sideチェルシー
私はザンクについて情報を集めている。だけど、中々情報は集まらない。あるにはあるけど、噂に尾ひれがついた物ばかり。せめてどの辺りに出没したかの目撃情報は欲しいかな?
「うーん、流石は辻斬りって所かな?全然姿が掴めないや」
そう呟き私はソーダ味を食べる。いや〜、美味しいから心が癒される〜。
「さて、もう夜中になっちゃったなぁ。そろそろ引き上げるか………あれ?シュウくん?」
そこにはシュウくんが居た。こんな時間に出歩くのはダメッて言ったのに!
「シュウくーん!何やって…て、何で逃げるのー!」
何故かシュウくんは逃げて行く。マズいよ。今この街の夜は本当に危ないのに。
「シュウくん!待って!寧ろ早く宿に帰りなさーい!」
私はシュウくんを追いかけた。普通なら無視しするのが一番なのに、私はそれが出来なかった。
シュウくんを追いかけると、広場に来た。人気は無い。やはり首斬りザンクの影響が大きいのだろう。
「シュウくん、こんな夜中に、出歩いちゃだめでしょう!」
私は息を切らして呼吸を落ち着かせてから顔を上げた。しかし、そこにはシュウくんでは無く………
「今晩は、御嬢さん」
知らないおっさんが居た。
「なっ!ま、まさか!……貴方は!」
こんな芸当が出来るのは帝具使いぐらい。なら此奴は!
「そのとーり!御嬢さんの探し人の首斬りザンクだ!会いたかったのだろう?いやー、嬉しいね〜。こんな可愛い御嬢さんからのアプローチはな!」
シャキンッ シャキンッ
ザンクが戦闘体制になる。
「くっ!」
私は考える。この状況をどうするか。
「逃走準備?仲間に連絡?そもそも1人で来たから絶望的?と、考えただろう?」
こいつ……帝具の力か。
「そのとーり!御嬢さんの持ってるガイヤファンデーションと同じさ!ただ、御嬢さんにとって余り嬉しく無い事を教えて上げよう。御嬢さんの帝具と私の帝具は相性最悪でね〜。つまり、今この状況は御嬢さんにとって絶望的なのさ!」
来る!そう考えた時にはもうザンクは目の前にいた。
シュバババッ!
「あぐっ!」
私の両足と両腕に同時に痛みが走る。切断はされて無い。けど、これは………
「安心しろ。俺はこう見えて繊細な攻撃ができる。つまり、なます切りにする事なんぞ造作も無いのだよ!」
「……くっ、はぁはぁ」
身体中が痛くて熱い。苦しい。頭が回らない。
「クックックックッ。苦しいか?辛いか?そうだよなぁ、身体中が痛くて堪らんだろう。安心しろ、首斬りの達人が介錯してやろう」
ザンクはそう言って私の首を掴み上に持ち上げる。足が地面から離れる。苦しい、呼吸が出来ない。
「か……かはっ………あっ」
ザンクの歪んだ笑い顔が見える。目の前がどんどん暗くなる。
あぁ、そうか、これが報いってやつなのかな?初めて殺した時、それから色んな奴を暗殺した時、いつか自分も殺される。それが今なんだ。
「……!…………!」
ザンクが何か言ってる気がする。……けど、もう…………
『えー!お姉さんがピンチになったら助けてくれ無いの?』(上目使い)
『勿論助けますよ。だからその間に逃げて下さいね。自分も後で逃げますからな!ハッハッハッ!』
シュウくん……
「…………………け…………よ……」
「んん〜?死ぬ間際の遺言?良いよ〜、聞いてあげるよ?だから、ハッキリ言ってごらん?」
「……たす………けに来てよ………シュウくん」
「………………イイね。イイね!イイね!その表情!決めた!俺の生首コレクションに入れてやるよ!」
ザンクが腕を振るい上げる。 私はぎゅっと目を瞑る。そして…………
ドオォン!!!!
大きな銃声が聞こえた。
「ぬぅ!不意打ちか!」
ザンクが私を放り投げる。地面に叩くつけられたが痛みがある。………死んで無い?
そして、1番聞きたい声が聞こえた。
「不意打ち上等ですけど、何か問題でも?」
銃口をザンクに向けたままのシュウくんが居た。
「シュウくん……」
「まぁ、助けるって約束したしね。それに、可愛いお姉さんを助けるのに理由が必要ないしね」
その台詞は間違いなくシュウくんだ。
「首斬りザンク、此処から先は俺が相手しよう。まぁ、野郎じゃ盛り上がらないが我慢してくれや」
シュウくんから殺気が一気に強くなる。
「いやいやいやいや。寧ろ好都合!君の首を斬った後の展開が楽しみで仕方が無いね!」
テンションが更に上がり殺気が出るザンク。
対峙する2人。1人は帝具使いの首斬りザンク。1人はちょっとチート持ちのシュウ。
今日、何方かが死ぬ。
主人公の容姿は若干幼い感じにします。ほら!年上キラー持ってるし?後はそこにギャルゲー主人公を混ぜ合わせれば、はい!完成!
程よく想像しやすいやろ!←手抜き乙