「おい、新人。ちょっといいか?」
無事に呉遊撃水雷戦隊も主張先の横須賀基地に帰還。艤装を外し司令の元へと2人で出頭して業務連絡等々も終わらせたところで、木曾はそのまま直ぐ自室へと帰ろうとした雪風を呼び止める。
「なぁ、提督? なんで、こいつは自分の身を顧みない戦法で。そう、まるで1人で戦おうとするんだ? 何か知っているんだろ?」
木曾は雪風が部隊へ来た丁度出撃の数十分前まで記憶を思い出す。
そう、雪風は
そもそも初対面じゃろくにコンビネーションなんて、出来るものではないのであるが。
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「全員居るか?」
海上自衛隊横須賀基地・横須賀鎮守府地区の小会議室に海自の真っ黒い冬服を着て顎に髭を蓄えた30代後半から40代前半ぐらいであろう男性、、、滝川がその声と共に入ってくる。
既に部屋の中には3人の少女が椅子に座り待っていた。
「おっそーい!」
うさ耳リボンを頭につけ、何とも前衛的な露出が多い服を着て、机をバンバン叩いてる
「悪いな、島風。少し手間取って遅くなった」
滝川は壇上に上がり、髭を軽く撫でてから言う。島風と呼ばれた少女は「やっぱり速いのか一番だよね!」と言う。
「いや、今の司令には落ち度などありません。逆に時間通りかと」
眼光の鋭さが特徴的なピンク髪の少女がすかさず言う。言葉の端々から彼女の几帳面さが伺える。因みに今、その眼光は島風へと向けられていた。
「司令にあまり無茶を言わないでください、司令を困らせる事はやめましょう」
普通の者ならやましい事がなくとも裸足で逃げ出す様な眼光であるが、島風は臆する事なく言い返す。
「私より遅いのに?」
「全ては速さの優劣で決まる訳ではないですよ?スピード狂さん?」
一瞬即発、まるで日米開戦! 喧嘩になるかと思いきや、1人の少女の声でそれは遮られる。そう日米開戦は避けられた。
「お前らそこまでにしろ、提督が困ってるぞ?」
一目では海賊にしか見えない黒いマントを羽織り、片目を眼帯で隠した身なりの少女は言う。そう言われ、渋々と言った感じで2人とも向き合っていた顔を前へと向ける。
「あーそんなに俺は困っていなかったがな、、、まぁいい、我々第106対深海棲艦隊。呉遊撃水雷戦隊に新たな仲間が加わる事になった。よし、入って来てくれ」
その言葉共に小学生位の身長の少女が扉から入ってくる。しかし、その彼女の表情は決して明るくなかった。簡単に言えば絶望に打ちひしがれている様なと言えば良いのだろうか?ともかく目からは精気が失われていた。
それを見た木曾は
「紹介しよう。彼女は、《警告!これは演習ではない!未確認飛行物体が横須賀基地へ向けて飛行中!直ちに稼働可能艦は出航用意せよ!これは演習ではない!繰り返す!未確認飛行物体が・・・》
滝川の言葉を遮る様に放送が入り、各所から警鐘が鳴り響く。滝川が持っているディバイスが振動し、直ぐに滝川が確認する。
「我々も待機する。工廠へ向かい全艦艤装を装着せよ。装備は工廠の指示に従え。別途指示があるまで待機室で待機せよ。以上!」
滝川は芯の通った声で指示を出す。
「旗艦、木曾了解!」
「オウッ!島風了ー解!」
「不知火、了解しました」
チラッと滝川は新人を見る。新人はぼそりぼそりと呟き他の3人には聞こえなかったが滝川だけには聞こえたのか滝川はうなづく。
「よし!解散!」
3人は直ぐに駆け出して行く。
「はやく!はやく!」
「おい、島風気をつけろ、自衛官とぶつかるぞ」
「一度、痛い目を見れば良いかと?」
いつもの呉遊撃らしいと内心苦笑しながらも見送り、雪風をまたチラッと見る。
雪風は一息置いてから彼女も会議室から駆け出して行ったのを見届け、滝川も司令部へと向かった。そっから先は前話につながり、不知火と島風は待機したまま、木曾と新人・・・雪風が出る事になったのである
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「そうだな、島風と不知火が哨戒任務から帰って来てから全てを話すとしよう。雪風もそれで、構わないな?」
雪風は僅かにうなづく。相変わらず俯いたまま。
パロディからオリジナルのターンになりました。パロディはもう数話先になりそうです。
因みに木曾が提督呼びするのは、いつもお前しか言ってないので公の場だとどう言うんだろうなと思った結果、提督がすっきりしたのでそうしました。
そして滝川は結構おっさん設定です、何となく。