キャラの口調がゴチャゴチャです。
「失礼します」
入学式が終わり、新入生も学校に馴染んできた頃。一人の少女が職員室に訪れる。
「相澤先生に提出物を持ってきました」
その声に顔をあげ入り口を見るものが何人かいるが、その用件にすぐ顔を戻す。
座席表を見て、目当ての人物がいることを確認すると、一直線に向かう。
普通科の狭間暦は、先日の生徒アンケートをまだ提出していなかった。
本来ならばその担任に出せばいいのだが、既に期日を過ぎてしまっており、全ての集計は相澤の元に集められている。なので直接出した方がいいと考え来たのだ。
「すみません。遅れまし」
しかし、不自然なところでその言葉は切れる。
机で作業していた相澤も、不思議に思ったのか顔をあげその生徒をみた。
「どうした」
けれどその問いかけには答えず、暦はただ相澤の顔を凝視する。
「失礼ですが、先生の個性は"抹消"ですか?」
かと思ったらいきなりこんなことを言い出した。
何いってんだこいつ?というような表情で見るが、暦は無表情で見続ける。
「そうだが、それがどうした」
「ボサボサの髪に捕縛武器。相澤という名字に。極めつけは"抹消"という個性」
相澤を無視し、顎にてをのせながらブツブツと何かを言っている暦に痺れを切らした相澤が口を開いた瞬間。
「ああ。そうか」
顎から手を離し、真っ直ぐに相澤をみる。
「あなたが私の父親か」
「……………………は?」
「「「「「はぁぁぁぁ!?!???!」」」」」
そのときはちょうど昼休み。
職員室にはほとんどの教師がいており、一拍おいてヒーローたちの絶叫が響いた。
「相澤先生、これ先日のアンケートです。遅れてすみません」
「あ、ああ」
呆然としながら受けとると、職員室の動揺などなかったかのように踵を返す。
「ちょ、ちょちょっと待ちな!!」
「なんでしょうか?」
「イレイサーがチチオヤッテどういうことよ!?」
慌ててプレゼントマイクが引き留め、全員の疑問を言う。
「私は父親に会ったことはないのですが、母の話によるとヒーローで、常にボサボサの髪をしていてドライアイ。捕縛武器を使っているそうです。母の日記から"相澤"という名字だと知っていたのですが、同姓同名かと思いました。けれどあまりにも特徴が合致しすぎるその容姿に、極めつけは"抹消"という個性。私は母と父親両方を受け継いでいます。相澤先生と個性がおなじなので、まず間違いないかと」
こちらの動揺などどこ吹く風。淡々と述べていく暦。
「それでは失礼します」
「待て!」
改めて行こうとした暦を引き留めたのは、今度は相澤だった。
「なんでしょう」
「お前の、母親の名は?」
「狭間結菜です」
「!」
その言葉を聞いた瞬間、相澤は目を見開く。
「子供が………いたのか」
ポツリと呟いたその言葉が聞こえたのは、隣にいたマイクのみ。
「結菜は、いまどこにいる」
「死にました。私が幼い頃に、事故で」
「!………そう、か」
悲痛な表情で俯く相澤を一瞥する暦。
「すみませんが、もう行ってもいいでしょうか?」
「待て。お前とは話したいことがある」
目の前の少女が己の子であることは間違いないだろう。ならば話したいことが山ほどある。
親子の再会に微笑ましい表情でそれを見守っていた教師たちが、話ができるように相澤の仕事を少し代わってやるかと準備をしようとしたとき。
「いえ、ご遠慮します。」
きっぱりと言う暦に、全員の顔が固まった。
「な、なぜだ」
「あなたと話しても私にメリットはないでしょうし、何より時間の無駄です」
そういうと、今度こそ引き留められることもなく、さっさと職員室を出ていく。
暦が去ったあと、職員室はざわついていた。
「いやー。しかしまぁ。お前に子供がいたとはな!驚きだ!」
「しかも"抹消"なんて珍しい個性を持ってるんだもの。疑いようがないわ」
マイクとミッドナイトが相澤の横にたち、声をかけたその時。
バターン!
といきおいよく相澤が倒れた。
「お、おいイレイザー!?どうした!」
「メリットがないって………時間の無駄って」
「おい!?」
倒れながらブツブツと呟く相澤が、しばらくの間職員室にいた。