会談が終わり、修也が連れてた女スナイパーと一緒に屋敷に戻った。
ロベルタ「お帰りなさいませ拓哉様」
拓哉「ただいまロベルタ。こっちは何もなかったか?」
そう聞くと、森が答える。
森園生「加藤家と名乗る連中と、英雄と名乗る連中が来ましたが追い払いましたので」
拓哉「やっぱりこっちにも来てたか」
その事を聞いて、頭を抱える拓哉。
拓哉「ま~いい。悪いけどこいつを束のラボに連れてってくれ」
ロベルタ「かしこまりました」
女をロベルタに預けて、一緒にラボに向かった。ラボに到着すると、束が出迎えてくれる。
束「お帰りたっくん!!」
拓哉「ただいま。いきなりで悪いけど、こいつを治療兼検査してくれ」
束「ん~誰この女」
連れてきた女を見せると、少し不機嫌になる。
拓哉「ああ、それは追々リーラから聞いてくれ。治療は当然だが、検査しておいて損はないからな」
束「…分かったよ」
そして女は、束作の治療器兼検査機に入れられる。
束「それじゃあ、早速始めるよ」
機械をカタカタと打ち、機械を起動させる。女の身体をスキャンしていくと、モニターに女の身体が映し出される。
束「へ~…」
それを見て、束は興味津々な顔になる。
拓哉「どうしたんだ?」
束「こいつの身体凄いよ!!」
リーラ「凄い…とは?」
束「だって、ある筈の消化器官とかが無いよ。それに、首に虫みたいなのを埋め込まれてるし、皮膚が一般じゃ考えられない動きをしてるよ。まるで植物みたいにね」
拓哉「なんだと!?」
束の言葉に、拓哉は驚き検査してる女を見る。
拓哉「その虫みたいなのは排除できるのか?」
束「もっちろん♪束さんにできないことはないよ。けど、気を付けないと私達も感染する恐れもあるよ」
リーラ「では、治療が終わるまでは完全に隔離するしかありませんね」
拓哉「だな。他の失ってる消化器官とかはどうだ?」
虫の排除は出来るが、他の部分はどうなのか。
束「それも出来るよ。けど、虫と違ってそっちの方は時間がかかるよ。体を束さん特性のナノマシンに馴染ませないといけないからね」
拓哉「ならそっちも頼む。普通の治療じゃ治せないからな。頼りにしてるぞ」
束「お任せ~♪」
そして再び画面を見る束。
束「けど、この虫変わってるね」
拓哉「変わってるとは?」
束「調べてみたけど、別に何もしなければ普通に残ってても問題ないんだよ。でも、これは音に反応するみたいなんだ」
拓哉「音?」
その言葉に疑問を抱く拓哉。
束「うん。でもただの音じゃないって事は分かったんだけど…」
拓哉「それ以上は今のところは分かってないって訳か」
束「そうなんだ。ま~、この虫駆除しちゃうから問題ないと思うけどね」
拓哉「俺達に被害が出ないなら、調べてみてくれ」
束「りょ~かい♪」
そう言うと、後は束を残して部屋に戻った。そして翌日、昨日会談があった為拓哉やオカルト部、委員会の連中はサーゼクス達の計らいで休みにしてくれた。
拓哉「サーゼクス達も、随分と気前のいい事してくれるな」
グレイフィア「恐らく、昨日の事のお詫びでしょう」
拓哉「なら、そのお詫びを受けときますかね。偶にはグレイフィアとのんびり過ごすのもいいもんだしな」
笑顔で言うと、グレイフィアは頬を染めていた。
拓哉「せっかくの休みだ。この島を探索してみるか」
グレイフィア「そうですね。まだこの島の全てを把握していませんし」
拓哉「なら、ヘリでも出して島を見て回る」
グレイフィア「かしこまりました」
グレイフィアは一旦下がり、ヘリの準備に向かった。拓哉も地下に向かった。向かう途中でリーラと出会う。
リーラ「おはようございます拓哉様」
拓哉「おはようリーラ」
リーラ「どちらかにお出かけですか?」
拓哉「ああ。グレイフィアとヘリでこの島を見て回ってくる」
リーラ「でしたら私も」
そこまで言うと、拓哉は手を前に出して言葉を止める。
拓哉「今回はこの島だ。それに、リーラは最近よく働いてくれている。偶には休んでくれよ」
リーラ「ですが…」
その言葉にリーラは寂しそうな表情をする。
拓哉「別にクビにする訳じゃないんだ。今日くらいはのんびり屋敷で寛いでくれって言ってるんだよ」
リーラ「…かしこまりました」
拓哉「心配するな。ロベルタと大和にもついて来てもらうからさ」
リーラ「…はい」
そして拓哉は地下に向かった。地下では既にグレイフィアとロベルタが待っていた。
グレイフィア「お待ちしてました拓哉様」
拓哉「遅れて悪いな…それじゃあ行くか。ロベルタ、操縦は任せたぞ」
ロベルタ「かしこまりました」
そして三人はヘリに乗り込む。そのまま床が動き出し地上に上がっていく。そして天井が開き外に出る。ヘリのエンジンが始動し飛び立つ。
ロベルタ「拓哉様、どちらに向かいますか?」
拓哉「まずは、海岸沿いに島を一周してくれ」
ロベルタ「かしこまりました」
拓哉の命令を聞き、ロベルタは操縦する。ヘリから島を眺めてると、港が見えてきた。
拓哉「へ~、随分と立派な港だな」
グレイフィア「そうですね」
拓哉「ロベルタ!悪いけど、あの港の所に着陸してくれるか?」
ロベルタ「かしこまりました」
そう言われロベルタは、ゆっくりとヘリを港の広い場所に着陸させた。ヘリから降りて建物の前に行く。
拓哉「やっぱりここもかなり朽ち果ててるな」
建物を見ると、街で見たビル等と同じで老朽化が進んでいた。
大和「……」
そして、この港に来てから大和が何も話さなくなっていた。
拓哉「大和」
大和「は、はい!」
拓哉「何かあったのか?」
大和「いえ、なにもありません」
すぐに否定するが、拓哉は溜息を吐く。
拓哉「嘘を言っても駄目だぞ。ここに来た瞬間嫌な顔をしただろ」
大和「……」
その言葉に、大和は黙ってしまう。
拓哉「何があったんだ?」
大和「…ここは昔、工廠だった場所です」
拓哉「工廠?」
ロベルタ「軍隊直属の軍需工場のことで、武器・弾薬をはじめとする軍需品を開発・製造・修理・貯蔵・支給するための施設です。造兵廠とも呼ばれます」
ロベルタが代わりに答えてくれた。
大和「その通りです。豪昌様がこの島を購入されるまでは、別の人物が持ち主でした。ですが…」
そこまで言うと、言葉を止める。
拓哉「……」
拓哉は、大和が話すまで黙っている。
大和「しかし、その前の人物が私以外の艦娘を解体してしまったんです!!」
今までにない声でその事を叫ぶ大和。
拓哉「なるほど…艦娘か」
すると拓哉は、廃墟になってる建物に入っていく。
グレイフィア「拓哉様?」
慌てて三人も拓哉を追いかける。
拓哉「外壁はかなり老朽化してたが、中は意外とマシだな」
グレイフィア「そうですね」
そして、工廠の場所に到着する。
拓哉「ここが工廠か」
大和「はい…ここで私達艦娘や武器が製造されていました」
拓哉「なるほど…ん?」
すると、拓哉の足元に小さな人?がいた。
拓哉「なんだこれ?」
手のほらにその人を乗せる。そしてグレイフィア達に見せたが
グレイフィア「拓哉様、先程から何を?」
拓哉「何って、こいつだよ」
ロベルタ「これと言われましても…私達には何も見えませんが?」
拓哉「えっ?」
そう言われて、拓哉は驚く。どうやら2人には見えていないようだ。
大和「拓哉様、それは妖精で私達艦娘をフォローしてくれるんです。本来は私達艦娘しか見えないんですが…」
拓哉「じゃあ何で俺には見えるんだ?」
不思議そうに大和に質問する。
大和「極稀に、そういう人はいます。ですが、それは私達艦娘を兵器と思わないのが前提です」
拓哉「…それだけ?」
その言葉に、拓哉は間抜けな表情になる。
グレイフィア「拓哉様、本来大和は戦艦です。普通の人間達は彼女達を兵器としてしか見ないのよ」
拓哉「何処が兵器だよ。どこからどう見ても俺達と同じだろ?笑うし、泣くし、ちゃんと喜怒哀楽があるじゃねぇか。それが無いのが兵器だろ?」
そう言うと、大和は泣き出してしまった。
拓哉「えっ!?ちょっ!!?」
泣き出した大和を見て、慌ててしまう拓哉。
グレイフィア「拓哉様、今まで大和は豪昌様や拓哉様と出会うまで、その様に言われた事はないのですよ」
拓哉「そうか…」
そう聞いて、拓哉はある事を決断する。
拓哉「グレイフィア、帰ったらすぐにリーラと一緒に艦娘達の事を調べてくれ。そして、信頼できる業者を呼んで、この建物を使えるようにしてくれ」
グレイフィア「かしこまりました」
大和「えっ?」
その言葉に、大和は顔を上げる。
拓哉「修理をして工廠を稼働させれば、大和の仲間だった連中をまた作れるかもしれない」
大和「でも…」
拓哉「分かっている。新たに制作しても、それが大和の知ってる連中じゃないことはな。けど、いつまでも大和を1人にさせるのはな…」
大和「……」
その言葉に、大和は嬉しさのあまり声を失っていた。
拓哉「さて、島を探索するのはまた今度だ。急いでその事に取り掛かるぞ」
「「「はい!!」」」
そして拓哉達は屋敷に戻ったのであった。
妖精たち(艦隊これくしょん)