逃げる?違います。明日への前進です。   作:吹雪型

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飴がバレた

取り敢えず駄菓子屋探す事約数十分、その間色々話してた。

 

何処からきたの?お母さんは?から始まり暗い雰囲気や明るい雰囲気を出したりと色々忙しい人やねと思いつつ質問に答えていた。

 

「ならさ、今のこの国……帝国についてどう思う?」

 

真剣な表情で問われた。だから今の帝国に対する評価を伝える事にした。

 

「まぁ、色々遅れてる感じかな?特に人権関係と治安維持。千年経ってたったこれぐらいの進歩しかしてないとかありえないね。やっぱり帝具とかの所為かね?あのとんでも兵器が怠惰の原因の1つだろうね。ただ、文字や計算関係の教育はどの地方も大差無かったからそこは評価するよ」

 

「………そう」

 

かなーり真剣な雰囲気になってる。何でやろ?あれかな?帝国に不満でもあるのかな?

 

「あのね、もし私が革命軍に入ってるって言ったら………どうする?」

 

どうする?どうするとな?

 

「うーん………別に何にもしないかな?だってさ、このご時世だよ?帝国に不満がある奴なんて腐る程いるし。むしろ不満が無いよ〜なんて言う奴は金持ちぐらいじゃね?」

 

今時近所の人が革命軍に入ってるって言っても誰も驚か無いんじゃね?

 

「ふーん……そっか。そうだよね。うん!ありがとう!」

 

何か知らんが感謝された。……あれ?駄菓子屋かな?

 

「チェルシーさん、あれ駄菓子屋じゃない?」

 

「え?あっ本当だ!駄菓子屋さんだ!良かった見つかって」

 

かなり嬉しそうだな。何で………あっ、ソーダ味の飴か?

 

あれ?この状況ちょっとヤバくね?嘘ついたのがバレる?………バレるな。

 

「あ、あのさ、僕ちょっと用事思い出したから帰るね。それじゃあ!」ビシッ

 

と言いつつ離脱しようとするが手が繋がったまま。

 

「えー、此処まで来たから一緒に買おうよ。お姉さんが奢ってあげるよ?」

 

と可愛らしく言ってくれる。しかし、ソーダ味はマズい。バレるとマズい。何処から出したの?とか言われたら………どないしよう。

 

「えーと……ほら!俺習い事あるし!」

 

「………」

 

沈黙が流れる。ここは我慢比べだ。

 

「ふーん………習い事………ね〜。じゃあ、しょうがないかな?駄菓子屋さん見つけてくれてありがとうね。それじゃあ、またね」

 

と、あっさり手を離して駄菓子屋に向かって行った。おやおや?俺の芝居に騙されたか?いや〜、俺役者デビューした方がいいかな?w

 

しかし、こんな時裏路地に行くのは間違いである。あえて俺は表通りを通る事にする。ふふふ、自分の策士っぷりが半端ねぇな。

 

ルンルン気分でコーラ味棒付きを手から出して口に入れたその時………

 

「へぇ〜手から出てくるんだ。何か手品みたいだね」

 

 

 

そんな言葉が直ぐ横から聞こえた。

 

 

「は?チェルシーさん?え?何処??」

 

左右を見てもチェルシーさんは居ない。幻聴?それにしてはリアルボイスだったよ?

 

頭の中が若干混乱してると更に声が聞こえた。

 

「取り敢えず裏路地行こっか。そこでなら姿を出せるしね」

 

……よく分からない状態の中取り敢えず裏路地に行く事にした。

 

 

 

 

そんな訳でやって来ました。裏路地です。

 

「えーと、裏路地来ました。何かカツアゲされそうな気分です」

 

「アハハハ〜、例えが微妙だよ。まぁ、約束通り姿出すね〜」

 

そうチェルシーさんが言うと背後からボンッと音がした。そして振り返るとそこには可愛い笑顔のチェルシーさんがいました。

 

「やっほーさっきぶりだね」

 

明るい雰囲気だ。しかし、目は笑ってねぇ。そんなに飴が欲しんか?普通ので我慢しなさい!

 

「どうも、さっきぶりです。一体何やったんですか?凄く気になるんですけど!」

 

「知りたーい?」

 

「知りたーい!」

 

「じゃあ青い飴と茶色い飴頂戴!」

 

スッと手を出すチェルシーさん。

 

「はいどうぞ」

 

ポンッと渡す俺。しかし、この時飴を渡した事を後々後悔する事になる。

 

「やったー!パク…………‼️美味しい!何これ!」

 

チェルシーさんが興奮してる。あー、これがカルチャーショックか。初めて見たわ。

 

とシミジミ思ってるとチェルシーさんが思い出した様な顔をした。

 

「あ、そうそう。さっき姿が現れた理由を教えてあげよう。それはね、この帝具【ガイヤファンデーション】の力だよ」

 

帝具

1000年前、帝国を築いた始皇帝の命令により造られた48の超兵器。始皇帝の「ずっとこの国を守っていきたい」という願いのもとに開発された超兵器である。しかし、500年前の内乱により半数近くが行方不明となっている。

 

ザックリ言うとこんな感じかな?しかし、 始皇帝が今の帝国を見たら発狂するだろうなぁ。

 

「へぇ。見た感じ高価な化粧道具にしか目えないけどね。でもさ、化粧道具と姿が見えないのと関係あるの?」

 

「あ〜、それはね小鳥に化けたんだよ。小鳥になってシュウくんの肩に止まってたんだよ。こんな風に」

 

そう言うとボンッという音と共に小鳥が出現。そして俺の肩に留まる。

 

「ね?凄いでしょう」

 

小鳥なのにドヤ顔してるのが見て取れた。

 

「はぁ〜。帝具何でもアリなんだな。こりゃあ色々気を付けないとヤバイかもな。帝具自体の事は旅の途中で知ってたけど、全然理解してなかったよ。俺、良くこの6年間生き残って来れたなぁ」

 

本当改めて気を付けないと、俺は死ぬ。まぁ、死ぬ前に逃げるけどね。

 

「そっか、ちゃんと反省する所は偉いとお姉さん思うよ」ナデナデ

 

そう言って頭を撫でられる。

 

「さて、難しい話はここまで!表に「ひゅー!中々可愛い姉ちゃんじゃねーの!ハハハ!」……何こいつら」

 

何処から湧いてきたのか分からんがゾロゾロと出てくる。その姿はさながら台所に出てくるGそのものであった。

 

「へへへ、表通りに行きたいのかな?だったら俺たちの相手をして貰おうか?通行税って奴だな!勿論金も出せよ。まぁ、出さなくても無理矢理出させるけどな!」

 

ゲラゲラゲラゲラ

 

周りの連中が笑う。一体何処に笑い所があったのか真剣に悩む。

 

「シュウくんは先に逃げて。私が時間稼ぐから」

 

チェルシーさんがカッコ良く言ってくれる。しかし、俺はこれは聞いておきたかった。

 

「チェルシーさん、さっきの連中のセリフ………笑い所ありました?僕全然共感出来なかったんだけど!もう、気になって気になって多分夜眠れないかも!」

 

「………………えっと」

 

「「「「「「「「…………………」」」」」」」」

 

何故か皆静かになった。何でやろ?

 

「あー、ムカつくわー、マジムカつくわー。このガキ女の前で嬲り殺してやろうぜ」

「それがいいわ」「社会の厳しさって奴を教えねぇーとな」「マジ殺す」

 

何やら殺気立ってる。何でやろ?

 

「シュ、シュウくん!何言ってるの!今そんな事はどうでも良いの!早く逃げ「逃げ道なんてねぇーよ姉ちゃん!ギャハハ!」…くっ」

 

チェルシーさんの悔しそうな顔、そしてチンピラ共のゲッスイ顔、そしてのほほんとしてる俺。

 

なーんか俺場違いだな。

 

「まっいっか。全員………皆殺しでさ」

 

「え?シュウくん?」

 

「あ?皆殺しだと?やれるもんならやって「ドスッ」…え?ちょ、な?」

 

チンピラの1人にククリナイフを投げる。そして、俺は駆け出した。

 

ヒュンッ ザスッ フォンッ

 

「死ねっ!ガキが「ザシュッ」カペッ!」

「クソがー!「ドスッ」グハッ」

「ふざけ「ズバッ」ひぎぃ」

 

斬る、刺す、移動、相手の武器も使用して潰して行く。アクセルブースト使うまでも無く淡々と仕留めていく。

 

舞う血吹雪、煌めくククリナイフ、響く悲鳴、しかし俺は冷静に敵に致命傷を与えていく。後々後悔しない為に………確実に仕留めていく。

 

最後の1人になってしまったチンピラ。

 

ザッザッザッ

 

「ま、待ってくれ!なっなっなっ!落ち着けって!俺達も別にな!

 

ザッザッザッ

 

悪気があった訳じゃ無いんだよ!嘘じゃねぇよ!許してくれ!頼む!

 

ザッザッザッザ

 

……うっ…くっ……もう、こんな事しねぇよ。だ、だから許して「ドスッ」…う…な…なん…で……

 

「俺が死にたくないから」

 

「ドシュッ」………グハッ」バタッ

 

ふぅー、終わった終わった。チェルシーさん無事かな?

そこには目を点にして放心状態のチェルシーさんが居た。

 

「チェルシーさん平気?怪我無い?」

 

取り敢えず外傷は無さそうだけど平気かな?

 

「え⁈あ、う、うん!平気だよ!てっゆーか、シュウくんこんなに強かったの⁈」

 

何か凄くビックリしてた。

 

「いやー、強くは無いよ。勝ちたい勝負は全部惨敗だし。それに、このぐらい出来ないと帝都周辺の国々を旅出来ないよ?」

 

旅して色々見て、経験するのは楽しいからね。だから強くなる必要はあるけどね。

 

「さて、返り血は浴びてないから表通りに出よっか。ここに居ても仕方無いし。ついでにお腹減ったよ」

 

キュ〜と腹がなってしまった。恥ずかピー。

 

「あ、アハハハ!シュウくん面白ーい。良し!助けてくれたお礼にご飯を御馳走してあげよう!」

 

とても得意げな表情で御馳走してくれる宣言頂きました。

 

「え!まじで!やったー!じゃあ、西の国の郷土料理食べたい!」

 

「オッケー。お姉さんに着いておいで」

 

そう言って手を差し出してくるチェルシーさん。

 

「分かった!」

 

元気よく返事をして手を握る俺。

 

「それじゃあ、出発!」

 

「おー!」

 

西の国の郷土料理を堪能する為に俺達は歩き出した。


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