次の日、俺はスズカさんにお願いして模擬戦をやって貰う事になった。因みに二つ返事で了承してくれた。何でも逆さ吊りのお礼にだとか。
……取り敢えず深く考えるのをやめる事にした。
「流石に模擬刀になりますが宜しいですよね?」
「えぇ、構わないわ。寧ろ普通に武器使ってくれても良かったのに」
おや?随分な事を言いなさりますな。
「なら……使っても良いか今から判断すれば良いですよ?」
「ふーん……ま、別に良いけどね。じゃあ、始めよっか」
お互い睨み合う…………行くか。
ファイブブースト
俺はアクセルブーストを使い一気に接近し木刀を振るう。しかし、相手は羅刹四鬼だ。俺の攻撃を受け流す。
「チッ!……合気道て奴か」
「おっ!知ってるの?そうだよ。力任せの攻撃は私には効かないよ」
そうか……なら、受け切れない速度で潰すまでだ。
セブンブースト!
先程より更に速いスピードで接近。流石にスズカさんの表情に余裕が無くなる。
バシンッ!!!
そしてそのまま木刀を振るう。更に受け流そうとする手を木刀で払う。
「あらら……深爪になっちゃった。流石に模擬戦だから本気は出さないだろうと思ってたんだけどね………少し本気でやろっか」
ここからが本番か………良いぜ。
「来いよ……潰してやんよ」
俺はスズカさんを挑発した。
「じゃあ遠慮無く!!」
その瞬間スズカは身体を動かしながら接近してくる。そのまま木刀を構えカウンターを狙う。
「それ!」
しかし、スズカの腕がいきなり伸びた。
「ちょっ!何それ!アンタはゴ◯人間かよ!」
「ふふふ…まだまだこんなもんじゃないよ!」
更に攻撃速度が増す。しかも全然動きが読めない。カウンターは無理だ!
「じゃあ、此方から行くぞ!!」
だが、俺の速度も速い。だから木刀の間合いにスズカを入れた突き攻撃をするが……
「それ!」グイン
有り得ない動きで避けた。いやいや、
「骨格可笑しいだろ!」
「そりゃそうだよ?私達羅刹四鬼は壮絶な修行に加えてレイククラーケンの煮汁を食べていたから体の操作は自由自在なのよ」
えー……そう言う問題か?でも、本人はそう言ってるし。
俺は胡散臭いと思いつつスズカを見てると別の人から声を掛けられた。
「いやいや、本当だからね?そんな胡散臭い顔しないの」
羅刹四鬼のメズさんが来た。
「やほー。何か楽しそうな事やってるじゃん?スズカ!次アタシがやるから宜しく」
「別に良いけど、私が終わらせちゃっても文句言わないでね?」
どうやら連戦になるみたいだ。だが……帝具使いじゃ無い奴らだ。
「今から来ても良いですよ?別に帝具使いじゃ無いんでしょう?俺、イェーガーズからガチ逃げして結構やれましたからね」
そう言って挑発する。
「へぇー、人は見かけによら無いとは言うけど……じゃあ、遠慮無く!!!」
そこから乱戦状態になる。幾ら骨格や体格を自由自在に操れたとしても、此方はアクセルブーストがある。
だから2人の攻撃を避け、受け流しながら隙を見て攻撃をする。
「いやー……正直びっくりしたね。帝具持って無いのにそんだけ強いとか。ちょっと自信無くしちゃうな」
「ふふ、そうだね。私達みたいな修行をやってた訳じゃ無いだろうしね」
そりゃそうだ。俺は別にビックリ人間じゃ無いからね。
「じゃあ……私達のもう1つの技を見せてあげよう」
メズが髪留め?みたいな物を外す。
一瞬の静寂…………ん?何か……2人がテカテカし始めたぞ?アカン……俺の危機察知センサーがヤバイと言ってる……気がする。
「何で……テカテカしてんの?」
「あ、気づいた?まあ油っつーかアタシの汗だね」
「骨格だけじゃ無く本当に体の操縦が自由自在なのよ」
成る程……よし!よく分かった!
「じゃあ、僕用事あるで……それじゃあ」ビシッ
そのまま2人に背を向けて道場を出ッ!
ベチャア!ベチャア!
「やめろよ!それめっちゃベタベタするだろ!暫くベタベタしたのに触れたく無いんだよ!」
ベタベタしたのを見ると……コロの腹の中を思い出す。
「まあまあ遠慮しないの。考えてみなよ…美女2人がベタベタしてる状況なんて滅多に無いんだよ?」
「そうそう、だから遠慮しないでね!」
その瞬間一気に接近してくる。
「来るな!」
俺はアクセルブーストを使い逃げる。しかし……俺……運が無いんだろうなぁ。2人が攻撃する度にローションが舞い、そして地面に落ちる。つまり……足場が無くなる訳だ。
ズリィー!
「あっ!しまった!」
ローション踏んで転けた。しかも……濃度高いローションだから立てない。
「た、立てない!はっ!……分かった!降参!降参します!だから……こっち来なくて……良いよ?ホラ!飴あげるからさ!」
「「………………ニヤァ」」
あ……………オワタ。
「そーれ!」
「キチンと止めは刺さないとね」
ベタベタの2人が来る。動けない俺………。
「いやああああーーー!!!」
この後3人でローション塗れのくんずほずれずな状態になり……結構楽しかったです。←
何か模擬戦もへったくれも無くなってどうでも良くなったよ。まあ……結構役得感はあったから良かったかな。結果良ければ全て良し!!
こうして羅刹四鬼2人との模擬戦?は終わった。………このベタベタした体と服どうしよう?
…
……
あの後着替えてから広場に来て暫くボーとしてる。すると1匹の小鳥が肩に止まった。
「チェル、暗殺決行は何日なんです?」ポン パク
棒付きのメロン味を出しながら聞く。
「教団の設立日になるよ。それまで私達の方でも地形を把握して動いてるから」
大体1ヶ月ぐらい先か……。
「分かりました。此方からは羅刹四鬼というかなり強い連中が街中で警戒及び攻撃を行ってます。イェーガーズは基本ボリックの護衛になってますが警戒の為街中に出ます」
「羅刹四鬼……うん、分かった。ありがとう……シュウくんは大丈夫なの?」
チェル……もといチェルシーさんは心配そうに聞いてくる。
「大丈夫ですよ。俺が動くのは設立日なのがわかりましたから。寧ろナイトレイドの方が危ないですよ?」
「……うん。でも、無理はしないでね?約束だよ」
「分かりました。約束します」
それを聞いてチェルシーさんは飛んで行った。
「チェルシーさん………嘘ついてゴメン」
無理するさ。例え……この命に代えてもな………。
「でも死にたく無いのが本音だよなぁ〜」
飴を咥えながらそうぼやくのだった。
それから数日経ったある日、羅刹四鬼のイバラ、シュテン、メズの戦死が確認された。
しかし、此方も反乱軍の密偵を討伐する。
「くっ!相手は1人だ!行くぞ!」
「囲んで仕留めるぞ!」
俺は今反乱軍密偵を発見してその討伐をしている。
「安心しろ……お前らの死は……無駄にはしない」パク
プリン味を咥えながらL85とM79グレネードの引き金を引いた。
相手の悲鳴が聞こえる。しかし確実に殺していく。
引き金を引くのに躊躇はしなかった。
「俺の邪魔は絶対にさせない……絶対にだ」
そう呟きながら確実に始末していった。
…
……
side セリュー
私は今羅刹四鬼のスズカさんと一緒に街中を警戒しています。しかし、ナイトレイドの姿は見えません。
「やはりこう人が多いと見つけるのは至難ですね」
「なら私高台から探してみようか?賊とか見分けれるし」
「そうですね。お願いします」
スズカさんはあっさり高台に登って行きます。
私は暫く街並みと人々を見ます。何と言いますか……帝都に比べて活気があります。でも特別裕福な感じには見えません。ただ…本当に人々に活気がある感じです。
「キュウ〜」
「うん……でも、今はナイトレイドに集中です!」
コロに心配されてしまいましたが気持ちを切り替えます。
「おっ!ねぇ、セリューちゃん!遠くに賊を見つけたかも!」
私はそれを聞いてスズカさんと一緒に賊の後をつける事にした。
……
旧遺跡 跡地
「あの女は……シェーレと一緒に居たナイトレイドのマイン。隣の奴は……仲間か」
私は考えます。この状況をどうするか。
「おっ!ビンゴだったみたいね。でも、持ち場を離れて良かったのかな?お仕置きが飛んでくるんじゃ無い?ハアハア///」
何故でしょうか……スズカさんは興奮してます。
「大丈夫です。臨機応変に対応する事は問題有りませんから。それに隊長達は直にボリック護衛してますから」
「………そう」
何故でしょうか……スズカさんがガッカリしてます。
「取り敢えず、コロ9番都市探知機」
「キュウ!」パカ
私はコロの口の中にある探知機を見ます。結果私達以外は誰も居ません。
「スズカさん!この事を隊長に報告お願いします。私はあの2人が動き出したら足止めします!」
「あーい!」
スズカさんを隊長の元に行かせます。
「そのまま動かないで欲しいけど……やっぱり動くよね。良し!コロ!2.7.8番の組み合わせで!」
「キュアーッ!!!」ガシャン ガキン ジャキン
コロを巨大化させ武装を装備させます。
「一斉射撃!!!撃て!!!」
「キュウウウ!!!」
ドドドドドドドドッ!!!バシュバシュ!!!
ドゴオオオン!!!ドゴオオオン!!!
ダダダダダダダダダダッ!!!
コロから色んな砲撃を飛ばして行きます……大丈夫かな……アレ?
都市探知機を見るとまだ反応はありました。
「コロ!あっちの方に逃げてる!逃さないで!」
「キュウウウ!!!」
更にコロから砲撃させます。
……
「コロ、行くよ!」
「キュウ!」
私はコロに砲撃を止めさせて近づいて行きます。都市探知機の反応は2つありますが1つは離れて行きます。多分スズカさんを追ったのでしょう。
「急がないと!スズカさんが危ない!」
私は近くの反応にある所に向かいます。そこに居たのは……ナイトレイドのマインでした。
「ナイトレイドのマインですね。大人しく投降しなさい!今増援を呼んで直ぐに駆けつけて来るでしょう」
「………そう。やっぱりアンタ、他の連中と何か違うわよね。因みに投降はし無いわ!」
マインは投降の意思は無くパンプキンの銃口を此方に向けます。
「浪漫砲台パンプキン……貴女が窮地に陥れる程威力が増す帝具ですね」
「そうよ!何よ、今更怖気付いたの?」
私は考えます。倒す事も必要です。しかし、今はスズカさんが増援を呼びに行ってる。なら!
「コロ!手は出さ無いで!」
「キュウ!!!……キュ?」
「なっ!」
更に私はトンファガンの弾を抜きます。そして……トンファーを放棄します。
「ッ!アンタ…まさか!」
「コレで……貴女の窮地な状況は緩和されましたね」
パンプキンの最大長所を潰します!そして私は……素手喧嘩でいきます!
「それでも、遠慮はし無いわよ!」
マインはそう言いながらパンプキンで此方に射撃します。
ババババババババババッ!
私は右へ左へと避け、遺跡の残骸を盾にしたりしながら距離を詰めます。
「キュウ!キュウ!」
コロが声を掛けてきますが、まだダメです!
「行きます!」
「ッ!近づかせない!」
私は更に近づいて行きます!確かにマインの射撃は正確で弾幕もあります。でも……シュウくんの動きの方が速い!!!
「ハアアアアアッ!!!!」
私は地面を蹴り土埃でマインの目潰しをします!
「くっ!距離を!」
取らせません!行きます!!!
「やあああああ!!!」
間合いに入った!
「貰います!!!」
「くううううう!!!ガハッ!!!」
私は自分のありったけの技をマインに打つけ吹き飛ばします。しかし…
「クッ!被弾しましたか……やはりパンプキン相手に無手は無理がありましたね。コロ!援護して!」
「キュウウウ!!!」ジャキン
マインを仕留めようとしたその時でした。
「うおおおおお!!!やらせねえぞおおおお!!!」
ドゴオオオン!!!
「コロ!!」
ナイトレイドのもう1人が戻ってきました。スズカさんは………クッ!
「コロ!一旦引くよ!マインに向けて弾幕張って!」
「キュ、キュウウウ」
ドドドドドドドドッ!!!バシュバシュ!!!
ドカアアアァァァァン!!!
私はマインに向けて撃つようにコロに言います。恐らくインクルシオの方が助けるでしょう。今の内に撤収です。
ナイトレイドを捕らえる事は出来ませんでしたし、スズカさんも……失ってしまいました。でも、今は逃げてこの事を隊長に伝えなくては。
それに、インクルシオはブラートでは無く別の男性でした……何処かで見た様な……気がしますが気の所為でしょう。
こうして私達は無事撤収を完了し隊長に報告しました。スズカさんは残念ながら遺体も見つかりませんでした。
しかし…数日後に帝都で出会い悲鳴を上げてしまったのは恥ずかしかったです///
side out
Qこんな感じにイェーガーズが強くなっててナイトレイドは大丈夫か?
A大丈夫…だ。も…問題…問題…無い?かな?←