僕は夏休み後半を、師族会議、九島家、一条家、四葉家を訪問して、帰宅後、七草家の食事会に参加と、怒涛の勢いで駆け抜けた。
世界でも有数の魔法師一族のハシゴ…世間的に見れば物凄い事なんだけれど、僕にとっては友人や『家族』の家を訪問しているだけだ。
ただ、そのせいで夏休みの宿題はたんまり残っている…夏休みは残り4日。僕は澪さんに怒られながら宿題を片付ける。
「助けて!ミオえもん」
「だれがミオえもんですか!」
と、文句を言いつつも、僕に甘い澪さんは宿題を手伝って…二年目は、くれなかった。
「宿題強制電撃椅子ぅ!この椅子は、宿題をしないで余所見をすると、『電撃』が身体に流れるという画期的な椅子ですよ」
澪さんが四次元ではないポケットから携帯型CADを取り出した。
「それは、澪さんが宿題をサボる僕の後ろから『魔法』をかけるだけなのでは…」
「チョイデイン!」
澪はチョイデインを唱えた。久の身体に静電気がばちっと来る。
「きゃん!澪さん地味に痛い!きゃん!わかったから、ふえーん、澪さんの鬼!ラムちゃん!きゃぅん!」
なんてコントを間に入れながら、最速のギアで全ての宿題を終わらせたのであった。
これが『戦略級魔法師』の現実なのだった。きゃうん!
おかげで、最終日の午後はのんびりとすることが出来た…明日から二学期だ。
去年は魔法師として未熟でもあったから、僕はひたすら受身だった。今年は、僕なりに能動的に活動したから、夏休みは長かった。本当に長かったな。
感慨にふける僕の携帯端末に学校からの連絡があった。校内連絡用のメールだ。翌朝8時に校長室に来るように、との教頭からのメールだった。
校長室なのにメールの差出人は教頭、というのも変だけれど、学校から連絡なんて初めてだったので、ちょっと驚いた。流石に『戦略級魔法師』を無関心と言うわけには行かないようだ。
金沢でのマスコミの行動は、すぐに魔法協会に知られた。一条剛毅さんがダブル役満直撃のショックからすぐに立ち直って動いてくれたんだそうだ。次回、金沢に行くときはオカルトに頼らない麻雀で勝負したいな。トリプル役満…?いやいや。
マスコミへの取材自粛要請は、強制にかわった。おかげで、僕の周辺からマスコミは姿を消した、らしい。僕は自宅に引きこもっているから、実際のところはわからない。
ただ、自宅周辺の警備は、当然増強されて、自宅最寄のコミューター乗り場や駅には警察と連携した警備の詰め所が出来ていた。
このあたりは魔法協会の働きかけで、いっさいの遅滞はない。
僕の住むあたりは、高級とは言わないまでも、それなりに富裕層の住む区域だ。あまり徹底すると地域住民からヒンシュクを買う事になるんじゃないだろうかと心配になるけれど…
一高駅前からの通学路は、これまでどおりだ。一高が監視を強化したり、警護人をぞろぞろ連れ立っての登校も出来ない。一高は『魔法師の卵』を守る意思は全くない。
本当に奇妙な高校だ。魔法協会からの警備も拒絶したらしい。同じ国策の魔法科高校に通うのは貴重な人材、宝の山なのに、こうなると通学路で事件をわざと起こそうとしているんじゃないかと邪推してしまう。
一高の校長は、今の魔法科高校制度を一から作り上げたような人物なので、意固地になっていると言うか、老害になっている。自身の領域が他者に侵害されるのがいやなんだ。烈くんや僕よりも年下なんだけれど。事件が起きてからじゃ遅いんだよ、魔法師排斥運動なんてのが数巻後に起きるんだよ!僕は予知能力はないけどね!
朝、僕の身だしなみは澪さんと響子さんがしてくれている。その点では僕は無頓着なので、女性陣の意見に素直に従うことにしている。
今朝は特に入念に髪をくしけずってくれた。髪をしっとりカラスの濡れ羽色にする謎の『魔法』をかけてくれたり…マニキュア?プリキュアの間違いだよね?いやコスプレはしないけれど。口紅はしないよ!響子さん!香水はいらないって!ローズエッセンス?あっ良い香りだね、まぁ制服に軽く吹きかける位なら…
この日は、僕が『戦略級魔法師』と公式に認められてから最初の登校になる。九校戦以降、僕は初めて衆目に晒されるわけだ。
正直、僕は人見知りだし他人が苦手だ。同じように人目を集める深雪さんがいつも身だしなみをしっかりしている理由がよくわかる。深雪さんの場合は達也くんにみっともない姿を、髪の毛一本乱れた姿でも見せたくないからなんだけれど、鏡に映る僕の容姿は、本当に深雪さんに似ている。
僕は男だから達也くんに似ているかと言うと、全然似ていない。
深雪さんと達也くんの容姿は似ていない。でも、『意識』は常に繋がっている。
最寄り駅では一般市民からちらちらと見られていた。これは『戦略級魔法師』だからというより、一高の制服が目立つからで、以前からの光景だ。
平日の出勤途中にコスプレ少年が現れたら誰だってチラ見するよね。
あれが噂の『戦略級魔法師』?と疑問には思うけれど、『魔法』の知識に乏しい一般市民には、僕の小さな身体からはイメージが湧きにくいらしい。『戦略級魔法師』が大量殺戮者である事に…
一高駅前に着いて、キャビネットからその小さな身体が現れると、周囲にいた一高生徒や利用客が一斉に僕を見た。今度は制服のせいじゃない。ざわざわとざわめきが広がっていく。ここは『魔法師』に関わりが深い駅だ。僕の事を知らない人はいない。
僕は一高生徒の殆どと交流が無いし、横浜での工作兵の殺害シーンを多くの生徒に見られているから、その事を知っている生徒はまず近づいてこない。達也くんも同じだけれど、去年の生徒会長選挙の時、達也くんに多くの票が投じられていたから、達也くんが一高生徒に恐れられつつも頼られている事がわかる。
そう言えば、今年も新生徒会長を決める投票日が近い。今年は深雪さんが順当に生徒会長になるはずだ。達也くんが生徒会長というのも面白いけれど、達也くんは補佐や黒幕の方がしっくり来る。
生徒達は僕に視線を向けるけれど、遠巻きに珍獣でも見るような雰囲気だ。
それまでの僕への嘲りの視線が尊敬や畏怖に、見下す態度は腫れ物に触れるような態度に変わったようだ。むしろ本能的な畏怖の方が強くなっている。
珍獣でも、一皮向けば凶暴な肉食獣だったって事を理解したんだ。おかげで心配していたような混乱は起きなかった。
『戦略級魔法師』と変わらず接する事ができる生徒達なんて…あっ、いた。キャビネット乗り場に達也くんたちが一塊になっていた。
登校時はいつもこうやって集まるわけじゃない。昨夜、念のために達也くんに少し早めに登校するってメールは出しておいた。達也くんは副生徒会長だから、余計な混乱があったときのためでもあった。
僕はみんなの所にとてとて向かう。
「みんな、おはよう。全員…いるんだね」
僕はみんなに挨拶して、最後に達也くんの顔を見る。相変わらずの無表情だけれど、ちょっと戸惑っている気配がする。
「どうかしたの?」
「いや、今朝は身だしなみに気合が入っているな…一瞬、昔の深雪かと思ったくらいだ」
「そう…なの?深雪さん」
「私には…わからないわね。でも、今朝の久は…本当に可愛いわね」
深雪さんに似ている僕が可愛いと言うことは、深雪さんが可愛いと言うことだな、うん。深雪さんは機嫌が良い。達也くんが常に自分の事を考えてくれていることが嬉しいんだ。僕は、可愛いと言われてもなぁ…
泉美さんが小さな深雪さんである僕の写真を撮ろうかどうか葛藤している。
香澄さんが呆れつつもその行動を止めている。公共の場での僕の撮影は色々と問題が起きるかもしれないので、他の生徒も無作法に僕を撮影しようとはしない。
今のところ、一高前駅にマスコミはいないみたいだ。
「それにしても、どうして皆いるの?」
達也くんを見上げる。
「いや、昨夜のメールは皆には教えていない。皆、偶然集まったんだ」
「久が一高生たちにもみくちゃにされているんじゃないかって心配してたんだぜ」
「それは無いってレオくん。僕は人望がないからね!」
えっへん!
「威張ることじゃない」
雫さんが呆れる。まったくだ。剣呑な集団に護られる様に、ゆっくりと一高に向かう。僕は達也くんの背中を見ながら、香澄さんの隣を歩く。
相変わらず達也くんは僕の歩く速度にあわせてくれる。
『戦略級魔法師』の話題はあがらず、夏休みにあった事の情報交換と言う名の雑談をしている。友人同士でも、夏休みに皆で遊ぶ、という気安さがどこか欠けている集団でもある。
僕は教室には寄らず、校長室に直接向かった。指定の時間より早いけれど、面倒はさっさと済ませるに限る。
分厚いドアをノックすると、教頭の入室許可の声がスピーカーから聞こえた。どこかにカメラがあるみたいだ。
重厚な、ある意味古臭い部屋に、校長と教頭がいた。
二人に関しては特に語ることはない。校長は口をきかず、教頭が淡々と「『戦略級魔法師』として特別扱いはしない。高校生らしく勉学に励むように」と説教臭く語っただけだ。
僕は素直に頷いて、ただ、一高の通学路に警備の配備をお願いした。
「検討して置こう」と、校長が仏頂面で一言。あぁ、これは駄目だ。この人は、生徒が事件に巻き込まれても、何もアクションを起こさない…
一高の教師陣に対する、僕の感情は…もうどうでもいいや。
生徒会に権力が集中するのも良くわかる。自分の身は自分で護らなくちゃならない。
校長室から退室すると、廊下には多くの生徒が僕を遠巻きに見ていた。そうしているのは交流のない生徒ばかりだから、視線は無視して、2-Aの教室にとてとて向かう。
同級生達の教室での僕への態度も今までと変わらない。これまでも、男子生徒で僕と会話があるのは森崎くんくらいだし…
森崎くんと会うのも一学期の最終日以来だ。始業時刻まで九校戦での僕の『ドロウレス』の話題で盛り上がる。森崎くんも最初はぎこちなかったけれど、僕が今までとまったく変わらないので、安心したようだ。
二学期初日でも、魔法科高校に始業式はない。いきなり午後一杯まで授業だ。
お昼は食堂でレオくんたちと同席して、放課後は料理部で部活。生徒達の視線は常に付きまとっていたけれど、一学期までと変わらない一日だった。翌日からも、同じような毎日が続く。
そんなある日の放課後、達也くんに無人の廊下で呼び止められた。その場では僕達は目立つから、達也くんが副生徒会長の権限で空き教室を確保して、二人きりになった。
達也くんは無駄な前置きは基本的にしない。前置きがある時は、探りを入れている。そこが天然の十文字先輩との違いだ。
「九島閣下に協力を仰ぎたいことがある。久から連絡はつくか?」
僕をじっと見つめる達也くん。すごく真剣だ。
烈くんと達也くんは九校戦で問題が起きている。達也くんが被害者だから、文句のひとつでも言いに行くのだろうか?協力?なんだろう…うぅん、でも…
「烈くんは僕の事を放任してくれているんだ。入学してから、僕から連絡をしたのは二回だけ。一回目は警備のこと、二回目は今年の九校戦の会場でだったけれど、連絡は着かなかったな…」
「久は閣下とは接点は少ないのか?」
「烈くんは忙しいから…何か用がある時は向こうから唐突に現れるよ。人を驚かして喜ぶなんて子供っぽいよね。烈くんに連絡を取りたいなら、響子さんにお願いするといいよ」
「藤林さんに?」
「烈くんは、あれで孫には甘いからね。響子さんのプライベートナンバーにかければ、すぐに対応してくれると思うよ」
「そうか」
達也くんなら響子さんの電話番号くらい知っているよね。
「そうだ、夏休みに『真夜お母様』から『光の紅玉』専用のCADを頂いたんだけれど、調整は達也くんの家でしてもらいなさいって言われたんだ。でも『戦略級魔法』を使う機会なんてまずないから、調整はどうしよう」
「あぁ、FLTが完全思考型デバイスのモニターの謝礼として久専用に造ったCADか」
「謝礼って言っても、むしろ僕のほうがお礼を言いたいくらいなんだけれどね」
あのデリンジャーは僕の自宅の勉強机にジュラルミンの箱ごと置いている。『真夜お母様』から頂いた宝物だ。勉強中、時々見つめていたりする…何十分も…集中の方向が間違っている。
完全思考型デバイスは『魔法師』としての僕を高めてくれた。モニターとかテスターとか関係なく、FLTには感謝している。デバイスの調整やデータの回収をしてFLTに届けてくれた達也くんにも大感謝だ。
「久の膨大な魔法力でのテストは、黄金のように貴重なデータだ。完全思考型デバイスの開発に久のデータは大いに役立った。そのくらいの礼では足りないくらいだぞ」
まるで、達也くんが開発担当者みたいな発言だ。
「調整は、そうだな、魔法力は成長と共に変化するものだが、久の魔法力は安定している。数ヶ月…半年に一度でも問題ないだろう」
うぅ…それは、僕がこれ以上成長しないと言う意味かな?僕の魔法力は『三次元化』した時から、増えも減りもしていない。生まれ出でた瞬間からパワーアップはしない、ラスボスみたいな体質だ。いずれ成長した勇者に倒される、みたいだけれど、そもそものスペックが三次元を突き抜けている…
それから三週間ほどが経つと、僕の『戦略級魔法師』と言う肩書きを気にする生徒は殆どいなくなった。
そんな事を気にしていられるほど、魔法科高校の勉強は簡単じゃない。
僕も毎日二時間自宅でも勉強しているんだけれど、一学期の終盤、あれほどすらすらと出来ていた座学が、それ以前の僕に戻っていた。『戦略級魔法師』だろうと、僕の頭が良くなったわけじゃない。一学期の定期試験がたまたま出来が良かっただけなんだ。
澪さんの『強制電撃椅子』のお世話にならないように、頑張って勉強しないと…そう思っていたんだけれど、この国に公式に認められた二人目の『戦略級魔法師』と言う肩書きは僕を落ち着かせてくれない。
「香澄さん、機嫌直してようぅ」
「知りません」
この日、深雪さんが生徒会長に選出された。対立候補はいなかったし、副会長から会長になることは規定路線なので、僕としてはそんな物なんだと思っているんだけれど、友人達は違うようだ。
通学路のお馴染みの喫茶店で深雪さんのお祝いの会が開かれていた。
泉美さんが副会長をお願いされて、幸せの絶頂になっている。その隣の香澄さんは不機嫌だ。
香澄さんは達也くんとは相性が悪いし、僕とのお買い物の約束も延期になっている。
延期の理由をちゃんと説明しようとして、最初に「今はそれどころじゃなくて」と言ったら、とたんに不機嫌になってしまって、説明を聞いてくれなくなってしまった。
「それどころ」と言う断り方で膨れる所は、真由美さんに似ているな。
でも、買い物でそんなに荷物持ちが必要なんだろうか…だったらレオくんに協力してもらったほうが良いよ。僕は非力だし。
喫茶店での謎の(?)祝賀会は続いている。
「それで、久にも生徒会に入って欲しいんだけれど」
遠慮がちに深雪さんが、でもしっかりとお願いしてくる。え?僕が?どうして?
「僕が生徒会で出来る事なんてないよ。機械音痴だし、むしろ皆の足を引っ張るだけだから、無理だよ。勉強だけで手一杯だよ…」
「『戦略級魔法師』は『魔法師』の象徴でもあるから、生徒会に入ってもらわないと、色々と面倒なの」
「そうかも知れないけど、今はそれどころじゃなくて…」
香澄さんに言った言葉を再び呟く。
「一高での『戦略級魔法師』への態度はすっかり落ち着いたし、何かあったの?」
ほのかさんが、あいかわらず達也くんに胸を押し付けながら聞いてくる。勿論、達也くんは鉄壁の無表情だ。
「えぇと、これはオフレコなんだけれど、週末に皇室の晩餐会に招待されてて…その日、午前中に簡単な記者会見を開かなくちゃいけなくて…」
「皇室!?」
これには達也くんも香澄さんも、とにかくこの場にいる全員が、マスターまでもが驚いていた。
『戦略級魔法師』はどの国にとっても重要な存在だ。僕はまだ公務につくわけじゃないから給料はもらえない。そのかわり一時金やら報奨金を貰っている。結構な金額で、拒否は許されない、そうだ。晩餐会もその一環なんだろう。外堀から埋められていく感じがするけれど、澪さんも最初は大変だったって。澪さんは国民栄誉賞を貰っているそうな…
「以前、澪さんの凱旋パーティーが皇室主催で開かれた事があったけれど、僕は成人するまでは公式のパーティーは無縁でいたかったんだ。国防軍主催のパーティーは断れたんだけれど、でも、流石に今回は断るわけにもいかなくて」
「それは…確かに何にも手がつかないな」
豪胆なレオくんも怯む。
「記者会見は横浜の魔法協会で開くし、出席する記者も質問も前もって決まっているから、僕は覚えた原稿をそのまま読むだけで良いんだけど、その原稿の量が意外と多い上に回りくどくて、覚えるのが大変なんだ。記者も100人くらい来るって」
「それは緊張しますね」
美月さんが想像できないって顔をしながら、素直に言う。
「緊張はしないけれど…基本的に当たり障りのないお決まりの回答だから」
ただ、僕は記憶力に難がある…
「最後に『ミナサマノゴキタイニコタエラレルヨウショウジンシテマイリマス』をにこやかに付け足すだけだし」
「物凄い棒読みだね」
幹比古くんが呆れている。だって、この台詞を何度も言うことになるんだよ。
「晩餐会も、特に質問があるわけじゃなくて、僕はにこにこ笑っていれば良いだけなんだけれど、粗相をして同席する澪さんや烈くんに恥をかかす訳にいかないから。見よう見真似で覚えたマナーを一から直しているところなんだ」
晩餐会は僕の後見人である澪さんと烈くんが同席する。それだけでもすごい事だ。警備は大変だろうなぁと他人事のように思う。
「記者会見は想定外の質問をぶつけてくる記者がいるかもよ」
エリカさんが心配なのか意地悪なのか、ちょっとニヤつきながら言う。
「それは、大丈夫。会見には澪さんと十文字先輩が付き添ってくれるから。二人のプレッシャーに打ち勝てる記者なんていないと思うよ」
「それは、皆無だろうな」
達也くんが頷いた。それに続いて、全員が頷く。あの二人の圧力は、僕だって耐えかねる。
「だから、香澄さんとのお買い物の約束もまた後回しになっちゃって…」
「それはもう気にしていません。ぷいっ!」
物凄く気にしているよ!
「それは…ますます生徒会に入ってもらわないと、対外的に問題があるわね…」
すでに生徒会長の顔の深雪さんが呟く。
生徒会?僕には料理部があるし、庶務とか会計とか無理だよねぇ、と同意してもらおうと達也くんに視線を向ける。
達也くんの目が、またもや真剣だ。
達也くんが、深雪さんの悩み事を放置しておくわけがない。うぅ、ここでも外堀、いや、いきなり内堀か本丸を埋められる気がする…
久が生徒会に入らないと、今後の展開がやりにくいのですが、逆に原作に近づくと久自身が動きにくくもなるので、悩みどころです。