逃げる?違います。明日への前進です。   作:吹雪型

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信念を持つ者達の決戦

俺はエスデスさんにウェイブとクロメが行方不明または死亡と伝えた。八房も粉々にされた状態で発見された為、恐らく死亡扱いになるだろう。

 

「随分……寂しくなっちゃいましたね」

 

「キュウ〜」

 

セリューさんが唐突に言う。

 

「そうですね。もう、イェーガーズも4人になりましたからね」

 

「うん」

 

「でも、まだ戦いは終わってません。寧ろ此れからが本番ですよ」

 

若干落ち込み気味のセリューさん。しかし、落ち込んでる時間はもう無いと暗に言うランさん。

因みにエスデスさんは皇帝に氷騎兵を見せて皇帝を安心させていた。

 

暫く待つとエスデスさんが戻って来た。

 

「やれやれ、宮使いと言うのも面倒くさい物だ」

 

「まあ、それで皇帝が安心なさるなら良いのでは?」

 

少しエスデスさんは愚痴が入っていた。その時だった。

 

「失礼します」

 

誰かが入って来た。あ、羅刹四鬼のスズカだ。

 

「何の用だ」

 

エスデスさんの機嫌はMaxで悪くなる。

 

「このスズカ、決戦時に大臣と将軍との伝令役に任命されましたので。宜しくお願いします」

 

………………………

 

何だろうこの沈黙。凄く胃に来る。

 

「私の前にヌケヌケと顔を出す根性は気に入った。好きにしろ」

 

「はい!」

 

どうやら大丈夫な様だ。

 

「もしシュウにちょっかいかけて見ろ。この前の牢屋より更にキツイのをぶつけてやる」

 

「ッ!!は、はい!///」

 

この前の……あの新しい壁ドンか。よくよく考えると良く生きてたなこの人。

 

 

 

 

 

決戦の時は明日にまで迫っていた。

空は晴れており正に決戦日和だ。

何方も互いの信念、執念のぶつかり合いになる。

犠牲は過去最大規模になると誰もが予想出来る。

だが、誰もそこから目を背けず前を見据える………目の前の敵を討つ為に。

 

 

 

 

決戦当日

 

side シュウ

 

イェーガーズの配置はセリューさんは北の城門の防衛。ランさんは上空から遊撃。そしてエスデスさんは北の城門防衛で俺はその援護にあたる。

 

「いやしかし…360度敵に囲まれてるとは。これこそ帝国の人望故なんでしょうな!」

 

こんな状況だと皮肉しか出てこんわ!

 

「何を言うか。見渡す限りの敵……素晴らしいでは無いか!」

 

「360度一斉に掛かってくるつもりですね……ハアハア///」

 

この2人は本当にブレ無いな。しかし、防衛戦力が全然足りないだろうな。どう見ても向こうは此方の3倍以上の戦力がある。敵が犠牲に目を瞑り攻めて来たら間違い無く潰されるな。

 

ポン ナデナデ

 

「安心しろシュウ。氷騎兵で十二分に対処出来る」

 

エスデスさんは俺を安心させる為に頭を撫でる。そんな時敵の大砲から砲弾が此方に飛んできた。

 

「見ろっ!挨拶代わりに大砲が飛んで来るぞ!!」

 

やっぱり戦闘狂の気持ちは分から無いな。

 

「さあ!開戦の花火と行こうか!!!」

 

エスデスさんは氷の矢で砲弾を全て迎撃する。

敵も更に攻勢を仕掛ける。特級、超級危険種を大量に攻め込ませる。しかし、此方も同じ様にドラゴン型の危険種を大量に向かわせる。

 

「ははは!!!最終決戦に相応しいセレモニーだな!!!」

 

いや、どう見ても怪獣映画にしか見えないよ。

更にエスデスさんは氷騎兵を敵陣に攻め込ませる。

すると、インクルシオが出てきて氷騎兵を全て倒す。しかし……

 

「インクルシオの形が……違う?タツミの奴ウェイブみたいに進化したのか」

 

タツミの成長にインクルシオの進化。間違い無く革命軍の中核に位置する戦力だろう。

 

暫く戦闘は兵士同士のぶつかり合いだった。ただ、氷騎兵の存在は両軍兵士には大きく写っていた。

帝国軍兵士は氷騎兵を盾にして戦い、革命軍兵士は氷騎兵と帝国軍兵士を両方に1人づつ当たっていた。革命軍には数がある。だからこそ1対多数の戦術が取れる。しかし、氷騎兵の存在がその戦術の邪魔をする。

それでも革命軍の帝具使いは氷騎兵を集中的に攻撃していく。しかし、直ぐに湧いて出てくる氷騎兵に手を焼いてる状況だ。

 

ふと思った。たった1人でこの状況を作ったエスデス。この戦いが終われば彼女は敵味方から恐れられ1人になる可能性が高い。

なら、俺は側に居よう。それしか出来そうに無いからな。

 

「将軍!シュウくん!帝都の中から火の手が上がりました!!」

 

「予め反乱軍の密偵達が入り込んでいたのだろう。民を扇動して中から城門を開ける気だな。まぁ、問題無い。工作は潰せば良い…こういう時の為の特殊部隊だ」

 

そうこうしてる内にエスデスさんは自ら出撃する。

 

「やはり、自らの手で蹂躙せねばな」

 

そう言い残しエスデスさんは敵陣に突っ込んで行った。やっぱりこうなったか。

 

「じゃあ、俺も北の城門に行くわ」

 

「えっ?シュウくんも行くの?」

 

「氷騎兵の動きが鈍くなるだろうからね。じゃあ行ってくる」

 

俺はそのまま北の城門に向かう。そこにはセリューさんが居る筈だしな。

 

「セリューさん!」

 

「あっ!シュウくん!如何したの?」

 

「もう直ぐで北の城門が破られるから気を付けて!」

 

俺はセリューさんとコロの近くに寄る。

 

「ッ!分かった。コロ!2、7、8番の殲滅装備!」

 

「キュアー!!!」

 

コロは巨大化して肩にミサイルやら腕に大砲やらと……全身ロマンになっていた。

 

「コロ……お前………めっちゃカッコイイんですけど!!!」

 

「キュウ?……キュア!!!」∠( 'ω')/シャキーン

 

やべっ!ポーズもカッコイイじゃん!

 

「マズイぞ!城門が破られるぞ!!!」

 

「「「ッ!!!」」」

 

誰かが言った次の瞬間……城門が破られた。

 

「コロッ!!一斉射撃!!発射ッ!!!」

 

「キュアー!!!」

ドドドドドドドドッ!!!バシュバシュ!!!

ドゴオオオン!!!ドゴオオオン!!!

ダダダダダダダダダダッ!!!

 

その瞬間、コロから大量のミサイルや砲弾が敵に向かい大爆発を起こす。

 

「今の内に迎撃態勢を!」

 

しかし、先程の砲撃の仕返しと言わんばかりに大量の大砲の砲弾が飛んで来る。

セリューさんはコロが守ってるので問題無いが他の兵士は駄目だった。更にそのまま敵が押し寄せてくる。

 

「この先を行かせるわけにはいかん」

 

俺は黒刀を抜き敵に突撃する。

敵が間合いに入った瞬間一刀両断していく。

 

ザンッ!!!

 

更にファイブブーストを使い敵に突撃し城門外の大砲部隊に向かう。

 

「て、敵だ!!迎撃「ドンッ!」ハグッ」

 

L85を撃ちながら大砲部隊に攻撃する。更に、M79グレネードランチャーに切り替え弾が入ってる箱に撃ち込む。すると……

 

ドカアアアアアアアアアアン!!!!!!

 

大爆発を起こした。序でに他の弾薬箱にもグレネードを撃ち込みながら黒刀に持ち替えて攻撃を続ける。

 

(絶対に脚を止める訳には行かない!このまま敵を撹乱する!!)

 

俺は無我夢中で城門を守り続けた。

セリューさんとコロ、更にランさんも駆け付けて来たお陰で北の城門は守れた。しかし、門が破壊されたので敵も北の城門を重点的に狙っていた。

暫く膠着状態になる。しかし、撤退の合図がなる。帝都を見ると煙に包まれていた。

 

「…………フッ。ざまあ無いな。かつての栄光もこのザマだ。後は革命軍の帝具使いが何とかするだろう」

 

そう呟き俺は撤退した。

 

そして……帝国の切り札が動き出す。

 

 

 

 

 

その瞬間………戦場に一線の光が走る。

 

 

 

 

 

 

ドオオオオオオン!!!!!!!!!

 

 

 

革命軍の一部分の兵士達が消えた。

 

「な……何だコレは。コレが………帝国の切り札……シコウテイザー」

 

更にシコウテイザーは細かいビームを出し革命軍を吹き飛ばしていく。

 

(成る程な。対軍仕様のエスデスに対物仕様のシコウテイザー……確かに効率は良いな。チッ!仕掛けを起動させるか?)

 

その時だった。誰かがシコウテイザーに向かって行く。アレは……

 

「タツミ……なのか」

 

そして、シコウテイザーに一発かました。

 

ドゴッッッッ!!!!!!

 

此方まで響く重たい音。シコウテイザーは押し負けた。

 

「ハ……ハハハ……流石タツミだ。やる事が半端ねえな」

 

シコウテイザーはタツミと革命軍で何とかなると確信した。仕掛けは無駄になりそうだが構わないさ。

 

因みに、この時オネスト大臣はシコウテイザーの奥の手粛清モードを起動しようとしたが、シュウが引っこ抜いた導線により起動せず暫く唖然としてしまっていた。

 




この話からラストまで0時予約したので宜しくお願いします!

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