ヴェストリの広場はあった。時刻は昼過ぎ、広場の中央には2人の人間が向かい合って立っており、周りには人だかりが出来ていた。
中央の2人のうち、1人は学院に在籍する二年生の「ギーシュ・ド・グラモン」、もう1人は先日ルイズという少女によって地球から召喚された少年「平賀才人」であった。今、広場では2人による決闘が始まろうとしていた。
「諸君! 決闘だ!!」
己の杖である薔薇の造花を掲げ、ギーシュが高らかに叫んだ。それにより、周りの野次馬たちから歓声が巻き起こった。
「ギーシュが決闘するぞ! 相手はルイズの平民だ!」
野次馬の生徒の1人がそう叫ぶ。それを聞いた才人は、「俺にだって名前はある」と心の中で苛立っていた。
「とりあえず、逃げずに来たことは誉めてやろうじゃないか」
「誰が逃げるかよ…で、どうすんだ? やるなら早くやろうぜ!」
そう言って才人はギーシュを挑発する。それを受けたギーシュもニヤリと笑った。だが、この決闘には理不尽な戦いがある
貴族には魔法があり、平民は魔法が使えない事実。
どれだけ強かろうと、魔法の前ではなすすべも無い。
「負け戦か…それにしても、魔法が使えない無いだけで
弱いと決めつけるのは、イケ好かないな…」
「…魔法は万能って言葉がある。けど、魔法も万能では無い。」
「平民の彼、ギーシュに殺されるわよ?」
ソウたちは、サイトとギーシュの決闘を黙って見るだけしかない。だが、ソウはサイトの事を心配していた。
同じ地球の出身だからだ
「仕方ないか」
ソウはそう呟くとサイトに近付き話をかけた。
「サイト」
「あ、ソウ…来てたんだな」
「まぁ、あんなバカ騒ぎしてたら聞こえるわな。
で、サイトは勝ち目あるのか?この戦い」
「…分からねぇ…けど、ここで逃げたら俺は後悔する!
魔法が使えるだけで何が強いだ!俺は、魔法が使えなくても
強い人たちを知っている!だから、俺は逃げない!」
サイトの言葉にソウを笑みを溢した。
「サイト、お前 最高だ。ここまで熱い奴は兄ちゃん以来だ!
なら、サイト…勝て!勝って証明するといい!全ては魔法では無いと!」
「おぅ!!」
ソウはサイトから離れタバサたちの所に戻って来た。
「止めなくていいの?」
「止めないさ…サイトの顔はやる気で溢れているしな。
それに、勝つかも知れないぞ?魔法が使えない平民が魔法が使える貴族に」
ソウたちは観戦モードに入っていると
サイトを召喚した主人 ルイズが現れた。
「ギーシュ! いいかんげんにして! 決闘は禁止されているじゃない!」
「禁止されているのは貴族同士の決闘だよ。彼は平民……問題はない」
「それは……そんなこと今までなかったから……」
「ルイズ、止めないでくれよ。俺は貴族とか魔法とか自分が正しい奴が嫌いだ!だから、俺はあのナンパ野郎を殴らないと気がすまない!」
「でも、アンタが貴族に勝てるはずが無いでしょ!」
ルイズはサイトを心配して言ったがサイトは聞く耳を持たず
ギーシュを睨みつけていた。
「さぁ、始めよう!」
ギーシュが薔薇を振り花びらを落とすとそこから青銅の人形が現れた。
「僕の二つ名は〝青銅〟青銅のギーシュだ。君の相手はこの青銅のゴーレム、〝ワルキューレ〟がお相手するよ」
そう言ってギーシュはさらに薔薇を振り人形を7体まで増やす。そして、
「悪いが平民と言え手加減する気は無いんでね。すぐに終わらせてもらうよ。ワルキューレ!!」
ギーシュが号令を掛けると人形が僕に向かってくる
サイトは学園から借りた剣でワルキューレに挑む
最初の1体は避けれたが2体目のワルキューレの攻撃を避けれず
モロに攻撃が当たってしまった。
「ぐっぁ!?」
ワルキューレの攻撃は止まらず7体のワルキューレが
サイトに攻撃を仕掛ける。
「彼、死んじゃうわよ!」
「サイトの野郎。面白いじゃないか」
「…動きが…良くなってる」
周りの貴族たちはギーシュが優先だと思っているが
ソウとタバサは気付いていた。
最初の頃よりもワルキューレの動きについて行ける程まで
サイトの動きが良くなっていた。
ギーシュもそれに気付くが時は既に遅く
サイトの剣がワルキューレの体を貫通させ
1体目のワルキューレを撃破した。
「バカな!?僕のワルキューレが!」
「はぁはぁ…どんなもんよ…俺は諦めない…お前を殴って
反省させてやる!」
「平民風情が!行け!僕のワルキューレたち!!」
ギーシュはワルキューレに指示を送る
先までの余裕が無くなり指示が雑になって行く
サイトは最初の頃よりも動きが良くなり
ワルキューレの攻撃を紙一重でかわしてゆく。
「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」
サイトは叫び一気にワルキューレの攻撃を避けギーシュに向かって走る。
「歯を食いしばれ!!平民の拳はちと痛いぞ!!!」
「や、やめ…ぐはっ!!?」
サイトの拳がギーシュの顔に当たり
ギーシュは後ろに倒れ込むと指示が無くなった
ワルキューレたちは消えた。
誰が思ったのか?貴族が平民に負けることに
「俺の勝ちだよな?」
「あぁ…僕の負けだよ…殴られるって痛いんだね
彼女たちを怒らせてしまった報いかも知れない」
ギーシュの負けの宣言に歓声が聞こえた。
平民が貴族 メイジに勝った
それは、面白く余興になったかも知れないが
彼ら二人は、握手をしてこの戦いが終わった。
「彼、凄いじゃない!ん?ソウどうしたの?そんな怖い顔をして」
「いやな気配だ…サイト!少年!そこから、離れろ!!」
ソウの叫びにサイトたちは急いで離れると
空から何かが降りて来た。
その姿は、ワシのような怪物
ソウには見覚えがある姿だった。
『我は、イーグル眼魔!この世界を支配する種族である!』
「眼魔!!」
ソウはイーグル眼魔の元に走った。
次回、カイガン!