これからもペースを上げていきたいです
Side ハンコック
チャルロスは不思議な人。
これは私たち姉妹だけでなく、彼に関わった者すべてが感じる印象。彼はどんな人種の人とも対等に接し、決して人を見下したりはしない。辛い修業では弱音をはかないのに、シャルリアに「お兄ちゃんのバカ」と言われるだけでよく泣いたり。料理は作れるのに出来た物は不味く、いつも「塩が…塩が足りない」とぶつぶつ言ってたり。私は彼の料理にはソルトが足りないと思うけど……。
変わっているけど、みんなを明るくしてくれる温かい。
天竜人らしくなくて、家族のような人。
私達姉妹はそんな人に救われた。初めはすっかり疲れきって心を閉ざしていた私達にめげずに話かけてきた。それでも無愛想な私達に彼は色々な話をしてくれた。面白い話に悲しい話、笑い話にビックリする話、紙芝居に変顔。さまざまな事をして私達の心を動かそうとしてくれていた。
1日、2日、1週間、10日に数ヶ月……。心を閉ざしきった私達に来る日も来る日も私達に話しかけてくれた。
そんな続くある日。私はいつものように温かく笑いかけながら話しかけてくれる彼の様子を見ながら1つの疑問を持った。
何で私達のためにこうまで頑張ってくれるのだろうか?
これは心を閉ざしきっていた私にとって大きな変化であった。地獄の中で諦め考える事を止めていた私が他人に興味を示したのだから。
この時から私は彼に惹かれていたのかもしれない。
この日から私は彼をよく眺めてるようになった。私の目に映る彼はいつも明るく、どんな奴隷にも同じように話しかける。彼は私達が寝た後に勉強や鍛練を行う。休むことなく動く完璧人間かと思えば、うっかりしていた。居眠りしていたり、泳げなかったり……、もっと他にも欠点がたくさんある人。
ときどき視線に気付いてこちらを見てくる時があって、いつも私は慌てて顔を反らす。彼が不思議がって首を曲げている。私はこの時いつも心臓がよりドキドキしながら、顔が熱くなっていた。
時が流れ私が彼に1年半過ぎていた。時が経っても彼は相変わらずで、最近は新たに連れてこられた奴隷(表向き)の魚人とよく話込んでいる。話し合っている二人の顔は真剣そのもので、何を話しているのか聞いても頭を優しく撫でながら話をはぐらかす。聞きたいけれど、撫でられる気持ちよさから顔を真っ赤にしながら追求することはできなかった。
シャルリアに聞いても彼女も彼が何を話しているか知らなかった。彼女との出会いは、初め妹の友達になってくれと頼まれ出来た関係であった。しかし奴隷(奴隷)であった私達にシャルリアも彼と同じで対等に接してくれた…………。
私達姉妹と一緒に遊んだり、彼が他の女の子に囲まれて嬉しそうな顔をしている時は私達二人で一緒に蹴りに行ったりしたする。他の奴隷(表向き)の人曰く、シャルリアと私は同じ病気に掛かっているらしい。私達は思い当たる節がなく検査してもらったけど健康だった……いったい何の病気だろ?
そんな彼女の事を私はと、友達だと思って………。
彼女も知らないって事は私達に聞いて欲しくない話なのかな?でも彼とずっと一緒に話ができて、あの魚人が羨まし…………あとで私達姉妹とシャルリアと一緒に遊んでもらわなきゃ。シャルリア!ソニア!マリー!ちょっと良い考えがあるんだけど……。
でも、どうして私は彼の姿を見て不安を感じるのは。何故か彼の真剣な様子を見るたびに不安は大きくなる。
この不安が的中していたことを彼の死が報じられた新聞を見て知った。
☆☆☆☆
Side チャルロス
いやー頑張った、頑張った。この1年半本当に頑張った。ガープさんに頼み込んだ覇気の修業。多くの奴隷を集めては心のケアをしたり、勉強、タイガーの説得など他にもたくさんあって大変だった。ストレスで胃薬が相棒のようだったくらいだもんな……。
しかし、乗りきれたのは大天使シャルリアとツンデレハンコックのおかげだと言っても過言ではないだろう。我が妹の原作からでは考えられない天真爛漫な笑顔でお兄様って呼んでくれる。いまなら最終兵器な劣等生とでも戦える!
そしてもう一人のハンコックは黒髪ロングの清純派を進みながら、分からないことがあれば誰にでもツンな態度で聞き、お礼をデレながら決める完璧なツンデレ属性を持つ。清純派のツンデレという王道の中に感じられる甘酸っぱさ、毎日が青春ラブコメのよう。
この清純ツンデレっ子が将来女王様に成るのか……こやつの戦闘能力は化け物か!よかったなルフィ、こんな子に好かれるなんて羨ましい限りだぜ!シャルリアが嫁に行く?寝言は寝て言えよ。じゃなきゃうっかりピ━━(自主規制)しちゃうぞ!
え?サンダーソニアにマリーゴールド?あの二人は俺とで会う前から食べていた悪魔の実の能力を修業中で、今も他の奴隷と戦っている最中。
この奴隷ってのは、俺が引き取った奴隷で、解放して自由に暮らしてほしいけど、片っ端から解放していったら他の思想で頭の硬い天竜人や世界政府に目を付けられてしまう。だから俺は奴隷を手に入れては、取り外し簡単な首輪を付けてもらい表向き奴隷として暮らしてもらっている。ボタン式で誰でも取り外し可能性なのだ!
彼らの解放は明日起きる『神をも恐れぬ大事件』と同時に逃げてもらう。
『神をも恐れぬ大事件』とは、原作で魚人フィッシャー・タイガーが起こしたもので、彼は一人でマリージョアに乗り込み、多くの天竜人所有の奴隷を解放するという事件。原作でも、ハンコック達姉妹もこの事件の混乱に乗じて逃げ出す。
タイガーはこの後、元奴隷であった魚人とそうでない魚人を引き連れ、タイヨウ海賊団を結成し多くの海で暴れる。タイヨウ海賊団にはナミの故郷を襲うアーロンや王下七武海となるジンベイも所属していた。
何で明日それが起きるのか知っているか?
それは俺がこの事件の首謀者であるからだ!………もちろん原作のチャルロスが首謀者ではないよ。
去年の誕生日に父さんがくれた奴隷が件のフィッシャー・タイガーだった…………あの野郎どんだけ爆弾落としやがる。イラッと来て一発殴ろとしたが、俺はあることを閃いた。
タイガーと協力すれば、俺の奴隷も全員解放でき、他の天竜人の奴隷もすべて解放できるのでは…………
そこからの行動は早く。俺はタイガーの説得及び協力要請を開始し、3ヶ月にも及ぶ激闘の末信頼を勝ち取ることが出来た。
タイガーと計画を慎重に進めて行き、とうとう明日計画を実行するというわけだ。
シャルリアと父さん母さんは念のため別の島に昨日から行ってもらっているので安全。俺は変装してタイガーのサポートなどをするつもりだ。
あ~ハンコックが居なくなるのか……俺の癒しが無くなる………………明日から俺は生きていけるのだろうか………。
俺の命(胃)に関わる重大な事を考えながら、タイガーと計画の最終確認をするために元へ向かって行った。
☆☆☆☆
Side フィッシャー・タイガー
俺の前でウキウキしながら話してやがるこの人間は本当に可笑しなやつだ。本当に分かってんのか?明日はあんな計画を実行するんだぞ、緊張や不安はねぇのか?まだてめぇは15のガキだろ?…………いや、歳なんて関係ねぇな、俺と初めて会った時なんて今より小さい14だったからな………
俺とチャルロスが初めて会ったのは1年前。こいつの親父が別の天竜人の奴隷であった俺を買い、こいつに与えられた時に出会った。
当時の俺は奴隷となって見てきた『人間』への怒りから荒れに荒れていた。そして幼いこいつもそんな『人間』だと思い無視をしていた。首輪さえなければ今にも殺すくらいの殺意を持っていた。
近付いてくるこいつに俺はいつも怒鳴りながら、怒りをぶつけていた。
まだ幼いこいつは泣いてどこかへ行くと思っていたがそんな事はなく、いつも俺に近づき話しかけてきやがった。そして気付いたときには怒鳴り散らす俺とこいつは会話をしていた………会話と言っても意思のぶつけ合いだったが。
「俺は何を言われようがどんなことをされようがお前ら『人間』の話は聞かねぇし、絶対に屈しない!」
「何も悪いことはしないし、ただお前の首輪を外そうと近づきたいだけなんだが…」
「首輪外す、そんなこと信じられるはずがねぇ!てめぇらが見下す俺たち魚人、いや天竜人以外を自由にするわけがねぇ!」
「そんなことしない!ただ首輪を外したいだけだ!」
「口でなら何とでも言える!現にお前の奴隷たちには首輪が付いてるじゃねぇか!」
「あれは今俺が付いてる首輪と違って……」
「何が違う!人間や同胞である魚人たちにも全員付いてるじゃねぇか!てめぇもやっぱりあいつらと同じ『人間』だ!」
「あ~もぅ、話を聞けよ!」
「聞かねぇ!『人間』の話何で絶対に聞かねぇ!」
冷静じゃなかったのは分かっていた。3ヶ月もこいつと見てて、幸せそうな顔をしているこいつの奴隷たちの姿から、こいつが奴らと同じ『人間』じゃねぇってのは分かっていた。だけど奴らのせいで無惨に死んでいった同胞やあのすべてを諦めきった目をした奴隷たちを見てきた俺は、こいつをどうしても認めることが出来なかった。あの『人間』どもと同じ血が流れているこいつを。
「話くらい聞いてもいいだろ、この石頭!」
「聞かねぇな。あの『人間』と同じ血が流れてる奴の言うこと何て聞けるかよ。俺が信じるのは同じ血が流れる同胞だけだ!」
「………………」 ドタドタ バタンッ!
チャルロスは黙ったままうつむき、タイガーの顔を見ることなく部屋から走り出てしまった。
「ふぅー……やっと行ったか……」
今日で3ヶ月目……あいつは本当に変わった「人間」だな…………何だ?俺は……寂しいのか……ハアハア、俺はそこまであいつを気に入ってたのか……あいつが俺と同じ血が流れる同胞だったら友達に馴れたかもしれないな…………。まぁ、そんなはずがあるはずが━━
ガチャ 「ハァハァ…」
思考を中断され、開かれた扉を見ると息を切らしているチャルロスが立っていた。
「基本使わないから……見つけるのに時間がかかったぜ……」
まだ呼吸が落ち着いていない様だがあいつは気にせずに話しかけ、こちらに近付いて来た。
「タイガー…、お前がこれまで人間にどんなことをされたのかは知らない。それでお前が人間に対してどんな気持ちを持ったのかは当事者ではない俺には分からない。」
俺の目の前にまでやって来たこいつは、俺に向かって右手に持っていた物を突き刺す。
「イテッ!てめぇ何しやが━━━」
刺された注射器の痛みに声をあげ、あいつを睨み文句を言おうとしたが、奴のあまりにもこっちを見詰める真っ直ぐな目を見て、何も言えなくなってしまった。
「そしてそんな『人間』と同じ天竜人である俺の言うことがまったく信じられないことも分かる」
あいつは俺の血が入ったけ注射器を引き抜き、
「でもなぁ、お前が人間の言うこと何て聞かず、ただ同じ魚人の血が流れる同胞だけを信じるて言うなら、俺も同胞になってやる!」
注射器を差し込み、自身の体の中に俺の血を流し込んだ。
「これで俺も同胞だ!」
注射器で刺されるのが馴れていないのだろう、刺した辺りが赤くなっていて、痛みのせいか少し涙目で頼りなく、息切れも治ってないようだ……
「人間が俺たち魚人の血を献血することは法律で何百年前から法律で禁忌とされてるんだぞ」
「法律なんてコロコロ変わるし問題なし!」
「俺たちの血は人間にとって害になるらしいぜ」
「同じ赤い血が流れているそれで十分だろ!」
「それに━━」
「うっせぇな!同じ血が流れる同胞を信じろ!そして、お前の血が流れている俺を信じろ!」
「………………可笑しなやつどころじゃねぇな」
「?」
「いやこっちの話だ…。ああ、分かったぜ。俺は『人間』を信じない、信じるのは同じ血が流れる同胞と、俺と同じ血が流れるお前だけだ!」
「!!」
「さぁ同胞!いったい何の話をしたいだ!」
「っ!ええとこれとあれとそれと━━━」
「落ち着け、落ち着け、ゆっくりでいい」
ガキ見たいに目をキラキラさせやがって……いや、こいつ14のガキか。さっきまでの覇気や態度が嘘みたいだ。こんな人間も居るんだな……………こんな可笑しな同胞が居てもいいよな………
こいつのウキウキした目を見て、昔を思い出していたみたいだなぁ。まだ昔話や走馬灯は早いだろ。明日は奴ら『人間』にてめぇらが見下す俺たちの底力を見せてやる………………そして、ジンベイやアーロンに新たな同胞を会わせてやらなきゃな…………
Side out フィッシャー・タイガー
☆☆☆☆
どこにも埃や汚れのないある一室。そこには3人の人物がポツンと置いてあるソファの上に腰かけていた。。3人とも体格はバラバラで唯一の共通点は3人とも顔に可笑しな仮面を付けているということであった。
「ばらっらっら!今回の指令はばら?」
可笑しな笑い方をする体格の一番大きな、ウサギの仮面を付けた人物が猫の仮面を付けた人物に問いかける。
「うっふふ、今回は暗殺の指令よ」
「ばらっらっら!久し振りの暗殺ばら!」
「結構?」
「明日よ」
残りの犬の仮面を付けた刀を持つ人物が猫に問いかけ、猫は妖艶な声で答えを返す。
「対象?」
「今話題のチャルロス聖よ、うっふふ」
「様子?」
「どうした猫よ、機嫌が良さそうばら」
「そうね……機嫌はとても良いわ…………だってあの天竜人のはらわたを見ることが出来るんですもの。堪らない、堪らないわ!」
猫は仮面の下で頬を赤らめさせ、部屋中に妖艶な声を響き渡せる。
「納得」
「お主はそういう奴ばら!ばらっらっら!」
部屋にある指令書にはただ一文。
指令書
敵対行動と見なしチャルロス聖を抹殺せよ
今回の妙に熱血的な主人子。
踏み台臭漂いすぎるオリキャラ(笑)
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