逃げる?違います。明日への前進です。   作:吹雪型

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安寧道と観光…周辺警戒さ

side チェルシー

 

私はナイトレイドの合流地点にラバックと一緒に戻っていた。あの後、直ぐにラバックが来たからだ。

それに、ボリック暗殺にシュウくんが協力してくれる事を伝える為だ。でも……何時ものシュウくんとは違っていたのが少し気掛かりだった。

 

「しっかし、シュウの奴が協力してくれるとはなぁ。これで今回の作戦の成功率はかなり上がるぜ?」

 

「うん…。確かに私達からしたら助かるけどね」

 

でも…シュウくんは何時もと違う雰囲気だった。

 

「まあ何にせよ、その情報を皆んなに伝えよう!それから判断しても遅くは無いぜ?」

 

ラバックはそう言ってきた。そうだね。

 

「じゃあ、急いで戻ろっか?愛しのボスに良い報告したいしね?」

 

「ちょっ!何言ってんだよ!そんなんじゃねぇーし!ただ、俺はだな……」

 

私はラバックをからかいながら合流地点に戻った。

 

………

 

「………そうか。シュウの奴がな」

 

「はい。ナジェンダさん、これはチャンスですよ!シュウと上手く連携出来ればボリック暗殺の成功率はグンッと上がります」

 

ボスは私達からの情報を聞いて思考中だ。ただ、良い事に続いて悪い事も起きていた。

 

「シェーレ……腕大丈夫?」

 

「はい、今は痛みはありませんから大丈夫です」

 

そう、シェーレは右腕を失う重症を負ったのだ。これでナイトレイドの戦力低下は免れない。

 

「でも、レオーネは大丈夫なんだよね?不思議よねぇ」

 

「まあ、私とラバ限定のコンボだけどな!普通じゃ治らん!この治癒力こそがライオネルの奥の手!『獅子は死なず!』」ドドン

 

どうやらレオーネは大丈夫な様だ。良かった。

それからマインがカッコつけれなかったのを弄ってたら、タツミがマインに同情するも逆切れされる。

 

「安心しなよ。タツミにはチャックの称号があるんだから〜」

 

「それを言うなよー!!」

 

マインとタツミを弄ってたらボスから皆んなに声を掛けた。

 

「よし、皆んな聞いてくれ。先ずはシェーレ……残念だが次の作戦には出れないだろう。よって、安寧道に着いたら現地の革命軍の密偵と合流し本部に戻れ。その後の処遇は本部に任せる」

 

「……はい。分かりました」

 

シェーレは落ち込んだ様子だ。仕方ないだろう……もう、目と鼻の先だったのにリタイアするのは。きっと、誰よりも悔しいはずだ。

 

「ふっ、心配するな。何も解雇する訳じゃ無い。お前の失った腕は義腕にして貰える様要望書は出しておく。それに、今は本部には帝具『パーフェクター』がある。義腕の調整も早い内に終わるだろう。後はお前次第になるがな」

 

「っ!…はい!」

 

「さて……次はシュウの件についてだ。彼奴に関しては現地で判断する。チェルシー、シュウとの連絡役を頼む」

 

「了解です」

 

ボスはシュウくんについては保留にする様だ。まあ、妥当な選択だと思うかな?

 

「え?ボス、直ぐに協力して貰わないんですか?」

 

「……恐らく大丈夫だろうと私は思っている。我々革命軍と奴の目標は同じだからな。今回に関しては信用しても良いだろう。だが、念には念の為だ」

 

ボスはそう言って話を切り上げた。

それから私達はキョロクに向かう事にしたのだった。多少のわだかまりを胸に抱いたまま。

 

side out

 

同時刻 ロマリーの街

 

side シュウ

 

「そうか……ボルスは死んだか」

 

俺はエスデスさんにボルスさんの死亡を伝えた。

 

「良い奴だったがな……残念だ」

 

エスデスさんの表情は無かった。

 

「さて、諸君。任務御苦労だった。しかし、先程早馬で大臣から護衛の任務が入った。我らはキョロクに向かうぞ」

 

……護衛任務。場所はキョロク……安寧道の本山か。

 

「その護衛対象がナイトレイド遠征の標的かもしれんという事だ」

 

遂に……きたか。

 

「私達を道中で叩いておき…本命はそちらと言う訳ですか」

 

「今回の戦いではナジェンダにしてやられた」

 

エスデスさん達は盗賊団と交戦したらしい。しかも、エスデスさん達が通る事は外部からの情報。しかも盗賊団の掃除までやらされた訳だ。

 

「だが、同じ手は二度食わんぞ……キョロクで必ず蹂躙してくれる」

 

エスデスさんから禍々しいオーラが出てる……ナイトレイド大丈夫かな?

 

しかし……思った通りに事が運んでくれて嬉しい限りだ。ボリック……お前は俺が殺す。誰でも無い……この俺が……必ず。

 

こうしてイェーガーズはキョロク入りの為に出発する。

 

 

……

 

ナイトレイドとの戦闘から数日後。

 

安寧道 本拠地 キョロク

 

「うーむ、やっぱこういう服は落ち着かねぇな」

 

ウェイブとクロメちゃんは少し居心地が悪そうだ。

 

「……ねぇ、シュウくん……どうかな?///」

 

「セリューさんの魅力がしっかりと出ていて綺麗ですよ」キリッ

 

「はうっ!///」

 

当然の様に褒めるシュウ……て言うか慣れてない?

 

「シュウくんは随分と落ち着いてますね」

 

「ん?そりゃあ……俺は以前ホストでスーツ着てたからな。慣れてるのさ」

 

そう……ホストで培った経験が此処でも活からせていたのだ。つまり……女性(年上)を口説くのも慣れてるのさ!←

 

年上キラー「君が望むなら……何処までもついて行くよ( ・`ω・´)キリッ」

 

お前ら………

 

「まぁ、せっかくの歓迎会だ。開き直って楽しめ……何か面白い余興があるかもしれんしな」

 

本命の御登場です。相変わらず綺麗な人だな〜と感心してると。

 

「ところで……どうだ似合うか?」

 

「勿論さ。エスデス、君の美貌がとても出ていて……素敵だよ」キリッ

 

「フッ!そうか…///」ムギュ

 

褒めたら抱きしめられた。

 

年上キラー「俺はお前の味方やで(`・ω・´)キリッ」

 

何故俺がこんなにも褒め上手になってるかって?スーツ着たらホスト思い出したから……つい///←

 

本当に……お前らは………

 

ちょっとだけバタついたが、遂にボリックとの邂逅を果たした。

 

「いやぁ…最近身の危険を感じて大臣に戦力の補給を要求したしたが……まさか、帝国最強といわれるエスデス将軍が来てくださるとは。心強い事この上ありせんぞ!」

 

あの男がボリック……遂に………此処まで来たんだな。

不思議なものだ……もっと熱くなるもんだと思っていたが……俺は……冷静だ。

 

自分自身の心境に驚きつつも、ボリックの話を聞く。ついでにアクセルブーストを使い料理を皿に盛り食べる。

これで俺が料理を食べてる事に誰も気づかないだろう………口の中はモゴモゴしてるけどね。

 

するとエスデスさんは天井裏に居る存在に気づいた様だ。それを聞いて意識を集中すると……確かにいた。

 

「流石。お気付きでしたか」パチンッ

 

「こやつらこそ、教団を牛耳る為に帝国から預かった暴力の化身……

 

『皇拳寺羅刹四鬼!!』」

 

「ほう、帝都にいないと思えば此処にいたのか」

 

「将軍様が来て下さったおかげで、目下護衛に専念させていたこの鬼達を攻撃に使う事が出来ます」

 

ボリックは自慢気に言う。

 

「ま…待ってください!この街には帝具使いのナイトレイドが潜入してる可能性があります!そいつらと戦うのに帝具…無し……………あれ?問題……無い?」

 

セリューさんは俺を見る……と言うかみんなが俺を見る。ヤバい!飯食ってるのがバレた!

 

「モグモグ………ウッ!ムー!ムー!」ドンドン

 

ヤベ!水が欲しい!

 

「はい、水」「ンーンンー」ゴクゴク

 

クロメちゃんナイスフォロー!助かったぜ!

 

「あー…中々、頼もしい……援軍ですな!」

 

ボリックの頬が引き攣ってるけど気にしない。

 

こうしてイェーガーズとボリック、羅刹四鬼は互いに自己紹介をしつつ邂逅を終えたのだった。

 

 

……

 

次の日、俺は街の周辺警戒と言う名の観光に行く事にした。勿論、置手紙を用意して出掛ける。

え?何でイェーガーズの皆んなには言わないかって?言ったら鎖付きになるんだよ!まだ許されないんだよな……。

 

門番に軽く挨拶をして街中を歩く。しかし…帝都より賑やかだ。いや、生き生きしているのか……やはり縋るものがあればそれだけで気が楽になるしな。

 

他の所にも足を運ぶと鉱山らしき場所を見つけた。そこも中々の活気が溢れていた。何となく1人捕まえて話を聞いてみた。すると、豊富な地下資源がありそれがこの地域一帯を支えているとか。

 

「豊富な資源に宗教とか……どんだけ恵まれてる事やら」

 

勿論帝都に渡す税も多いだろうけど、それでも賄える量があるのだろう。

 

そのまま更に街中を探索する。ついでにアイスも買う。だって暑いもん。

 

「おやおや〜、こんな所で単独行動ですかな〜?」

 

「?…あ、羅刹四鬼のスズカさんでしたっけ?」

 

其処にはスズカさんが居た。

 

「良いのかな?勝手に単独行動してて。後でお仕置きされるんじゃ無い?///」

 

何故か顔を赤らめるスズカさん。

 

「ふっ……怒られると分かっているなら後悔しない様に思いっきり観光……周辺警戒をするのさ!」

 

「今思いっきり観光て言ったよね」

 

「言ってない」キッパリ

 

「言ったよね」

 

「言ってない」キッパリ

 

「……言った「言ってない」……ハア」

 

スズカさんは溜息を吐いた。お疲れかな?

 

「じゃあ、そういう訳で周辺警戒します……もし、エスデスさんにこの事言っても恨みませんよ。ただ………ナイトレイドとの戦闘中、背中には気を付けるんだな!」←

 

「思いっきり恨んでるじゃ無い!」

 

さあ、知らんな。

 

などと下らないやり取りをしつつ一緒に観光する事になる。

 

「へぇ、帝具無しでイェーガーズに所属してるんだ。君強いんだね」

 

「帝具を5つ回収してる羅刹四鬼も大概だと思いますけどね」

 

お互い話しながら観光する。

 

「アレも宗教施設ですか?」

 

「ん?そうだよ。本当……他の建物も立てれば良いのにね」

 

しかし……アレだな。

 

「街の外には遺跡とか無いんですか?」

 

「あるよ」

 

(; ・`д・´)ナン…ダト!?

 

「つまり…遺跡からお宝発掘とかあるんですか!」

 

「んー、確か以前有った筈だよ。金で出来てた仏像が見つかったとか」

 

「ロ、ロ、ロマンだー!」

 

うわー、行きてー!でも、今仕事中だし…あぁ、でも行きたい!トロッコとかに乗って冒険したい!

 

「ふふ。子供だね」

 

「子供でも構わない……。まぁ、時間が出来たら遺跡探索でもするわ」

 

こうして俺はスズカさんと夕方まで観光をして………エスデスさんに怒られた。

 

「全く……どうしてお前は単独行動をするんだ。心配するだろう?」

 

「だって……ロマンが「言い訳しない!」…はい」

 

「ハァ…ハァ…最高///」

 

俺は普通に正座だけど……何故かスズカさんは逆さ吊りにされて喜んでた。

 

「………気持ち良いんか?」

 

「うん、凄く良い///」

 

あ、此奴重度のMだわ。とりあえず……放っておこう。先ずは……この説教地獄に耐えねばな。

こうしてよく分からない状態で説教を受けたのだった。

 


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