ヒカリのキセキ   作:シェルター15

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第9話

雑賀さんの運転する車の中で、俺は遊星の心配と罪悪感に襲われていた。

 

「あの時、俺がもっと早く伝えていたら………」

 

間に合わなかったもんは、しょうがない。気にするな。

とクロウは言ってくれたが、そんなことではない。

実際に、伝えるチャンスは何度もあったはずなのだ………

 

アドバンス召喚ではなく、エクシーズモンスター………

この差はあれど、警戒の元にはなったはずなのに…

後悔しても仕切れない………

 

「そんなに自分を責めるなよ。

遅かれ早かれ、いずれ俺たちはあのモンスターを見ることになっていたんだ。

お前のせいじゃない」

 

そんなこと言われても………

 

「それに、エクシーズモンスターだということは知らなかったんだろ?

気にするなって」

 

……まったくこの人は………

 

「はぁ、分かりましたよ……

だけど、後で遊星さんには謝っておきます」

 

「ほらよ、着いたぜ。

ここがマーサって女が住んでいるところだ。

遊星のDホイールとお前たちを下ろしたら、俺は子供たちのところへ戻る。

遊星のことは気になるが、あいつらのことも心配だ。

回復したら連絡してくれ」

 

「分かりました」

 

「じゃあ、俺はこれで」

 

「さて、遊星は大丈夫だろうか…」

 

「ああ、あんたちかい」

 

「マーサ!なんでここに?」

 

「車が到着した音がしたから、もしかしてと思ったんだよ。

さぁ、入りな」

 

「遊星は無事なんですか?」

 

「今緊急治療中だよ。

どうなるかは…」

 

「そうですか…」

 

「あっシュミット先生!」

 

「内臓などは、どこも傷ついていない。

血がとまって傷口が塞がれば、何の心配もない」

 

「そうですか…!よかった…」

 

とりあえずこれで一安心だ……

 

「…ん?お前は、聖!

何でここにいるんだ?」

 

「あ?なんだお前?」

 

誰だっけ?えーと…

どこかで見たな、こいつ…

そういえば赤馬零児とデュエルしていたような…

ああそうだ。

ユーヤとか言ったな。

 

「お前こそなんでマーサのところにいるんだ?

よく見りゃ、他の奴らも…」

 

「俺たちは、ここに住まわせてもらってるんだ」

 

「大変だったんだぜ?

到着してすぐにトイレ掃除させられてなぁ!

まったく、俺たちは客だってのに…」

 

「何か言ったかい?」

 

「い、いや、なんでもない」

 

「あんたたち、知り合いだったのかい?

なら良かった、この子たち、次元を超えてやってきただのなんだの言っていてね。

本当なのかい?」

 

「本当です。

スタンダードというところから来ました」

 

「スタンダード…ねぇ…

そんな話、信じられないのだけれど…」

 

「マーサ、どうやら本当らしいぜ。

聖が遊星とデュエルして、エクシーズとかいうモンスターを出してた」

 

「そうなのかい?

…はぁ…クロウまでそういうんじゃ、信じるしかないようだねぇ…」

 

「…ありがとうございます」

 

「ところで、なぜ遊星はああなってしまったんだい?

あの子があんなにもやられるなんて…」

 

「地縛神です」

 

「地縛神?」

 

「そうです。

ダークシグナーと言われる者たちが使う、恐ろしいカード」

 

「召喚される時に、周りにいたサテライトの奴らが、吸収されちまったんだ」

 

「吸収?」

 

「地縛神は、人々の魂を生贄に召喚されるモンスターです。

魔法も罠も効かず、ダイレクトアタックもすることができる。

幻影のモンスターです」

 

「魔法も罠も効かない…」

 

「ダイレクトアタックができる…」

 

「そんな反則モンスターが…!」

 

「だけど、この効果は俺が知っている地縛神の物です。

鬼柳が使ったのは、まるで別物でした」

 

「知っている?別物?」

 

「そうです。

なんで知っているかは、言えませんが…」

 

「別に詮索するつもりはないよ。

そうかい…地縛神ねぇ…」

 

 

 

ーーー再び時は戻り、同日昼ーシティーーー

 

 

 

「榊遊矢という男を探しています!

ご存知ありませんか?

榊遊矢という男を探しています!」

 

「通信も妨害されてる…

こっちの次元は、随分規制が厳しいようだねぇ…」

 

「おいデニス!お前もやらんか!」

 

「はいはい、けど日差しが強いな〜……そうだ!

…よっ……ほっと」…ポンッ…

 

「おっ…うわーすごーい(^○^)

帽子出すマジックだ。

上手だね〜!」

 

「…ん、どういたしまして」…チャリン……

 

「じゃあね〜」

 

「………おっ」

 

 

 

「…レディースアーンドジェントルメーン…」

 

「イッツショーターイム!ワーン、ツー、スリー!」

 

 

 

「なぜこの男権現坂が、こんなことをやらねばならんのだ…

こんなことをしている暇があったら、さっさと遊矢たちを探しに行かんか!」

 

「君も決闘者なら、エンターテインメントの心を忘れちゃいけないなぁ」

 

「別にデュエルするわけじゃあるまいし」

 

「それいいね、デュエルしよう!」

 

「なに?

まったく………」

 

 

 

「シュテンドウーGで、デニスにダイレクトアタック!」

 

「ぐぁぁぁぁ」

 

 

 

「いや〜儲かる儲かる。

このまま続けようかな〜」

 

「デニス!

いつまで続けるつもりだ!

遊矢を探す気はあるのか!」

 

「いや〜でも、結構楽しいし…

ゴンちゃんだって、ノリノリだったじゃん」

 

「グ…そんなことは関係ないだろう!

早く遊矢を見つけねばならないし…

それに、住むところもまだ見つかってないんだぞ!」

 

「それはそうだけど、どうにかなるって。

Take it easy〜」

 

「デーニースー!」

 

「おっちゃんたち、住むところないの?

だったら家においでよ」

 

「ん?君は…?」

 

とつぜん小学生ぐらいで、緑の髪をした男の子が話しかけてきた。

いかにもそこらの脳内お花畑な無知の子供といった感じだ。

髪ポニーテールみたいだなwww

 

少し離れたところに、双子らしき女の子もいた。こっちはツインテールだ。

かわいい♡

 

それと30才前後で、青髪で細マッチョなおっさん

顔に傷がある。

 

さらに金色の入れ歯をした、背が低めの白髪のおじいさんもいた。

後ろに手を回して猫背で歩いてる。

骨粗鬆症www

 

この4人は、家族かなにかだろうか?

 

それに、おっさんとおじいさんが顔につけている、黄色の線のようなマークも気になる。

 

「あ、俺?

俺、龍亞ってんだ。

あっちは、妹の龍可」

 

「龍亞君…だっけ?

本当にいいのかい?」

 

「うん。

家広くてさー、退屈してたんだよね〜」

 

「君たちが構わないなら、是非ともお邪魔したいんだけど…」

 

「ねぇ…龍亞……ちょっと……」

 

「どうしたさ?龍可」

 

「本当に大丈夫なの?

この人たち…?」

 

「大丈夫だって。

それに、カードの精霊は、この人たちは必要だって言ってるんだろ?」

 

「そうなんだけど………」

 

「だぁいじょうぶだって!

いざとなったら、氷室のおっちゃんが守ってくれるから」

 

「お、おう………」

 

おっさんが、自信なさげに答えた。

 

「ね!いいでしょ?」

 

「それじゃあ、お邪魔しようかな〜?」

 

「お、おい、デニス!」

 

「大丈夫だって、ゴンちゃん。

Take it easy〜」

 

「お前な〜!」

 

「それじゃあ、よろしく

うちへ案内するよ!」

 

「よろしく、僕はデニス

こっちは…」

 

「権現坂だ!」

 

「お、おう…よろしくな………」

 

 

 

「この辺りはトップスって言って、シティで一番高いところにあるんだ。

好きな部屋使ってよ、いくらでも余ってるから」

 

「おお〜ひれぇ〜」

 

「それにしても、すごい家だのぉ〜」

 

「両親は出かけてるって言ってたが…」

 

「うん。

パパとママは世界中飛び回ってて、偶にしか帰ってこないの」

 

「氷室ちゃん、こっちからシティが一望できるぞ〜」

 

「おお〜ほんとだ。

いい眺めだね〜」

 

「おや、あんたは…」

 

「デニスと言います。

よろしく」…ポンッ…

 

「おお、花が出た。すごいマジックだのぉ〜」

 

「どういたしまして」

 

「ねぇ、そのマジック、もっと見せてよ!」

 

「もちろんokさ♪どんなのが見たい?」

 

「うーんとねぇ……」

 

「龍亞、やめなさい」

 

「え〜龍可ぁ〜」

 

「それより今は、遊星達よ…

痣がさっきから疼くの……」

 

「てことはもう、遊星はダークシグナーと戦いを始めたってこと?」

 

「こっちからの回線は不安定だから、向こうからの連絡を待つしかないが…」

 

「遊星は勝ったかな…?」

 

「分からん。

だが奴は簡単に負ける男じゃない」

 

「そうだよね!

あー俺にも何か手伝えることないのかな〜」

 

「あの〜、ちょっと聞きたいんですけど……」

 

「どうしたの?」

 

「その…お二人の顔についている、黄色い線のようなものって何ですか?」

 

「ん…?これのことか…?」

 

「そうですそうです」

 

「おっちゃん達、マーカー知らないの?」

 

「マーカー…?」

 

「マーカーってのは、いわば前科者の証だ」

 

「前科者…?

つまり失礼ですが、昔逮捕されたことがおありで…?」

 

「まぁな。昔にはやんちゃしていた時期もあってよ」

 

「わしはそんなんじゃないぞぉ。このネオ童実野シティに来たら、不法進入だかで捕まってしまったんだ」

 

「じいさん…それを犯罪というんだろうが…」

 

「ありゃ?そうなのかい?氷室ちゃん」

 

「お…おいデニス……」

 

「ん?どうしたの?ごんちゃん?」

 

「やっぱりこの人たちはやばいのではないのか?捕まったこともあるみたいだし……」

 

「ん〜…でも、どうにも悪い人たちには思えないんだよねぇ」

 

「し…しかし……」

 

「まぁいざとなればどうにかなるって。take it easy〜」

 

「またそれか…」

 

「でもさ、顔にマーカーついてたって、悪い人とは限らないよ。デュエルが強ければ公式大会とかにも出れるし」

 

「まぁシティには居づらくなってしまうけどね」

 

「龍ぅ可ぁ〜…」

 

「ま、まぁでも龍亞の言う通り、マーカーが付いてるからって悪い人とは限らないのは事実よ」

 

「遊星とかさ、めっっっちゃデュエル強いもんね〜」

 

「遊星?誰ですか?それ?」

 

「こないだのフォーチュンカップで優勝した人だよ。

おっちゃん達、もしかして外から来た人?」

 

「まぁ…そうともいうね…」

 

「このネオ童実野シティには、キングと呼ばれる、最強のデュエリストが君臨しているの。さっき龍亞が言ったフォーチュンカップでその、今は元キングのジャックを倒して、このシティの新しいキングになったのよ」

 

「しかもサテライト出身のニューキング!さっき言ったマーカーもついてるよ。

だけど俺のこのデュエルディスクをカスマタイズしてくれたのも、その遊星なんだぜ」

 

「龍亞、“カスマタイズ”じゃなくて“カスタマイズ”。いいかげん覚えなさい」

 

「そうだった…えへへ…」

 

「キングか……

どうだい?ごんちゃん。僕はそのキングと戦ってみたいんだけど。君はどう?」

 

「俺はあまり気乗りはせんが…」

 

「だけどさ、僕たちランサーズの目的は、強い人を集めることでしょ?ならキングとまで言われているその人と、会ってみる価値はあるんじゃない?」

 

「まぁ…デニスの言うことも一理あるにはあるが……」

 

「おっちゃん達もデュエルするの?」

 

「まぁね」

 

「じゃあさ、どっちかでいいから、俺とデュエルしようよ」

 

「龍亞、また…」

 

「え〜いいじゃ〜ん〜」

 

「じゃ、僕が相手をさせてもらおうかな」

 

「おっ、さっすがぁ〜!じゃあ早速やろうぜ」

 

「「デュエル‼︎」」

 

「デ…デニス…」

 

「権現坂くんと言ったかのぉ」

 

「あ、はい。えーと…」

 

「わしは柳じゃ。柳のじいさんとでも呼んでくれ」

 

「俺は氷室だ。よろしく」

 

「よろしくお願いします」

 

「先攻は俺がもらうよ」

 

「どうぞ」

 

「俺のターン、ドロー!俺は…」

 

「え、ちょ、ちょっと待って。先攻はドローできないんじゃ……」

 

「え?そうだっけ?どうなの?氷室のおっちゃん」

 

「いや、先攻ドローはできるはず…」

 

「そうなんですか?」

 

「この世界ではそういうルールなんだろう。郷に入っては郷に従えだ。いいんじゃないか?」

 

「まぁごんちゃんがそう言うなら……」

 

「おっちゃん達、先攻ドローがないなんて、どこから来たの?」

 

「それは…」

 

「まぁ色々あるんだ」

 

「ふーん、まぁいいや…

俺はD・モバホンを召喚!攻撃表示、ジャッキーン!」

 

 

 

 

 

ディフォーマー・モバホン/Morphtronic Celfon》 †

効果モンスター

星1/地属性/機械族/攻 100/守 100

このカードはこのカードの表示形式によって以下の効果を得る。

●攻撃表示:サイコロを1回振り、

出た目の数だけ自分のデッキの上からカードをめくる。

その中からレベル4以下の「D(ディフォーマー)」と名のついたモンスター1体を選び、

召喚条件を無視して特殊召喚し、残りのカードはデッキに戻してシャッフルする。

この効果は1ターンに1度しか使用できない。

●守備表示:サイコロを1回振り、

出た目の数だけ自分のデッキの上からカードを確認して

元の順番でデッキの上に戻す。

この効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

 

 

 

「ディフォーマー…

機械のモンスターか……」

 

「そう。そしてディフォーマーは表示形式によって、効果を変えるんだ。攻撃表示の時の効果は、1ターンに1度、サイコロを振れるんだ。

行くよ〜!なにがでるかな、なにがでるかな…おっ、ラッキー!5だ!

出た目の数だけ、デッキからカードをめくる。今回は5枚。

その中から、レベル4以下のディフォーマーを特殊召喚できるんだ。

うーんとねぇ……今回はこれ。

レベル3のディフォーマー、D・ボードンだ!守備表示!

カードを2枚伏せて、ターンエンドだ」

 

 

 

 

 

ディフォーマー・ボードン/Morphtronic Boarden》 †

効果モンスター

星3/地属性/機械族/攻 500/守1800

このカードはこのカードの表示形式によって以下の効果を得る。

●攻撃表示:このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

自分フィールド上の「D(ディフォーマー)」と名のついたモンスターは

相手プレイヤーに直接攻撃できる。

●守備表示:このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

このカード以外の自分フィールド上の「D(ディフォーマー)」と名のついたモンスターは

戦闘では破壊されない。

 

 

 

 

 

「龍亞、いつもにも増してうるさいなぁ…」

 

「賑やかでいいじゃないか」

 

「そんなものなのかな…?」

 

 

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