あの後長い長〜い事情聴取を受けた後、眼の検査を軽く行って貰い解放された。
いやー、かなり真面目に事情聴取受けたから帝都警備隊は結構真面目なんだなと感心した。
しかし、セリューさんとは結局会えず残念である。ま、怪我も結構深かったから仕方ないかな?
そして、ナイトレイドについても考える。今回は帝具使い2人と戦った訳だが………良く生き残れたな俺。あの連携は中々侮れない、ファイブブーストにも対応されてたし。ただ、一対一ならマインなら殺れるがシェーレの方はちと厳しいか?でも、大振りの武器は俺にとっては鴨に等しい。なら時間を掛けずシックスブーストで勝負する?うーむ……微妙か?まっ!ヤバくなれば逃げればいっか!
結局この結論に行き着くのは性分かな?
何だかんだで昼前だからな。取り敢えず軽く何か食べて寝るか。
そう考えお腹を膨らます為に飯屋に行った後惰眠を貪ったのだった。
結局あの後丸一日程惰眠を貪った後、フェクマ(フェイクマウンテン)の危険種相手にイサカM37の練習をする。
装弾数は5発。近距離からの面攻撃は中々だ。しかし、やはり散弾故の宿命か中距離から撃つと威力、命中率は低下する。
ただ、人間相手なら中距離でもいけるかもしれんが帝具使いは勘弁して貰いたい所だ。
暫く練習していると、思わぬ人物と出会う事になる。何と…タツミとリーゼントの男性と出会った。
「え?タツミ!お前こんな所で何やってんの?そして、そちらの方は?」
まさかタツミと出会うとは思わず驚きの声を出してしまう。
「うえ!シュウ!お前こそこんな危険な場所で何やってんだよ!」
「何って……ショットガンの練習かな?この前新調したばかりだからな。しっかり使いこなさないとな!」
俺はそう言ってイサカM37を見せる。
「ほお。ちゃんと自分の武器を使いこなそうとしているのか。感心だな。おっと、自己紹介がまだだったな。俺はブランだ。ハンサムって呼んでも良いぜ!」
リーゼントの男性はブランさんと言うらしい。自己紹介しながら握手を求める。しかし、ハンサムか……呼んでみるか?
「自分はシュウと言います。宜しくお願いします。ハンサ……!(な、何だこの悪寒は!これ以上、言ってはいけ無い気がする!)…えと、ブランさん」(冷汗)
「おう!宜しくな!」ガシッ!
互いに握手する時には悪寒は収まっていた。一体何だったんだろう?
「所でタツミは同郷の奴とは会えたのか?確か…サヨとイエヤスだったかな?」
俺がそう聞くとタツミの顔に暗い影が落ちる。
「あぁ、会えたよ。………死んじまったけど」
あ……そっか、死んじゃったのか。
「じゃあ、そいつらの分まで生き残れよ?そして、お前が死んだ時に沢山土産話してやれよ?」
なるべく明るく言う。
「……っああ!そうするぜ!」
タツミも理解したのか明るく返事をする。
「シュウ、何ならお前もフェクマにいるなら一緒に修行するか?俺は今兄貴に鍛えて貰ってるんだ!兄貴は凄いぜ!スッゲェ強いんだ!」
そんなに強いのか……悪い人じゃ無いし良いかも。
「ブランさんが良ければご一緒しても?」
一応聞いてみる。
「あぁ、勿論良いぜ!」
気持ち良く許可が降りる。
「2人とも、傷付いたりしたら俺がベースキャンプで手厚く介抱してやるからな!///」
「何でそこで顔が赤くなるんだよ!!」
タツミが吠える。
(さっきの悪寒はこれかー!!)
シュウは戦慄する。
それから暫くの間フェクマにて気配の察知や観察眼を養う事になる。そしてブランさんのパワーとスピードの攻撃はかなりヤバい。多分首斬りザンクやナイトレイド2人よりも強いかもしれん。
しかしブランさん、何処かで見た事がある様な……無い様な……何処だったかな?
そんな事を考えながらフェクマにて修行する事になる。
同時刻 王宮 謁見の間
謁見の間には幼い皇帝、オネスト大臣、そして…性格ドS、強さ帝国最強のエスデス将軍が居た。
「エスデス将軍」 「はっ」
皇帝が名を呼び、エスデス将軍が形式通りの返事をする。
「北の制圧!見事であった!褒美に黄金1万を用意してあるぞ」
「ありがとうございます。北に備えとして残して来た兵達に送ります。喜びましょう」
黄金1万をあっさり部下に渡す豪傑っぷりを発揮する。
「戻ってきたばかりですまないが、仕事がある。帝都周辺にナイトレイドを始め凶悪な輩が蔓延ってる。これらを将軍の武力で一掃して欲しいのだ」
皇帝はエスデス将軍に仕事をお願いという名の命令を下す。
「……分かりました。ただ、1つお願いがございます」
「うむ。兵士か?なるべく多く用意するぞ」
先に予測できたのだろう、兵士を揃えると提案をだす。しかし、
「賊の中には帝具使いが多いと聞きます。帝具には……帝具が有効」
一旦言葉を切り再度口を開く。
「6人の帝具使いを集めて下さい。兵はそれで充分です。帝具使いのみの治安維持部隊を結成します」
あまりに無茶な要求に皇帝は眼を見開く。
「……将軍には三獣士と呼ばれる帝具使いの部下がいたな?更に6人か?」
流石に渋る皇帝。しかし…オネスト大臣が擁護する。
「陛下、エスデス将軍になら安心して力を預けられますぞ」
「うむ、お前がそう言うなら安心だ。用意出来そうか?」
オネスト大臣の言葉をアッサリ信じてエスデス将軍の願いを了承する。
「勿論でございます。早速手配しましょう」
「これで帝都も安泰だな。余はホッとしたぞ!」
「まことエスデス将軍は忠臣にございますな」
オネスト大臣がエスデス将軍の擁護をするのは当たり前だ。互いに協力する事によって欲を満たす事ができる。利害の一致。裏切りの心配が無く帝国にとって、オネスト大臣にとっての最高の切り札だ。
「エスデス将軍には苦労を掛ける。将軍には黄金だけでは無く別の褒美を与えたいな。何か望むものはあるか?爵位とか領地とか」
気を良くした皇帝はエスデス将軍に尋ねる。
「そうですね……。あえて言えば……」
一旦言葉を切るエスデス将軍
「言えば?」
その続きを促す皇帝
「恋をしたいと思っております」
皇帝とオネスト大臣が眼を見開き止まる
「…そ……そうであったか!将軍も年頃なのに独り身だしな!」
「しかし将軍を慕ってる者が周囲には山程おりましょう?」
先に言葉を発したのは皇帝だった。それに続くオネスト大臣。しかし、
「あれはペットです」
バッサリ斬り捨てるエスデス将軍。
「…では誰が斡旋しよう。この大臣などどうか?良い男だぞ!」
「ちょっ!……陛下!!」
皇帝がオネスト大臣を進める。普段の信用が返ってきた瞬間だ。
「お言葉ですが大臣は高血圧で明日をも知れぬ命」
「これで健康です失礼な」モグモグ
「ではどういうのが好みなのですか将軍は?」
お寿司を食べながら聞くオネスト大臣
「…ここに私の好みを書き連ねた紙があります。該当者がいれば教えてください」
用意周到なのだろか、手紙を胸元から出すエスデス将軍。
「わかった見ておこう」
こうして皇帝との謁見は終了となる。
そして、オネスト大臣とエスデス将軍が歩きながら悪巧みをする。
「相変わらず好き放題のよだな。大臣は」
「はい気に食わないから殺す。食べたいから最高の肉を頂く。己の欲するままに生きることのなんと痛快なことか。フフフフフ」
「…本当に病気になるなよ」
互いに軽口を言い合う。内容は全然軽くないが。
「しかし妙なことだ。私が闘争と殺戮以外に興味が湧くとはな。自分でも戸惑っているが……何かそんな気持ちになるのだ」
「あぁ、生物として異性を欲するのは至極当然でしょう。その気になるのが遅すぎるぐらいですよ」
(恋と言う言葉は全然似合ってませんが)
内心辛口な大臣。
「成る程、これも獣の本能か。まあ今は賊狩りを楽しむとしよう」
「それと別件ですが、エスデス将軍はヌマ・セイカの最期の言葉覚えてます?」
唐突に聞いてくる大臣。
「あぁ、覚えているぞ。まさか、最期は命乞いでは無くあの様な死に方だったからな。中々骨のある奴だったぞ」
敵ながら天晴れと付け足す。
「そうですか。なら、2日程前警備隊とナイトレイドが戦闘したのもご存知ですよね?」
「勿論だ。で、それがどうした?」
続きを促すエスデス将軍。
「いえね、帝具使い2人に対して警備隊の帝具使い1人が応戦したのですが、重症を負ったんですよ。……ただ、この話は続きが有りましてね。どうやら一般人がナイトレイド2人相手に応戦した後撃退したそうです。まあ、帝具は回収出来ませんでしたが」
「ほう……一般人がか?有り得んな。何処かの国の間者と言った方が信じるぞ」
エスデス将軍は呆れながらに言う。
「私もそう思います。ただ、報告書を見るとあながち間違えでは無さそうなんですよ。そして、その報告書の内容とヌマ・セイカの言葉が微妙に合うんですよねぇ。報告書見ます?」
大臣はそう言いながら報告書を渡す。
「どれ……。ふむ」
報告書内容
名前 シュウ
年齢 16
外見 黒髪の少年
所持してる武器 サブマシンガン、大口径リボルバー、ポンプアクション式ショットガン、ククリナイフ2本
出身地 北方面にあるコダ村。尚8年前に壊滅した模様
その後の行動は北方要塞に2年程居着き、賊や危険種を狩りつつ東へ向かう。2年程東の方で過ごし、また賊や危険種を狩りつつ南向かう。そこで更に2年程過ごす物の南方の状勢悪化の為、同じ様に狩りをして西方へ向かう。そして帝都入りしたのが1ヶ月程前で現在に至る。
「ふむ。確かに8歳の時で北方要塞に入り10歳で出て行くか…。合致するな」
(しかも、私の好みとも合致してるな。帝具使い2人と戦い生き残ってるのか。なら将軍級の器もあるだろう。後は無垢な笑顔だけか……)
「そうでしょう?更に西の方も丁度彼が居る時に首斬りザンクが殺られた時期と一致するんですよねぇ。中々面白い事ではありません?」
中々痛快そうに笑うオネスト大臣。
「もし、帝都の見回りの時に見つけたら見極めて欲しいのですよ。それで、帝国に仇なす者なら始末しませんといけませんからねぇ。グフフフフ」モグモグ
「ふん、まあいいだろう。次いでで見極めてやるさ。今は賊狩りだ」
(この時に無垢な笑顔を見れれば………)
同時刻 フェクマ
ゾクッッッ!!!!
「( 'ω')ふぁっ!!!」ジャキン!シャキン←マグナムとククリナイフ構えてる
「どうしたシュウ?敵か?」「うん?気配は無いが?何か感じたのか?」
「い、いや……別に……なんでも無いよ」
(スッッッゲェ!悪寒が走ったけど……大丈夫か?俺?)
王宮 渡り廊下
「それですが…帝具使い6人は要求がドS過ぎます」
流石に苦言を言う。しかし、
「だが、ギリギリ何とかなる範囲だろう?」
確信した言い方で返した。
「揃える代わりと言ってはなんですが、私居なくなって欲しい人たちがいるんですよねぇ」
「フ…、悪巧みか」
こうして彼らの様々な思想を渦ませながら進めていく。
エスデス将軍降臨キター!!!!
よし!タグ付けたそう!