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小平先生が激おこぷんぷん丸になったせいで、教室は見事なまでに静まり返ってしまい、楽しげなスクールライフをこれから送るという雰囲気がすっかり消え失せてしまった。
今からいきなり殺されるとかいう展開にはならないよな……? さっき目が合ったとき死神みたいな表情してたし、襟首引っ掴まれて体育館裏に連れて行かれてあんなことやこんなことをされてしまうんじゃあ……。
「清瀬君? まだ何か?」
「いえ何にもありませんっ!」
マジでこええぇぇぇぇええっ!! 絶対寿命縮んだって俺……。
「今朝、皆さんの机に数字の書いた紙を入れておきました♪ 今日は……そうですね、数が少ない程ラッキーとしましょう」
さっきの出来事があったからか、まだ何も始まっていないにも係わらず、嫌な予感しかしない。恐らくただの紙が入っているだけとは思うが、一度疑い始めたらもう止まらない。ええい、ままよ!
机の中に入っている紙を勢い良く引っ張り出してみると、そこには「39」と書かれていた。……ちょっと待ってくれ。確かこのクラスって、40人いるんだよな?
…………嘘だろ。
「ねえねえゆー君」
絶望に打ちひしがれていると、杏が声をかけてきた。
「このクラスって確か……40人だったよね?」
「そうだけど……どうかしたか?」
「私って……このクラスじゃないのかな?」
そう言いながら杏が見せてきた紙には「49」と書かれていた。え!? 49!?
「い、いやいやいや。それはないだろ」
「私……もう退学?」
「そんな訳ないだろ! 入学当日で退学とか、鬼畜過ぎるわ!」
「…………」
「泣くなって……」
かなりショックだったのか、杏はポロポロと泣き始めてしまった。
「そ、それは……はなこさん。ゼロの部分のインクがこすれて9になっているのではないですか?」
「クラスメートが40人なのに、ありえないでしょそんな数……」
ぼたんさんとヒバリさんがすかさず紙の指摘をした。有り得ないとは思っていたが、杏が退学になるということはないようだ。いや、有り得たら困るけど。
「でも、どちらにしても40人中40番なのか……」
まあ、俺より下の番号を引き当てそうなのは、どう考えてもこいつしかいないんだよな……。
「!! じゃあ、私退学じゃないんだね!」
「だからさっきからそう言ってるだろうが……」
「うぇええん! よかったよぉおお!」
俺が思っている以上に、こいつのショックは大きかったようだ。嬉し泣きとはいえ、泣きながら抱き付いてきた。
「本当にお二人は仲がよろしいんですね」
「中学校が一緒だったとは聞いていたけど……もしかしてそういう関係なの?」
「そういう関係ってどういう関係だよ」
っていうか、ヒバリさんもぼたんさんもすげーニヤニヤしてるのは何なんだ。
「今のように抱き合っていますので……お互い想い合っているのかと」
「今朝も決死の覚悟で川に飛び込んでたわよね。今思うと、あの行動も納得がいくわね」
「……勝手に結論付けるのはやめてくれよ」
変なところで勘付きやがって……むず痒いというか、複雑というか、何とも表現し難い気持ちになるな……これ。
「落ち着いたか?」
「うん。もう大丈夫」
「気持ちは分かるけど泣きすぎ」
「えへへ……ごめんごめん」
「そしてそこの二人、ニヤニヤしながらこっちを見るな」
「だって……」
「ねえ?」
「? ゆー君どうかしたの?」
「いや……何でもない」
ハァ……ともかく、こいつに笑顔が戻って良かった。
「そうそうもう一つ、簡単な宿題を出しましょう!」
どこか楽しげな様子で、小平先生がこんなことを言い出した。
宿題? 入学式なのに? 普通、こういう日って連絡事項をパパッと説明してすぐに終わるもんだと思ってたけど……。
……で、ナニコレ。
「先生が一つ一つマークを入れたたまごです。生ですから気をつけて下さいねー♡」
目の前にポツンと、いやコロンと置かれたたまご。よりにもよって生かよ。腐ってたりとかしないよな?
「中身は腐ってたりしてませんのでご安心を」
何で心の中分かるんだよ……しかも思いっきりこっち見ながら言ってるし。
「とりあえずこのたまごを、明日のHRまで割らずに持っていること! これが本日の宿題です」
普通に聞く分には、めちゃくちゃ簡単な宿題に聞こえるだろう。しかし忘れてはいけない。このクラスにいるのは、全員が「不幸」な人間なのだ。俺も含めて。
きっと、恐らく、何かしらのトラブルに巻き込まれて、あっけなくたまごは割れてしまうような気がする。ここにいる全員が。
フラグだって? その通り、フラグだよ。それがリアルタイムで立てられまくっているのが、このクラスなんだろう。
短いですがここで切ります。
それではまた来月に!