2話
本日は五歳の誕生日である。
しかし、前世を含めて考えても、ここまでひどい誕生日プレゼントはなかったと思う。
「ほう、五歳になったか。よし、今日は特別な場所に連れていってやる」
といいながら、寝ていた俺を連れて航海する事数日、俺はグランドラインのある島に放り出された。
「ここには恐竜がおるからの、恐竜の肉はなかなか上手いらしいぞ、たらふく食ってこい」
自給自足の誕生日プレゼント(命懸け)。
副官さんが、各種調味料を用意してくれるという優しさ付。
いや、まじで子供110番とかないですかね。
ああ、本人が、取り締まる側の幹部でしたね。
海兵になるのはやぶさかではないが、そのあかつきには是非ともあの親父を一海兵までに落としたいものだ。
いや、本人喜ぶか。
現実逃避気味に考えながら、森を見回す。
「うん、いろんな殺気が俺に向かって来ているな」
各種動物たちからの熱い殺気混じりの視線にウンザリする。
見聞色の覇気は使えないが、ここまであからさまな殺気だと、誰でも気づく。
「確か、ここはリトル・ガーデンだったか。ドリーとブロギーがいる島だったっけな」
確か、ケスチアとかいう病気があるんだっけ。
危ないなと思って、いると、調味料の中に抗生物質を見つける。
副官さんいい人だな。
ちなみに現在スキルで一番高いのは医術である。
応急処置などを自分でしているうちに、気がついたら上がっていた。
今では、大抵の応急処置は自分でこなせる。
ちなみに、今まで購入したもので、一番高いものが、医学者と薬草辞典である。
サバイバルには必須である。
まだ見ぬ甥っ子とかは、あんなに物を知らないのにどうやって生き残ったのか、本当に疑問である。
「とりあえずは寝床と水場の確保かな」
サバイバルに慣れてきている自分が悲しい。
まあ、せっかくなのでキャンプだと思って楽しむか。
思考を切り替える。
少しして水場と寝床の確保を得た俺は、
「じゃあ、やりますか、武装硬化」
両拳に覇気を纏わす。
「晩メシ、晩メシ~」
自身の体を、人獣型に変身し、首長竜の近くまで走る。
「あれだけ的がでかいと狙いやすいな」
首ひとつ分どころか、ビル一つ分ぐらい抜けてる。
現在、俺が伸ばしているのは体術スキルである。
先日剣術スキルのレベルが上がったので、体術スキルもあげたいのである。
剣が無くなったら、戦えなくなるというのを避けたい・
別に俺は剣士になりたいわけではなく、生き残りたいのである。
足から体を駆け上がりながら、頭を目指す。
「拳骨Ver.メタル」
何のひねりもなく、勢いをつけて頭を殴る。
頭蓋骨が砕ける音がする。
現代人として命を奪うことの抵抗?
ははは、人間生きる為なら何でもできるものなのだよ。
首長竜の巨体が音を立てて、地に伏せる。
「よし、ご馳走確保。独り誕生日パーティでもするか」
現代のボッチな記憶が蘇り、少し鬱になりそうである。
この後、恐竜を焼いて、食べていると、煙に気づいて、ドリーとブロギーが近づいて来た。
酒を持ってないと分かると、残念そうな顔をしたが、一緒に恐竜の肉を食べて仲良くなった。
食事の後、能力を使って武器の手入れをしてあげたら、とても感謝された。
数日後、親父が迎えに来た。
やけに早いと思ったら、センゴクさんに怒られて引き返してきたらしい。
そのまま、マリンフォードまで連れて行かれた。
センゴクさんが、心配そうな顔で駆けつけてくれて、特に怪我や病気はないと分かると、安心した顔で頭を撫でてくれた。
念の為医務室に連れて行かれ、検査を受けた後は、ケーキを買ってくれて、誕生日プレゼントも買ってくれた。
センゴクさんマジいい人。あんたの子供に生まれたかったです。
ちなみに親父は説教された後、海軍本部の清掃をやらされていた。
これで、少しは懲りるといいが、まあ、無理だろう。
親父の辞書に、反省と自粛という文字はないだろうから。