イワンコフたち3人が部屋に入ってみた光景は・・・・
想像もしていないことで、あっけにとられていた。
エース・ルフィ・サボは三人きれいに並び、ものすごい勢いで食べていたのだ。
だがそれだけではない、時には宴のように騒ぎ出し、時には驚くほど泣き出し、時にはお皿を投げながら怒り出していた。しかも三人寝ながらそろって同じことをしていたのだ。
そんな光景を見たら、部屋を飛び出さずにはいられないだろう。
「この子たちは人間なのか不思議なくらいきゃぶるね・・。」
コアラ「でしょ!?サボ君のこんな姿見たことないよーーー!」
「ハハハ、綺麗にそろっている。さすが兄弟といったところか!」
おのおの驚いている中、ハンコックだけはもうすでに妄想に入っていた。
「あ~ルフィ!そんなに腹がすいておったのか、待っておれ、わらわの愛妻弁当をすぐに用意するからな❤・・・・キャールフィーにおいしいと言われてしもうた!これが世にいう"プロポーズ"❤」
だが、すでに見慣れた光景になってしまい、ツッコむ人は誰もいなかった。
三兄弟はいつの間にか食べ終わったようで、倒れるように川の字になった。
そして、当たり前のごとくまだ・・・寝ている。
だが、三人そろって昔のことを思い出しているのか、幸せそうな顔をしていた。
その顔を見たら、心配する必要はないと誰もが安心していた・・・。
その後、イワンコフたちはその部屋から出て行き、これからのことについて話し合っていた。
「で、ずっと不思議に思っていたのだけど、レイリー、ヴァナータはなぜ麦わらボーイを探していたの??」
イワンコフの質問を聞いて、レイリーはひげをいじりながら答えた。
「私はなこの"麦わらのルフィ"をとても気に入っているんだ。だから、これから先この新世界で生きていけるように修行をつけようと思ってここに来た。・・・・なんせあの麦わら帽子があんなに似合うんだ。(小声)」
最後の言葉は誰の耳にも届かなかった。
そして、レイリー自身、思ったことが言葉に出ていることに気づいていなかった。
そんな中、今まで妄想に浸っていたハンコックが突然真剣な顔になった。
「まて!レイリー!確かに修行も大切かもしれぬが・・・ルフィは仲間に会いたがっていたのじゃぞ!?仲間と合流させるのが先じゃ!!」
ハンコックは最初ルフィを仲間のもとへ行かせる予定だった。
だから、最愛のルフィの頼みを最後まで守るつもりだったのだ。
だが、レイリーは頭を縦にではなく横に振ったのだ。
「いや、ルフィ君はまず私と最低でも2年間はある島で修行してもらう。」
レイリーのその言葉にハンコックは怒りをあらわにしていた。
「なぜじゃ!!ルフィは仲間会うことを望んでおるんじゃぞ!
仲間と合流してから一緒に修行すればよいではないか!!!」
イワンコフはハンコックの言い分もわかると言いたげにうなずいていた。
ルフィと船を一緒にしたとき、仲間に会いに行くのを遅らせたといっていたのを覚えていたからだ。だが、レイリーは一歩も引かなかった。
「ルフィ君の仲間にはそれぞれ戦い方のスタイルがある。それを私がすべて教えることはできない。それに、私はルフィ君たちを飛ばした張本人にそれぞれどの方角に飛ばしたのかを聞いている。」
レイリーは言葉をつづけようとしたが、イワンコフによってふさがれてしまう。
「クマね!!ずっと気になっていたの!あの偽クマは何だっきゃぶる!!」
イワンコフは自分の同僚が訳の分からないことになって戦争の時に混乱していた。
それが今になって、また出てきたのだろう。
そのことについては私から話すといってイワンコフはコアラに連れられて、どこかへ行ってしまった。
「ゴホンッ!話をつづけるが、クマはちゃんと考えて飛ばしていたのか、偶然なのか、それは今になってはわからない。だが、運よくそれぞれのスタイルに合った島に飛ばされている可能性が高いんだ。」
「つまり、一人ひとりしっかりとレベルアップをして2年後くらいにまた集まるということじゃな。理解はできるが、どうやってそれをルフィの仲間に伝える気じゃ。ルフィの仲間もすぐにでも合流しようとシャボンディ諸島へ向かっているのではないか?」
ハンコックの問いかけにレイリーは自信満々の笑みを浮かべた。
何かしっかりと策を考えていたようだ。
「安心しなさい。そこはもう考えてある。」
ハンコックは不安に思うところはあったが、修行が先か仲間に会うのが先かそれを決めるのはルフィ自身だと考えていた。
どっちを選ぼうとも、自分は最善を尽くすとハンコックは心の中で決めていた。
その覚悟がレイリーにも伝わったのか、成長した子供を見るようにハンコックを見ていた。
その後、ルフィはなかなか目覚めることがなく、食事にも手を出さなくなってきていた。
エースもサボも日がたつにつれ不安が募っているのか、二人とも顔に疲労が見える。
最近はろくに寝ずに看病しているせいか、目にはくまができている。
実はあのあと、ルフィは一度傷口を開いてしまったのだ。
出血は押さえても止まらず、しょうがなくエースの能力の火で傷口をあぶり、強引に傷を防ぐことで何とか一命をとりとめることができた。
だが、ルフィのお腹には大きなやけどの跡がバツ印のようについてしまった。
その傷あとは二度と消えることはないと思う。それが余計にエースとサボの心の傷を広げてしまった。そのためその日から二人は寝ることなく看病をつづけていた。
見ていられなくなったコアラは、二人に休むように言ったがその言葉が聞き入れられることはなかった・・・・。
それから数日後・・エースとサボの限界が近づいているとき、ルフィの手がわずかに動いた。
続く
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
エースと白ひげが生き延びたことで、これから世界がどう動くのか、
私もまだ何も考えていませんが・・・楽しみにしといてください!
では、またお会いしましょう!