IS~復讐の仮面~   作:流離の素人

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遅くなりましたが時間が空いたので投稿します。
今回は短いです……

楽しんでいただけたけたら幸いです。


第3話

僕は、公園で出会った迷子の少女と会話を交わしながら、すれ違う人に目的の場所を訪ねては、道を進むという行動を繰り返していた。

その繰り返しの行動の合間に、僕のあとをテクテクと短い歩幅でついてくる少女と、お互いのことを交互に話し合った。

その甲斐あってか、少女の名前などを知ることができた。

彼女の名前は、簪で、小学校の中学年。ひとつ年上のお姉さんが居て、今日は、そのお姉さんと一緒にデパートにヒーローショーを見に来ていたらしいのだが、ヒーローに夢中になるあまりはぐれてしまったとのことだ。

 

「簪っていい名前だね、なんていうか風情があるね」

 

僕は、簪ちゃんとの会話で聞くことのできた情報を、頭のなかでまとめながら、彼女に話しかける。

簪ちゃんは僕の言葉に首を傾げて、不思議そうな顔をしている。

 

「ふぜいって?」

 

どうやら言葉の選択を間違ったらしいことに気づき、僕は、彼女にも分かりやすいように言い直す。

 

「ごめんね。ちゃんとした意味とは違うかもだけど、可愛いとか、綺麗っていう意味かな」

 

言い直しの言葉がうまく思いつかず、小学生にも分かるような言葉を選んで彼女に伝えた。すると、彼女は、頬を赤く染め、立ち止まってうつむいてしまった。

照れているのは何となく分かったが、そこを指摘するのは無粋かと思い、僕は、少し彼女の様子を見守ったあとで、歩こうと一言伝えて、手を握った。

簪ちゃんは、僕の手に引かれて歩き出すが、先程よりもさらに赤く頬を染めている。

男兄弟は居ないようで、異性と手を握るのは慣れてないのかなとか、妹が居たらこんな感じだったのかな、なんて考えながら僕は、目的地に向かって進んでいった。

 

 

 

 

数十分後

 

僕と簪ちゃんは目的地のデパートにたどり着いた。

そのデパートは、僕の世界にもあったような大衆的なデパートだ。

 

「簪ちゃん、ヒーローショーやってたの、どこだか覚えてる?」

 

今にもデパートの中に駆け入りそうな簪ちゃんの手を握り、質問をする。

簪ちゃんは、首を横に振って、覚えていないことを示す。

 

「あの……ごめんなさい……」

 

申し訳なさそうに視線を落として簪ちゃんは、元気なく僕に謝る。

 

「気にしないでっ!聞いてみただけだから、探せばすぐに見つかるし……」

 

視線を落とす簪ちゃんを見て、僕は慌てて言葉を訂正する。

僕の言葉を聞いて、彼女は視線をあげて僕のほうを見つめる。

 

「ほんとうに……?」

 

瞳を潤ませて僕を見つめて、首を少し傾ける。

不安そうな簪ちゃんの頭を軽くなでて、微笑む。

簪ちゃんは気持ちよさそうに表情を明るくし、目を細める。

 

「それじゃ、、行こっか?」

「あっ……」

 

頭を撫でる手を放すと簪ちゃんは残念そうな顔をする。

僕はその表情を見て、再度、彼女の頭を撫でる。

 

「ん……」

 

再び頭を撫でられ、先ほどと同じように目を細める。

1分ほど、頭を撫でた後に「行こうか」と声をかけると、簪ちゃんは首を縦に振る。

満足したように笑う彼女を連れて、デパートに入る。

 

僕は、また簪ちゃんがはぐれないように、彼女の手を握り締める。

簪ちゃんも、僕を放さないように、握る手に力を込めた。

お互いに握った手を振りながら、デパートの中を歩いていき、簪ちゃんがお姉さんとはぐれたヒーローショーの会場に向かう。

 

「どうかな、お姉さんは居そうかな?」

 

会場に近づいてきたので、簪ちゃんに声をかける。

彼女は、視線を右へ左へと動かして、お姉さんを探している。

 

「簪ちゃん!」

 

僕と簪ちゃんが、お姉さんを探すためにキョロキョロと辺りを見ていると、簪ちゃんを呼ぶ声が聞こえた。

その声が聞こえた方を振り返ると、簪ちゃんを少し大きくしたくらいの女の子がこちらに走ってきていた。

 

「おねぇちゃん!」

「簪ちゃん!」

 

姉の姿を見つけた簪ちゃんも、お姉さんと同じように走り出す。

簪ちゃんは、お姉さんの近くに行くと、お姉さんに向かって飛びつく。

お姉さんは、簪ちゃんの体をしっかりと抱きとめて、涙を流している。

 

「見つかってよかったね。簪ちゃん」

 

僕はしばらく二人の様子を眺めた後、その場から立ち去ろうと振り返った。

 

「ちょっと待ってもらえないか……」

 

立ち去ろうとする僕を引き留めるように、黒のスーツに身を包んだ男が立ちはだかる。

 

「えっと……何でしょうか?」

 

威圧感のあるその姿に僕は気圧されてしまう。

気づくと僕の周りには、同じような格好をした男たちが立っていて、完全に逃げ場を封じられてしまっていた。

買い物客が、囲まれている僕のをことをちらちらとみているが、誰も助けようとはしない。

 

「はぁ……まじか……」

 

ため息をつき、その場から立ち去ることをあきらめる。

数分後、僕は黒服の男たちに連行され、車でどこかへと連れていかれるのだった。

 




かなり短くて申し訳ないです……
おそらくしばらくはこんなのほほんとした話になるかと

読んでいただきありがとうございました。
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