逃げる?違います。明日への前進です。   作:吹雪型

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物は言い様

あの後周りの片付けをやっていたら街の人達から感謝された。ワイルドハントを撃退したイェーガーズは頼りになるとか、流石エスデス将軍率いる部隊は違うとか。

ねぇ、知ってる?ワイルドハントはイェーガーズの補強部隊として出来てるんだぜ?

それからイェーガーズの執務室に戻りランさんから説教を受けていた。

 

「畜生……エスデスさんが居ないから説教はもう無いかと……」

 

「そんな甘い事はありません!兎に角、表立ってワイルドハントに喧嘩を売らないで下さい」

 

「売ってないよ!寧ろファザコンが絡んで来たんだよ!」

 

「シュウ、そのファザコンてなに?」

 

クロメちゃんが聞いてきたので簡単に話した。

 

「成る程…面識があったのですね。しかも最悪な形で」

 

「お前なぁ、如何して何時も厄介事の中心に居るんだよ」

 

「まあまあ、シュウくんもわざとじゃ無いんだから」

 

「………自業自得」

 

散々な言われようだ。セリューさんしか味方が居ない!

 

「キュウ?」

 

「お前も居たな」ヒョイ

 

何となくコロを持ちあげたのだった。

 

「でも……あんな警察が許される国っておかしいだろ……」

 

ウェイブか唐突に言う。

 

「今回は俺がファザコンを殴り飛ばして終わらせたけど……他の所は結構酷いんだよね?」

 

「そうです。警備隊の同僚から聞きましたけど、罪をでっち上げて好き放題やってるとか……許せません!」

 

「キュウ!」

 

「………そうですね。この国はおかしい。間違ってるからこそ変えなければいけません」

 

ランさんの雰囲気が殺気立っていた。

 

「………ラン、最近のお前マジで様子が変だぞ」

 

「……………」

 

「と言うか、そろそろ何を考えているのか話しても良いんじゃない?」

 

「………そんな大層な事は考えていませんよ」

 

「じゃあ話しても大丈夫だね」

 

クロメちゃん上手い!そしてランさんの話はきになる!

全員でランさんに詰め寄り話を聞く態勢になる。

 

「………分かりました」

 

そこからランさんの過去の話になる。

元々教師だったランさんはジョヨウと言う比較的豊かな地域で治安もすこぶる良い場所だった。子供達も勉学に打ち込むゆとりがある為、将来有望な場所でもあった。

しかし、ランさんが留守の間に子供達は皆殺しにされていた。更に悪い事にジョヨウの役人は、治安最高の地方都市の名目の為にこの事件を闇に葬った。

 

この事があり、ランさんは国を中から変える事を決意し現在に至る。

 

「とにかく、死んだ生徒達の為にも……私は帝都でものし上がって権力を手にしなくてはいけません」

 

ランさんはそう締めくくった。この後ウェイブもランさんに協力すると息巻いており明るい雰囲気になったのだった。

 

 

……

 

深夜。そんな時間にランさんとクロメちゃんが逢いびきしていた。

……いや、冗談だよ。たぶんワイルドハントの所に向かったのだろう。

 

「やれやれ、表立って喧嘩を売らないでとか言っておきながら自分は裏から喧嘩を売るとはね」

 

そう呟きながらコーヒー味の飴を出しながら気配を消しながら後をつけて行った。

 

……

 

それからワイルドハントの詰所に行ったランさんは太ったピエロ……名前はチャンプだったな。そいつを連れて廃墟に行った。

そして、廃墟に入って行った……いや、如何考えても殺す気満々でしょう?

思った通り廃墟から爆音や銃声、更にチャンプの野太い悲鳴が聞こえて来た。ランさんやってんなぁ。

 

暫くしてランさんは廃墟から出て行った。恐らくクロメちゃんの所に向かったのだろう。

俺は廃墟に入りチャンプの様子を確認しに行った。一応敵討ち頼まれてたしね。

 

「ゔ……ぐっ……あの……ヤロヴ……許さねえ」

 

あらら、まだ生きてたのね。

 

「大丈夫ですか?酷い怪我してますね」

 

「ッ!テメェか……今はテメェに……構ってる暇がねぇんだよ!!!失せろ!!!」

 

元気そうで何よりです。

 

パンッ

 

「……あ?」

 

俺はM60ニューナンブでチャンプの胸を撃ち抜いた。更に、

 

パンッ パンッ

 

頭に2発撃ちこむ。チャンプは倒れる。その身体に更に心臓に2発撃ち込んだ。

 

「トドメはキチンと刺さないとね」

 

最後の締めにマグナムで頭を撃ち抜いたのだった。

 

……

 

side ラン

 

ドオォン!

 

「ッ!銃声?」

 

私はクロメさんを持ち上げながら廃墟に視線を向ける。あの銃声は…シュウくんの銃?

 

「オラオラ!余所見してる余裕があるのかよ!」

 

エンシンが此方に真空の刃を飛ばしてくる。

 

「クッ!」

 

何とか避けクロメさんを地面に降ろします。

 

「ありがとう!」

 

「いえ、まだ来ます!」

 

そんな時でした。

 

ドドドドドドドドッ!

 

「うお!新手か!」「きゃっ!危ないな!もう!」

 

この銃声は間違いありません。

 

「真打登場!何つって」

 

シュウくんが来ていました。如何やら尾行されていたらしいですね。

そんな時でした。ワイルドハントのコスミナが狙撃されました。

 

「狙撃だ!!物陰に!!」

 

そうシュウくんは言うと狙撃が来た方向にグレネードを撃ち込みます。

 

「なんだ!?」

 

「おおおおおおお!!」

 

「ナイトレイドか!!」

 

エンシンはインクルシオの攻撃を避けますが、その隙にアカメが接近。そして…

 

ザンッ!!!

 

「ぐうっ……つ………つえぇ………」

 

エンシンはアカメに敗れました。やはり……強いですね。しかも…戦力差は此方が不利ですし。

 

「シュウくん!クロメさん!此処は一時撤退します!」

 

「ッ!」「分かりました!煙幕を喰らえ!」

 

シュウくんナイスアシストです!

 

私はそのままシュウくんとクロメさんを抱いて上空から撤退しました。

 

……

 

「いやー、まさか本当にワイルドハントに喧嘩を売るとは……いや、売る所か殺しに行ってましたね」

 

「え……えぇ…まぁ」

 

「……………」ポリポリ

 

私達はイェーガーズの執務室でシュウくんからお説教を受けてました。

 

「そう言えばランさん昼に言ってましたよね。表立って喧嘩を売らないでと……裏からなら良いんですか?いやー、大人って汚い!汚いわ!」

 

何故かオネエ口調になるシュウくん。

 

「貴女もよ!クロメちゃん!全く……2人揃ってもう!」

 

「……ツーン」ポリポリ

 

クロメさんは反省する気は無いですね。

 

こうして……私の子供達の敵討ちは取れました。後はこの国を中から変える事に集中して行きます。勿論、ワイルドハントも注意して行きます。

 

「あ、因みにチャンプまだ生きてたので此方で仕留めましたから」

 

「………本当にすみませんでした」

 

今回は流石にシュウくんに頭が上がりそうにありません。

 

side out


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