逃げる?違います。明日への前進です。   作:吹雪型

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あれだね。完璧にセリューヒロインになってるよ。


おかしいなぁ?

まぁ良いんですけどね!


例外があるのは仕方無いさ

警備隊隊長オーガが死んで暫く経ってから更に、北の異民族の要塞都市が陥落した。

 

しかし、北の勇者ヌマ・セイカは死ぬ最後にこの様な言葉を残したと言う。

 

「私には弟子がいる。誰よりも才能がある弟子が…だ。齢8歳にして私の攻撃を目で追い、10歳にてこの本丸から要塞都市の外に逃げ出した才能。必ず………必ずや!貴様ら帝国に仇なす存在となるだろう!何故なら貴様らの怠慢と傲慢を見続けているのだからだ!例え我々を滅ぼそうとも……必ずや帝国の災いとなるだろう!」

 

そう言いながらも身体中から血を流し、そして立ったまま死んだそうだ。

 

 

その言葉は瞬く間に各地に広がり、それが誰なのか両軍共探す事になる。

 

そして、その噂を聞いた主人公ことシュウはと言うと………

 

「へぇ〜、ヌマさんにそんな凄腕な弟子が居たんだな。スッゲーなおい。きっと将軍級の器があるに違いない」

 

との言葉を残した。実にあっさりとした感想だった。

 

 

 

 

帝都宮殿 謁見の間

「申し上げます。ナカキド将軍、ヘミ将軍両将軍が離反!反乱軍に合流した模様です!」

 

ザワッ……ザワッ……

 

「戦上手のナカキド将軍が…」「反乱軍が恐るべき勢力に育っているぞ…」「早く手を打たねば帝国は…」

 

周りの将兵が狼狽えていると、

 

「狼狽えるでないっ!初戦は南端にある勢力!いつでも対応できる!反乱分子を集めるだけ集めて掃除した方が効率が良い!」

 

そう、まだ10歳程の皇帝が将兵を一括す

 

「………で、良いのであろう大臣?」

 

一括…一括………うーん。

 

「ヌフフ。流石は陛下、落ち着いたものでございます」モグモグ

 

そう、帝国裏の支配者であるオネスト大臣である。

 

「遠くの反乱より近くの賊。今の問題はこれに尽きます。西の国では首斬りザンクが打ち破られ帝具は持って行かれ所在が不明、帝都警備隊隊長は殺され、私の縁者であるイヲカルは殺される!更にヌマ・セイカの最後の戯言に踊らされる帝国国民!!」グチャッグチャッグチャッ

 

「やられたい放題!悲しみで体重が増えてしまいますっ!」モグモグモグモグ!

 

ここで悲しみは関係無いと言えば死ぬので誰も言わない。

そして、オネスト大臣の顔が歪む。

 

「もう、穏健である私も怒りを抑えきれません!!北を制圧したエスデス将軍を呼び戻します」

 

その瞬間謁見の間に衝撃が走る。

 

「て、帝都にはブドー大将軍がおりましょう!」

 

「大将軍が賊狩りなど彼のプライドが許さないでしょう」

 

大臣はキッパリと言い切った。

 

「エスデスか…彼女ならブドーに並ぶ英傑、安心だ!」

 

「異民族40万人を生き埋め処刑した氷の女ですからな。それまでは無能な警備隊に活を入れなさい!最早生死は問いません!1匹でも多く賊を狩り出し始末するのです!!」

 

その時のオネスト大臣の顔は歪みきっていた。

 

 

 

sideセリュー

オーガ隊長が殺されたと聞いた時、思考が止まってしまった。私は……パパに続いて……師である……オーガ隊長を……また賊によって失ってしまった。

 

 

 

だから私は……復讐に走った。

 

 

 

 

 

 

そして、夜に身を潜め続けて……ついに!この時が来た!

 

「見つけた」

 

私は賊に対して蹴りを打ち込んだ。

 

ガゴオオン!

 

「敵⁉︎」「マイン気をつけて下さい!」

 

私は手配書を見ながら呟く。

 

「…やはり、顔が手配書と一致。ナイトレイド、シェーレと断定!所持してる帝具から連れの女もナイトレイドと断定!」

 

待ち続けた…

 

「夜ごと身を潜め待っていた甲斐があった………」

 

この時が来た……

 

「やっと……やっっっっっと巡り会えたな…ナイトレイド‼︎」

 

パパと師であるオーガ隊長の!

 

「帝都警備隊!セリュー・ユビキタス!絶対正義の名の下に悪をここで!!!

 

『似た信念が武力でぶつかれば、最悪何方かは死ぬ事もある』

 

……っん!………くっ!」

 

こんな時にシュウくんの言葉を思い出した。そう、私にはとても重要で大切な言葉。でも、今は!迷ってちゃ駄目‼︎

 

 

 

 

確固たる信念有る凶賊。迷い信念無き正義。

 

それでも戦いは始まろうとしていた。

 

 

 

side out

 

コッ コッ コッ 時計台の音が響いている。

 

 

「……正体がバレた以上、来てもらうか死んでもらうしか無い訳だけど…」

 

コッ コッ コッ

 

返事は無くただ睨み続けるセリュー。そして、指を指して宣言する。

 

「賊の生死は問わず。ならば……正義…いや、私が処刑!若しくは捕縛する!!」

 

言葉に迷いが出ているセリュー。しかし、

 

「パパはお前達の様な凶賊と戦い殉職した。そして、お前達は師である隊長を殺した…!」

 

引き返す事は無い。

 

「絶対に許さない‼︎」

 

 

 

帝具同士の激突は、その威力故に確実に”死”を呼び込む

 

これから始まる戦いもまた…

 

例外では無い

 

 

 

 

だが、彼ならこう言うだろう

 

「例外が無ければ作れば良いじゃない!」byマリーアントワネット風

 

と、軽い感じに。

 

 

「殺る気満々?なのかしらね?でも……」

 

ジャキン!

 

「先手必勝!」

 

バララララララ!!!!

 

マインの帝具浪漫砲台パンプキンが先に銃撃を開始する。しかし、セリューは動かない。

 

「キュアーッ!」

 

コロがセリューと弾丸の嵐の前に出る。そして…弾がコロに直撃した。しかし、着弾地点は煙に包まれる。

 

「やったか……?」

 

フラグを立てるマイン。しかし、

「グルルルルルル」シュウウウウウウ

 

巨大化してセリューの盾になるコロ。

 

「…!マイン、やはりアレは帝具です!」

 

「みたいね。しかも生物型って奴ね」

 

マインとシェーレは反撃に備える。しかし、セリューは動かない。

 

「……貴様ら凶賊は捕縛しようとも死刑は確定している。だから、コレだけは聞いておく。……何故オーガ隊長を殺した?隊長は殺される様な人では無かった!答えろ凶賊!!」

 

セリューが憎しみの視線と質問を投げかける。

 

しかし、マインとシェーレは冷たい視線で答える。

 

「何故殺したか?依頼が有ったからよ。あんた達が守ってる帝国国民の1人からね」

 

「私達は基本依頼を受けて暗殺を行います。ただ、対象は悪事を働く者ですけど。今回のオーガ暗殺は一般人の復讐によって依頼された物ですから」

 

その言葉を聞いてセリューの眼が見開く。

 

「う、嘘だ!隊長が誰かに恨まれる?……そうか、隊長や私達警備隊に逮捕された連ちゅ「無実の罪で殺された恋人の仇だったそうです」……え?」

 

シェーレが淡々と伝える。そしてセリューの動きが止まる。

この時マインは撃つか迷っていた。しかし、セリューからの殺気が殆ど無くなっていた為警戒止まりになっていた。

 

「オーガはね、油屋のガルマが悪事を働くたびに代理の犯罪者をでっち上げられてたのよ。そして、賄賂を貰っていた。

 

嘘だ……そんなの嘘だ………

 

そして、1人の依頼人によって殺されたのよ。

 

有り得ない……だって、だって!私達は帝都警備隊なんだ……。だから!

 

あぁ、その依頼人捕まえても意味無いわよ。だってその人性病になるまで身体売り続けてもう長く無いから」

 

 

 

 

 

………は、はははは。正義なんて……無いじゃない。

 

 

「………………………………」

 

俯き、動かなくなるセリュー。余りに隙だらけで攻撃が止まるマインとシェーレ。

 

「マイン、如何します?逃げます?」(ボソボソ)

 

「そうね、さっさと逃げましょう。いつ他の警備隊が来るか分からないし」(ボソボソ)

 

2人は逃げる体勢をとる。しかし、

 

「………それでも、お前達は凶賊。だから……此処で!捕縛する!それが帝都警備隊なんだ!」

 

セリューの眼に力は無い。しかし、職務を全うする正義感は健在だ。

 

「…如何やらやる気は出て来たみたいね」「私としては逃げた方が良いと思いますけど」

 

軽口を叩き合うものの警戒する2人。

 

 

 

そして…

 

「トンファガン!」

 

ドドドドドドド!

 

セリューが射撃をする。そして左右に避けるマインとシェーレ。

 

「コロ!突っ込んで鹵獲!腕の一本ぐらいなら潰せ!」

 

「グルルアァアアア!」

 

コロがシェーレに突っ込み口を開ける。しかし、

 

ジャキン!!!!ドシイイィン!!!!

 

「……すいません」ピュン

 

シェーレの帝具万物両断エクスタスが両断する。しかし、

 

「ギュオオオォオ!」

 

帝具ヘカトンケイルは直ぐに再生する。

 

「パンプキン!行っけー!」

 

キュイイン カッ!ドゴオオオン!

 

コロが吹き飛ぶがセリューの所まで戻されるが、直ぐに再生する。

 

「シェーレ気を付けて!文献にあったでしょ!生物型の帝具は体の何処かのコアを破壊しない限り再生し続けるって!心臓無いからアカメの村雨も効かないだろうし」

 

「中々面倒な相手ですね」

 

拮抗する3人。次に動いたのはセリューだ。

 

「コロ腕!」「キュウウウ……」ずるっずるっ

 

コロ腕が巨大化。そして、

 

「吶喊!粉砕!」

 

「キシャアアアァァァァァ!!!!」

 

セリューの命令に従うコロ。しかし、立ち塞がるのはシェーレ。エクスタスを盾にする

 

 

そして、ぶつかる両者。

 

ガガガガガガガガガガガガ!!!!

 

嵐の様な攻撃をするコロ。それを凌ぐシェーレ。更にセリューは追撃を加える。

 

ピイイイィィィィィ!

 

周辺の警備隊を呼び込む笛。絶望がマインとシェーレを襲う。しかし、両者の眼は悲観して無い。

 

「嵐の様な攻撃、援軍も呼ばれた……これは、まさにピンチ!!!」

 

キュイイイイイイン!

 

「だからこそ行けええええ!!!」

 

ドカアアアアアアアアアアン!!!!

 

ピンチになればなるだけ火力が上がるパンプキン。その威力はクロの動きを止める。しかし、ヘカトンケイルの修復能力は伊達では無い!

 

「くっ!もう、修復を始めてる。なんて生命力!」

 

悔しがるマイン。

 

「コロの耐久性はそんな攻撃なんて…!!」

 

そして土煙を利用してシェーレがセリューに接近する。

 

「帝具は道具。なら、使い手を仕留めます!」ジャキン!

 

狙いは最初から私!

 

シェーレに気付き迎撃体勢を取るセリュー。しかし、帝具には奥の手が存在している。

 

「奥の手!エクスタス!!!」

 

カッ!!!!

 

シェーレのエクスタスから発光が走る。目潰しを喰らうセリュー。しかし、僅かに見えるシェーレの攻撃を防ぐ。

 

ガガガガガガガガガ!!!!

 

「くうううううう!!」「はああああああああ!!」

 

僅かに均衡する2人、しかし………

 

ガツッ

 

「あっ」足を引っ掛けてしまうセリュー

 

「…………」冷静な動きで仕留める体勢を取るシェーレ

 

 

 

 

如何して?如何してこんなに強いの?私と何が違うの?立場?それとも悪だから?

 

『正義なんて見方によって変わるからだよ』

 

見方?

 

『相手の考え……いや、信念と言っても良い。それを理解して何故反抗するのか、何故戦うのか、それを考えて欲しい」

 

考え?………信念?

 

『自分で答えを探すのさ。自分で答えを出せたならきっと、どんな言葉にも惑わされ無くなる』

 

ジャキン!!!エクスタスの刃が開く音が……

 

『自分で答えを出して欲しいんだ。それはセリューさんの力にもなってくれるさ』

 

自分で……答えを……出す?

 

 

 

………あ、そっか。難しい事じゃあ無かったんだ。相手も同じなんだ。強い信念があるから戦えるんだ。

 

なんだ、簡単な事だったんだ。私も自分自信の信念を見つければ良かったんだ。パパや隊長の仇や復讐じゃ無く、自分自身の信念を……

 

「すいません」

 

謝ら無いでよ。考えや信念の意味を今更分かったんだよ?だから………

 

 

 

 

シュウくんに答え伝えたかったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さよなら、シュウくん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガシッ!グイッ! ジョキン!!!

 

 

「!!!くっ!」

 

お腹、斬られた。……でも、致命傷じゃ無い?誰かに頭引っ張られた?誰に?

 

 

 

「取り敢えずこれでも喰らっとけ」

 

ドオォン! ギイイィン!!

 

1番会いたい人の声が聞こえた。振り向くと………銃を構えてるシュウくんが居ました。

 

「ごめん。来ちゃった♡」

 

ふざけた言い方だけど、隙は無い。シェーレも警戒体勢を取る。

 

「セリューさんは、1度コロと一緒に下がってください。」

 

「だ、大丈夫だよ!私まだ「コロのコアがバレかけてるけど?」ッ!コロ!」

 

コロ方を見ると修復が間に合ってない状態だった。

 

「と、言うわけで」

 

ジャカ ダダダダダダダダダダダダダダッ ドオォン!

 

シュウくんはマインとシェーレに向かって射撃をする。私はその間にコロを呼び戻す。

 

「コロ!セリューさん連れて後退な。セリューさん、治療しないと死ぬぜ。お前の主人だろ?守ってやれよ?」

 

そう言ってコロに指示をだして私とコロの前に立つ。コロは一瞬止まるものの私を担いで走り出す。

 

「ま、待ってコロ!私「セリューさん、今の貴方は戦力になりますか?」ッ!」

 

冷たく突き放される。……だけど!

 

「死ぬつもりは無いから安心してよ。2人が逃げる時間ぐらい稼げるさ」

 

そう言って前を向くシュウくん。私は最後にコレだけ伝える

 

「シュウくん!私……私!答え見つけたから!聞いて欲しいから、だから……だから!死なないで!!」

 

シュウくんは片手を上げて返事をしてくれた。シュウくんとナイトレイドの2人が離れる。どうか、無事に戻って来て!

 

 

 

 

「わざわざ待っててくれたのですか?いや、見た目通り優しい方なんですね。今度デートしませんか?」

 

軽くナンパしてみる。銃を構えてたまんまだけどね。

 

「お誘いは嬉しいですけど、私帝都付近は出歩けませんから。すいません」

 

そりゃそうか。手配書に描かれてる顔と同じだもんな。

 

「ちょっとシェーレ!あんた何謝ってるのよ!こいつ敵よ!敵!」

 

「あぁ、すいませんマイン」

 

ふーん、ピンクの髪の子はマインちゃんね。

 

「マインちゃんもありがとね。わざわざ待っててくれて」

 

「ふん!帝具使いが居るのと居ないのとじゃあ逃げれる確率はいない方が断然いいわ!」

 

確かにな。だが、逃げるコロとセリューさんを撃たなかったのはやはり優しさ故だろうな。

 

「ま、帝都警備隊が来るまで俺の相手を頼むよ。それに、個人的な借りも返せそうだしね。その後は警備隊の相手を宜しくね」

 

再度銃を構え直す。因みに個人的な借りとはセリューさんの膝枕で2時間寝た事。

 

「ふん!あんたをサッサと倒して帰らせて貰うわ!行くわよ!シェーレ!」

 

「はい!マイン」

 

さあ、第二ラウンド開始だ!




今更だけど、主人公の服装が決まってない件について。



いやまぁ、あれだよ?想像してる時はちゃんと形にはあるんだよ?
ホントダヨ、ウソジャナイヨ( ¯•ω•¯ )

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