この世界   作:シャト6

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第31話

拓哉はいつものように特車二課に出勤する。とはいえ、毎日毎日緊急出動があるわけではない。出動がなく1日が終わることもある。

 

拓哉「(とはいえ、太田と篠原は毎日毎日喧嘩してるがな。ホント毎日飽きないねお二人さん)それでは皆さん、定時になりましたので、お先に失礼しますね」

 

『お疲れ様』

 

拓哉は野明達に先に上がる事を挨拶して、特車二課寮から帰る途中だった島に到着し屋敷に入ると、いつも通りリーラ達が出迎えてくれる。

 

リーラ「お帰りなさいませ拓哉様」

 

『お帰りなさいませ拓哉様』

 

拓哉「ただいま。いつも出迎えてくれてありがとな」

 

リーラ「いえ。メイドとして当然の事です。皆拓哉様をお出迎えできるのが嬉しいのです」

 

拓哉「そうか。俺は恵まれてるな」

 

そう言いリーラに荷物を預ける。

 

「拓哉様」

 

するとメイドの1人、プレアデスのユリ・アルファが話し掛けてきた。

 

拓哉「どうしたユリ?」

 

ユリ「はい。本日拓哉様宛にお手紙が届きましたので、お渡ししておこうかと思いまして」

 

拓哉「手紙?」

 

拓哉はユリから手紙を受け取り差出人を見る。すると拓哉は差出人の名前を見て微笑んだ。

 

拓哉「懐かしいな」

 

リーラ「拓哉様?」

 

拓哉「見てみろよリーラ」

 

拓哉はリーラに手紙を見せる。すると拓哉と同じ様に微笑む。

 

リーラ「懐かしい方からのお手紙ですね」

 

拓哉「だな」

 

そう言うと拓哉は手紙の中身を読む。

 

拓哉「…なるほど」

 

リーラ「手紙にはなんと?」

 

拓哉「今この付近を航行中だから、折角なんで嘗ての連中と集まってみないかだと」

 

リーラ「まあ」

 

そう聞くと、リーラは嬉しそうな顔をする。

 

拓哉「ご丁寧に今あの船で使ってる通信信号の波数まで書いてるよ」

 

リーラ「でしたら、折角ですし我が島に来ていただいてはいかがでしょうか?」

 

拓哉「そうだな」

 

リーラの提案に拓哉は賛同する。

 

拓哉「皆、悪いが俺とリーラの昔の知り合いがこの島に訪れると思うから、最高のもてなしを頼む。日にちが決まり次第また連絡する」

 

『かしこまりました』

 

拓哉「じゃあリーラ。察即手紙に書かれてる周波数に通信してみるか」

 

リーラ「かしこまりました」

 

俺とリーラは、通信機器等が揃ってる地下に向かい、書かれた周波数に通信を入れる。

 

拓哉「あ〜、あ〜。こちらの通信聞こえてるか?」

 

『こちらペペロンチーノ号。よく聞こえてるぜ』

 

拓哉「その声はアルだな。久し振りだな♪」

 

アルと呼ばれる男の声を聞いて嬉しそうな顔をする拓哉。男の名前は【アルフォンゾ・アンドレッティ】。ペペロンチーノ号という船の整備士だ。

 

『アル、誰と話してるの?』

 

すると女子の声が聞こえた。

 

アル『あぁ、懐かしい連中だよ。ナナミも話してみろよ』

 

ナナミ『?もしもし』

 

拓哉「久し振りだなナナミ」

 

ナナミ『!?もしかして拓哉さん!』

 

拓哉「ああ俺だ。リーラもいるぞ」

 

リーラ「お久しぶりでございますナナミ様」

 

リーラの声を聞くと、ナナミは嬉しそうな声が聞こえる。

 

ナナミ『うわ〜!リーラさんだ!元気にしてた?』

 

拓哉「ああ。ナナミも声を聞く限り元気そうだな?」

 

ナナミ『私はいつも元気だよ!』

 

拓哉「それは良かった。ティコはどうだ?」

 

ナナミ『うん。ティコも元気にしてるよ』

 

拓哉「そうか。悪いけどスコットさんに代わってもらえるか?」

 

ナナミ『分かった。父さ〜ん!』

 

ナナミの元気な声が通信機器越しに聞こえて、拓哉とリーラは笑っていた。

 

スコット『こちらペペロンチーノ号船長のスコット・シンプソンだ』

 

拓哉「お久しぶりですスコットさん」

 

スコット『拓哉君か。ナナミに聞いたが、リーラ君もいるみたいだね』

 

リーラ「はい。お久しぶりで御座いますスコット様」

 

スコット『やあリーラ君。君も元気そうだね』

 

拓哉「スコットさん。ナナミからの手紙で、今日本に向かっているそうですね」

 

スコット『ああ。他の皆も今日本に来ているみたいでな。ナナミが、折角なら会おうと提案してな』

 

拓哉「ええ。そこでなんですが、日本に到着したら是非ともウチに招待したいんですよ」

 

スコット『君の自宅にかね?』

 

拓哉「ま〜、自宅といえば自宅ですね。折角皆久々に会うんですし、スコットさん達もすぐに出発しなきゃいけないって訳ではないでしょう?」

 

スコット『そうだな』

 

すると、通信の向こうからアルナナミの声が聞こえる。

 

アル『いいじゃねぇかスコット。折角拓哉からの誘いなんだしよ』

 

ナナミ『そうだよ父さん!』

 

スコット『やれやれ。分かった。拓哉君、お世話になるよ』

 

拓哉「もちろんですよ。それで、いつ日本に到着するんですか?」

 

スコット『そうだな…順調に行けば明後日には東京湾に到着するだろう』

 

拓哉「東京湾…と言うことは、以前に到着した港ですね」

 

スコット『そうだ』

 

拓哉「分かりました。では明後日の昼にその場所で」

 

スコット『了解した』

 

拓哉「アル、ナナミ、明後日に会おうな」

 

アル『おう!』

 

ナナミ『うん!』

 

そして通信は切られた。

 

拓哉「ははっ。3人とも元気そうだったな」

 

リーラ「そうですね」

 

拓哉「リーラ。早速全員にこの事を伝えてくれ」

 

リーラ「かしこまりました」

 

拓哉「それと、港の工廠にペペロンチーノ号で使えそうな部品とかを集めといてくれ。アルにやる」

 

リーラ「お任せください」

 

そしてリーラは出ていった。それと同時に、束から通信が入り拓哉は出る。

 

拓哉「束か。どうした?」

 

束『た〜ちゃん。トーマスの修理が終わったよ』

 

拓哉「ホントか!?」

 

束『うん!線路の方も半分は復旧できてるよ』

 

拓哉「随分と早いなおい!」

 

さすがの拓哉も、トーマスの修理だけではなく線路も半分も復旧したのは驚きを隠せなかった。

 

拓哉「なら取り敢えずトーマスの所で合流だ」

 

束『りょーかーい!』

 

そして拓哉は屋敷から港に向かう。その道中屋敷から港までの線路が見事に修理されていた。そして工廠に到着すると、中には見事に修理されたトーマスがいた。

 

束「た〜ちゃん!こっちこっち!!」

 

拓哉「お〜トーマス。やっと修理が終わったみたいだな」

 

トーマス「はい!」

 

トーマスも嬉しそうに話す。

 

拓哉「しかし、トーマスの修理もそうだけど、線路の方の修理もよく半分も終わらせたな」

 

束「そんなの、束さんにお任せ!残り半分もあっという間に終わらせるよ!」

 

拓哉「ああ。頼むぞ束」

 

拓哉はそう言うと、束の頭を優しく撫でる。

 

束「うおおおおおお!!た〜ちゃんに撫でられて束さんパワーアップだぜい!!」

 

そして誰もいなくなった束は物凄い勢いで走り去っていった。

 

拓哉「さてトーマス。悪いがすぐにでも走りたいと思うけど、それはもう少し待ってくれ。丁度明後日に俺の知り合いが訪ねてくれるんだ。その時にお前を紹介して、ついでに試運転をと思ってるんだ」

 

トーマス「ホントですか!」

 

拓哉「ああ」

 

トーマス「うわ〜!楽しみだな!!」

 

拓哉「それまでは悪いがこのままここにいてくれ」

 

トーマス「分かりました」

 

そう言うと拓哉も工廠を後にする。そして2日後、拓哉とリーラは東京湾の港に来ている。

 

拓哉「やっと会えるな」

 

リーラ「はい。随分と久し振りですね」

 

そんな話をしてると、後ろから声をかけられる。

 

「久しぶりね。タクヤ、リーラ」

 

振り返ると、1人の女性と執事の老人が立っていた。

 

リーラ「お久しぶりで御座います。シェリル様、ジェームスさん」

 

ジェームス「はい。タクヤさんもリーラさんもお久しぶりです」

 

拓哉「二人とも久しぶり。ってかシェリルさん、化粧濃くないですか?そんな歳でもないでしょう」

 

シェリル「うるさいわね!…ホント相変わらずね」

 

そう言うと笑いながら拓哉と握手する。

 

「お〜い!!」

 

すると今度は少年とその少年の夫婦がやって来た。

 

拓哉「トーマス!」

 

トーマス「皆久しぶり!」

 

シェリル「トーマスも久しぶりね。随分と格好良くなっちゃって♪」

 

拓哉「だな」

 

すると、トーマスの後ろの夫婦が話し掛けてきた。

 

拓哉「ルコントさんも久し振りですね」

 

ルコント「ああ。タクヤ君も久し振りだね。ところでスコットは何処だ?」

 

リーラ「まだ来ておられません」

 

すると、海から汽笛が聞こえてきた。全員がそっちを見ると懐かしい船が見えた勿論

 

トーマス「皆見て!ペペロンチーノ号だ!」

 

シェリル「フフッ。相変わらずのボロ船ね♪」

 

拓哉「コラコラ。またアル喧嘩する気か」

 

『ハハハハハハ!』

 

そしてペペロンチーノは、拓哉達が待ってる港に到着した。すると、ペペロンチーノ号から女の子が拓哉に飛び付いた。

 

「タクヤさん!」

 

拓哉「おっと!大きく…綺麗になったなナナミ」

 

ナナミ「えへへ♪」

 

ナナミは嬉しそうにする。

 

拓哉「アルとスコットさんも久し振りですね」

 

アル「久し振りだな!」

 

スコット「ああ。皆元気そうでなによりだ」

 

全員久々の再開で会話が盛り上がる。

 

拓哉「さて、今回は日本に来てもらったし、聞けば全員数日は滞在できるって聞いたし。今回はこちらが全ての費用を負担するから、観光も予定してるつもりです」

 

アル「観光か!前来た時は、どっかの誰かさんが財布を忘れて碌に回れなかったからな♪」

 

シェリル「なによ!アルも内緒で買い物してたくせに!!」

 

アルとシェリルは、昔の様に喧嘩をする。

 

拓哉「はいはい。ったく、二人とも昔とちっと模変わってないな」

 

ナナミ「それを止めるタクヤさんもね♪」

 

トーマス「そうだね」

 

ナナミとトーマスは笑っていた。

 

拓哉「ったく…スコットさん、取り敢えず今からペペロンチーノ号でこの場所に向かいたいんです」

 

拓哉はスコットに自分の島までの地図を見せる。

 

スコット「ここか。別に構わないが、ここはなんの島なんだい?」

 

拓哉「実は…」

 

拓哉はスコットだけに、このシマが自分の島だと説明する。

 

スコット「なるほど。分かった。アル!出航するぞ!」

 

アル「オーキードーキー!」

 

そして全員ペペロンチーノ号に乗り込む。出向して拓哉の島に向かう。

 

「キュイイイイ」

 

するとシャチが飛び出てきた。

 

拓哉「ティコの奴も、相変わらずだな」

 

リーラ「そうですね」

 

ティコが楽しそうに泳いでるのを見て、全員が笑顔になる。それから暫くして、拓哉が所有する島に到着した。

 

拓哉「おいおいリーラ。いつトーマスと客車を用意したんだ?」

 

リーラ「はい。2日前にトーマスからお聞きし、嘗て使っていた客車の場所をお聞きして、大急ぎで修理いたしました。折角皆様が来ていただいていますので、試運転も兼ねようかと思いまして」

 

拓哉「なるほど」

 

リーラの言葉に納得する拓哉。

 

拓哉「運転は?」

 

リーラ「お任せ下さい」

 

リーラが運転するらしい。

 

ナナミ「うわ〜!機関車だ!!」

 

トーマス「こんにちは」

 

トーマス「うわ!しゃ、しゃべった!?」

 

トーマスはびっくりしてひっくり返る。

 

拓哉「驚かせて悪かったな。この機関車はこの島で発見された物なんだ。名前はトーマスだ」

 

トーマス「ぼ、僕と同じ名前なの!?」

 

トーマス『こんにちは!ぼくトーマス!!』

 

ルコント「ほう。息子と同じ名前の機関車があるとは驚きだ」

 

リーラ「取り敢えずお乗り下さい」

 

リーラに言われ、スコット達は客車に乗り込む。

 

拓哉「ナナミ、トーマス」

 

ナナミ「どうしたのタクヤさん」

 

拓哉「いや、お前ら機関室に乗ってみないか?」

 

トーマス「いいの!」

 

拓哉「ああ。運転はリーラがするから、邪魔にならないようにしてくれればな」

 

ナナミ「乗る!乗りたい!」

 

拓哉「よし!乗り込め!」

 

こうして拓哉とリーラ、ナナミ、トーマスは運転席に乗り込んだ。

 

拓哉「じゃあ出発だ!」

 

トーマス『しゅっぱ〜つ!』

 

汽笛を鳴らして、トーマスは屋敷に向けて出発した。

 

ナナミ「うわ〜!凄い凄い!!」

 

トーマス『はや〜い!』

 

拓哉「なるほど。そんな感じに運転するのか」

 

リーラ「はい。ですがやはり最低でも二人運転には必要ですね」

 

拓哉「そうだな。こうして石炭を入れなきゃなんないしな(ん〜、束に頼んで自動石炭投入機備え付けてもらうか)」

 

そこから暫くは楽しい汽車の旅を楽しむナナミ達であった。そして屋敷に到着すると、全員が驚きの顔をする。

 

拓哉「ってか、屋敷の前まで線路を轢いたのか」

 

リーラ「はい。お客様をご案内するならこうした方がいいかと思いまして」

 

拓哉「なるほど。じゃあ中に入ってくれ」

 

拓哉はそう言うと屋敷の中に入る。それをナナミ達は慌てて追い掛ける。

 

『お帰りなさいませ拓哉様』

 

拓哉「ただいま。後ろの人達は俺の大切な客人だ。丁重にもてなしてくれ」

 

『かしこまりました』

 

メイド達は、スコット達から荷物を受け取るとそれぞれの部屋に案内し、全員を食堂に案内した。

 

シェリル「だけど驚いたわ。まさかタクヤがこんな屋敷を持っているなんて」

 

ロベルタ「当然です」

 

ナーベラル「拓也様は加藤家次期当主様です」

 

『か、加藤家次期当主!!?』

 

ナーベラルにそう説明されると、ナナミ達は驚く。あのスコットすら驚きの表情をしていた。

 

ルコント「まさか君が、あの有名な加藤家の次期当主とは驚いたよ」

 

スコット「全くだ」

 

拓哉「すみませんね、あの時Last nameは言ってませんでしたからね」

 

ナナミ「でも驚いたな。タクヤさんが加藤家の人だったなんて」

 

ジェームス「ということは、もしかしてこの島は…」

 

リーラ「はい。この島とこの近海は加藤家…拓哉様の所有物でございます」

 

『……』

 

リーラの言葉に更に驚く。

 

アル「おいおい…まさか島全体とはなぁ」

 

拓哉「ま、取り敢えずこの島はウチの所有の島なので、好きに過ごして下さい。リーラ、後でスコットさんとアルと一緒に、ペペロンチーノ号を港の工廠に案内してあげてくれ」

 

リーラ「かしこまりました」

 

アル「タクヤ、工廠ってのはなんだ?」

 

拓哉「簡単に言えばドッグみたいな場所ですよ。ペペロンチーノ号やスコットさん達には、あの時大変お世話になりました。ですので、少なからずお礼をと思いまして」

 

スコット「お礼?」

 

拓哉「それは工廠に行ってからのお楽しみです。リーラ、二人を案内してくれ」

 

リーラ「かしこまりました」

 

リーラは、スコットとアルを工廠に案内した。

 

拓哉「シェリルはどうする?シャワーでも浴びるか?」

 

シェリル「お願いしようかしら」

 

ジェームス「でしたら、私は皆さんのお食事の用意を致しましょう」

 

ユリ「お手伝いいたします」

 

ジェームスは、ユリ達と一緒に食事の準備をする。ルコント夫妻は近くを散歩する。拓哉とナナミ、トーマスはどうするか話し合う。

 

拓哉「どうする?」

 

ナナミ「そうね〜」

 

トーマス「僕はトーマスで島を見て回りたいな」

 

拓哉「ならそうするか」

 

拓哉達は、トーマスで復旧してる線路を使ってシマヲ見て回る事にする。

 

拓哉「それじゃあロベルタ、他の人の事は頼んだぞ」

 

ロベルタ「かしこまりました」

 

ナナミ「出発!」

 

拓哉達はトーマスに乗って出発する。3人だけなので客車も離しトーマスだけで走っている。

 

拓哉「悪いなナナミ、トーマス。石炭を入れる作業を手伝わせて」

 

ナナミ「ううん。大丈夫」

 

トーマス「そうだよ。僕もこんな体験できて楽しいよ」

 

二人は嬉しそうにそう言う。暫く走ってると港に到着した。

 

拓哉「まずはこの島の港だ」

 

「「うわ〜」」

 

束のおかげでだいぶ復興した港を見る拓哉。

 

拓哉「へ〜。だいぶ復興したなこの港も。ナナミ!トーマス!アル達がいる工廠に行ってみるか?」

 

「「うん!」」

 

拓哉「って訳だトーマス。少しの間待っててくれ」

 

トーマス「分かりました」

 

拓哉達はトーマスを残して、スコット達がいる工廠に入っていった。

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