多分それさえも平穏な日々〜オーバー艦これ後日談〜   作:ウェステール

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深海棲艦といっしょ〜みんなでお勉強編〜1

さて、現世からこの世界に転送され、現世に戻って成仏して(?)から戻って来たワケだが……

 

「変わりないね、君達」

「そりゃあ、変わりませんよ。提督も、お変わりなく」

「あ、やっぱり変わってない?個人的にはちょっと変わったと思ってるんだけど」

 

大淀の態度は素っ気ない。

ちょっとくらい霊的に進化というか昇格というか、アップグレードされたと思ってたんだけど、そうでもないのか。

 

……つまらん。

 

「そんな事より」

「そんな事扱いかよ」

「香取さんが探してましたよ。今日は合同授業の日ですから」

「そういや、そんなの決めたっけな」

 

カトリーヌ先生こと練習巡洋艦『香取』は、同じく練習巡洋艦『鹿島』と深海棲艦や一部海外艦娘に向けて日本語の授業をしている。

そう、他はどうだか知らないが、この世界では艦娘は深海棲艦と和解してともに手を取って暮らしているのだ。

 

今や生徒は世界中に散ってしまった状態だが、月に一度希望者を『佐世保鎮守府』に集めて授業をする事になっていた。

それだけなら好きにすれば良いのだが、僕は何故か授業に参加する事が強制されていた。

「授業で正解した艦の頭を撫でる」という“御褒美”を与える係、なんだそうだ。

馬鹿馬鹿しい気もするが、それが嬉しいと言ってもらえるんだから我儘も言ってられない。

 

香取達は教室の用意をしてるだろうから、僕は他所から戻って来る艦達の出迎えでもするか。

僕は執務室を出ると、神社に向かった。

 

 

 

各鎮守府、泊地には神社がある。

何を祀っているかは知らないが、“神社”というからには神様なんだろう。

とにかく、この神社は謎のオカルトパワーで各鎮守府/泊地を結んでいるのだ。

どんな原理かとか、考えちゃいけない。

「考えるな、感じろ」と某アクション俳優も言ってたしな。

 

鳥居の前でボーッと待つ。

すると突然、鳥居の向こうの景色が歪んだ。

渦を巻き、玉虫色の光の壁になった鳥居の向こうから、白い少女が現れる。

 

「オ兄チャン!」

「……どこでそんな呼び方を習った?」

 

抱き着く、というよりはフライングボディアタックとでも言うべき勢いでやって来たのは、『ほっぽちゃん』こと『北方棲姫』だ。

白い髪、白い肌、赤い眼。

見てくれは色素欠乏症(アルビノ)の幼女だが、これでも『単冠湾泊地』を治める長だ。

 

ん?

もう一人来たか。

 

「オ兄チャン!」

「……お前もか」

 

こちらはダイビングヘッドバットかという勢いだ。

黒いレインコートを着崩したアルビノの少女は、戦艦『レ級』。

あらゆる能力で艦娘を凌駕し、一人で航空攻撃・先制雷撃・砲雷撃戦・対潜攻撃を行う、人呼んで『一人聯合艦隊』だ。

こうして接している分には、駆逐艦娘と変わらないが。

 

「まったく、誰が『オ兄チャン』だよ」

「「オ、オ兄チャンノ事ナンカ、好キデモナンデモナインダカラネ!」」

「……何だそれは?」

「コウ言エバ、男ハミンナ喜ブッテ」

「誰の入れ知恵だ?」

「霧島!」「鳥海!」

 

アイツ等、純真な少女に何を吹き込んでるんだ?

 

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