露天風呂
俺はこれからどうやってチェルシーさんに接近するか考える。手持ちの武器は桶、タオル、アヒルのおもちゃ、石鹸である。
真面目に考えた結果桶を頭に被りゆっくり接近する事にした。そしてタオル、アヒルのおもちゃ、石鹸を桶の上に乗せて行く。これで誰かの忘れ物だと勘違いするに違いない!←(ヾノ´°ω°)ナイナイ
よし、ミッション開始!
お湯の中は少し白く濁っている為前が見えない。しかし、それはチェルシーさんからも見えないという事。つまりお湯の中から接近するのは正しい選択なのだ!←覗かない事が正し(ry
ゆっくり、焦らず…しかし確実に接近して行くシュウ。今彼の頭の中にはチェルシーの裸体を覗く事に全てを使っている。それこそ彼の持つ将軍級の器が此処ぞとばかり発揮している。気配を消し、お湯と一体化する事に成功している。シュウは神から与えられた将軍級の器を完全に使いこなせているのだ!
……だが、将軍級の器もまさか覗きの為に発揮されるとは夢にも思わなかっただろうが。
そして……遂にチェルシーさんの輪郭を捉えた。シュウの心臓がバクバクと興奮し始める。
(もうちょい…もうちょい……ッ!キタキタキタキター!!!)
シュウの目に映し出されたのはタオルで重要な部分が隠れている以外の裸体が全て見えた。程よい大きさの胸!くびれた腰!ムッチリとした太もも!しかし彼は更に刺激を求める。
(くっ!タオルが邪魔だ!温泉の中にタオルは駄目だよチェルシーさん!…でも、もうちょい近づけばイケる!)
チェルシーさん駄目出ししつつもに更に接近するシュウ。
(胸と太もも付近にタオルが凄く邪魔だ。こう……手でお湯を仰げばイケる筈!)
無理やりお湯の流れを手で作りタオルを退かそうとするシュウ。しかし……彼は一つ忘れている事がある。それは………
(何か……頭がボーとして来たな。湯当たりでもしたかな?)
違うそうじゃない。
(それに……何か苦しい……………あ)
そう、彼は人間である。魚類では無いのでエラ呼吸は出来ません。
(ヤバイヤバイ!このままでは死んでしまう。こ、呼吸が出来る場所は何処だ!クソッ!お湯が濁ってて元の場所が分からん!)
絶賛ピンチである。
(ちょ!ま、マジでヤバイ。本気……いや真剣と書いてマジでヤバイ。本当にマズイって!い、息が……出来ない………)ブクブクブク
遂に息を吐き出してしまったシュウ。それに気付いたチェルシー。
「え?何?アレ」
あっちこっち移動しながら結構な勢いでブクブクしているシュウ。その泡に困惑しつつ警戒するチェルシー。そして……
ザッパーーーン!!!
「プハーーー!ゲホゲホゲホ!オェーーー!ゲホ!スーーーハーーースーーーハーーースーーーハーーー………ふぅ、空気最高」
シュウ危険区域内浮上
そしてシュウとチェルシーの目がバッチリ合う。
「………」
「………」
互いに言葉が出ない。シュウは誤魔化すのは無理と理解しつつどうするか考える。チェルシーに至っては全然気配が無かったのにいきなり現れたシュウを見て思考停止中。
最初に口を開いたのはシュウだ。
「や……やあ。き、奇遇ですねチェルシーさん。いやー、まさか温泉でバッタリ鉢合わせしてしまうなんてビックリですね!」
清々しい程の嘘を言うシュウ。しかしチェルシーはまだ思考停止中。
「ふぅ、あんまり長く温泉に入ってると湯当たりしちゃいそうですから先に出ますね!それでは!」ビシッ
片手を挙げながら危険区域(温泉inチェルシー)から離脱を図るシュウ。
しかしチェルシーは俯いている為表情が見えない。そしてゆっくりとシュウに接近する。
「ち、違うんですよチェルシーさん!いや何が違うと言うと何なんだろうね?と思うんだけどさ!それでもアレだよ!アレ!」
言い訳になって無い言い訳をするシュウ。更にチェルシー接近。
「えーとですね……ええ、そうです。覗きました!これでもと言わんばかりに覗きました!でも安心して下さい!重要な場所はタオルで見えなか「シュウのエッチーーーーー!!!!!///バヂーーーーーン←ビンタ威力極強」ふべっつあ!」ドバーン
開き直りつつも大事な箇所は見えなかったと主張するシュウにチェルシー(顔真っ赤バージョン)のビンタが炸裂した。
ビンタをモロに喰らったシュウの意識は遠退きつつも……
(顔真っ赤にしたチェルシーさんマジ可愛いなぁ)
チェルシーの可愛さに萌えていたのであった。
sideチェルシー
私は思いっきりシュウくんにビンタを喰らわせた後直ぐに脱衣所に向かった。
(ぜ、全部覗かれた?…覗いたってシュウ言ってたし。……つまり重要な場所以外全て見られたって事?)
それを意識した瞬間只でさえ羞恥心で真っ赤になってしまっている顔が更に熱くなった。
「もう〜シュウくんのエッチ!///」
私はそう呟きながら着替えて体を冷やす為に台所に向かう。何か冷たい物でも飲んで落ち着きたい。
でも、覗かれたって事は…………責任取って貰う必要が…………。
「!!!///」
だ、だめ。これ以上この事を考えると湯当たりする!
そう思いながら台所に向かうのであった。