇生》を発動!(3)墓地からモンスター1体を特殊召喚!蘇りなさい、《ブリザード・サンダーバード》!!」
《ブリザード・サンダーバード》:攻撃力1600
「《ブリザード・サンダーバード》の効果発動!手札を1枚墓地に送って、(2)自分の手札、そして墓地から水属性・鳥獣族のモンスターを1体ずつ特殊召喚し、このカードを手札に戻す!私は手札から《霊水鳥シレーヌ・オルカ》を墓地に送り、私の手札と墓地から《霊水鳥シレーヌ・オルカ》を特殊召喚!」
《霊水鳥シレーヌ・オルカ》
効果モンスター
レベル5/水属性/鳥獣族/攻撃力2200/守備力1000
自分フィールド上に魚族及び鳥獣族モンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。この方法で特殊召喚に成功した時、3から5までの任意のレベルを宣言して発動できる。自分フィールド上の全てのモンスターのレベルは宣言したレベルになる。この効果を発動したターン、水属性以外の自分のモンスターは効果を発動できない。
「その後、《ブリザード・サンダーバード》は手札に戻る!(1→2)」
「レベル5のモンスターが2体!?」
「私はレベル5の2体のモンスターで、オーバーレイ!!2体の鳥獣族モンスターで、オーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」
全ての物を凍てつかせよ!《零鳥姫リオート・ハルピュイア》!!
《零鳥姫リオート・ハルピュイア》
エクシーズモンスター
ランク5/水属性/鳥獣族/攻撃力2500/守備力2100
鳥獣族レベル5モンスター×2
このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターの攻撃力を0にする。
「リオート・ハルピュイア…あくまでナンバーズを使わないつもり!?」
「ナンバーズを使う必要はないわ。あなたはこのターンで終わりよ!」
(次回に続く)
<今日の最強カード>
《捨て猫》
効果モンスター
レベル1/地属性/獣族/攻撃力100/守備力300
このカードが表側攻撃表示でフィールド上に存在する限り、相手はこのカード以外のモンスターを攻撃対象に選択出来ない。
<次回の最強カード>
《No.29 マネキンキャット》(小説版)
エクシーズモンスター
ランク2/光属性/獣族/攻撃力2000/守備力900
レベル2モンスター×2
このカード名の➂の効果は1ターンに1度しか使用できない。
➀:このカードは「No.」モンスター以外のモンスターとの戦闘では破壊されない。
➁:1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを相手フィールドに特殊召喚する。
➂:このカードが既にモンスターゾーンに存在する状態で、相手フィールドにモンスターが特殊召喚された場合、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターと種族または属性が同じモンスター1体を自分の手札・デッキ・墓地から選んで特殊召喚する。