「次からいよいよ本選よ!!ここからは取材陣も白熱してくるよ!キバリなさい!!!
さーて第二種目よ!!私はもう知ってるけど~~~。
何かしら!?言ってるそばから…………これよ!!」
ミッドナイトの進行で出たのは、『騎馬戦』
騎馬戦………チーム戦か。面倒だ。
「そして一位に与えられるポイントは……1000万!!」
ミッドナイトの言葉で一斉に全員の視線が暦に向けられる。
それでも暦の表情筋は動かない。
「上位のやつほど狙われちゃう__下克上サバイバルよ!!!」
下克上サバイバル………。
「いいね。面白そうだ」
面倒だったものが、一気に興味をかきたてられるものに変わった。
全員が全員敵。
おそらく、というか確実に狙われる。さて、どうしようか。
「狭間」
「心操か」
「…………なんで俺の個性が効かないかねぇ」
「お前のは警戒しているからね。洗脳されて使われるなんて真っ平ごめんだ」
「……まぁいいや。俺と組まない?」
「…………いいね。だけど私が騎手やるよ」
「それでいい」
交渉成立。
正直いって、参加するためだけに騎馬が欲しかったから助かった。
彼の個性ならば他のメンバーを見つけるのも簡単だ。ほら、もう残りの二人を連れてきた。
騎馬を作り、ハチマキを巻いた私が上に乗る。
「作戦はどうする?」
「私が空をかけて行く。取りに行く。お前たちはここで待機」
「………それってありなの?」
「騎馬から落ちなければいいんだろう?なら、空をいくのは反則ではないとおもう」
「まあ、いっか」
「でもまあ、向こうから来たらこのままやるから。その時は頼むよ」
「了ー解」
準備はできた。
残りの二人は心操の個性で洗脳されているから、問題ない。けど、チーム戦は何気に初めてだな。他人と何かを共有したりするのは元から苦手だったし。
ボーと、関係のないことを考えていたら放送室が目に入り、そこに解説役としていた父さんと目が合う。
口パクで"頑張れよ"と言ってくれ、軽く右手を上げてくれた。
それに感激したが、例のごとく表情筋は死んだまま。他の連中がいるからか?
それでも同じように右手を上げて返すと、微笑んでくれる。
「心操、この勝負完全勝利するぞ」
「それはいいけど、なんかやる気増えてない?」
「逃げではダメだ。向かってくるもの全てのハチマキを奪う」
「無視?」
「恐らくA組連中は開始と同時に来るだろうから、用意をしておけよ」
「お前のそういうところも慣れてきたわ」
心操がため息をつくが、なんでそんな疲れたような表情になっているのか分からない。
まあそんなことはどうでもいい。父さんが微笑んでくれた。頑張れって。ああどうして忘れていたんだろうか。今回父さんは解説役として全てあの特等席で見ているんじゃないか。これはカッコ悪いところは見せられない。
「全部叩き潰すぞ」
目を細め、こちらを見ている連中に目を向けると、自然と小さな笑みが浮かんだ。
けれど暦はそれには気がついていない。
暦が浮かべているそれは、獰猛な獣のもの。
若干選択を謝ったかもしれないと後悔し始めている心操をそのままに、開始の合図が鳴り響く。