逃げる?違います。明日への前進です。   作:吹雪型

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なんだかんだでセリューがヒロイン化しそう。
そんなつもりはなかったけどな。





ま、いいか。←オネスト大臣風


ちょっだけ大胆になります♡

セリューさんと別れた後、俺は武器屋、もしくは鍛冶屋に行く事にした。前から思ってたが、MP28の弾倉をドラムマガジンにしたかったのだ。連射が強化された結果直ぐに弾切れしてしまう為だ。

武器屋に行ってみたが物は無かった為、鍛冶屋の店主に話をして3日後に取りに来る様に言われたので了承した。

 

あっさりやる事が終わってしまったので適当にぶらついてると貸本屋を見つけた。Night Bookと看板があるので其処に入ってみた。

 

店内に入ると中々の品揃えでビックリした。流石帝都に構えてる店だなと感心した。

 

そして、R指定の漢達のロマンが詰まったエリアに堂々と進入した。そして……

 

「……マーベラス」

 

そんな言葉が出た。10冊以上を借りてレジに並ぶ。周りに客は居なかった為、同い年ぐらいの店員に質問してみた。

 

「この本は誰がラインナップしたん?」

 

すると店員はニヤリと笑い、

 

「俺がやったよ」

 

と言った。暫く見つめ合ってから熱い握手を交わすのは必然だった。

 

 

 

互いに自己紹介をした。名前はラバックという。年も近いから店員だと思ってたが店長だった。確かに納得出来る品揃えだったから問題無さそうだ。

 

「いやー、素晴らしいね。特に趣味とセンスが。しかも年も近いと来たもんだから脱帽ものだよ」

 

「いやいや、そのセンスを理解してるシュウも立派なもんだよ」

 

と互いに褒め合いながら話は盛り上がった。

 

 

気が付けば夜になってしまったのはご愛嬌。

 

「じゃあまた借りに来るよ」

 

「おう!期待して待ってな。じゃあな」

 

今夜は色々捗りそうだな(意味深)と考えながら帰路に着く。

 

そして、その日の夜中ナイトレイドによる貴族暗殺が行われた。

 

 

 

 

 

 

次の日はやはりナイトレイドの暗殺で巷は賑わっていた。何でもその貴族は地方から来た無知な者や田舎者を拷問して楽しんでいたとか。

 

地方から来た田舎者………タツミ平気か?

 

何故かタツミを思い浮かべたが、直ぐに消した。まぁ腕はあるみたいだし、それにいずれ帝都で有名になる言ってたし大丈夫大丈夫!

 

そんな風に軽く考えながらチョコ味の飴を出して口に放り込んだ。ん〜甘々〜。

 

街を再び散策してると帝都警備隊の集団がいた。何やら隊長らしき人が指示を出してた。気になったので気配を消して隊長さんの背後に隠れる。

 

「良いか!お前ら。昨晩もナイトレイドによる暗殺が行われた。これ以上、この帝都で賊共の好き勝手にさせるな!良いな!」

 

「「「「「「はい!」」」」」

 

気合の入った返事だ。若いって良いなぁ。

 

「なら早速聞き込み及び警備強化だ!怪しい奴は直ぐに引っ捕らえろ!よし、行け!」

 

「「「「「「了解!」」」」」ザッ!

 

全員が一糸乱れぬ敬礼をする。だからついでに一言添える。

 

「ついでに首斬りザンクの手配書剥がしといてくれたまえ。奴はもう死んだからな。諸君!頼んだぞ!」

 

なるべく偉そうに言う。すると、

 

「「「「「「了解!」」」」」」ザッ!

 

気持ちの良い敬礼キター!と内心喜んでいると隊員達が一瞬止まり此方を凝視する。次いで隊長さんも此方を向く。

 

「お前は一体誰だ!というかお前ら何気合の入った敬礼してる!間違えるな!」

 

「「「「「「す、すみません。つい。」」」」」」

 

怒る隊長と謝る隊員。更に、

 

「プフー!怒られてやんの!www」

 

煽る俺。場の雰囲気は最悪になると思っていたその瞬間

 

「あれ?君は……シュウ…くん?だったかな?」

 

正義の味方のセリューさんが居た。

 

「あ、あなたは…大通り手前で大泣きし「何でそれを言うのよ!バシンッ⁉️←ビンタ威力強」へぶらい!」

 

クルクルクル←三回転中 バタ←力尽きた

 

シーンとなる空気。

 

「はあ、はあ、はあ………オーガ隊長!彼は私が責任を持って指導します!宜しいですね!」ギヌロン←鋭い目線

 

有無を言わせない目線と迫力。

 

「あ、あぁ、良いだろう。キチンと指導しろよセリュー。良し!他の者も見廻り開始!行け!」

 

「「「「「「りょ、了解!」」」」」」ザッ!

 

若干どもったが返礼をする。そして解散する帝都警備隊のメンバー。

 

「ほら、コロ行くよ!」ズルズルズルズル

 

「キュ、キュウ!」トコトコトコ

 

シュウを引きずりながら何処かに行くセリュー。それについて行くコロちゃん。

 

「…………まぁ、シュウと言ったかな?自業自得だな。さて、俺も仕事真面目にやるか」

 

何となく真面目に職務に付き始めるオーガ。きっとセリューのビンタと眼力にビビったわけでは無い……筈。

 

 

 

 

 

目が覚めるとセリューさんの顔があった。ついでに胸当ても見えた。さらに言えば木陰にいるみたいだ。

此処まで状況を確認した後、今の体勢について考える。後頭部は柔らかい何か。そして横になってる。更に先程の状況から察するに………膝枕来たんじゃね?

 

 

 

そっかー、膝枕かー。良し!気絶した振りしとこ。柔らか〜い感触と女の子の優しい香りを楽しもうと考えた瞬間

 

「キュウ!キュウウ!キュウ!キュウウウウ!」ピョン

 

コロちゃんが俺の顔にダイブして来た。

 

「コラ!コロちゃん!遊んじゃ駄目でしょ!…ん?あ、目が覚めたみたいですね!」

 

バレました。残念。

 

「うん。コロちゃんが俺の顔にダイブした瞬間に目が覚めたよ。それまで気絶してたみたいだ。うんうん。コロちゃん……目を覚ましてくれてありがとな!」グリグリ

 

「ギュ!ギュウウウウ!」グリグリグリグリ

 

互いにデコを擦り付け合う。そう、互いに分かってる事だからな。

 

「あの……先程はビンタしてしまって、ごめんなさい。まさか自分でも彼処まで行くとは思わなくて……」

 

謝るセリューさん。いやー、謝られても困っちゃうぜ。

 

「仕方無いですよ。寧ろ最初に警備隊の人達にちょっかい掛けたのは俺だしね。まぁお互い様って訳でさ。迷惑かけたお詫びにマスカット味の飴ちゃん上げます!コロちゃんにもブルーベリー味をプレゼント!」

 

そう言って飴をあげる。セリューさんとコロちゃんの空気が大分軽くなった感じだ。

 

「くす。分かりました。お互い様という訳ですね。飴頂きますね」

 

「キュウ〜」

 

暫く飴を舐めてるとセリューさんが声を掛けてきた。

 

「あの、昨日の晩にナイトレイドによる貴族暗殺が有ったのはご存知ですか?」

 

少し暗い表情で聞いてきた。

 

「あぁ、知ってるよ。地方から来た田舎者を拷問してたんだっけ?悲しいね。同じ人間なのになぁ」

 

「拷問だけでは無いんです。……捕らえた人達を薬漬けにしたり病気に感染させ、それを日記に書いてあったそうです」

 

セリューさんは俯いたまま話してくれる。

 

「しかも、その貴族の護衛には………警備隊の人達が居たんです」

 

更に続ける。

 

「私は…帝都警備隊。だから帝都の人達を守らなくては駄目なんです。………なのに、こんな事を守る為に警備隊に入った訳じゃあ……無いのに」

 

少し震えるセリューさん。きっと泣くのを我慢してるのだろう。

 

「こんな時こそさ、考えて考えて。悩んで悩みまくって、自分で答えを見つけるチャンスだよ。勿論、考えるのを止めて只々命令に従うだけでも良い。選ぶのはセリューさんだよ」

 

少し冷たい言い方になってしまった。

 

「でも、解からないから……どうして良いのか解からないから!だから!……うっ…ぐす」

 

あー、また泣かしちゃったよ。コロちゃんが睨んでくる。だから怖いって。

 

「答えは自分自身で探すしか無いよ。誰かに言われてそれを目標にする。間違っては無いよ。だけど直ぐに崩れ落ちてしまう。だから自分で答えを探すのさ。自分で答えを出せたならきっと、どんな言葉にも惑わされ無くなる。だから俺は冷たく言うようだけど自分で答えを出して欲しいんだ。それはセリューさんの力にもなってくれるさ」

 

これしか言えないな。結局セリューさん自身の問題だ。

 

「今はまだ時間ある。だからゆっくり考えなよ。色んな物を見たり聞いたりして自分で判断すれば良いさ」

 

そう言って俺はセリューさんの太ももに頭を乗せた。

 

「…え?えっと……何故私の足に?」

 

「いやー、何か仕事サボるのは駄目だーって言いそうだから妨害してみた。序でにちょっと眠たい。コロちゃ〜ん、こっちおいで。一緒に寝よう」

 

「…………キュウ」

 

今度はコロちゃんは協力してくれた。まぁ下心そんなに無いしね。

セリューさんがワタワタしてるけど眼を瞑る。さあ、夢の世界へlet's go!

 




うーむ………タグ付け足すか

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