帝暦1024年 16歳 現在
「フーフフフーン♪」
適当に鼻歌を歌って馬車に乗りながら帝都に向かう。丁度馬車も帝都に向かうみたいなので、護衛ついでに乗せて貰ってる。
帝都についてはやはり最初に出てくる言葉は腐ってる。そして、危険種よりタチの悪い人が沢山いる事。
同じ人間なのになぁ。中々ままなら無いものだね。
そう、考えてると前から気配がした。何か来る。
「馬車を停めてくれ」
「え?何で?」
「前から気配がするから」
「気配?」
ミシ ミシミシミシ ドコォオォォォン!!
「ど、土竜だあああああ!」「こんな街道に出るなんて!」「ウホ!いい危険種♂」
逃げろー!と言いながら美しいフォームで逃げて行く2人組。中々速いじゃないの♂
そして残される俺と土竜。
取り敢えず馬車から離れる事にした。馬車壊されるのも可哀想だしね。
「ヴオオオオオオオ!!!!」
土竜が叫びながら腕を振るい上げる。
俺はマグナムを構え引き金を引いた。
ドオォン!ドオォン!ドオォン!ドオォン!ドオォン!
「ギイイイイイイイイイイ‼︎」
土竜がそれなりのダメージを受け動きを止める。スピードローター使ってリロードする。そして一気に土竜に接近。
キンキン キリン キン カラン
空薬莢が地面に落ちた時。俺は土竜の肩の上にいた。
「頭に50口径受けて耐えれる?」
ジャキン ドオォン!
土竜の装甲を貫通して弾が内部に侵入する。土竜の動きが一瞬動きそして……。
ドシイイィン
土竜は死んだ。呆気ない。
まっこんなもんか。昔はドキドキしたものだがなぁ。
などとしみじみ思ってると声を掛けられた。
「凄かったなシュウさん!」「まさか危険種を1人で倒してしまうなんて!」「中々やるなお前!」
1人増えてた。
「まぁ、これぐらいはどうにでもなるさ。ところで君はどちら様で?」
「おう!俺はタツミって言うんだ!近いうち帝都で有名になる男の名前だから覚えといた方が良いぜ‼︎」
「へぇ、じゃあこの色紙にサインくれ」スッ
「良いぜ‼︎」
((なんで色紙とペン持ってるんだろう))
快くサインをしてくれるタツミ。ちょっと不思議そうな顔をする2人。
危険種の素材回収して帝都に向かう。タツミも如何やら帝都に向かうみたいだから一緒に行く事にした。
「へぇー、村を救う為に帝都に出稼ぎかよ。偉いな」
「まぁな!………ただ、俺の他に後2人一緒にいたんだけど夜盗に襲われて散り散りになっちまって」
「それは……御愁傷様としか言えんな。だが、その2人も帝都に向かってるんじゃないか?」
「あいつ等強いから心配はして無いけど。ただ、イエヤスって奴が凄い方向音痴だから集合場所の帝都に辿り着けるかどうか……」
「うーん、ドンマイだな。後は祈っとけ。祈るのは無料だからな」
俺はそう言いながら飴をタツミにあげる。
「あぁ、ありがとうな。多分大丈夫さ。サヨはしっかりしてるし、イエヤスも身体は頑丈だしな!」
そう自分に言い聞かせるタツミ。さっきよりはマシな顔にはなってるから大丈夫そうだ。
「集合場所も決めてるなら問題無いだろう。後は運次第さ……ん?あれは帝都か?」
「え!マジで!」
遠くに見える長い城壁。間違いない帝都だ。
「おおおおお!デッケー!アレが帝都か!スッゲー‼︎」
タツミのテンションMAXになる。確かにデカイ。そして中々栄えている感じだ。一応タツミには忠告はしておく。
「タツミ、これは忠告だ。まず甘い言葉美味い話は信じるな。そして、権力者には逆らうな。死にたくなければな」
「おう!分かったぜ!しっかしデッカいなー!」
…………忠告意味無さそう。
そんなこんなで帝都に入る。そこで商人2人と別れる事になる。そして俺達は危険種の素材を換金した後別れる事になる。
「タツミ、お前はこの後如何するんだ?」
「軍に入るから兵舎に行くよ。シュウは?」
「俺は観光だな。折角素材換金したしね。美味いもんでも食べてくるわ。じゃあ、就活頑張れよー。後お前の同郷の奴見かけたら声掛けとくわ」
「おう!ありがとな。じゃあな!」
こうして俺達は別れる事になる。俺は早速帝都ガイドブックを買って観光する事にした。
そして夜。
いやー、中々楽しかったな。美味しい名物品も食べれたし良かった。流石ガイドブック。明るい所、楽しい所だけしか書いて無い事なだけはあるぜ。満足満足。
こうして俺の帝都観光1日目は終了した。
それから暫く帝都の観光と同時に皇拳寺の技を見に行ったりした。ただ、皇拳寺は結構有名だった為意外に使い手は多く特別得られる物は無かった。しかし、基本がかなり出来てはいるので油断し無い方が良いだろう。
と真面目に考えてたら目の前に大量の荷物を持ったタツミに出会った。………何やってんだアイツ?
「タツミ?お前……兵舎に行って軍に入ったんじゃ無いの?」
「うげっ!シュウ!いやー、これには深い訳があるんだよ」
と、話し始めるタツミ。何でも帝都は絶賛不景気な為軍に入る人が多く抽選で選んでる状況。そんな中胸の大きいお姉さんにホイホイついて行って有り金取られた。そして現在は助けてくれたアリアさんの護衛やってる……らしい。何やってんだ此奴。
「タツミ〜、お前最初に言ったじゃん。美味い話は信じるなと」
「いや〜………面目ねぇ」
しかし、タツミの奴は有り金無しの状態か。……仕方ない。これも何かの縁かな?
「タツミ。手を出せ」
「手?何で?」
「良いから出せって」
そう言って俺は手持ちの半分を渡してやった。
「い、良いのか!いや、助かるけどさ」
「まぁ、出世払いで良いよ。利息もいらね。もしくはこの借りを別の形で返してくれれば良いよ。ほら、そろそろ行けよ。護衛の人が待ってるぜ」
「あっ!本当だ。マジで助かるぜ!必ず借りは返すよ。またな!」
タツミは戻って行った。まぁ頑張れよーと思いつつ俺も帝都を歩く。中々広いから観光には時間はかかるだろうけど。楽しいから良いけどね。
そう思いながらコーラ味棒付きを出して口に入れた。
街を探索してると帝都住民の顔が随分暗いなと感じた。明るい奴は小綺麗で一定の収入が有るのだろう。しかし、それ以下の者や異民族かな?結構暗い雰囲気が出てた。
後賞金首も出てた。ナイトレイドという連中だ。帝都の豪富や貴族、はたまた帝国役人を主に暗殺している。
ついでに首斬りザンクも有った。剥がしとけよな。
ザンクのやつだけ剥がして捨てておく。
ナイトレイドねぇ。彼等は何を思って暗殺をやってるんだろうか。正義?それとも復讐?まあ、此方に被害が無ければいっか。
飴を咥えつつ歩き出す。そして…………絶賛迷子になった。
いや!迷子じゃねぇし!ちょっと土地勘が無かっただけだし!多分あっちに行けば大丈夫な筈!そして……
完☆全☆迷☆子
だ、大丈夫だ……も、も、問題にゃい〜!(噛んだ)この程度なら対処出来るし!
こんな感じにオタオタしてたら救いの女神様が現れた。
「ややっ!私の正義センサーに反応アリ!そこの君!何かお困りですかな?」
何と帝都警備隊の方が来てくれました!(感涙)
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