Dr.スタイリッシュとの戦闘後の一週間後。シュウは帝都に居た。そして帝都に自分の手配書が出回って無いか確認したが見つから無かった。
(あれ?おかしいな?……手配書が出回って無い。普通にアレだけの事をした後を考えたら有る筈なんだけど…………無いなら無いで良いんだけどね)
内心そんな事を考えながら帝都を見て回る。
因みにシュウはイェーガーズに戻るつもりは今の所は無い。理由は2つある。1つは念には念を入れて気をつける為。もう1つは……
(アレだよ。戻るタイミングを外しちゃったんだよ!それに、ずっと居無い状態だったから戻ったらエスデスさん直々のお説教、拷問、監禁、後はウェイブにめっちゃくちゃ怒られそうだしな!こっちの考えがメインじゃ無いし。うんうん!決してビビってる訳じゃ無いし?うんうん!決してビビってる訳じゃ無いし!!大事な事だから2回繰り返しただけさ!)
……君は子供かね?
シュウは現在武器屋に居る。何故なら新しい武器を買う為だ。
「さてさて、お目当の刀はあるかな?」
そう、シュウは刀を買うのだ。理由は如何してもククリナイフだとリーチの差が出てしまう。逆に槍だと間合いに入られたら対処が難しい。だから刀を買うのだ。
因みに刀にした理由は彼が元日本人故に刀を選んだだけである。
しかし、中々刀は見つから無い。有るには有るが……余りよろしくない。店員に聞いてみると此処にある刀は帝都で作られた刀だと。本物の刀は東方の方から輸入してるが数は多くない。また、その刀身の美しさから上流階級の芸術として買われてしまう為滅多に出無い。
シュウは店員に感謝を言って店を出た。
「何てこった……刀に其処までの価値が有ったとは……諦めて長剣にするか?」
しかし、諦めきれず他の武器屋に足を運ぶ。
…
……
………
「此処で4軒目か……そろそろ良い刀が出てきて欲しいなぁ」
そう言いながら飴を口に入れながら店に入る。少し古ぼけているがちゃんと武器は展示してあった。
「えっと…刀…刀…「あっ!いらっしゃいませー!」あ、どうも」
店員が声を掛けて来たので頭を軽く下げる。しかし、見て回るものの無かった為諦めて明日探そうと思い何となくレジを見ると…レジ横にある樽の中にに刀と長剣が乱雑に詰まれて有った……。
その樽の中を物色すると1本だけボロボロの刀が有った。その刀を見てみると『帝国軍刀・陽炎・開発二課』と明記されて有った。
「帝国軍の軍刀か……思ったより悪く無いな。刀身は綺麗だし、そこそこ硬そうだから問題無いな。すみません、この刀下さい」
値段は樽に書いてある金額だとか……安いなおい。中々の良い刀だと思うんだがな。ま、日頃の行いが良いからかな?
ルンルン気分で帰路に着いたのであった。
…
……
同日 帝都メイン通り
side エスデス、セリュー、ラン、コロ
キョロ キョロ
エスデスとセリューは右へ左へと視線を巡らしていた。
「隊長にセリューさん?どうかされました?」
「……つい、人が多いとシュウをさがしてしまう」
「え?…あー、私も隊長と同じ…ですね」
ランの質問に答えるエスデスとセリュー。
「そうですか。しかし、中々見つかりませんね。2人共シュウくんの居そうな居場所に心当たり等は無いのですか?」
「……そうだな。やはり私の側にいる事が1番の筈なのだがな…ハァ一体何処にいるんだ」
「…!(我慢我慢)…うーん、シュウくんの事だから……もしかしたら隊長のお説教が嫌で逃げてたりして………」
「…………」
「…………」
「……キュウ」
1発で原因を言い当てたセリュー。そして、その考えに納得したエスデス、ラン、コロ。
「確かにお説教はするし、次は逃さない様に何時でも一緒に居るつもりだ。だが、拷問等はせんぞ」
少し不貞腐れてしまうエスデス。
「ま、まぁ何となくシュウくんが戻らない理由が分かりましたね。尤も、推測の域ではありますがね」
しかし、恐らく当たっていると確信している。
「所で隊長、何時でもシュウくんと一緒に居るとは何処まで一緒に居るつもりですか?」
セリューがエスデスに質問する。若干殺気が出てるのは気にしてはいけない。
「勿論言葉通りだ。目の届く範囲には絶対に居させるつもりだ。それにシュウの為に更に強化した首輪を用意したんだぞ!」ジャラリ
何故かドヤ顔で言うエスデス。更により強化した首輪を胸元から出す……四次元ポ◯ット……いや、四次元bustかな?
「で、でしたら私が隊長の代わりに見張ります!隊長はお仕事があるでしょう?」
「フッ…安心しろセリュー。仕事なら最悪ランに丸投げするから問題は無いさ」(ドヤァ)
「え!ちょ、ちょっと隊長それは流石にマズイと思いますが?」
シュウが関わると乙女回路優先になる為、周りに多数の被害が及んでしまう。
キャイのキャイのと乙女2人と男1人に1匹は帝都を見て回るので有った。
「……さて、後でウェイブに軽く拷問でもするか」
エスデスは何処かに出掛けるかのように言う。
「あの……隊長?そろそろ許して上げても良いのでは?」
「そうですよ?もう大分反省してましたし…」
流石に止めに入るランとセリュー。軽い拷問とは言え痛いもんは痛い。
「いや、駄目だ。ウェイブのメンタル面を徹底的に鍛える事にした。そうすれば、もう2度とあの様な事はしなくなるさ」(キッパリ)
あの様な事とはシュウを見失った件。
「……そうですか。ただ、ウェイブも仲間であるのですからもう少し軽くして上げては如何でしょうか?」
説得が無理と判断したランはせめて軽い…本当に軽い拷問にする様に進言する。
「………良いだろう。まぁ、ウェイブのメンタル面さえ鍛えれれば何でも良いがな」
だったら最初から軽くして上げて下さい。と内心思うランとセリューであった。
side out
side ウェイブ
ゾク!!!!!
「クソ!またか!また拷問なのか!!シュウ、頼む…頼むから……早く戻って来てくれーーーーーー!!!」
危機感を感じたウェイブは何度目か分からない叫びを上げるのであった。
side out
…
……
………
side シュウ
突然だが俺は現在旅人である。決してNEETでは無い。しかし…働か無いとお金が無くなる。そもそも帝都周辺の危険種狩りは帝都警備隊の仕事の1つでもあるので殆どい無い始末。
よって俺はそこそこ金持ちのボディーガードをやる事にした。
因みにボディーガードの相手は金貸しの頭だ。名前は…忘れた(´∀`*)テヘッ
え?どうやってボディーガードになったのかって?…こう、物理的に周りのガードの人をグーパンで殴り倒しながら「俺を雇いませんか?あ、給料は日給でお願いします」と直接交渉しただけだよ?←
そんなこんなで俺は今金貸のボディーガードです。
俺は今陽炎を片手に河原に来た。そして陽炎を抜き目を瞑る。思い出すのはアカメとクロメの剣技。
ゆっくりと息を吸い…そして吐く。それを繰り返しながら思い出す。
陽炎を振るう。アカメとクロメの斬り方を模倣する……が
「上手く行かないなぁ」
やはりキチンとした教師とかが必要だよなぁ。と内心思う。それでも刀を振り続けるシュウ。
1時間以上思い出しながら様々な動きをしていたが、やはり1人では厳しいみたいだ。
少し諦めかけた時声を掛けられた。
「小僧、お前さん刀の振り方がなってねぇな。それだけじゃあ無く持ち方もなってねぇ。フッ…そんな扱いしてりゃあ、その刀が泣くぜ」
袴姿にキセルを加えてるオッサンが居た。茶髪で短髪で色黒、そして鋭い目力がある。しかし、右目から右頬には切り傷の痕だろうか、かなり深い痕が有った。目は無事の様だが?そして渋カッコいいと言う言葉が似合うオッサンである。
「……んな事は言われんでも分かってるよ!でも師範クラスの人がい無いんだから自分でやるしか無いじゃん?」
俺はオッサンにそう返しながら練習に戻る。
「……なら、俺が教えてやろう。なぁに、気にするこたぁねぇよ。俺はこう見えつ暇なんでな」
そう言いながらキセルを吹かす。
俺は疑いの視線を混ぜながらオッサンを見た。
帝都の中で出会う2人。この出会いがシュウにとって忘れる事の無い出来事になる。
そして、彼の心と執念に多大な影響を与える事になるとは……誰も……彼自身も予想は出来なかった。
帝国の闇が蠢く時代。
今は嵐の前触れの静けさか…。
その中で生きる事に足掻き続ける事を選んだシュウ。
さあ、足掻け!生き残る為に!時代の終焉を見る為に!!
帝国軍刀・陽炎・開発ニ課
帝国軍の兵器開発部第2課が制作した物。合金のみを使用し危険種等の素材は使ってい無い。しかし硬さを優先して作られた刀である為実践向きである。
陽炎の名称については不明である。