この世界   作:シャト6

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第17話

会談が終わり、修也が連れてた女スナイパーと一緒に屋敷に戻った。

 

ロベルタ「お帰りなさいませ拓哉様」

 

拓哉「ただいまロベルタ。こっちは何もなかったか?」

 

そう聞くと、森が答える。

 

森園生「加藤家と名乗る連中と、英雄と名乗る連中が来ましたが追い払いましたので」

 

拓哉「やっぱりこっちにも来てたか」

 

その事を聞いて、頭を抱える拓哉。

 

拓哉「ま~いい。悪いけどこいつを束のラボに連れてってくれ」

 

ロベルタ「かしこまりました」

 

女をロベルタに預けて、一緒にラボに向かった。ラボに到着すると、束が出迎えてくれる。

 

束「お帰りたっくん!!」

 

拓哉「ただいま。いきなりで悪いけど、こいつを治療兼検査してくれ」

 

束「ん~誰この女」

 

連れてきた女を見せると、少し不機嫌になる。

 

拓哉「ああ、それは追々リーラから聞いてくれ。治療は当然だが、検査しておいて損はないからな」

 

束「…分かったよ」

 

そして女は、束作の治療器兼検査機に入れられる。

 

束「それじゃあ、早速始めるよ」

 

機械をカタカタと打ち、機械を起動させる。女の身体をスキャンしていくと、モニターに女の身体が映し出される。

 

束「へ~…」

 

それを見て、束は興味津々な顔になる。

 

拓哉「どうしたんだ?」

 

束「こいつの身体凄いよ!!」

 

リーラ「凄い…とは?」

 

束「だって、ある筈の消化器官とかが無いよ。それに、首に虫みたいなのを埋め込まれてるし、皮膚が一般じゃ考えられない動きをしてるよ。まるで植物みたいにね」

 

拓哉「なんだと!?」

 

束の言葉に、拓哉は驚き検査してる女を見る。

 

拓哉「その虫みたいなのは排除できるのか?」

 

束「もっちろん♪束さんにできないことはないよ。けど、気を付けないと私達も感染する恐れもあるよ」

 

リーラ「では、治療が終わるまでは完全に隔離するしかありませんね」

 

拓哉「だな。他の失ってる消化器官とかはどうだ?」

 

虫の排除は出来るが、他の部分はどうなのか。

 

束「それも出来るよ。けど、虫と違ってそっちの方は時間がかかるよ。体を束さん特性のナノマシンに馴染ませないといけないからね」

 

拓哉「ならそっちも頼む。普通の治療じゃ治せないからな。頼りにしてるぞ」

 

束「お任せ~♪」

 

そして再び画面を見る束。

 

束「けど、この虫変わってるね」

 

拓哉「変わってるとは?」

 

束「調べてみたけど、別に何もしなければ普通に残ってても問題ないんだよ。でも、これは音に反応するみたいなんだ」

 

拓哉「音?」

 

その言葉に疑問を抱く拓哉。

 

束「うん。でもただの音じゃないって事は分かったんだけど…」

 

拓哉「それ以上は今のところは分かってないって訳か」

 

束「そうなんだ。ま~、この虫駆除しちゃうから問題ないと思うけどね」

 

拓哉「俺達に被害が出ないなら、調べてみてくれ」

 

束「りょ~かい♪」

 

そう言うと、後は束を残して部屋に戻った。そして翌日、昨日会談があった為拓哉やオカルト部、委員会の連中はサーゼクス達の計らいで休みにしてくれた。

 

拓哉「サーゼクス達も、随分と気前のいい事してくれるな」

 

グレイフィア「恐らく、昨日の事のお詫びでしょう」

 

拓哉「なら、そのお詫びを受けときますかね。偶にはグレイフィアとのんびり過ごすのもいいもんだしな」

 

笑顔で言うと、グレイフィアは頬を染めていた。

 

拓哉「せっかくの休みだ。この島を探索してみるか」

 

グレイフィア「そうですね。まだこの島の全てを把握していませんし」

 

拓哉「なら、ヘリでも出して島を見て回る」

 

グレイフィア「かしこまりました」

 

グレイフィアは一旦下がり、ヘリの準備に向かった。拓哉も地下に向かった。向かう途中でリーラと出会う。

 

リーラ「おはようございます拓哉様」

 

拓哉「おはようリーラ」

 

リーラ「どちらかにお出かけですか?」

 

拓哉「ああ。グレイフィアとヘリでこの島を見て回ってくる」

 

リーラ「でしたら私も」

 

そこまで言うと、拓哉は手を前に出して言葉を止める。

 

拓哉「今回はこの島だ。それに、リーラは最近よく働いてくれている。偶には休んでくれよ」

 

リーラ「ですが…」

 

その言葉にリーラは寂しそうな表情をする。

 

拓哉「別にクビにする訳じゃないんだ。今日くらいはのんびり屋敷で寛いでくれって言ってるんだよ」

 

リーラ「…かしこまりました」

 

拓哉「心配するな。ロベルタと大和にもついて来てもらうからさ」

 

リーラ「…はい」

 

そして拓哉は地下に向かった。地下では既にグレイフィアとロベルタが待っていた。

 

グレイフィア「お待ちしてました拓哉様」

 

拓哉「遅れて悪いな…それじゃあ行くか。ロベルタ、操縦は任せたぞ」

 

ロベルタ「かしこまりました」

 

そして三人はヘリに乗り込む。そのまま床が動き出し地上に上がっていく。そして天井が開き外に出る。ヘリのエンジンが始動し飛び立つ。

 

ロベルタ「拓哉様、どちらに向かいますか?」

 

拓哉「まずは、海岸沿いに島を一周してくれ」

 

ロベルタ「かしこまりました」

 

拓哉の命令を聞き、ロベルタは操縦する。ヘリから島を眺めてると、港が見えてきた。

 

拓哉「へ~、随分と立派な港だな」

 

グレイフィア「そうですね」

 

拓哉「ロベルタ!悪いけど、あの港の所に着陸してくれるか?」

 

ロベルタ「かしこまりました」

 

そう言われロベルタは、ゆっくりとヘリを港の広い場所に着陸させた。ヘリから降りて建物の前に行く。

 

拓哉「やっぱりここもかなり朽ち果ててるな」

 

建物を見ると、街で見たビル等と同じで老朽化が進んでいた。

 

大和「……」

 

そして、この港に来てから大和が何も話さなくなっていた。

 

拓哉「大和」

 

大和「は、はい!」

 

拓哉「何かあったのか?」

 

大和「いえ、なにもありません」

 

すぐに否定するが、拓哉は溜息を吐く。

 

拓哉「嘘を言っても駄目だぞ。ここに来た瞬間嫌な顔をしただろ」

 

大和「……」

 

その言葉に、大和は黙ってしまう。

 

拓哉「何があったんだ?」

 

大和「…ここは昔、工廠だった場所です」

 

拓哉「工廠?」

 

ロベルタ「軍隊直属の軍需工場のことで、武器・弾薬をはじめとする軍需品を開発・製造・修理・貯蔵・支給するための施設です。造兵廠とも呼ばれます」

 

ロベルタが代わりに答えてくれた。

 

大和「その通りです。豪昌様がこの島を購入されるまでは、別の人物が持ち主でした。ですが…」

 

そこまで言うと、言葉を止める。

 

拓哉「……」

 

拓哉は、大和が話すまで黙っている。

 

大和「しかし、その前の人物が私以外の艦娘を解体してしまったんです!!」

 

今までにない声でその事を叫ぶ大和。

 

拓哉「なるほど…艦娘か」

 

すると拓哉は、廃墟になってる建物に入っていく。

 

グレイフィア「拓哉様?」

 

慌てて三人も拓哉を追いかける。

 

拓哉「外壁はかなり老朽化してたが、中は意外とマシだな」

 

グレイフィア「そうですね」

 

そして、工廠の場所に到着する。

 

拓哉「ここが工廠か」

 

大和「はい…ここで私達艦娘や武器が製造されていました」

 

拓哉「なるほど…ん?」

 

すると、拓哉の足元に小さな人?がいた。

 

拓哉「なんだこれ?」

 

手のほらにその人を乗せる。そしてグレイフィア達に見せたが

 

グレイフィア「拓哉様、先程から何を?」

 

拓哉「何って、こいつだよ」

 

ロベルタ「これと言われましても…私達には何も見えませんが?」

 

拓哉「えっ?」

 

そう言われて、拓哉は驚く。どうやら2人には見えていないようだ。

 

大和「拓哉様、それは妖精で私達艦娘をフォローしてくれるんです。本来は私達艦娘しか見えないんですが…」

 

拓哉「じゃあ何で俺には見えるんだ?」

 

不思議そうに大和に質問する。

 

大和「極稀に、そういう人はいます。ですが、それは私達艦娘を兵器と思わないのが前提です」

 

拓哉「…それだけ?」

 

その言葉に、拓哉は間抜けな表情になる。

 

グレイフィア「拓哉様、本来大和は戦艦です。普通の人間達は彼女達を兵器としてしか見ないのよ」

 

拓哉「何処が兵器だよ。どこからどう見ても俺達と同じだろ?笑うし、泣くし、ちゃんと喜怒哀楽があるじゃねぇか。それが無いのが兵器だろ?」

 

そう言うと、大和は泣き出してしまった。

 

拓哉「えっ!?ちょっ!!?」

 

泣き出した大和を見て、慌ててしまう拓哉。

 

グレイフィア「拓哉様、今まで大和は豪昌様や拓哉様と出会うまで、その様に言われた事はないのですよ」

 

拓哉「そうか…」

 

そう聞いて、拓哉はある事を決断する。

 

拓哉「グレイフィア、帰ったらすぐにリーラと一緒に艦娘達の事を調べてくれ。そして、信頼できる業者を呼んで、この建物を使えるようにしてくれ」

 

グレイフィア「かしこまりました」

 

大和「えっ?」

 

その言葉に、大和は顔を上げる。

 

拓哉「修理をして工廠を稼働させれば、大和の仲間だった連中をまた作れるかもしれない」

 

大和「でも…」

 

拓哉「分かっている。新たに制作しても、それが大和の知ってる連中じゃないことはな。けど、いつまでも大和を1人にさせるのはな…」

 

大和「……」

 

その言葉に、大和は嬉しさのあまり声を失っていた。

 

拓哉「さて、島を探索するのはまた今度だ。急いでその事に取り掛かるぞ」

 

「「「はい!!」」」

 

そして拓哉達は屋敷に戻ったのであった。




妖精たち(艦隊これくしょん)
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