IS~復讐の仮面~   作:流離の素人

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初めまして。
流離の素人と申します。
思い立ったが吉日ということで投稿を始めてみますが、どうなるかわかりません。

楽しんでもらえたら幸いです。


第1章 prologue
第1話


 

なぜだろうか、目覚める前の記憶があやふやになっている。

僕は、朝起きて学校に向かっていたはずなのに、ここにいる理由が全く分からない。

 

「目が覚めたかな?」

 

どこからともなく男の声が聞こえる。

しかし、周囲を見渡しても人影は見当たらず、声の主は見つからない。

 

「そんなに周りを見てもわたしはそこにはおらんぞ」

 

まるで僕の動きをみているかのように、声の主は告げる。

僕は、声が聞こえたほうを見つめる。見つめた先の壁面にはスピーカーが埋め込まれていて、そこから声が出ているようだった。

 

「なんで僕はこんな場所にいるんですか?あなたは一体誰なんですか!」

 

僕は何もわからないこの状況に戸惑い、声を荒げてしまう。

 

「落ち着くのだ。少年よ」

 

スピーカーから発せられた僕をいさめる声にびくりと体を震わせて口をつぐんでしまう。その威厳に満ちた声は、僕に一切の反論を許さないような強さを秘めていた。僕が黙り込んだのを理解して満足したのか、声の主は、話を続ける。

 

「君は命を落としたのだ、走行中のトラックにはねられてな」

 

死という言葉に、僕は呆然としてしまう。

突拍子もない話で、にわかには信じることができない。体を見渡しても見ても傷は一つもついていない。車、それもトラックにはねられたとあれば、体がミンチになっていてもおかしくはないはずなのに。僕は、疑いのまなざしをスピーカーに向け黙ったままでいた。

 

「その顔はどうやら私のいうことが信じられていないのだな」

 

僕の考えを見透かし、声の主は僕に問いかけてくる。僕はその問いかけに対し、首を縦に振ることで答えた。

 

「自分が死んだなんて信じられるわけないだろ」

「そうか……信じることができないか、ならば信じられるようにしてやろう」

 

僕の返答を聞いた声の主がそういって告げると同時に、パチンという指を鳴らしたような乾いた音がスピーカーから流れた。

 

「信じられるようにって何が……ぐわぁぁぅぅ」

 

声の主のよくわからない行動に疑問を抱いていると、突然体に感じたことのない激しい痛みが襲い掛かり、僕はそのあまりの激痛に叫び声をあげてしまう。

立ち続けることができず、僕は地面に倒れ伏し、痛みから逃れるためにもがくが、その動きが更なる痛みを体に流す。気づかないうちに、僕の目からは涙が流れ、出していたはずの声はかすれ出し声にならなくなっていく。

 

「これで分かったかな?」

 

再びスピーカーからパチンと音が流れると、僕の体に流れていた痛みは急速に静まっていった。

 

「あっ……があっ、なにっ、がっ……」

 

地面に伏せたままの状態で、僕は、スピーカーをにらみつける。

 

「すまないな……君が今感じたのが、君がトラックにはねられたときに受けた痛みだ。君が信じられないまま話を続けても、意味がないと思ったからな、痛みを実際に感じてもらうことにしたのだ」

「ふざっ、ける……な」

 

僕はスピーカーをにらみつけたまま、いらだちを隠さずに告げる。けれど、実際に感じたあの痛みは、これまでに感じたどの痛いという感覚も越えたものだった、僕は、声の主の言葉の意味を、自身の身を持って信じさせられてしまった。

 

「くそっ、本当に僕は、死んだんだな」

「信じたのかな?」

 

声の主は再び僕に問いかける。

 

「あんなもの感じさせられて、信じないわけにはいかないだろ……」

 

僕の返答を聞き満足したのか、スピーカーから笑い声が漏れ出してくる。何が面白いのだろうか、あんな痛みを体験させておいて笑い出すなんて声の主の気が知れない。

 

「あぁ、すまないな……君が死んでしまったことを信じてもらえたのならば話は早いと思ってな。死んでしまった君に私から提案があるのだが聞いてもらえるかな?」

「提案?」

 

声の主の提案という言葉を聞いて僕は疑問を覚える。

死んだ人間に対して何を提案するというのか、僕はゆっくりと地面から立ち上がり、スピーカーを見つめ、声の主が提案を話すのを待つ。

 

「君には……別世界への転生をお願いしたいのだ……」

「はぁっ!転生?」

「そう転生だ……」

 

声の主の言葉に僕は戸惑う。転生といえば、創作もので時折でてくる言葉だが、現実世界では絶対にありえない現象だ。死んだ人間をよみがえらせることなんて普通はできない。何も答えることのできない僕に対して、声の主は説明を続ける。

 

「君は本来死ぬべきではなかったのだが、死んでしまった……。それは、わたしたちのミスであり、その償いをしたいのだ。残念ながら、元の世界へと転生させることはできないが」

 

声の主が告げたのは、僕が本来死ぬ運命ではなかったということ、これもよくあるテンプレートだ。僕は、不思議と少しずつ声の主のいうことを信じ始めていた。

 

「転生先はどんな世界なんだ……」

 

別の世界へと転生するにあたって、その世界のことを知るのは重要だと思い、僕はその世界に対しての説明を求めたのだが

 

「残念ながら転生先の世界に関しては説明できない……ただ、君の生きていた世界とはほとんど変わらない世界にはするつもりだ」

 

具体的な説明を聞くことはできなかったが、元の世界とはほとんど変わらないということを聞いて安心する。戦いの絶えない世界だったり、地球外の星系での生活なんかだったら正直生きていける気がしないからな……

 

「わかりました。僕を転生させてください」

「そうか、提案を受け入れてくれるのか……ならばさっそく」

 

流れると同時に、目の前に銀色のカーテンのようなものが現れる。その先には、海に囲まれた島に、近未来的な建築物が写っていた。

 

「もう始まるんですか?」

 

僕はスピーカーに向かって問いかけるが答えが返ってくることがなかった。

銀色のカーテンが近づいてくる。次第に、僕の意識は遠のき、数秒後には完全に途絶えた。

この瞬間僕は、転生を果たしたのだった。




いかがでしたでしょうか?
まだ触りの部分なので、よくわからないと思いますが……

楽しんでもらえたら幸いです。
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