逃げる?違います。明日への前進です。   作:レッドツリー

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シュウが選んだ道

シュウが牢獄されてる間、ワイルドハントは戦力を大幅に低下する事になった。

先ずはイゾウ。マグナムに心臓を撃ち抜かれ即死。そしてシュラも心臓を撃ち抜かれたものの、口径が小さいのが幸いしたが現在意識不明の重体だった。

 

side ドロテア

 

「それで大臣よ、本当に良いのか?」

 

「ええ、構いませんよ。息子もまた動ける様になるなら本望でしょう」

 

妾はシュラの状況を大臣に伝えたら「じゃあ、強化して使える様にして下さい」と言われたのじゃが……。

 

「本当に本当に良いのか?強化すると言う事はじゃな、理性を無くすと言う事じゃぞ?コスミナと同じになるのじゃぞ?」

 

自分の息子なんじゃからもう少し何か言うと思うのじゃが。

 

「構いませんよ。それで反乱軍を足止め出来る様になるなら安い物です。確かに息子には期待してました。現に貴女を呼んだ事は高く評価しています。しかし……帝具を持って無い者に殺られるとは……。ま、また一から息子を作りますから」

 

「………そ、そうか」

 

改めて思うが……帝国の末期には言葉がでんわい。

 

妾は改めてコスミナとシュラを見る。コスミナには賢者の石を使っておるから攻撃に使えるが、シュラの方はまだ始めたばかりじゃからな。まだまだ時間は掛かるが決戦には間に合うじゃろう。

 

side out

 

こうしてドロテアと大臣は様々な事をこなして行き反乱軍に備える事になる。

イェーガーズもシュウが戻ら無い事に戸惑いがあったもののエスデスにより混乱は無くなる。

そして、ナイトレイドも不安に包まれていた。

 

side チェルシー

 

私は帝都内の偵察を終えて郊外の集合場所に向かったが誰も居なかった。流石に不味いと判断した為、小鳥に化けて周辺を捜索したがタツミもラバックも見つけれなかった。

だから私はナイトレイドのアジトに戻り状況を伝えた。

 

「帝都のタツミとラバックが戻って来なかったのか……」

 

「うん、私も集合場所に暫く待ってたけど……来なかったの」

 

「ワイルドハントを見つけて戦いになってるとか?」

 

レオーネが戦闘の可能性を指摘する。

 

「分からない。私も空が捜索したけど戦闘音すら無かったし、そんな痕跡も無かったから」

 

「……タツミ、ラバック」

 

皆、意気消沈としてしまう。

 

「私、今から帝都のシュウくんに会ってくる。それでタツミ達の状況が分かるかもしれない」

 

「待てチェルシー、危険だ。タツミとラバックが戻って来ない以上何かに巻き込まれたのは必然だ。今は……大人しく情報を来るのを待て」

 

ボスがそう指摘する。

 

「でも!直ぐに分かった方が良いでしょう?もし、ワイルドハントに捕まってたりしたら……」

 

私の言葉に皆沈黙してしまう。

 

「………分かった。だが、行くなら明日だ。今日は絶対に行くな……良いな」

 

私はそれに頷く。

タツミ…ラバック……お願い生きてて。

 

しかし、状況は一変する。それは伝書鷹だ。

 

「これは革命軍本部から?…………………ッ!チェルシー……良い知らせと悪い知らせがある」

 

ボスは私を名指しで言う。皆も首を傾げる。

 

「先ずは良い知らせだ。タツミとラバックは今革命軍本部に居るそうだ」

 

え?革命軍本部?

 

「如何やらワイルドハントに嵌められたらしいが無事脱出出来たみたいだな」

 

ボスの台詞に皆安堵する。

 

「良かった……」「全く!タツミにラバックは本当に迷惑が掛かるんだから!」「とか言いつつめちゃくちゃ心配してたのはマインだったよ?」「そ、そんなわけ無いでしょう!」

 

取り敢えず無事なのが分かりホッとする。

 

「そして悪い知らせだ……。我々ナイトレイドには基本的には関係無い形になる。しかし…そうでは無いだろう」

 

「ボス如何いうこと?」

 

マインが聞く。

 

「……イェーガーズのシュウがタツミとラバックを逃す手助けをした。そして……一緒に脱出して居なかった」

 

……………………え?

 

「ボス、それって如何いうこと?」

 

レオーネが先を促す。

 

「タツミとラバックは反乱軍本部の近くに転移されたが、シュウは見つからなかった。もしかしたら後から脱出したかも知れんが……恐らく宮殿に取り残された可能性が高い」

 

その台詞を聞いて目の前が真っ暗になる。

 

「そ…そんな。だったら今直ぐ「落ち着け!」で、でも!」

 

「良いか、今はダメだ。先ず最初に転移された場所が宮殿だ。そして今は厳戒体制を敷いてる筈だ。鼠1匹たりとも見逃さないだろう。先ずは情報収集だ!帝都内に居る内偵者に連絡して調べさせる。チェルシー…お前も明日、帝都内に偵察に行ってもらう。良いな?」

 

「………了解」

 

ボスの言葉がイマイチ頭に入らなかった。けど、今日から暫くは宮殿に侵入するのは厳禁なのは分かった……。

 

「シュウくん………どうか無事でいて」

 

私にはコレしか言えなかった。

 

side out

 

 

……

 

side シュウ

 

あの後、エスデスは一端出て行き。暫くしたらご飯持って来た。如何やら手作りらしい。

 

「ご飯作れましたっけ?」

 

「お前の為に覚えたんだ」

 

それに得意料理らしいので美味しかったです。

 

「さて、シュウ。お前には二つ選択がある。一つは私に従えば罪は帳消しだ。直ぐにここから出す。話はつけて来た。たが……拒否した場合は重罪人として見せしめに公開処刑されり」

 

「………ふっ…帝国らしいな。公開処刑とか好きですもんね」

 

今までの広場で何人公開処刑された事か。

 

「お前の場合は闘技場での公開処刑になる。更に私とブドーが処刑に居る」

 

「随分と豪勢ですね。たかが一人に対しては中々手が込んでますね」

 

皮肉を言う気にもならない位の対応で涙が出てきそうだな。

 

「シュウ……私に従え。それで全てが丸く収まる」

 

「…………あの時、彼奴らを逃した時に覚悟はした。この命……今が使い所だと。お陰で反乱軍、ナイトレイドの士気は低下する事なく帝都に攻め入る訳だ」

 

「シュウ………」

 

「エスデスさん………申し訳ない。俺は帝国には降りたくない。この国に全てを奪われた。今更……自分だけ悠々に生きるなんて出来るか」

 

そうさ、皆はもう居ない。なら、その無念を果たしてやるまでさ。

 

「良い土産話が出来て良かったよ。最後の最後にナイトレイドを逃しただけでなく、ファザコンも殺せたんだからさ………きっと、皆も褒めてくれるさ」

 

まだまだ生きて居たかったがな………。死にたくは無い。けど、帝国に降るのはもっと嫌だ!

 

「帝国に降るのでは無い!私のものになると考えろ!」

 

「それの何処が違う!同じじゃ無いか!」

 

「ッ!……シュウ、今一度考えろ。お前が死ねば悲しむ奴は沢山居るだろう?私は……お前に死んで欲しくない」

 

悲しむ……奴?

 

考えてみた………何故だろうか………可憐な人とお茶目な人が真っ先に思い浮かんだ。

 

「………少し、考えさせて下さい」

 

今はコレしか言えそうに無い。

 

「分かった……だが、夜明けまでには答えを出せ。出なければ……お前は処刑だ」

 

そう言ってエスデスは出て行った。

 

「…………考える時点で………答えは出た様なもんだよな」

 

俺は一人そう呟いたのだった。

 

………

 

夜明け前、エスデスさんは来た。

 

「シュウ、答えは出たか?」

 

「………………俺は

 

 

 

 

 

……

 

 

 

 

side イェーガーズ

 

イェーガーズはナイトレイド侵入の知らせがあり暫く執務室待機の命令を受けていた。何時でも動ける為だ。

 

「シュウの奴何処行ったんだろうな?」

 

ウェイブが何となくボヤく。

 

「そうですね、少なくとも逃走とかでは無いと思いますね。もしそうだとしたら……多分全員拷問でしょうからね」

 

ランが冗談の様に言うが……冗談じゃ無いのは全員が分かっていた。

 

「それにしても、隊長はシュウの居場所は知ってるんですかね?」

 

「分からない。でも、隊長は特に焦った様子は無かった」

 

セリューの台詞にクロメがエスデスの態度を分析する。

 

そんな時だった。

 

ガチャ

 

「諸君、待たせたな。本時刻を持って警戒態勢を解除。後は近衛のみで対応する。ご苦労だったな」

 

エスデスが執務室に入って来て警戒解除を伝える。

 

「「「「了解」」」」

 

「さて、諸君に改めて紹介するメンバーがいる」

 

この時期に新メンバー?と皆は首を傾げる。

 

「さあ、入って来い」

 

そうエスデスが言うと一人の少年が入って来た。

しかし、全員その少年を見て首を更に傾げる。何故ならその少年を良く知ってる人物だからだ。

強いて言うなら、エスデスとお揃いの白い軍服を身に付けてるぐらいだろう。

 

「どうも、シュウです。正式にエスデス軍所属になり、イェーガーズに編入する事になります」

 

そこにはシュウが敬礼しながら言ったのだった。

 

何故シュウがエスデス軍所属になったのか……少し時間を遡る。

 

……

 

牢屋

 

「シュウ、答えは出たか?」

 

エスデスは夜明け前に来た。

 

「………………俺は………帝国には付かない」

 

「ッ!!シュウ!「だが…」……」

 

エスデスはシュウの言葉を待つ。

 

「エスデス軍になら入ります。俺は絶対に帝国には付かない。あくまでも、エスデスさんにつく。それが認められなければ処刑で構わな「ガバッ!」フブ……ムグググ」トントン

 

エスデスは嬉しさのあまり抱き付いてしまう。

シュウは台詞をキチンと全部言えず悲しむ。

 

「そうかそうか!良し!ならば大丈夫だ。これよりシュウは私の軍に所属する形になる。まぁ今はイェーガーズ所属でも問題あるまい。彼処もある意味私の部下なのだからな!」

 

ドヤ顔のエスデス。そんな様子を見るシュウは若干選択をミスしたか心配する。

 

(俺は帝国にはつかない。しかし、エスデス軍に入る。つまり……詭弁でしか無いのは分かってるが……エスデスさんには従うが、帝国には従わない。うん、完全に詭弁だコレ)

 

兎に角自分言い聞かせているが全く意味を成してない。

 

「さて、もう暫く此処で待っていろ。直ぐに手続きを済ませるからな!」

 

軽い足取りで出て行くエスデス。きっとそのままオネスト大臣の所に向かうのだろう。

 

そして暫く待つとエスデスが来てそのまま自室に連れて行かれた。

 

「さて、今から改めてイェーガーズに紹介する。が、その前に着替えと体を洗っておけ。私は外で待っててやろう!」

 

そう言い残すとエスデスは出て行った。因みにシュウには自室は有りません。

 

「本当……俺の部屋は最後まで用意する気無いんだもんな」

 

そうボヤきながら体を洗って着替える。すると、白い軍服が見えた。

シュウは暫くその軍服を手に取り見続ける。

 

「…………ケジメかな」

 

そう呟くと軍服に袖を通したのだった。

 

因みにこの軍服を見たエスデスはあまりの嬉しさに押し倒したが、流石に不味いと途中で気付きお互い服装を正したのちイェーガーズに向かったのだった。←

 

……

 

イェーガーズ執務室

 

「と、いう訳で皆さん宜しくお願いします」

 

皆沈黙する。

 

「まあ、今まで仮イェーガーズだったので」

 

それっぽい事を言うシュウ。

 

「お前……まだ仮で居たのか?と言うか、その格好は?」

 

ウェイブが呆れながら言う。

 

「特に意味は無いよ。強いて言うならケジメだな」

 

「まあ、これで正式に仲間になったと考えれば良いのでは?」

 

「そうですよ!シュウくん!改めて宜しく!それと…似合ってるよ!」

 

「モグモグ」

 

「キュウ!キュウ!」

 

概ね良好な反応だった。

 

「さて、今更自己紹介などは必要あるまい。では、諸君解散!」

 

こうしてイェーガーズはそれぞれ自室に向かったりパトロールに向かったりしたのだった。

 

「シュウは私と暫く一緒だからな」

 

「ですよねー」

 

ま、最後はこうなります。

 

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