便所に吐き捨てられたタンカスのような内容です。
この世界には不思議なことが溢れている。受け取り方によってはオカルトとか、頭がオカシイんじゃないかとか言われるのかもしれない。
けれど、それは現実のことですべて本当のことなんだ。見える人、見えない人。分かる人、分からない人……、たかだがその違いしかない。
この物語は偶然にも見える人、分かる人がたくさん集まった物語だ。
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今思えば自分でもずいぶん遠くまで来たなとしみじみと思う。数年前にイタリアで小汚い矢に貫かれ、能力が発現し、渦の中心に向かうように戦いに巻き込まれていった。
まあ、頼れる仲間や経験豊富な大人と知り合えたから結果的にはいいのかもしれないけれど。
「もうそろそろ杜王町だから降りる準備をしておいてね」
窓から景色を見ていると運転席から声が掛かる。声の主は広瀬康一さん。熟練のスタンド使いだ。かつて杜王町で起こった事件を解決に導き、優秀なスピートワゴン財団のエージェントでもある。
なぜそんな彼が僕の送迎をしているのか、それは僕が彼と同じ財団の職員であり、さらにぶどうが丘高校に今年から僕が入学するからである。本当は電車を乗り継ぎ来る予定だったが、偶然広瀬さんと会い、なし崩し的にここまで一緒に来たのだった。
駅前ロータリーに車を停めてもらった。荷物を持って広瀬さんにお礼を言う。当たり前のことをしただけだ。広瀬さんはこういうがなかなか他人に対してそんなことはできない。
広瀬さんはこの後奥さんとデートがあるらしく行ってしまった。その際、この街を案内できないことを謝っていたが、気にしていない旨を伝えると爽やかに笑うと、颯爽と去っていった。
軽く目を閉じ今までのことを思い出す。イタリアでの出来事。スピードワゴン財団での出来事。
鼻から息を軽く吐き出し歩き出す。そういえばうまいイタリア料理店があるって聞いたな。そんなことを考えながらゆっくりとこの街を歩き出した。
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最初彼にあった時のことはよく覚えてるよ。彼とは財団の調査の時にあったんだ。ちょうど彼が高校2年生の頃かな。
普通の高校生って言っていいのかわからないけど、僕がその時にはもっと若々しさと言うか未来への希望を持っていたのはよく覚えている。けれど、彼は虚ろだった。何もなかったっていうのが正しいかな?とにかくそう感じたんだ。
だからかな放っておけなかったのは。言い方は悪いかもしれないけど捨て猫を飼うような気持ちだったよ。最初はなかなか心を開いてくれなかったけど、少しずつ笑ったりしてくれてね。まあ、あの事件のあとは一気に仲良くなれたけど。今ではいい友人の一人だよ。
とにかく僕から言えるのは、彼は普通の人間でまだ子供なんだ。たとえどんな人間が親だろうがね。
次回予告(仮):アンダーカバー①