少女は何を見る   作:晏佳@12

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編入(6)『体育祭』

私は父さんと違ってドライアイではない。だからこその発動時間なんだけど、それにも限度はある。

さっきの爆破野郎のお陰で使いすぎたからちょっとセーブしなければ。

【拒絶】も【抹消】も。一見便利そうだけど制約だってある。父さんのドライアイがそのいい例だ。【拒絶】だってあるにはあるのだ。その制約を減らすために体だって鍛えていた。

 

まあ何がいいたいかと言うと。

 

「さっさと終わらそう」

 

最初に狙うのは二位のやつ。

障害物競争では個性を使っていなかった。恐らく使わないのではなく使えないのだろう。このあとの試合も考えると今使ってくるとは考えにくい。

逆に、三位の半分は広範囲での氷を出していた。身体能力も上々。

どちらが攻めやすいかといわれれば一目瞭然。

 

一気に二位のやつの騎馬の上に行く。

 

「!?回避!!」

「させないよ」

 

状況把握はいいらしい。

すぐさま騎馬に回避を指示するが、それより速く彼らの周りの地面を【拒絶】した。

 

「う、わぁ!?」

「麗日さん!発目さん!落ち着いて!常闇君!渡れる!?」

「難しいな。渡れたとしても、彼女がそれを見逃すとは思えない」

 

私の攻撃を個性で防ぎながら正面の騎馬である男は話す。

あの爆破野郎も迫ってきていることだし、このあとは半分も相手をしなければいけない。あまり長い時間をかけられない。

 

一気に決めようと私は集中する。

 

そして、閉じていた目をゆっくりと開け、彼らをこの眼に写した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瞬間、緑谷たちの背に悪寒が駆け巡る。慌ててその発信源をみるが、すでにそこには誰もいなかった。

 

「なんで……」

 

確かにいたはずだ。

今さっきまで戦っていた彼女が空にいたはずなのに。

 

辺りを見渡してもいない。どういうことなのか呆然としていると、首や額に違和感。

 

「デクくん!ハチマキ!!」

 

いつのまにかハチマキが奪われていた。

 

「え!?なんで!!?」

 

 

 

 

 

困惑している彼らから離れると、彼らのなかの【私を拒絶】していた【事実を拒絶】した。

それによって私の存在を彼らは認知出来るようになったが、周りの地面は戻していないのでまだ足止めはできる。

 

これは、相手のなかの【私】を拒絶することによって私を認識できないようにする。私を見ることもできないし、私の動きを察することもできない。

とても都合がいいのだが、いかんせん消耗が激しい裏技のようなもの。出来て日に五回ぐらいが限度だろう。それもごく短時間。

けれどこれも、相手の精神力に効果が大きく左右される。多分他のヒーロー科の連中には難しいだろうね。

 

 

 

まだ追ってきている爆破野郎はもう相手をするのが面倒になったので、周りの空気を【拒絶】して真空状態にして閉じ込めといた。

何か叫んで掌を爆発させているが、知るか。

 

 

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