逃げる?違います。明日への前進です。   作:吹雪型

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サブタイトル考えるの結構ムズイのな。


セリューの春?そして短期アルバイト始めます。

セリューさんの膝枕を2時間程堪能して目が覚めた。いや〜、我ながら大胆な事をした。起きた時セリューさんと目が合った時はもう赤面必須でしたが………ありがとうございます!

 

「さて、セリューさんはこれから如何します?調査開始?」

 

まだ赤面のセリューさんに聞いてみる。俺?勿論ドキドキしてますけど?何か?

 

「ふえ?あ、そ、そうですね!聞き込み開始します!えっと…その……ありがとう。それでは!」ビシッ!

 

セリューさんは敬礼して脱兎の如く走って行った。コロちゃん?めっちゃ引き摺られて行きました。大丈夫かな?

 

「後はセリューさん次第ですよ。答えなんて最初から沢山ありますよ。だから貴女だけの答えが見つかりますように」

 

最後1人呟いてしまったが、偶には感傷に浸るのも悪く無いさ。

俺も歩き出す。さて、今日は何処を見て廻ろうかな?飴を出して咥えながら移動した。

 

 

 

sideセリュー

 

私は帝都警備隊所属セリュー・ユビキタス!正義の味方です!

 

 

と、今でも思ってはいるのですが絶賛悩み中です。昨日迷子になっていたシュウさん?くん?…多分君だね。シュウくんを助けたのですが………私の在り方を考える言葉を沢山言ってきて、もう頭がパンクしそうです。

 

でも、悩み考える事が必要だと言っていたので考えます。

私はシュウくんにパパは何故凶賊に殺されたの?と聞いてしまいました。今思えばシュウくんは私のパパの事は知りません。なのにシュウくんは答えてくれました。

『似た信念が武力でぶつかれば、最悪何方かは死ぬ事もある。』この言葉が私にはとても重要で大切な言葉に感じました。パパも皆んなを守る信念が有った。そして……凶賊にも信念があったのでしょうか?

 

「キュウウゥ」

 

「あ、コロちゃん。…うん、大丈夫だよ。今は考える事を止めちゃ駄目なんだと思うから」

 

コロちゃんに心配されてしまいましたが、それでも私は悩む事を止めません。いつか、パパの信念と凶賊の信念を理解しないといけ無いから。私が前に進む為にも。

 

「考える事も任務も頑張ります!さあ!聞き込み調査開始です!」

 

私はコロちゃんにそう言って暗殺現場の周辺調査に向かいます。

 

遅れて仲間と合流しましたが、皆さんなんだか温かい目で見てきます。何故でしょう?

 

「セリューにも遂に春が来たか………今夜は赤飯かな?」

 

仲間の1人が真顔でそんな事を言ってきました。てっ!赤飯!何で!

 

「いや、だってさ、膝枕してたじゃん」

 

……………見られてました。は、恥ずかしい///

 

私は言い訳しようとしましたが言葉が出ず、結局黙ってワタワタしてました。

 

皆んなからは茶化されるは弄られるは、今夜はご飯ご馳走するから馴れ初めを聞かせろ!とかもう散々です。でも……否定の言葉は不思議と出ては来ませんでした。

 

 

side シュウ

 

あの後大通りに戻り、自分なりにナイトレイドの事を調べてみた。すると中々の使い手がいるみたいだった。何故なら全員が帝具持ちらしい。少なくとも手配書に出てる連中は皆帝具持ちだ。間違いなくそれ以外にも居るだろう。案外今この人混みの中にも居るのかもな。

 

もう1つ分かった事がある。ナイトレイドの行動時間は案外夜が多い。一般人からの顔バレ防止の為だろう。なら夜適当にぶらついてると案外鉢合わせするかも知れんな。

 

ちょっだけ危ない事を考えながら歩いてると、帝都警備隊隊長さんが目の前に居た。

 

「ん?お前は確か…セリューに連れて行かれたシュウって奴か。よく生き残れたな!ハッハッハッ!」

 

うん、まぁあのビンタ喰らった後なら心配されるわな。

 

「どうもこんにちは。改めて自分はシュウと言います。帝都には観光がてら来てます」

 

「そうか観光か。俺は帝都警備隊隊長のオーガだ。まっ!セリューの知り合いならそう悪い奴じゃねぇわな。んでだ、お前に1つ聞きたい事がある」

 

オーガさんが真面目な顔をで聞いてきた。

 

「聞きたい事?何ですか?」

 

「首斬りザンクが死んだのを何で知ってる?まだ一部の奴しか知らねぇ情報だ」

 

さっさと知ってる理由を言えと目が語ってた。

 

「俺が殺したから」

 

だから教えた。

 

「ほう…お前の様な奴が首斬りザンクを殺したか。これは傑作だな!ハッハッハッ!」

 

オーガさんは如何やら信じて無いみたいだった。まぁ逆の立場なら同じだろうけどね〜。

 

「まあいい。お前が首斬りザンクを殺したか、今ここで試してやろう。なーに、峰打ですましてや「これで良いですか?」…は?」

 

俺は帝都警備隊隊長のオーガに対してククリナイフを首に当てていた。

 

(こいつ!いつの間に⁉︎目で追えなかっただと!このオーガ様が!)

 

「もう良いですか?自分今から甘味屋に行きたいので」

 

帝都ガイドブックにも紹介されてたけど、中々美味いからまた来たのだよ。

 

「で、信じるか信じ無いか何て如何でも良いです。首斬りザンクを打ち破った手柄が欲しければどうぞ。ただ、俺の邪魔や命を狙うなら………ザンクの後を追わせてやる。あいつお喋りが好きだからね。話相手になってくれるか?」

 

俺はオーガに警告した。此奴からは下衆の匂いがプンプンしてるからな。それでも来るなら人前でボコボコにして社会的にも職場的にも消してやる。そして……最後は…………

 

「…………あぁ、分かった。邪魔もしねぇし、命も狙わねぇよ」

 

「……………」

「……………」

 

ふん。嘘は多分ついて無いか。目に怯えが見えたし。ま、手を出すなら殺せば良いか。別に帝都に拘ってる訳でもないし。

俺はククリナイフを片付けて甘味屋に行く事にした。オーガからの視線は感じなかった。

 

sideオーガ

 

ヤバい。この一言しか言えなかった。この帝都の街じゃあ俺様は王様だ。

だが……奴は…………そんな物通じ無い。あの眼を俺は知っている。そう、危険種の眼だ。権力なんぞ関係無い。ただ敵なら殺す。そんな眼だ。

 

あいつ、シュウと言ったか。首斬りザンクを仕留める腕前。奴も帝具持ちか?しかし、帝具らしき物は見当たらなかった。あのデカイ銃が帝具?にしてはオーラが無い。

 

 

 

なら、帝具無しで……殺ったのか?………それこそ一握りの奴だけだ。だが、奴の速さは異常だ。そして、あの速さも本気じゃねぇ。

 

手を出すか出さ無いか………答えは決まってる。手を出さ無いだ。例え権力があろうと奴は喰い破る。俺は今の立場を守る為に保身に走る。少し前の俺様なら屈辱以外何物でも無いと思うが、この時は本気で保身に走った事を後悔して無い。

 

 

side シュウ

やっぱり美味いなこの名物品は。ちょっとお高いけど我慢出来る値段だしね。そんな事を考えながら今後に展開について考える。

やはり1番なのは自分が更に強くなる事だ。誰にも邪魔される事なく旅するならこれは重要だ。次に武器だ。今はMP28と50口径マグナム、ククリナイフ×2がメインだ。ただ、帝具持ちの連中に対して1番有効なのは実はククリナイフだ。銃は直ぐに弾道を見切られて回避されてしまう。なら、回避でき無い距離で撃つか散弾を使用するかだ。

 

「小型のショットガン欲しいな。出来ればポンプアクションかレバーアクションが良いな」

 

多分ショットガンぐらいなら売ってるだろう。少なくともダブルバレルタイプなら見た事はある。

そうと決まれば先ずは資金稼ぎの為に危険種狩りをする。若しくは短期アルバイトを探す。

 

ただ、今日はもう遅いから明日から働きます。

 

 

 

次の日から帝都周辺の危険種狩りに行ったのだが戦果は著しく、仕方無く短期アルバイトに変更した。ウェイター、荷物運び、夜逃げの手伝い、イカサマの手伝い等をやって忙しい毎日を過ごしていたら帝都警備隊隊長オーガが切り刻まれて死体として発見された。


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