そう思って見下ろしてたら
「蒼空…何をしてる?」
銑の声がしたから
「知らない…ボクは道を間違えてここに居るだけだし…
銑の方こそどうしたの…こんな所で?ボクの誘いを断ったくせに…
まぁ良いや、ボクは匂袋買いたいからお店見に行くね」
そう言って銑に視線を合わせる事をしないでその場を立ち去った
倒れてる変な男に興味もないしね
それから暫くは何事もなく修行が少しずつ激しさを増す日々が続きあまり里にも段々降りなくなっていった…
だから仕方無いから自分で淹れたあまり…はっきり言ってマズイ紅茶を飲みながら(不味いな…)そう思いながらぼーっとしてる
前はあんなにヤだった媛巫女の敬称もなれちゃったしね…って考えながら溜め息ついてた
「まぁ良いじゃん?大した事じゃないからさっ♪」
そう言ってはアキさんに
「せめて諦めるのでは無く状況に適応しようする努力をなさって下さいっ!」
って言われるンだけどまぁ無理な相談だと思うんだけど?とはさすがのボクも心の中にしまってある
日の出よりはるかに早く目が覚める
ボクの一日は滝に打たれながらのお祈りから始まるけどそれは里に降りて外泊した朝でも変わらない日課で里を出たら滝が必ずある訳じゃない
だからそんな時はどうしようとボンヤリ考えながら居眠りするのも滝行の後の日課だったりする
そうこうしてるうちに朝食の支度が出来たと呼ばれて渋々食卓に付き攻防線が繰り広げられる
食欲の無いボクと身体に悪いからしっかり食事をお取りくださいってゆーアキさんとその他大勢
「いい加減しつこいんだよね…入らない物は入らないのにさ、全く
食後に経典の暗誦の為の詠唱と写経ってもホントにただ書き写してるだけで意味はさっぱりの理解不能で覚える気も全くないっ!まぁ理解する気もないんですけどね、あはは…」
ってついつい本音漏らしてお説教を受けてるのに欠伸して更に長引かせるボクは我ながらどうしようもないけどそれがボクなんだって理解とゆーか諦めて欲しいんだけど?
そんなこんなで修行が一段落し次の段階に進むことになった
前に一度見たことのある神楽舞いによく似た踊りを習うことになったボク
でも…だから理屈っぽい講釈は要らないんだって何回言えば分かってくれるのかな?全く…
頭じゃなく心と体で覚えるタイプなんだからさ
そう心の中で愚痴りながら講釈を聞いているフリの僕
そんな僕を見ながら溜め息を吐くアキさんだった
この里に来たのは春先だったけど山の様子は既に真夏の様相を呈していた
勿論無自覚で暑いのが苦手なボクも好んで薄着になっては銑やアキさんに怒られる日々
だってさ、俄女の子の僕に乙女の恥じらい何てあるわけないじゃん?
ブラとか慣れないし透けてみられるのが恥ずかしいなんて感情も持ち合わせてない
それに人に見られてるなんて経験無いボクが人の目を意識する訳無いでしょ?
ボク事なんか銑以外の人間は誰も見て無かったんだから何カリカリしてるのか理解出来ない
ある意味状況の変化を理解出来無いから今の自分を理解しようとしない…
そんなボクの事を知ってるクセに苛立ちを隠せない銑が理解出来無かった
そんな僕の気持ちは置き去り状態で僕達は再びダンジョンに籠ることになり
「久々に四人揃いますね?」
そう言われた颯天さんが
「その笑顔を見せるのは銑だけにしなさい
でないと私達にまで妬きもちを妬きかねませんからね」
颯天さんがそう笑って言うと苦い顔をする銑に
「妬きもちを妬いてくれるの?こんな訳の分からない身体になったボクなのに?」
って言ったら
「族長にも言われただろう?俺はお前の心に引かれてるんだから関係無いっ!」
って言うけど
「でも銑って巨乳好きだよね?お色気たっぷりなセクシー系の…好きなアイドルもそれ系だし隠し持ってるエッチぃ雑誌もそーゆーお姉さんが恥ずかしいポーズ取ってるのばっかだもんね?
奥手なボクが知らないって思ってた?確かにボクは興味なかったけど銑の趣味だから気になってたんだよ?
つかそれみてなにしてたのさ?銑ってばさ」
って言ったら
「はぁーっ…いきなり不倫疑惑ですか?銑…」
そう面白そうに食い付く颯天さんに
「それはそれ、翔は翔だ」
って言い訳するのを聞いて
「ふーん、じゃあもう少し先言わせてもらうけど二人で歩いてる時もボンキュッボンのお姉様の胸盗み見してたのボクが気付いてなかったと思ってるの?
ホントは泣きたかった気持ち我慢してたんだからね?」
そう言って自分の胸を見て
「その気持ちは今も変わらないんだけどさ…どうせ女の子なるんなら銛のハート鷲掴みの巨乳ちゃんになりたかったんだよなぁ~っ…そしたらこんな不安な気持ち抱えなくても良かったのかもしれないんだからさ…」
そうぼやいて銑から視線を反らすボクだった
今度の迷宮は迷宮っぽく雑魚(ネズミタイプだからボクには魔王みたいに見える)ばっかだけどちょろちょろ現れては颯天と烙硝さんの二人に一蹴されてる
時折銑の背に揺られたまま転た寝を繰り返すボクの時間の感覚は既に無く何度目かの休憩の後やっと最初の関門に辿り着いてうとうとするボクに
「そろそろ頭をしゃっきりさせなさい」
颯天さんに言われたけど
「ボクの頭じゃ起きてても大差ないよ?」
寝起きの不機嫌さ全開の声で僕がゆーと溜め息を吐き
「媛巫女様、そろそろお茶になさいませんか?」
言葉よりチョコクッキーの匂いで我に返ったボクを苦笑いで見る三人は気にしないでクッキーを頬張るボク
その姿を指して小動物系の可愛さと言われてるのをボク自身は知らないし気付こうともしないのは周知の事実
と、言うかその癖自体無意識と言うか無自覚だったりもするんだけど
ボクの紅茶はフレッシュたっぷりのミルクティーで三人はストレートティーで飲んでる
「銑…最初の関門の試練ってなんだったっけ?」
ボクがそう聞いたら颯天さんが呆れた声では
「蒼空、覚えてないんですか?」
そう聞き返されたら
「颯天さん、こいつは覚えて無いんじゃなくて聞いてないんだよ…と、言うか聞く気もあまり無いしな」
そう言って溜め息を吐く銑に
「さっすが銑、ボクの事良くわかってるねっ、これからも期待してるよっ♪」
そう無責任に言うボクに構わず烙硝が冷めた声で
「銑、蒼空を甘やかすな」
なんて言ってくれるからボクは烙硝さんに
「えーっ…なんでさぁっ、烙硝さん…ボクが頭を使ったってそんなの使うだけ無駄でしょ?」
そう言ったら烙硝さんてば
「近視的に物事を見るな、お前は今運命の岐路に居るが今の振舞いがこれからの運命の選択に影響を及ぼすが今のままでは選択肢が狭まるのだぞ?」
そう言われてさえなお
「それでも変われないんだから仕方無いでしょ?
それに…ボクはしないんじゃない出来ないんだよ
対話なら理解できなくたってちゃんと話を聞けるけど一方的に話される話を集中して聞き続けられないんだ
気が付いたら余所事考えてるし余所事してる自分に気付くんだ
退屈だからとか興味ないからなんて考える前に行動してるのにどう注意したら良いのかボクにはわからないよ…」
そうぼやくボクに銑は
「ならば何故それを俺に言わないっ!」
声を抑えて聞いてきた銑に
「小さい時に何度か言ったけどその度に言い訳するなって言ったんだよ?銑は忘れてしまったんだろうけどね…
だからボクに相談できる人が居ないことを理解できた…わからない事を言葉に出来ないもどかしさ
しない訳じゃなく根本的に出来ないのに誰もその事に向き合ってはくれない
だからボクはもうバカのままで居ることを選んだ
こんな未来とは思ってなかたけどあそこにボクの未来は無かったからあそこに居る人達に何言われても平気だった…
銑以外の人ならどう思われたって構わなかったんだからね」
ボクは笑っていた?でも面白くもおかしくもないボクは笑って居るのだろうか?
でも、こんな時決まってこういわれた
「叱られてるのに何ヘラヘラ笑ってるんだっ!」
ってね…でも、ボクには笑ってる自覚無いからどうしようもなくお陰でかなり痛い目に遭ったよ…
特に保志のお父さんにはね…お父さんのお陰でボクは自在に関節が外せる様になったんだからさ…
まぁ特に銑には言えない話なんだけどね、海床家が大騒ぎを起こしかねないんだからさ…今の銑ならね
「あ、あれなんじゃないの?颯天さん…」
ボクが指差した先にあったのは小さな祠で開封して力を得よ…か
どうすればいいの、か、な…
そう思いながら祠に触れてみた…氷芽?
なんだろ?意味がわからない……
氷芽…氷の芽?氷?氷?氷?氷?氷?氷?氷?氷?氷
ボクの頭の中ではブロックアイスが降ってきているけど益々イミフで頭をかを抱えている
「冷えてきたな颯天さん…いきなりどうしたと言うんだ?」
そう呟く銑に颯天さんは
「蒼空の周りの空気の様子が変だ…」
「冷たい風がゆっくりだが蒼空に向かって流れている…
まるで蒼空が冷気を集めているかの如くね…」
ボクの耳にその会話は既に耳に入って無く…ひたすらこの祠から感じる何かを感じ取ろうとしていた
時を忘れ、寝食を忘れ…銑の呼び掛けにも一切反応をしないボクを心配する銑に颯天さんはただ苦い顔をして首を横に降り
「きちんと食事を摂り休みなさい、出来なければ帰りは私か烙硝が蒼空をおぶって帰りますが?」
颯天さんにそう言われてからは食事を摂り休むようになったらしいけどボクは未だ意味がわからずどうすれば良いのかさっぱりわからない
そして出た結論はわからないけど不快じゃないこれを受け入れてみよう…
だったからそれまで右手で触れていただけだったのを両手にして
(貴方は何?ボクに教えて…)
そう考えていると
それはボクを招き入れた肉体から解き放たれたボクの魂だけね
でも…それに気付かないボクは訳がわからないまま求められるままに歩き始めたけど不思議な事にいくら歩いても疲れない
いつもはぐずぐずと歩かない言い訳を考えるボクが言い訳を考える事無く歩き続けてるのも何か変
あぁそうか、これは夢なんだ…いつの間にかボクは寝ちゃってたんだ…
まぁ良いや、祠から感じたモノが変わらずボクを呼んでるんだから夢でも現でも大差無いんだからさ…ボクにとってはね
更に歩き続けると青白い光が遠くに見えてそこから呼ばれている気がしたからそこを目指した
どれだけ歩いたかなんて端から考えてない…考えてたら歩けないし歩かないのがボク
確かに修行で急勾配の坂や石段を登り下りしてるけど先が見えてるから…あそこまで頑張ればそれで良い
あそこがゴールなんだから焦らなくて良いとわかっていれば端から諦めない
そして諦めずに頑張り始めたことは諦めない…時間切れ、体力切れで諦めさせられるだけでボクが諦めた事はない
光は氷に覆われた空洞から漏れていて沢山のプランターが並ぶその部屋は淡い光に包まれていた
ボクは誘われるままにプランターを覗くとガラス細工の植物の芽が置いてあり何だろ?そう思って見てたら
ーひとつ摘まんで食べなさいー
そう聞こえた気がするからその通りに食べてみたらその冷たさが眉間にキーンと来た…
「あれ?銑が居る…そっか…やっぱし夢だったんだな…まぁ良いんだけどね…」
そう呟いて改めて祠に触れるとごごごごっという音と共に石戸が開くのを見た颯天さんが
「どうやら蒼空は試練を乗り越えたらしい…先に進めと言うことでしょう
蒼空は銑の背中で休みなさい」
そう言われた銑はボクを背負うと颯天さんに続いて石戸の中に入っていった
今度はずっと眠ったままのボクを見て銑が颯天さんに
「一体蒼空は何を?」
その問い掛けに対する答はさすがの颯天さん持ち合わせてはいないから
「あくまでも推測ですがいわゆる霊体離脱とか言う状態で霊体が遠く離れた場所に行き試練に挑みそれを果たした
「だから遠くに離れた場所に居るはずの銑が居るのを見て先程の反応を見せ…
慣れない霊体離脱で精も根も尽き果てた蒼空は今こんこんと眠り続けている…と言ったところですね」
そう言って言葉を切ると無言の行軍となった三人だった
ボクは夢?の続きを見ていた
暫く眉間を押さえてたら何か鳴き声みたいなのが聞こえてきたからそのの声の聞こえて来る方に歩いてみた
よくはわからないけど確かめておく必要が有るって気がしたから
夢のはすなのに何故か喉の乾きを覚えたけど
どこからともなく冷えたアップルティーのペットボトルが現れたから取り敢えずその場に腰を下ろすと
キャップを明け一口飲んだアップルティーは喉に凍みる位冷たくて思わず溜め息がもれた
暫く…お茶を飲み干すまで休憩を取ることにして周りを見回したけど何も見えやしなかった
空のペットボトルをリュックにしまい再び歩き始めたボクはいい加減飽きてきてる
飽きてきてるけど立ち止まったところでどうにもなら無いから諦めて歩いてるけどね
ただ、鳴き声の主は何だろ?犬の様な気がするけど猫のような気もする… 求められてる気もするけど威嚇されてる気もする、近寄るなっ!って
どうしたら良いかわからないボクは迷いながら歩き続けていた
それ以外の選択肢が示されてないんだからさ…
ボクの短絡的な思考はそれで済ませちゃうんだよね
下手な考え休むに似たりってさ
等と考え事している内に目的地に着いちゃったよ…そう思ってたら
ー愚かなる人の子よ、汝は何を望みここを訪れた…禁忌に足を踏み入れたのだ?ーそう問われたボクは
「ボクは知りたい…一部の人なんだけどボクの事を媛巫女と呼ぶけど何で男の子のボクがって思う事…は、知りたいけど理解とユーか納得出来ない気がするからそれ以上にその先のボクは何をすれば良いのか…何をしろって言われてるのか知りたい
ボクの大好きな人が側に居ることを許してくれるって好きだからボクの力になってくれるって言ってくれたらボクはその答えを求める事にした
だからお願いします、ボクの求める答か答えに辿り着くための道をお示し下さいませ」
そう言って膝まづき両手を組んで祈るボクに
ー力を求めぬのか?財宝は?ー
そう聞かれたボクは
「ボクは余り食べないけどさっき言った大好きな人とボク達を助けてくれる二人のお兄さん達の食料が確保出来れば良い
って言うかそれすら贅沢な状況もあり得るから考えない
力は取り敢えず余り望まない…多分かなりの確率で力に振り回され暴走暴発させ大好きな人や仲間を…周りにいる人を巻き込んじゃう…
迷惑を掛けちゃうだろうって言いきれる自信なら有るから…望まない方が良いって思う」
そう苦笑いを浮かべるボクの肩に一羽のカラスが止まり
ーその者がお前を導くが…恐ろしいか?ー
そう問われたボクは正直に
「はい、恐ろしい先生みたいな気がします………程聡明な方なんでしょうね…ボクは一体何とお呼びしたら良いのでしょうか…やはり先生ですか?」
そう尋ねると
ーお前を襲うとは思わぬのか?ー
その余りにもの以外過ぎる問い掛けに
「その気が有るならボクの肩握り潰されて命無いと思いますけど?
この冒険の始まりでいきなり殺されそうになったり変な奴にイタズラされそうになったりしてるから…
そん時はやっぱり見る目がなかったって諦めます」
「あははは…」
そう乾いた笑い声を上げるボクは相変わらず眠っていたけどうっすら目を開けたボクに
「蒼空、お腹すいてませんか?」
そう聞かれたけど虚ろな目付きのボクのボクに聞いても…と言うか無駄な状態なのに気付いて取り敢えずお湯を沸かし始めた颯天さんが
「確証はないが第二の試練とやらをクリアしたらしい」
そう二人に告げると
「わかった、取り敢えず休憩の予定は変わらずか?」
烙硝さんの問い掛けに頷き
「蒼空にはハーブティーを飲ませ私はコーヒーを飲みますが二人は?」
そう聞かれた二人は
「俺もハーブティーを頼みます」
と銑が言い烙硝さんも
「俺はコーヒー濃い目のブラックを頼む」
そうそれぞれにリクエストして一休みすることになった
②忍火の里
忍者と言うより暗器使いの暗殺者の隠れ里だけど基本的に女の人は居ない
ここに住むのはある程度の身体能力を持つ暗殺部隊だけで許された里の者か使い捨て用の拐われた子しか居らず大半は初めて任務で命を落とす
そんな過酷な所…らしいけどボクには理解出来るはずも無い世界だ
取り敢えず立ち寄る予定の無い隠れ里に立ち寄らざるを得なくなった事は互い不幸な現実で招かざる客でありちっとも来たいなんて…さっさと立ち去りたいボクの願いは叶わず
暗器じゃ歯が立たない化け物退治を頼まれた銑、颯天さん、烙硝さんだけど力を見せびらかす趣味の無いボクの扱いは三人の奴隷かペット
だから水の一杯も飲ませてくれやしないしボクを見る目は思い切り蔑んでいたけどそんな事は今に始まったことじゃ無いから今更気にすることでもない
つか問題は何でボクを生け贄の美少年なわけ?微小年って皮肉られるつかボクの代名詞だったけどさ
今のボクは美醜は論外で男の子じゃないじゃんよ?バレたらどうなるのさ?責任者呼んでよ?マジ怖いからさ(泣)
ってどうにもならないから諦めてるけどさ何せ取引の指定日は今夜なんだからさ準備する間も無いじゃんよ?
いや、ホラ辞世の句とか湯あみをして身を清めるとか心残りが無いようモンブランが食べたかったとか色々有るもんでしょ?
銑ともっと色々ね?有るでしょ?ホラ色々ね?
はーっ、何で助からない前提でしか考えられないんだろ?