「……いつまでそうやっているつもりよ?」
紅眼紅髪のヘファイストスは呆れかけたように声をこぼしていた。
ヘスティアはヘファイストスに対しかれこれ2日間額を地面につけ続けている。
「だから無理っていってるでしょ。どうしてあんたがそこまでするのさヘスティア」
「僕は…あの子の、力になりたいんだ!」
頭を額に付けたまま体制を崩さずに答えた。
「あの子は1週間前一瞬、一瞬だけ眷族の恩恵が消えたっ。ベル君は、僕の唯一の家族でとても大切なんだ!あの子はいつも危険な道を走る!いつ居なくなるかも分からないほど危険なんだ!すだから欲しい!あの子の道を切り開くための武器をが!」
視線を絨毯に置いたままヘファイストスのほうをみむきもせずに言葉続ける。
泣きながらも嘘偽りなく言葉をさらけ出していく。
「僕はいつもあの子に助けられて、養ってもらっているだけだ!僕はあの子の主神なのに、神らしいことは何一つだってしてやれていない!」
ヘスティアは体を力張らせながら言葉をつげた。
「何もしてやれない僕は嫌なんだよ…」
その弱々しい言葉はヘファイストスを動かすに足りた。
「わかったわ…作ってあげる、あんたの子にね」
先程まで泣きじゃくっていたヘスティアが顔を振り上げて、ヘファイストスは肩をすめた。
「でもひとつだけ条件があるわ、いいかしら?」
「何でも聞くよ、ヘファイストス。ありがとう僕とあの子のために」
立ち上がろうとするが長時間額を下に付けていたヘスティアはよろめき倒れる、頬を染めて破錠する友の姿に笑顔をこぼれる。
「ヘスティアの子には武器の性能を言わないで頂戴」
ヘファイストスは真剣な眼差しで伝えた。
「それが…条件なのかい?」
それに対しヘスティアは難しい内容ではない事に驚いている。
とても大切な事よと、ヘファイストスは壁に作り置きされた他へ向かった。
「あんたの子には使う得物は?」
「え…ナイフだけど?」
それを聞いたヘファイストスは紅緋の槌を取る。なんの装飾が一切無い得物を打つだけに作られたそれを腰に常備されたポーチにしまう。
次に彼女はジュラルミンケースに入っているいかにも高そうな金属塊-オリハルコンを取り出した
何よりも硬く、そして何よりも柔らかい究極まで至った精製金属。
一般では絶対にお目にかかれない、超希少金属だ。
「ヘ、ヘファイストス。もしかして、それで君が打ってくれるのかい?」
「当たり前でしょう。これはあんたとのプライベートなんだから、私の眷族を巻き込むわけにはいかないわ」
ヘファイストスの部屋には鍛冶作業のできる工房が小規模であるが存在する、そこでヘファイストス自らが武器を作成しようとしているのだ。
「文句でもあるの?」
ヘスティアはまさかと言わんばかりに首を振り答える。
「文句なんてあるわけないじゃないか!神匠と謳われる君に打ってもらえるんだ、むしろ光栄だよ!」
「そう、ここで条件が必要なのよ。私は見つけたわ、下界で【神の力】を酷使できる方法をね」
普通下界では【神の力】の使用は禁じられ、使用の感知がされた瞬間に天界に強制転送されてしまう。
その為にヘファイストスは天界では数多の神器神具を作り出しても下界では恩恵を受けた子供たちに劣ってしまう。それを覆せると謳ったのだ。
「ひとで必要なの…あなたも手伝いなさい、しっかり働いてもらうから」
「ま、任せてくれよ!」
【神の力】が使えると聞いてヘスティアは驚いたがベル君の為にしてくれると思うと感謝しか出てこない。
ヘスティアが望む、困難な道を切り開く刃。
友人の眷族はまだ半月もたたぬ新米冒険者。最初から強い武器を持たせると武器に引っ張られ、虚無の自身に駆られ破滅に進んでしまい、冒険者その者が腐ってしまう。
今までにない問題にヘファイストスは悩んでいた。
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