最大Lv1の俺が魔王を倒すことになりました。   作:上井カルタ

10 / 10
すっごく久しぶりな投稿です。
もう少しがんばります。


SaveNo.10 ~最大Lv1の俺は神器探索へ向かうことになりました~

 魔王の使い、グリモワール・アスモデウスとの戦いから2日が経過した。

 俺達は神器【聖剣 エクスカリバー】の探索を控えながらも、訓練を重ねた。

 おかげで千春のLvは25まで上がったが、俺のLvは変わらず1。まぁ最大Lvが1だからな。

 さらに千春は『異能の加護』でステータスがもはや上級職レベルに達しているので、適正Lv50以上のボスなどもあっさり倒してしまうぐらいにまである。

 対して俺は、『異能の加護』でステータスが上がっているが千春ほどではない。

 実際、『現実壊し(リアリティブレイク)』を使えば簡単に敵を倒せるのだが、発動条件がいまいちわからない。

 

「んん~頭痛いな~」

 

俺が頭を抱えていると、クスッと千春が口に手を当てて笑った。

 

「勇也、最近いろいろおもしろいね」

 

「なにが面白いんだ?」

 

「いや、なんでもない」

 

笑顔で去っていく千春に俺は首を傾げるしかなかった。

 

――――――エクスカリバー探索は明日、決行となる。

 

――――――――――――――――□■□■□――――――――――――――

 

「それじゃあみんな、準備はいいか?」

 

『『『おう!!』』』

 

「これより、神器【聖剣 エクスカリバー】の探索に向かう! 死ぬ覚悟のあるものはついて来い!」

 

『『『おおおおおおお!!!』』』

 

ついに来た! 待ちに待ったこの時が!

 

「神器探索きたああああああああああ!!」

 

 このゲームで初めての神器探索だあああああ!!

 一人でテンションを上げまくっている俺を見ながら、千春は苦笑いをしながら言った。

 

「何にそこまで喜ぶのかよくわからないけど、まぁがんばろうね」

 

「おうよ!」

 

 そんな軽い会話をしていると、奥のカウンターからお姉さんが大量のポーションを持って出てきた。

 

「えー、探索に行く前に回復ポーションを配布します。順番に受け取ってくださーい」

 

『『『おー!!』』』

 

 冒険者がゾロゾロとポーションを受け取りに歩き出した。

 てか多い!! 冒険者多い!! まぁプレイヤー10億人もプレイヤーがいればそりゃそうか。

 

「おい千春。流されないようにな」

 

「う、うん」

 

 込み合ったギルド内で俺と千春はお互いの手を強く握り締めた。

 その手は小さくて弱々しかったけど、優しい温もりを感じた。

 ふと俺が千春の顔を見ると、その顔はリンゴみたいに真っ赤になっていて、ちょっと可愛かった。

 

 あれ? 俺、何思ってんだ?

 

「おーい。千春ちゃん! 勇也君!」

 

 人混みの中から現れたアーサーが疲れた様子で話しかけてきた。

 

「いや~大変だね~。どんな難しいクエストよりも難しいと俺は思うよ」

 

 深くため息をつきながら、DGA最強の男は言った。

 

「ハハハ・・・・・・・あ、そういえば光剣の騎士団の団員ってどのくらいいるんですか?」

 

 DGA最強のギルド全員が冒険者ギルドに収まるはずがない。

 俺の予想だと3万人はいると思うんだが・・・・・・

 

「ん? 団員? 確か1000人くらいだったと思うが・・・・・・」

 

「あれれぇ? おかしいぞぉ?」

 

 どこぞの高校生探偵の真似をしながら、俺は首を傾げた。

 てか1000人は少なすぎだろ!

 俺の知ってるギルドは1万人はいたぞ!

 

「人数は他のギルドよりは少ないが、その分腕利きが揃っているから大丈夫だ」

 

「そ、そうか。なら安心だな」

 

 アーサーは笑いながら自分の準備をしに、人混みの中に消えていった。

 

「さて、俺達も最終チェックをしなくちゃな」

 

「そ、そうだね」

 

 俺は未だ顔の赤い千春を連れて最終準備に取り掛かった。

 

――――――――――――――――□■□■□―――――――――――――――

 

 ギルド内のすべての冒険者の準備が終わり、500超の移動用地竜が用意された。

 

「よおし! みんな今日は集まってくれてありがとう! 俺のワガママで神器探索なんてするけど、みんなで楽しく行こう! 目指すは『魔王討伐』の称号だ!!」

 

『おおおおおおお!!』

 

 その場にいた冒険者たちが心の底から声を上げた。

 その声を聞き、俺自身も気合が入った。

 

「では! 出発!!」

 

 アーサーの合図と共に、俺を含めた冒険者たちが一斉に街を出た。

 

 

 

 俺が地竜で走っている最中に、千春が不意にこんなことを言った。

 

「ねぇ勇也。私、未だにこの世界がゲームの中だって実感が無いんだけど」

 

「ああ・・・・・・俺もいきなりこの世界に来たときはびっくりしたけど、今はそんなにかな」

 

 俺が軽くそう言うと千春は。

 

「・・・・・・やっぱり凄いね勇也は」

 

 千春は微笑みながら言ってきた。

 だが、その笑顔には、少し暗い感情が混ざっていた。

 

「・・・・・・不安なのか?」

 

「ちょっとね。私達はあの世界の運命を握っているし、それにもしこの世界で死んじゃったらどうしようって。まだあの世界でやり残したことがいっぱいあるから・・・・・・」

 

「大丈夫。俺がお前を守る。きっと帰れるし、きっと世界も救えるさ。俺が保障する」

 

 俺は千春の頭を撫でながら言った。

 

「・・・・・・ありがとう」

 

 小さな声でそう聞こえた。

 

 

――――――――――3時間後。

 

 やっとのことで船着場に着いた。

 ここから【聖剣 エクスカリバー】の目撃された大陸、【セイクリッド】に夜明けに掛けて向かう。

 なぜ転移魔法を使わないかと言うと、なぜかセイクリッドだけは魔法での移動を使えないのだ。

 情報によれば、セイクリッドには店も無く、いざポーションが無くなった時は買いにいけないのだという。

 

「よし! 各自荷物を積み込んだら船に乗り込むように!」

 

 アーサーが大声で指示すると、冒険者たちは荷物を持って船の方へ向かった。

 

「俺も荷物を持って、船の中で休むとするかな」

 

 今の時刻は丁度午後10時。

 休むには丁度いい時間だろう。

 俺は荷物を持って船へと乗り込んだ。

 

 

 

「おお。船の中は綺麗だな」

 

「当たり前だ。何せ大型高級船を手配したからな。内装もそれなりじゃなきゃ困る」

 

 いま高級船って言ったか。

 

「・・・・・・どのくらいするんだこれ?」

 

 俺が指で円を作ると、アーサーは。

 

「ん? ざっと1億ゼニーくらいかな。まぁ安いほうかな」

 

「い、一億!?」

 

 一億ゼニーって言ったら、この世界でもっとも価値の高い希少鉱石の100倍の値段じゃないか!!

 

「まぁギルドの金だから全然大丈夫だ。金庫にはまだ50億ゼニーは残っている」

 

 もう金銭感覚がおかしくなってきた。今日はさっさと寝よう。

 俺が自分の部屋に戻ろうとすると。

 

「ねぇ勇也。ちょっといいかな?」

 

 パジャマ姿の千春が声を掛けてきた。

 

「ああ。どうした?」

 

 俺が聞き返すと、千春はもじもじしながら言った。

 

「勇也はさ・・・・・・さっき私を守るって言ったよね?」

 

「ん? ああ言ったぞ」

 

「そ、それなら・・・・・・わ、私も!! 勇也を守るから!!」

 

 顔を真っ赤に染めて、千春は走って行った。

 

「まったく・・・・・・俺の言葉も聞かないで・・・・・・」

 

 走っていく千春の後ろ姿を見ながら。

 

「おやすみ。千春」

 

 その一言を言い、俺は自分の部屋に入った。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(必須:15文字~500文字)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。