この世界   作:シャト6

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第34話

ゲートを潜り抜けると、壮大な台地が広がっていた。

 

野明「うわ~!」

 

遊馬「へ~!」

 

進士「凄いですね」

 

第二小隊の連中は相変わらず呑気である。

 

狭間「これより野営の準備を始める!並びに、周辺の警戒を怠るな!!」

 

『了解!!』

 

狭間がそう指示を出すと、自衛隊達は野営の準備に取り掛かる。

 

後藤「さてと、取り合えず俺達も周辺の警戒をしましょうか。一号機二号機デッキアップ」

 

「「了解!」」

 

そして、第二小隊のレイバーも警戒する準備をする。

 

拓哉「しかし、まさか警察と自衛隊が共同活動するとは思わなかったけどなぁ」

 

香貫花「確かにねぇ」

 

拓哉と香貫花が、デッキアップされるレイバーを見ながら言う。

 

拓哉「ああそれと、後藤隊長から伝わってると思うけど、落ち着いたらこの地域の人との民間交流の為に、俺も行くことになってるから、その時は特車二課代表として俺と香貫花が行くことになってるから」

 

香貫花「あら、私も一緒なの?」

 

拓哉「ああ。俺の事を知ってるのは後藤隊長と南雲隊長、そして香貫花さん以外は知らないからな」

 

香貫花「なるほどね」

 

そんな話をしてると、野営の設営や周辺警備の準備が終わった。

 

後藤「あ~拓哉。悪いが香貫花と一緒に一度日本の方に戻ってくれるか?なんでも加藤家当主様が、お前に伝えたいことがあるみたいでな」

 

拓哉「爺ちゃんが?分かりました」

 

そして拓哉と香貫花は日本の方に戻って行った。戻るとリーラがヘリで迎えに来ていた。

 

リーラ「お待ちしておりました拓哉様、香貫花様」

 

拓哉「ただいまリーラ。んで爺ちゃんは?」

 

するとヘリから別の人が降りてきた。

 

「お久し振りでございます拓哉様」

 

拓哉「久し振りだねセバス。セバスがいるって事は、本家に行けばいいのか」

 

セバス「はい。本家で豪昌様とかぐや様がお待ちです」

 

拓哉「分かった」

 

セバスにそう言い、ヘリに乗り込んで加藤家本家に向かった。

 

拓哉『リーラ、ナナミや大和達は?』

 

リーラ『はい、島での生活を楽しんでおります』

 

拓哉『ならよかった』

 

リーラ『時折シェリル様が、日本を観光したいと申しておりますが』

 

拓哉『ん~…まだ完全に安全が保障されたわけじゃないからな。もう少しだけ待ってもらって、その後プレアデス達を連れてって形になるかな』

 

リーラ『かしこまりました。その様にお伝えしておきます』

 

セバス『皆様、まもなく到着したします』

 

セバスが操縦するヘリで加藤家本家に到着した。

 

香貫花「……」

 

初めて本家を見た香貫花は、言葉を失っていた。

 

拓哉「それにしても、久し振りだな。前に帰ったのは正月以来だったっけ?」

 

リーラ「はい」

 

香貫花「なんなの…この広さは」

 

拓哉「ま~広いよな。移動するのに車やヘリを使わなきゃなんないしさ」

 

リーラ「拓哉様。それは私達の島でも同じかと」

 

拓哉「確かに。移動にトーマスやヘリを使わなきゃなんないしな」

 

リーラにそう言われ笑いながらそう言う拓哉であった。

 

セバス「豪昌様、拓哉様をお連れいたしました」

 

豪昌「入れ」

 

中に入ると、豪昌が中央に座っていた。

 

香貫花(あの人が、加藤家現当主の加藤豪昌…そして、拓哉のお爺さん)

 

そんな事を思ってると、豪昌は拓哉に抱き着く。

 

豪昌「拓哉よ~!ようやく抱きしめる事ができたわい!」

 

『……』

 

香貫花「…はい?」

 

突然の行動に、リーラ達は呆れており香貫花に限っては驚きの余り変な声を出す。

 

拓哉「祖父ちゃん!今は他の人もいるんだから少しは落ち着いて!!」

 

豪昌「そんな冷たい事を言うではない。久々の孫なんじゃ…ごへっ!!」

 

かぐや「いい加減にしないか!」

 

拓哉「祖母ちゃん、久し振りだね」

 

かぐや「そうだね。また少し大きくなったんじゃないかい?」

 

拓哉「また少し身長が伸びたかな。祖父ちゃんも祖母ちゃんも元気そうで安心した」

 

拓哉も年相応の反応をする。それを見た香貫花は微笑む。

 

香貫花「拓哉、あんな顔もできるのね」

 

リーラ「はい。あのような顔をされる拓哉様を久々に見ました」

 

セバス「ええ。拓哉様は豪昌様の負担を和らげるため、勉学や加藤家の当主になる為日夜努力しております。ですが、いくら拓哉様とはいえまだ成人なされていません。豪昌様やかぐや様と話すことが安らぎになるのです」

 

リーラ「……」

 

セバスがそう話すと、リーラは悲しそうな顔をする。

 

「リーラさん、貴方がその様な顔をされてはいけませんよ」

 

リーラ「セバスチャン…」

 

やって来たのはセバスチャン・ミカエリス。加藤家の執事だ。

 

セバス「セバスチャン、来ていたのですか」

 

セバスチャン「ええセバス。坊ちゃんがご帰宅されているのにお出迎えをしないわけにはいきません。後リーラさん、貴方がその様な顔をされると拓哉坊ちゃんが心配します」

 

リーラ「…はい!」

 

執事とメイドでそんな話がされていると、いつの間にか復活した豪昌が再び拓哉に抱き着いていた。しかし、流石の拓哉もいい加減うっとしくなってきたのか、豪昌と言い合いになっていた。

 

拓哉「だ~!いい加減にしろ!!」

 

豪昌「なんじゃと!久々のじいちゃんだぞ!!久々の孫なんじゃぞ!もっと甘えんか!甘やかせんか!!」

 

拓哉「久々なのは分かるが、いい加減しつこいんだよ!!」

 

豪昌「久々だからじゃ!!」

 

そして喧嘩が始まる。しかも屋敷が崩壊するくらいの…

 

香貫花「なっ…なぁ…」

 

リーラ「あぁ…始まってしまいました」

 

セバスチャン「これは、後の修理が大変ですね」

 

セバス「その様ですね」

 

二人の執事だけは、喧嘩後の屋敷の修理が大変だと嘆いているが、リーラは恐れていたことが起き、香貫花に限っては、拓哉と豪昌の喧嘩を見て驚いていた。

 

かぐや「いい加減に…しないかい!!

 

「「へぶっ!!」」

 

セバスチャン「と、決着がついたみたいですね」

 

セバス「その様ですな」

 

かくして、二人の喧嘩はかぐやの拳骨によって終息したのであった。

 

拓哉「…で、わざわざゲートからこっちに戻るように行って、本家に呼び出すなんてさ」

 

豪昌「あ、あぁ…実はな、向こうに行くのに心もとないと思ってな」

 

拓哉「って事は、完全装備で向こうに行けって事?」

 

豪昌「そうだ。そして、向こうにこの子達も連れて行ってくれ」

 

すると横の部屋から出てきた人物達を見て、拓哉は驚く。

 

拓哉「なっ!?お、お前ら…」

 

出てきたのは、拓哉が助けた艦娘数人だ。

 

拓哉「なんでここに?」

 

「…私達はあれから色々考えた」

 

「貴方が私達にしてくれた事」

 

大和「未だに治療をしてくれてる武蔵達を見捨てずにいてくれている」

 

「この恩を返さない程、私達は愚かじゃないネ」

 

拓哉「…そうか。なら、これからよろしく頼む」

 

「もちろんネ!私は金剛型一番艦の金剛ヨー」

 

「私は長門型一番艦の長門だ」

 

大和「私の紹介はいいですよね」

 

「私は正規空母の加賀です」

 

「同じく正規空母の赤城です」

 

「く、駆逐艦の吹雪です」

 

「工作艦の明石です」

 

「給糧艦の間宮です」

 

拓哉「知ってるかは分からないが、加藤家次期当主の加藤拓哉だ。よろしくな」

 

金剛「よろしくネ!てーとく」

 

拓哉「て、提督?」

 

吹雪「はい。私達を指揮する人を提督と呼んでいます」

 

明石「それに、提督は妖精も見えるみたいだし、信頼できるみたいだしね。夕張なんか、新しく出来た工廠に満足してるからね。もちろん私もね」

 

拓哉「ああ、工廠か。あれはリーラや束が頑張ってくれただけだ。俺は指示しただけだよ」

 

金剛達と仲良く話す拓哉。その様子を見た豪昌やリーラは安心した表情をする。

 

拓哉「さて、それじゃあ俺達は門に戻るか」

 

豪昌「拓哉…気を付けるんじゃぞ」

 

拓哉「ああ。祖父ちゃんも祖母ちゃんも元気で。また来るよ」

 

そして拓哉は、ヘリで門の前に行き中に入る。すると、出た先にあったのは戦闘の後だ。

 

拓哉「これは…」

 

後藤「おぉ、戻ったか」

 

戻った拓哉を見て後藤が話しかける。

 

拓哉「ただいま戻りました。それで…これは?」

 

後藤「ん?見ての通り戦闘の後。今自衛隊の皆さんが状況を確認中」

 

香貫花「結構な戦闘後ですね」

 

後藤「まぁねぇ。何せ向こうさんはパッと見でも数千人はいたからね。それを迫撃砲や戦車、機関銃で対処したんだからね」

 

煙草を吸いながらこたえる後藤。

 

拓哉「隊長は随分と慣れてるみたいですね」

 

後藤「まぁね。色々とあるのよこっちもね」

 

拓哉「色々…ね。で、他の人たちは?」

 

後藤「ああ。太田以外は今はテントで休んでるよ。まぁ、目の前でこれを見たらね」

 

拓哉「大丈夫なんですか?野明さん達は」

 

後藤「さぁ。けど、慣れてもらうしかないからね。警察でも現場で仏さんを見ることもあるんだからさ」

 

拓哉「いや、こればかりは仏さん以上の問題かと」

 

確かにその通りである。警察官は現場で発見したりするのは、多くても平均2~3人ほど。しかしこれは戦争だ。一度に多くの人が亡くなるのも事実。野明達には慣れるまで時間がかかるであろう。

 

後藤「んで、後ろにいるお嬢さん方はどちら様?」

 

拓哉の後ろにいる金剛達を見る。

 

拓哉「ああ、紹介します。彼女達は加藤家に所属する者です。今回この特地に行くので…祖父ちゃんが連れて行けって。皆、自己紹介を」

 

金剛「金剛デース!」

 

吹雪「ふ、吹雪です」

 

長門「な…んんっ!長門だ」

 

加賀「…加賀です」

 

赤城「赤城と言います」

 

明石「明石だよ」

 

間宮「間宮といいます。給仕などはお任せ下さい」

 

後藤「どうも御親切に。第二小隊の後藤です。一応拓哉と香貫花の上司かな?」

 

拓哉「かな?じゃなくて上司でしょうに」

 

後藤「いやほら、一応そうなるけど殆ど指示する必要ないじゃない?」

 

後藤の言葉に呆れる拓哉と香貫花であった。

 

後藤「ま~取り合えず、今日はもう休んでちょうだいよ。他の連中は向こうのテントで休んでるからさ。あ、言っとくけど男女一緒だからね。テントの数限りあるし」

 

拓哉「けど、流石に彼女達は入らないでしょう?」

 

後藤「それは大丈夫。ウチのテントの隣が彼女達のテントだからさ」

 

そう言って後藤は行ってしまった。

 

拓哉「相変わらず抜け目ないだ」

 

香貫花「ホントね」

 

拓哉「それじゃあ今日はもう休もうか。金剛達は隣のテントだ」

 

『はい!』

 

拓哉「リーラ、後は頼んだ」

 

リーラ「お任せ下さい」

 

そして拓哉と香貫花第二小隊のテントへ入って行ったのであった。果たして、これから一体何が起こるのであろうか。そんな事を思う拓哉であった。

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