超重力格闘伝―IS―   作:泣き虫くん

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26話、夕餉の誘い

 大晃は夜のアリーナに一人佇んでいた。

 アリーナが見渡せる観客席の一角であった。

 大会は終わっている。

 決勝で大晃は箒とラウラと優勝を掛けて争っている。

 結果、大晃は負けた。

 ラウラの予想外の戦術に絡めとられ、そこで生まれた隙を箒に突かれたのだ。

 

「ふふん」

 

 大晃は空を見る。

 大会の余韻を味わうようにして、月の光を浴びている。

 肉体がその月の光を帯びて薄く輝いている。

 

「楽しかったなぁ」

 

 口をついて出るのは、負けたことへの悔いではなく、充実した時を懐かしむ声。

 確かに負けたことは悔しいだろう。

 しかし、あの二人は強かった。

 だから、強硬策に出て蹴散らそうとしたのだが、それが裏目になった。

 追い詰めることはできたものの、勝ち切ることはできなかった。

 ラウラは異様だった。

 追い詰めるたびに、何かを掴んで強くなっていった。

 結果、とんでもない戦術を編み出されて負けたのだ。

 そして、その流れに不満はなかった。

 

 ――あの二人にならば負けてもしょうがないか。

 

 そんなことさえも考えているような笑みであった。

 後悔などあるはずもない。

 

「負けたくせに笑うとは、おかしな奴だ」

「織斑先生」

 

 大晃はその声のした方向を向いた。

 織斑千冬がそこに立っていた。

 

「仕方ないですよ、楽しかったんですから」

「つくづく、おかしな奴だな」

 

 千冬は大晃の隣に立った。

 

「金子博士は帰られたか」

「ええ、じいちゃんは忙しい人ですから」

「祝賀会には出なくてもいいのか?」

「もう、終わりかけですから」

「ふぅん」

 

 大晃は簡単に答えた。

 まず、金子博士。

 金子先生と大晃が呼ぶ老人はすでに帰宅の途についている。

 

「また、傷を付けおって。もっと、丁寧に扱ったらどうなんだ」

 

 金子博士は決勝戦後に大晃のもとに現れた。

 "無手"の肩部に空けられた穴と他にも傷を幾つか付けられた機体。

 その文句をまずは言った。

 しかし、その文句を言いながらも、すぐに機体を直してくれた。

 あまり手を掛けられなかったので少し機体を休ませる必要はあるが、半日も掛けずに修理を終えた。

 

「とにかく、お主が機体を己のものとしているようで何よりじゃ」

 

 金子博士はそれだけを言った。

 そして、帰っていった。

 明日からもまた研究の日々らしい。

 とても老人とは思えないアクティブさであった。

 そして、祝賀会。

 これは今も行われている。

 夕食の時間がまるまる祝賀会として扱われていた。

 箒とラウラも出席している。

 

「ラウラがあんなことをするなんて、思ってもみなかった」

「ええ」

 

 ラウラは全員を驚かせた。

 まず、最初に皆に謝っていた。

 プライドの高いラウラが頭を下げるなどとは想像もつかないことであった。

 そんなラウラは皆に告げたのだ。

 全員を見下していたと、しかし、それは間違いであったと。

 見下されているという意識は大体の人が持っていた。

 授業で一緒のグループになった人間は特にそうだ。

 そこで箒とのトラブルが起きたのである。

 とは言え、余程のことがない限り関わらないというのもラウラのスタンスである。

 普段から汚い言葉を吐いたりしていたわけではない。

 ラウラの謝罪は素直に受け止められた。

 千冬はこの事実に安堵に近い想いを抱いていた。

 

「ラウラはクラスに馴染めそうだったな」

「馬が合いそうな連中がちらほらいますね」

「ふふん、そうじゃないだろ」

「やめてくださいよ。変なあだ名が定着したら困るのは俺なんですよ」

 

 大晃は頭を片手で抑えた。

 原因はラウラにある。

 

「安城大晃!」

「どうした?」

「貴様に大事なことを宣言する!」

「宣言? 一体、なにを?」

 

 ラウラは緊張していた。

 深呼吸をしてからラウラはその宣言をした。

 

「私を……、私を貴様の娘にしろ!」

 

 そんなことをラウラは言ったのである。

 一番の問題はその場所であった。

 教室には人が沢山いた。

 しかも、わざわざ大晃を教壇に呼んで視線を全員の視線を集めておいた上での行動。

 いるのは十代の少女である。

 ラウラの発言を聞き逃されるはずもなく、瞬く間に広がった。

 それは悲鳴のような歓声だった。

 きゃあきゃあという薄い悲鳴が折り重なって分厚い歓声へと変化した。

 そして、その発言に動きが止まっていた大晃に、ほんの一分ほどで爆弾が飛び込んできた。

 

「えへへ~~、じゃあ、今日から大ちゃんは、皆のお父さんだね。ねぇ、おとうさ~ん」

 

 ぶかぶかのほんわかとした服を着た少女、通称のほほんさん。

 そののほほんさんが腕に抱き着いて言ったその言葉が決定打になった。

 

 おっとうさん。

 おっとうさん。

 おっとうさん。

 

 "お"に力を溜めて"と"で力を開放する発声で巻き起こる、お父さんコール。

 その後も大晃は、お父さん、お父さん、と顔を合わせる女子たちに延々と言われ続ける羽目になったのだ。

 外国からの留学生にその母国語でお父さんと言われたりもした。

 とにかく、大晃とて、そんな状況では超然とはしていられなかった。

 千冬はその様子をしっかりと眼に収めていたのだ。

 

「珍しいものを見せてもらったよ。貴様にも恥じらいがあったんだな」

「困っていただけですよ」

「ひょっとしたら、それで逃げてきたのか?」

「……別に逃げてきた訳じゃないです」

 

 少しだけむくれた様に返事をする大晃。

 そんな大晃を見て、千冬は今更ながらに、この男も高校生なのだと思い出した。

 

「そうか、ところで……」

 

 千冬は歯切れの悪い表情になった。

 

「一夏はどうだった?」

「表向きは普通にしてましたよ」

 

 大晃は一夏の様子を語り始めた。

 一夏も楽しんではいた。

 周りが全員女子で苦労はしていたが、皆の輪に入っていた。

 一夏が準決勝で同士討ちしてしまったことで、クラスメイトと距離が空いたということはない。

 不幸な事故だとみんなは考えていたからだ。

 引っかかりを覚える人間もいたが、特にこの場で言うことではない、と表に出すこともない。

 一夏は男だからという理由で雑用っぽいことを任されてもいた。

 しかし、一夏はそういう雑事が得意で、好きだったりする。

 満更でも無さそうに作業をこなしながら、皆と楽しそうにしていた。

 

 しかし、時折、妙な表情を見せることがあった。

 作業の合間、あるいは誰とも話をしない空白の時間。

 そんな手持ち無沙汰担な時に遠くを見るのである。

 ただ、遠景を見るのではない。

 己の行く末を見つめる眼をしていた。

 

「どうした、一夏」

「大晃」

「なあ、悩みがあるんなら俺が聞いてやろうか?」

 

 実際に立ち会った者が相手をするのが良いだろう、と喧騒から逃れるように大晃は話を切り出した。

 少しの間、周りから離れて話を聞いた。

 一夏は重い口を開いた。

 

「良い試合だったな」

「ああ」

「ラウラはあの試合で一皮むけたよな」

「そうだな」

「なんで俺はああいう風にできなかったのかな」

「うん?」

「俺とラウラは一体何が違ったんだ?」

 

 準決勝で一夏は一度、意識を失った。

 また、決勝戦でラウラもまた意識を失っている。

 そして、ラウラはそこで成長を果たし、反対に一夏は豹変した。

 一夏には何が自分とラウラを分けたのか分からない。

 それがもどかしい。

 

「一夏はあの意識を失っていた間、何を見ていたんだ?」

「古い記憶さ……」

 

 そう言って、一夏は己が誘拐されていたことと、それを今まで思い出せなかったこと、その恐怖で狂ってしまったことを話した。

 

「なるほどねぇ」

 

 大晃は内容を咀嚼してから、また、話し始めた。

 

「きっと、悩んでいた時間の差だろう」

「時間?」

「ラウラは言っていたよ、自分は闘う以外に能がないと言っていたよ」

 

 大晃はラウラの台詞を思い出していた。

 覚醒時の決意を込めた言葉は思い出すだけで、背筋をびりびりとさせる。

 

「あいつはきっと悩んでいたんだろう。負けたら今までの自分は一体何だったのだろう、という不安。

 自分の存在意義に関して、あいつは常に不安が付きまとっていたんだろうな」

「そうか、俺は今まで悩んでいなかったから」

「まあ、それはそうだろう。記憶がないことに関して、想いを巡らす方法なんてないからな」

 

 とにかく、と大晃は言いたいことを言った。

 

「ラウラが悩みに対する回答を得たように、お前さんも自分にどういう問題があるのかはっきりできたんだ。

 だったら、お前さんもうんと悩んだらいいさ」

「大晃……」

「答えは案外近くに転がってるもんだ」

 

 そういう話を大晃はしたのだった。

 千冬は大晃が語っている間は、黙っていた。

 

「相談に乗ってくれたんだな。礼を言うよ」

「いえいえ、とんでもない」

 

 千冬もそれを聞いて少しだけ安心したような様子を見せる。

 

「まあ、あいつは大丈夫ですよ。俺が保証しますよ」

「一夏の姉である私に対してでかい口を叩くな……、と言いたいところだが、貴様には弟が世話になることだろう。

 それに免じて、まあ大目に見てやろう」

 

 千冬はそれを見上げた。

 月がよく見える。

 その月を見て何かを決心したのか、千冬は少しだけ緩んでいた頬を引き締めた。

 

「大晃」

「なんですか?」

「きっと、これからもトラブルは起き続けるだろう。今、性質の悪い連中が動いている」

 

 それは果たして、無人機の操り主か、亡国機業のことを言っているのか。

 

「そのときに貴様はきっと鍵になる。

 私も全力を尽くす、しかし、もし私が間に合いそうになかったら、大晃、お前が皆を守ってやってはくれないか」

 

 千冬が僅かに顔を歪めた。

 教師として力は尽くすが、活発化するであろう組織の干渉全てに有効な手を打てるとは限らない。

 

「うれしいことを言ってくれますね」

「そう言って貰えれば、こっちも気が楽だがな」

「まあ、でも、そんなに心配する必要はないと思いますよ」

 

 大晃は笑う。

 脳裏に浮かぶのはこの大会の闘い一つ一つ。

 

「タッグバトルという変則的な大会。俺という異物を抱えながらもその大会を完遂できたんです。

 ちょっとやそっとの事態なら乗り越えてくれますよ」

「分かっているさ。それでも貴様が一番頼りになるからな」

「本当ですか?」

「ああ、殺しても死なない気がするよ」

「ふふん」

 

 千冬は大晃を改めて見た。

 観察と言った方が近いかもしれない。

 山の風格がある。

 本当に高校生かと思えるほどの気配を纏っていた。

 同時にあどけなさがある。

 もっと言うのなら年相応の表情をすることもあるのだ。

 今日の祝賀会で揶揄われて苦笑を浮かべた大晃は、肉体を除けば普通の高校生であった。

 そんな大晃に頼ろうとしていることに、千冬は胸を痛ませる。

 しかし、これから先の出来事に自分一人で何とかなると思うほど、楽観視はできない。

 

「織斑先生」

「なんだ?」

「気にしないでください。俺は今ワクワクしているんですから」

「……そうだな、貴様を心配することほど馬鹿らしいこともない」

 

 そんな千冬の心情とは別に大晃は胸を躍らせる。

 目を輝かせて月を見上げる大晃の姿は、千冬の罪悪感を吹き飛ばしていた。

 

「ああ、そうだった。伝えておくことがあった」

 

 

 

 三日後。

 大晃はIS学園の外に出ていた。

 IS学園にはモノレールがある。

 その駅から車で十分から十五分ほどの距離にホテルがある。

 IS学園に来る人間には政府の高官や研究所の所長クラスの者が多い。

 だから、そういう人間が宿泊することもあるこのホテルのランクはかなり高い。

 

 大晃は今そのホテルを目指していた。

 

 そこに行く理由ははっきりとしていたが、その中身は未だに判然としない。

 幾ら世界でただ二人の男性適正者とは言え、何の理由もなしに呼ぶはずがない。

 そして、呼ばれたとして具体的な権力を持っているとは言い難い大晃を、呼ぶ意味も薄い。

 密約を交わすとして、世界中から注目されている大晃を相手に、それをするのは難しい。

 では、大晃に心当たりが全くないのかと言われればそんなことはない。

 

 シャルロット・デュノア――、シャルル・デュノアとしてスパイ活動を強いられている少女である。

 今は同室となっているこの少女に関することであろうことは、大晃にも想像がついている。

 

 そもそも、この招待の話を大晃に伝えたのは、シャルロットであった。

 

「あのね、大晃。ちょっと、話があるんだ」

「なんだい?」

 

 自室でシャルロットからそう切り出された。

 複雑そうな顔をしていた。

 

「どこかで空いてる日はないかな?」

「別にいつでも空いているよ。なんだ、どこか行きたいのかい?」

「実は、あの人から連絡があったんだ」

「あの人?」

「僕の父さん」

「なんて、言っていた?」

「大晃を夕食に誘いたいんだってさ」

「ほう……」

 

 大晃の声が小さくなった。

 シャルロットがシャルルとして振舞わなくてはならないのは、その父親に原因がある。

 シャルロットは妾の子である。

 愛人であった母親と二人で暮らしていた。

 その母親が亡くなった時に、父の遣いがやって来て、シャルロットを父親のもとに連れてきたのである。

 それまで、シャルロットは自分の父親については何も知らなかったが、分かってからも父親らしいことはして貰ったことが無い。

 だから、シャルロットは父親を"あの人"と呼ぶんでいる。

 

「いいんだよ、断ってくれても」

「いや、是非参加します、と伝えてくれよ」

「え? 本当に良いの?

 きっと、碌なことを考えていないよ。大晃だって"あの人"がどんな人か知っているでしょ」

 

 シャルロットは自身の事情については伝えてある。

 しかし、それでも大晃はシャルロットの味方でいてくれたのである。

 そんな大晃がシャルロットの父親に対して良い想いを持っているはずが無い。

 大晃が嫌々に付き合うことはシャルロットにとっても良いことではない。

 

「気を遣うな。この際、親父さんに聞いておきたいことはあるからな」

「でも……」

「安心しろよ、俺はシャルロットの味方だ。

 悪いようにはしないさ」

「大晃……」

 

 シャルロットが何らかの決意を固めるように言った。

 そのシャルロットの声が大晃の耳にまだ残っていた。

 大晃は苦笑した。

 シャルロットは心配をしている。

 それは分かる。

 しかし、大したことが起こるはずはないのだ。

 生徒を管理する立場であるIS学園にもこの話は通してある。

 そして、実際にこの招待に応えることに関して、IS学園の許可が出ているのである。

 であるのなら、危険が付きまとう性質のものではない。

 いや、危険はあるのかもしれない。

 しかし、それを理由に断るつもりもなかった。

 

「案外、俺に会いたいだけだったりしてな」

 

 大晃はそう言った。

 広い車内にその呟きが消えていった。

 

「俺なんぞを相手に……、大げさなことだ」

 

 駅から降りた大晃を待っていたのは黒塗りのリムジンであった。

 大晃は躊躇なく乗っていた。

 既に車中に入ってから、十分ほど時間は経っている。

 大晃は不敵な笑みを浮かべた。

 ホテルはもうすぐそこだ。

 

 

 

 大晃はホテルの最上階に案内された。

 目の前にあるのは豪奢なドアだった。

 ドアだけでなく、このフロア全体の装飾のレベルもかなり高い。

 少なくとも他のフロアのワンランクは上であった。

 そして、このドアの向こうにあるのも、普通の部屋であるはずがない。

 スウィートルーム。

 およそ普通人が泊まるのは無理な部屋であった。

 

「失礼します」

「なんだ?」

「安城様をお連れしました」

 

 ボーイがノックをすると、中から声が聞こえてきた。

 男性の声だった。

 ボーイがドアを開けた。

 ドアが開かれると、広い空間が現れた。

 天井が高い。

 最上階の部屋だというのに、二階建ての家がすっぽり収まりそうなくらいだった。

 そして、そんなでかい部屋だというのに、一面がガラス張りなのである。

 映画のスクリーンに映した映像のように、夜景が現れた。

 

「初めましてだな」

 

 男が立っていた。

 金髪を後ろに束ねた、偉丈夫であった。

 年齢は四十前半であろう。

 180センチ以上の肉体をスーツが包み込んでいる。

 大晃に背を向け夜景を一望していた。

 

「私がデュノア社の社長、シャルロ・デュノアだ」

 

 シャルロと名乗った男は振り返った。

 大晃を見つめる目には、薄く興奮の色が浮かんでいる。

 

「先に自己紹介をさせてしまいましたね。安城大晃です」

「知っているよ、君のことは」

「それは光栄です。もっとも当然でしょうがね」

「今日は招きに応じてくれて感謝しているよ。ありがとう。

 安城くんもどうして自分がここに招待されたか、不思議に思っていることだろう。

 だから、まずはそれを教えておこう」

「話が早くて助かります」

 

 シャルロは右手に持っていたグラスをテーブルに置いた。

 

「君と色々と話がしたくてね。まあ、大した用事があるわけではないのだよ」

「……ふぅん」

「答えになっていないと思うかもしれないが、私がここで言いたいのは、君をどうにかしよう等とは考えていないということだ。

 私も君をここに呼ぶことが非常識だとは思っている。君も裏があると勘ぐってしまうだろう?」

「実はそうなんですよ」

「だから、まずは君に理解して貰いたいのだ。私は本当に話がしたくて呼んだだけなのだ、とね」

「分かりましたよ。取り合えず、あなたの考えはね」

「助かるよ」

「それに俺にとっても結構、都合がいいんですよ。この招きはね」

 

 大晃は薄く笑った。

 

「あなたに話したいことがあるように、俺にもあなたに話したいことはあってね。

 "シャルロット"については、特にね……」

「ほう、それは面白そうだ」

「でしょ」

 

 シャルロも薄く笑った。

 

「その辺も含めて今日はいっぱい話をしようか」

「そうしましょうか」

「ふふん、楽しくなりそうだ」

 

 シャルロは右手を差し出してきた。

 大晃はそれに応えるように、右手で握り返した。

 シャルロはそんな大晃の身体をまじまじと見た。

 

「素晴らしいな、この肉体」

「あなたも素晴らしい身体をされていますよ」

「素手で闘う肉体の美しさには負ける。

 一体どういう経緯で君が素手で闘うようになったのか、聞かせて貰いたいな」

「もちろん」

 

 握手を終えるとシャルロは大晃をソファーの置いてあるテーブルに案内した。

 

「さて、遅くなったが、頂こうか」

 

 シャルロがベルを鳴らすと給仕が入ってきた。

 料理がテーブルに並べられた。

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