逃げる?違います。明日への前進です。   作:吹雪型

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色んな事に決着つけます!

「も、もうダメかも……ガク」

 

ヤバい位血が出たわ。こうトバーッと。

 

「シュウ!しっかりしろ!待ってろ直ぐに氷で塞ぐ!」

 

パキパキパキパキ

 

冷たっ!でも傷口は塞がるし痛みも麻痺するからこの処置は良いな。

 

チャキン

 

音がした方に視線を向ける。そこにはアカメが再度村雨を構えていた。

 

「ちょっ!ストップストップ!!今は待ってくれアカメ!」

 

「…………」

 

ああ、ダメだ……止まる気配がし無い。その時だった。

 

「「シュウくん!!」」

 

セリューさんにチェルシーさんが此方に来た。そして……

 

ガバッ!

 

「アーッ!だからちょっと待って!本当に痛いんだってば!フリじゃ無いんだよ!?」

 

「バカァ……シュウくんのバカ!すっごく心配したんだから!!!」

 

「死んだフリするのも大概だよ!シュウくん!!」

 

2人は泣きながら抱き着き文句を言ってくる。多分俺一回死んだからフリじゃ無いよ?

 

エスデスさんも抱き着く二人に特に言う事は無く、ただ俺を見続けていた。

 

「でだ、アカメ……少し時間をくれないか?今しか……チャンスが無いからな」

 

「…………それは「良いじゃねえか……アカメ」ッ!タツミ」

 

そこにはボロボロのタツミが居た。

 

「よっ……シュウ。お前も生きてたんだな……良かった…本当に」

 

「タツミもな」

 

タツミのお陰でアカメは村雨を下ろしてくれた。良かった……。

 

「俺……三人に伝えたい事が有るんだ」

 

「「「?」」」

 

三人は少し首を傾げる。

 

「スー………ハー…………………………

 

 

 

俺は三人が好きだ!誰か一人を選ぶ事が出来ない位三人が好きだ!!!こんな奴だけど一緒に居て下さい!!!!!」

 

俺の本心を伝えた。ハーレムなんてキャラじゃ無い。しかし……それでも俺は三人が好きだ…大好きなんだ!!!

 

「「「……………」」」

 

三人は押し黙る。そして…セリューさんが最初に口を開いた。

 

「私も……シュウくんが好き。だから……本当は私を選んで欲しいけど…………シュウくんが二度と死な無いって約束してくれたら………良いよ///」

 

天使がそこに居た。

 

「まったく……優柔不断なのはタツミぐらいで充分よ!……でも、私とも約束して。二度と居なくならないって……そうしたら………良いよ///」

 

此処にも天使が!

 

「シュウ………それがお前の望みか?」

 

エスデスさんが聞いてくる。だから俺は目を逸らさずに頷く。

 

「俺は……三人と一緒に居たい。誰か一人でも欠けるのは嫌だ。こんな奴だけど……ダメかな?」

 

エスデスは此方を見続ける。そして……

 

「まったく……お前は。本当は私を選んで欲しかったがな………」

 

エスデスさんは続ける。

 

「だが……私一人ではお前を縛る事は出来ん。イェーガーズでも何度も逃げ出してたからな」

 

目を瞑りエスデスさんは語る。

 

「まあ……器の大きい所を見せてやるのも……第一夫人として必要な所だからな!シュウ……私とも約束しろ。もう二度と離れないと」

 

「約束します」

 

そう言うとエスデスさんは俺にキスした。

 

「「あーっ!!!私もー!!!」」

 

二人共覆い被さってきた。しかし……嬉しい重みだ。

 

てか……ちゃっかり第一夫人宣言してませんでしたか?

 

そうこうしてるとアカメが近付く。

 

「シュウ………良いのか?」

 

アカメが俺に問う。質問の内容は無い……しかし、俺には伝わった。

お前も奪われ続けて来たのだろう……と。

 

「ああ………コレで…良いんだ」

 

俺は真っ直ぐにアカメを見て返事をした。

 

「そうか………」

 

アカメはそう呟くと………村雨を鞘に戻した。

暫くすると氷の壁の向こう側に革命軍が居る事に気付いた。大砲やら攻城兵器で氷の壁にぶつけてるのだ。

 

「やれやれ、せっかちな奴らだな」

 

「取り敢えず撤退しません?と言うか、俺……このままだと死んじゃうんですけど」

 

「そうですね。でも……どうやって」

 

「そこは私に任せなさい!」

 

ボンッ

 

チェルシーさんは危険種のエアマンタに変身した。確かにコレなら逃げれるな。

 

「アカメ、タツミ……私革命軍抜けるね。勝手でごめん」

 

「いや、チェルシーが選んだ事だ」

 

「チェルシー、シュウと幸せにな」

 

「……二人共ありがとう」

 

チェルシーはアカメとタツミに最後の別れを言う。しかし…エアマンタが喋るのは違和感が有るな。

 

「アカメ……貴様との勝負……私の負けだ」

 

「エスデス……」

 

エスデスがアカメに話し掛ける。

 

「フッ……貴様だけでは無くシュウにも負けたからな。私もまだまだ弱者だという事だ」

 

そう言い残し俺を持ち上げてエアマンタに乗る。

 

「俺、エスデスさんに勝った事ありましたっけ?」

 

「ナイトレイド二人を逃した時に勝っただろう」

 

ああ……あの時か。引き金引け無かったからノーカンだと思ってたわ。

 

その後セリューさんとコロもエアマンタに乗り、俺達は空から革命軍の包囲を突破して退却したのだった。

 

 

side out

 

 

……

 

帝国崩壊

 

帝国最強が居なくなった帝都には革命軍に反抗する者は居なかった。

誰もが戦いが終わったのだと感じた。

しかし……オネスト大臣はまだ生きていた。

 

side オネスト

 

オオオオオオオオオ!!!!!!

 

「ふん!今更反乱軍の屑共が雪崩れ込んできた様ですが遅い遅い!」

 

私は長生きする為に身体をしっかり鍛えてるのでね!そう簡単には捕まりませんよ!

 

「賢い者が最後まで生き残ること!これは世の中の鉄則です!しかし…何故シャンバラが壊されたのか。クソ!馬鹿に預けるのでは無かった」

 

私はあの馬鹿息子に八つ当たりする。

 

「大体、折角強化したのに関わらず目を覚まさないとは……実に情け無い」

 

壁の一つの煉瓦を押して通路を開く。その時…!

 

ドコッッッ!!! ボギィッ!!!

 

「はごおおおぉおおぉぉおおお!!!」

 

私はゴロゴロと何度も回転した。一体誰が!?

 

「なっ!?お、おおおお前は!?」

 

そこには薄汚い貧民のナイトレイドが居た。

 

「ば、馬鹿な!何故生きている!?」

 

「まさか私まで危険種と混じってたとは……自分でもビックリだよ」

 

(クソ!こんな屑の気配に気付かなかったとは!駄目だ……立てん!)

 

「でも、お陰でほんのちょっと時間が出来た……」

 

「さっさと地獄に行けえええ!!!」

 

タン タタァン タン タン

 

私は貧民に銃を撃つ。しかし……全て受け止められた………。

 

「こ、この化け物め!コッチに来るな!!!」

 

こんな時の為の馬鹿息子だろうに!!!

 

「あの役立たずめ!!!」

 

「何の話か知らないが………コレが最後のドブさらいだ!!!」

 

や、やめろおおおお!!!!!!

 

ドボッッッ!!!

 

「ぐおあ!ぐあぁ……わ、私のお腹が……な、何て事を…このクズ…!」

 

私はクズを見る。すると……クズはクズみたいな笑みを浮かべる。

 

「……あぁ。長生きの為に徹底的に体鍛えてるんだったよな?」

 

クズはそう言うと私を引きずって行く……ッ!ま、まさか!このクズ!!!

 

「やめてえ!!!それだけはやめてえ!!!」

 

しかし…クズは………

 

「……聞けないなぁ。私はロクデナシだから……容赦なんて無いんだわ」

 

こんな……こんな!終わりがあって堪るか!!!

 

「こ、こ、ここで終われるかあああ!!!まだまだ私は人生を!!!」

 

「だからさぁ……楽しんで来いよ人生を。ぽいっ」

 

浮遊感に包まれる。上は空が広がる……下には………反乱軍のクソ共が!!!!!!

 

「こんな終わりがあって堪るかあああああああぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!!」

 

 

 

side out

 

 

side レオーネ

 

「レオーネっっ!!!」

 

「レオーネ!無事だったか!」

 

「お?アカメにタツミ!てか、タツミ…何かアンタ混ざってない?」

 

そこにはアンタとタツミが居た。でも、タツミの頭に角が生えてるよ。しかも目が十字になってる……。

 

「まあ……これ以上インクルシオと混ざるのは危険だとは言われたよ。ただ……インクルシオには感謝してるよ」

 

「そっか……」

 

「レオーネ!酷い怪我じゃ無いか!直ぐに医者を!」

 

「いや……もう良いんだ」

 

私の体は私自身が良く分かってる。

 

「何を言ってる!タツミも生き残って手当てを受けたんだ!お前も!」

 

ぎゅ

 

私はアカメを抱き締める。

 

「私は……もう良いんだ」

 

「………ッ!!」

 

アカメも分かってくれたみたいだ。

 

「姐さん……諦めんのかよ?」

 

「タツミ………自分の事だからね」

 

「ッ!!シュウだってアカメに斬り殺されたのに復活したんだぞ!!なのに!そんな簡単に諦めんなよ!!!」

 

そっか……シュウ生き残ったの……ん?斬り殺された?

 

「ちょっとタツミどう言うこと?」

 

タツミとアカメから話を聞く。

 

「はあぁ?……あいつも大概だよね。帝具使いじゃ無いのに復活とか……しかも女三人に告白して逃避行?……何処の恋愛小説よ?」

 

聞いてるだけで鳥肌たったわ。

 

「ッ!そうだ!姐さん……俺の血を飲んでくれ!」

 

「ちょっと待ちなよ!タツミ!私はあのガキ擬きじゃ無いわよ?」

 

「俺の体はタイラントと混ざってる……でも、タイラントの血を飲めば!」

 

タツミ……やれやれ、断れそうに無いなこれは。

 

「分かった分かった。飲むよ……大人しく飲まないとアンタまたインクルシオ装着しそうだしね」

 

「姐さん……」「レオーネ!」

 

私はタツミの腕に噛みつき血を吸う。

 

「あ、そうだ。もしタイラントの力まで手に入れちゃったら……責任…とんなさいよ///」

 

「え?…責任?」「???」

 

やれやれ、まだまだ子供だね〜。

 

私は何とか一命を取り留めた。そしてタイラントの影響も少し出た為……責任とって貰う事にした。

 

 

side out

 

 

……

 

………

 

帝国崩壊か3ヶ月の月日が経った。

新国家が樹立したものの腐敗した文官等の多くは居なくなっており、混乱も無くスムーズに政務は行われていった。

最後まで帝国に使え悪事に手を染めず国を支えた骨太な文官達もまた力を尽くす。

民を苦しめる多数の法は廃止され、市民達も喜び働いた。

安寧道の反乱も帝国が滅んだ事で自然と収まっていった。

 

新国家の運営は安定していた。

そして、命が軽く扱われていた暗黒時代から天下泰平の優しい時代へ。

 

 

side シュウ

 

俺は今東の港町に居る。まあ…ぶっちゃけ国外逃亡です。

俺、セリュー、チェルシーの手配書は無かったけど……やはりエスデスの手配書はあった。

しかも……破格の金額だった。これはさっさと此処から出て行けと暗に言われてる様な物だな。

 

「シュウ!船の予約取れたよ」

 

そこにはチェルシーが居た。

 

「ありがとう。助かるよ」

 

「気にしないで。私達……夫婦でしょう?///」

 

コレだ!まだ慣れてないから赤面する物の嬉しそうに言うもんだから……堪らん!!!

 

「どうしたの?ガッツポーズなんかして?」

 

「俺勝ち組確定だから」グッ!

 

「シュウ!チェルシー!船はどうなったの?」

 

「キュウキュウ!」

 

「バッチリよ」

 

セリューも来て両手に華だ!

 

「シュウ………私はいつまでフードを被らねばならんのだ?」

 

後ろからエスデスも抱きついてくる。最高だわ。

 

「もう少しですね」

 

「そうか……しかし、帝国最強と言われた私が敵前逃亡するとはな。中々面白い物だな」

 

皮肉気に言うエスデス。それに苦笑いする二人。だが……違うよ。強いて言うなら………

 

その時だった。向こうの倉庫で爆発が起きた。そして…

 

「グアアアアアアア!!!!!!ジュウウウウウウ!!!!!!ドゴダアァァァァ!!!!!!」

 

見たことも無い大型危険種が現れた。しかも……

 

「今……シュウの事呼んでませんでした?」

 

三人の妻とコロがこちらを見る。俺は自分を指差す。

 

「俺?」

 

暫くその場に留まると大型危険種と目が合った。

 

「ジュウウウウウウ!!!!!!ゴロズウウウウウ!!!!!!」

 

あ、俺だわ(確信)

 

俺はマグナムを抜き5発連発で射撃する。しかし、全て弾かれる。

 

だが……俺はもう奴の目の前に居て黒刀を構え………

 

ザンッッッッ!!!!!!

 

大型危険種の頭部を斬り飛ばした。

 

キン

 

「傍迷惑な危険種?だったな……あーあ、港がボロボロに………よし!皆んな!今の内に乗船!行こう!」

 

俺は皆に声を掛けて乗船する。あ、そうだ。

 

「エスデス。俺達は逃亡とかじゃ無いんだよ?」

 

「私達は逃げるのでは無いのか?」

 

エスデスは聞いてくる。だから…妻達に言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「逃げる?違います。明日への前進です」

 

 

 

 

 

 

 

 

……

 

………

 

 

 

秘密警察イェーガーズ

帝国時代末期に当時極悪非道で帝国最強と呼ばれていたエスデス将軍により設立された、ナイトレイド討伐を主目的とした組織。

新国家の公式史書にもイェーガーズの存在は書かれていた。

メンバーの数は七人。

その内一名のみが新国家の為に残った。

 

しかし…後々、このメンバーが八人では無いかと言われる事になる。

イェーガーズのメンバーであり、新国家に残り尽力したランの残した書物によると、八人目は仮でイェーガーズに所属していた事。

また戦争直前にエスデス軍に入隊しイェーガーズに入ったとされる。

そして…その八人目を調べると様々な所で暗躍して居たと分かった。

だが真実か嘘かは迷宮入りとなるだろう。

しかし……この八人目の存在が帝国崩壊の足掛かりを作ったとされる事が事実であると分かった。

 

後の歴史家達は彼の事をこう呼ぶ事になる。

 

 

 

「帝国の闇が産んだ大罪人」

 

 

 

であると。

 

 

 

 

END




はい!完結しました!

完結させるのに一年近く掛かりました。ただ、途中4ヶ月ぐらい放置しちゃったから読者の皆さんも「まさか、完結させるとは」(驚愕)と思ったでしょう。
ぶっちゃけ自分がそう思いましたwww
取り敢えず自分なりのアカメが斬るを書いて見ましたが……如何でしたでしょうか?二次小説等の小説投稿は初めてで少し不安もありましたが、感想などでアドバイスや誤字報告してくれたりしてありがとうございます。
皆さんの時間泥棒出来たらとてもとても嬉しく思います!←最低発言



此処まで続けれたのも感想などもそうですが、ユニークアクセスやお気に入りや評価を見て「ああ、読んでくれてるんだなぁ」と思い完結出来ました。

さて、あまりグダグダしても仕方無いのでこの辺で。
皆さん、ご愛読ありがとうございました!

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