暗殺者がHunter×Hunterに転生   作:ジュースのストロー

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今回は料理回です。サザエさんのキャラクター名が連呼されるので注意。


9. 豚の丸焼きとおしゅし

 

 

ヌメーレ湿原を抜けるとそこは晴天の空だった。

 

『はぁーー、空気が美味しい!』

 

「それな、やっと空が見えたもんな。」

 

「でもあの建物から鳴ってる音は何だろうね?」

 

「よっと……。何かの獣の鳴き声の様だな。」

 

ゴンとクラピカは無事に2次試験会場に辿りついて先程合流出来た。どうやら、原作通りヒソカの青い果実に見事選ばれたみたいだ。やったね! レオリオはヒソカに気絶された状態で運ばれてきたので、クラピカが木の傍に寝かせ看病している。

 

『あれは獣の鳴き声じゃないと思うよ……。』

 

「えっ、じゃあ何だろう?」

 

『勘だけど、碌なもんじゃないよ。』

 

「はぁ? はっきりしろよな。」

 

腹の音で何故ここまでの大きさが鳴るんだろうか? 建物の中で閉鎖されているのに……。

 

「うぅ〜〜ん。」

 

「あ、レオリオ起きた?」

 

「あん? 何処だここ?? 俺は確か……! くっそ、ヒソカの野郎!!」

 

「落ち着けレオリオ! あの後ヒソカが何故か私達を見逃して気絶したお前を運んでくれたのだ。」

 

「ヒソカが……どうゆうこった?」

 

「うーん、僕もよくは分からないけど何か果実とか、合格とか、良いよぉ〜♥って言いながら興奮してたからホモなんじゃないの?」

 

「「「『…………。』」」」

 

ゴッゴン?! どうした?! 何があった?!

ヒソカの攻撃受けておかしくなっちゃったのかな? そうだよね! きっとそうだよ! あの純粋なゴンがまさかね!

 

『ゴン、辛かったね……もう大丈夫だよ。』

 

「お前の事、助けてやれなくてごめんな。」

 

「ゴンはまだ小さいのだから、自分で対処出来ない事があったら私達を頼るんだぞ。」

 

「おいっ! ヒソカがホモだったとして、そのヒソカに運ばれた俺は一体何なん……むぐっ」

 

「ゴン、レオリオの言った事は気にしなくて良いぞ。次の試験までもうそろそろだから、気を引き締めて行こう。」

 

「えっ、皆どうしたの?! レオリオも……大丈夫だよね?」

 

『ゴン、レオリオは大丈夫だよ。ちょっと歯に青のりが付いてたからクラピカが隠してあげてるんだよ。そっとしておいてあげてね。』

 

「青のりが……。そっか、分かったよ。」

 

「むぐぐっ!」

 

〝ピーーーンッ〟

 

時計の針がてっぺんを指した。

 

〝ゴゴゴゴゴゴゴッ……〟

 

今まで閉ざされていた建物の扉が低い音を立ててゆっくりと開いて行く。建物の中には男女が1組いるだけで、やはり獣の様なうなり声はお腹の音である事が判明した。

 

「お腹の音が正体って……。」

 

だから碌でもないって言ったじゃないか。

 

「どう? お腹は大分減って来た?」

 

「聞いての通りだよ。もーペコペコ!」

 

試験管の2人が話し出す。この無駄な演出と前振りは一体何の必要性があってなのだろうか? 始まりまでが長過ぎる事への耐性もハンターに必要だとか言うのか。〜はハンターに必要って主催側としては便利な言葉だな。

 

「そんなわけで2次試験は料理よ!! 美食ハンターのあたし達二人を満足させる食事を用意してちょうだい!」

 

建物の中に全員が案内され、2次試験の内容を告げられる。男性と女性がそれぞれ1つずつお題を出し、その両方にクリア出来たら合格。2人が満腹になるまでが制限時間だから、素早く求められている物を提供しなければならない。

 

「オレのメニューは豚の丸焼き!! オレの大好物」

 

やっぱり豚の丸焼きか。変なバタフライエフェクトが起きてたらと心配だったから良かった。ただ、この姿だと流石に戦闘は出来ても調理は難しいので人型になる事にする。そしたら変質者と犬よりかは見た目が落ち着くだろうからイルミお兄ちゃんの元に戻ろうか? いい加減、私達の後を一定間隔で付いているのも可哀想だしボッチは寂しそうだ。

 

『皆、僕はそろそろご主人の元に戻るね。』

 

「そういえば、シバってギタラクルの従者なんだっけか。すっかり忘れてたぜ。」

 

「中々楽しかったぞ。また会いに来てくれ。」

 

「またねー。」

 

「……。」

 

キルアお兄ちゃんが拗ねてる。どうやらシバがいなくなっちゃうのが気に食わない様だ。可愛いなぁ。

 

『キルア、またね。』

 

「……またな……シバ。」

 

あぁっ、抱き着きたい! 今、無性に、抱き着きたい!

何ならこの心の叫びをロックに出来る気もして来た。キルアお兄ちゃん大好きだよ!!

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

「で、やっと戻って来たの……。」

 

「あははははは……、怒ってる?」

 

「何言ってんの? そんな訳ないでしょ。」

 

じゃあ、豚をそれ以上殺すのを止めてあげて欲しいなーなんて。

 

「いいよ別に……後で覚えていてよね。」

 

ビクッ!

……やっぱり怒ってるじゃないか。

 

「さっさぁっ! 豚の丸焼きを作らないとね! 頑張って行こー!」

 

「はぁ……。」

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

『うわぁご主人、凄い列だよ。』

 

〝カタカタ〟

 

気を取り直して豚の丸焼きを持って建物に入ると、既に多くの受験者が並んでいた。

そしてまた、イルミお兄ちゃんが無口キャラに戻ってしまった。他の人がいる時は話せないってやっぱりつまらないよね。その分、折角人型になったので存分にコミニケーションするつもりだが……。

 

それにしてもあの男性、ブラハさんはこの数の豚の丸焼きをたいらげるってとんでもないな。エネルギーの余剰分が取っておける念とかだったりするのだろうか? ただ、あの人の場合、めったにそのエネルギーが使われる事はなさそうだが……。

 

「あ〜食った食った、まだ入る気もするけど医者にこれ以上は止められるからここまで!」

 

「終ーー了ォーー!!」

 

ブラハさんが終了を告げ、もう1人いた女性、メンチさんが銅鑼を叩き試験の終了の合図を出した。

私達の番が後の方だったのでずっとブラハさんが豚の丸焼きを食べるのを見ていたが、軽く引くレベルで凄かった。ダイソンにも引けを取らない驚きの吸引力で瞬く間に私達の順番が回ってきて人のみで平らげてしまった。そして今は黒烏龍茶らしきもの片手にメンチさんと試験の審査基準について言い合っているのだが、やはりあの食べ方はあまり体に宜しくないのだろうか?

 

「豚の丸焼き審査、50名が通過!」

 

50人? あれ? よくは覚えてないけど、そんなに合格者ってきりが良かったっけ?

それに考えてみればブラハさんが健康に気を付けていた描写は原作で描かれてなかった様な……な、何という微妙な違い。これは原作崩壊とか有り得ないんじゃないだろうか。

 

「あたしはブハラと違ってカラ党よ!! 審査も厳しくいくわよー。」

 

「2次試験後半、あたしのメニューは寿司よ!!」

 

来た! 寿司、それは日本人の至高。寿司を食べれば誰もが幸せな気持ちになれる。寿司に足を向けて眠れない、そんな料理。

醤油と酢が無かったためにゾルディック家では作るのを断念したが、こんな日のためにユーキャンで寿司職人の資格を取っておいて良かった! 実践は試験の時にやった1度きりだったが、私は器用だし何とかなるだろう。

 

そんな私の意気込みの中、周りの受験者は寿司が分からなくてざわめいている様だ。私の前世では外人も結構知っていて、日本人といえば忍者、侍、寿司! と言われる位だったのに……この世界においてのジャポンの認知度の低さは一体……。

 

「ふふん、大分困ってるわね。ま、知らないのも無理ないわ。小さな島国の民族料理だからね。」

 

おしゅし美味しいのに……。でもメンチさんも試験に寿司を出す位だから、その美味しさについては知っているんだろうな。この試験で寿司の美味しさについて少しでも理解した受験生が増える様に、誠心誠意寿司を作ろう。

 

メンチさんがヒントをくれると案内したのはIHコンロも完備している高性能な広いキッチンだった。

 

「最低限必要な道具と材料は揃えてあるし、寿司に不可欠なご飯はこちらで用意してあげたわ。」

 

その言葉の通りに各キッチンには様々な種類の包丁その他調理器具がこれを使えと言わんばかりに並べられ、お櫃には酢飯が入れられていた。

 

「そして最大のヒント!! 寿司は寿司でも握り寿司しか認めないわよ!!」

 

それはヒントではなく、ただ難易度を上げただけではないのか? ちらし寿司までだったら、何人かは辿り着きそうなものを……。

 

『ご主人、寿司なら僕知ってるよ。』

 

〝カタカタカタ〟

 

うん、何言ってんのかさっぱりだけど任せるって事で良いのかな? 良いよね。

 

『じゃあまずは魚を取ってこようか。今の時期で美味しいのはマスオだよ。僕がどれなのか教えるからご主人の念で仮死状態にしてね。』

 

マスオというのは日本でいう所謂マスの事である。初めてこの魚にこっちの世界で出会った時に、笑いをこらえるのに大変だった。マスオって、……人名じゃないか。

 

川に辿り着くと、既にキルアお兄ちゃん達も魚を取っていた。早いなぁ、こちらもうかうかしていられない。

 

『ご主人、あれだよあれ。』

 

私が指を指した方には何匹かのマスオが川を上っており、イルミお兄ちゃんはそれぞれに針を指して仮死状態にした。すかさず私がマスオを拾い上げる。

この時期のマスオは産卵期のため川を上っており、身に脂が乗って美味しい上にその卵も絶品なのである。ユーキャンに載ってた。

マスオもゲットした事だし、建物に戻る。マスオは海でも川でも生きられるという不思議生物だが、普通川魚には寄生虫がいるのでしっかりと対策をしておかなけらばならない。今回はあまり時間もないのでマスオを酢で軽くしめてからバーナーで炙る事にする。マスオを焼き過ぎない様に気を付けつつ、焼き足りないと寄生虫予防の効果がないので難しい所だ。マスオマスオしつこいかもしれないが何だか楽しくなってきてしまったので、今後ともこの調子で進めていくのを許して欲しい。

マスオの卵を取り出してイルミお兄ちゃんに渡す。お兄ちゃんはしっかりと指示を出しておけば、器用なのでその通りにやってくれる。お兄ちゃんには予め用意しておいた湯の入った鍋に卵を入れて定温状態を保持するようお願いしておいた。

マスオの血合いを取り、3枚におろしたら薄く切っていく。この時の姿勢や包丁の角度何かもユーキャンに載ってた。ユーキャンって素晴らしい!

お兄ちゃんが茹でていたマスオの卵、イクラを素手でバラしてもらい湯を切ると白く茹で上がったイクラが完成した。これを冷やしておけば、綺麗なイクラの完成だ。本当は良くないが、業務冷蔵庫で急速冷蔵しながらシャリを握る。空気を含む様に軽く握るのがコツだ。そこに摩り下ろしたワサビと切ったネタを乗載せてまた握る。ここに冷やしておいたイクラを載せたら特製のマスオとイクラの親子寿司の完成だ。

試験管のメンチさんの元へ持っていくと、どうやら調理を見ていた様で待ってましたと言わんばかりに皿をひったくられた。

 

 

 

【原作との相違点】

キルアが寿司を知っている。分かった人がいるかもしれないが、これのフラグ→第4話 執着にて

豚の丸焼き試験の時点で合格者が減っている。71人→50人に。イルミが無駄に豚を殺したせいで豚の数が減少してしまった。

ブラハの胃が荒れている。あの量を馬鹿食いするのは念能力なんかではなくて自分の力なので黒烏龍茶は欠かせない。医者には美食ハンターは辞めた方が良いと進められているが、勿論辞めるつもりはない。いつかグルメ細胞を活性化させる食べ物を発見して胃を正常にしてみせる!

ユーキャンで寿司職人の資格が取れる。他にも神字講座や念講座、ハンター資格も取れるが試験は皆と同じ。あのAKBでもこれで念が使える様になったらしいのでユーキャンは偉大である。

アリアとの共同作業により、イルミも完璧な寿司を提出。マスオを取ったのも、イクラを茹でたのもイルミだから良いよね。

 

 

【小ネタ解説】

マスは生物学上の鮭と同じ種類である。日本の漁業が盛んになった事により、品種が増え区別するために付けられたタグ名前で味も見た目も対して変わらない。また、川で生まれて海の荒波に揉まれ産卵のためにまた戻って来るという習性をしており淡水魚とも海水魚とも言える。

 

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