仲良くなった茉莉香達と別れて、俺はドリトル家に向かっている。
拓哉「これからどれくらいかかるんだ?」
リーラ「車で約30分程度です。ドリトル家のお嬢様とお会いした後、新奥浜空港に向かって宇宙に出ます」
拓哉「宇宙に?」
リーラ「はい。中継ステーションで、白き月の関係者と会う予定です」
拓哉「白き月って、あの月の横にある白い月の事か?」
空を見上げながら、俺はリーラに聞く。
リーラ「その通りです。あれは、かなり昔からあり、かぐや様・・・拓哉様のお婆様も白き月の元聖母で御座います」
拓哉「・・・マジで」
リーラの言葉に、俺は心底驚いた。だって、婆ちゃんがあの月の聖母だったなんて。今まで、そんな話1度も聞いたことなかったからな。
アンジェラ「かぐや様は、拓哉様に自分をそんな目で見てほしくないため、その事を隠されていたのです」
途中で合流したアンジェラが説明する。
拓哉「確かに驚いたけどさ、婆ちゃんは婆ちゃんだろ?」
ロベルタ「そう言っていただけると、奥様もお喜びになられます」
拓哉「だといいけど」
そんな会話をしながら車を走らせる。そして、ようやくドリトル家に到着したのである。
リーラ「到着致しました」
車から出ると、執事服を着た老人が立っていた。
「ようこそ拓哉様、お出でくださいました」
拓哉「初めまして。加藤拓哉です」
「私は、こちらで執事をさせていただいております《バトラー》と申します。中で旦那様やお嬢様がお待ちになっております。どうぞこちらへ」
バトラーさんに言われて、俺達は屋敷の中に入っていくのであった。
バトラー「こちらで御座います」
そう言いながら、扉を開けてくれたバトラーさん。入ると、黒髪の男性と金髪の女の子?が待っていた。
「わざわざ遠いところをよくお出でくださいました」
拓哉「いえ、こちらこそ祖父達の我が儘ですみません」
「気にしないで下さい」
男性はそう言う。
「娘のジェニーです。ほら、挨拶なさい」
ジェニー「初めまして。ジェニー・ドリトルです」
拓哉「加藤拓哉です。本日は、突然来訪してすみません」
ジェニー「いえ、気にしないで下さい」
「さて、後は若い二人に任せて、私は退散しますかな」
そう言って、男性は部屋を出ていった。
ジェニー「ふ~っ」
男性が出ていったのを確認したら、ジェニーさんは大きくため息を吐いた。
拓哉「随分と気を張ってたみたいだな?」
ジェニー「そうですね。最初は、勝手に決められた花婿に反対したんです」
拓哉「それはよかった。けど、余り乗り気じゃなさそうだな?」
俺の言葉に、体をピクッ震わせる。
ジェニー「確かにそうね。・・・本当は、この話を断りたいんです。私には今恋人がいます」
拓哉「恋人が?」
ジェニー「はい。白鳳女学院の生徒で、1つ年下の女性です」
拓哉「・・・女性!?」
その言葉に、俺は驚いた。
ジェニー「変ですよね。女性が女性を好きになるなんて」
拓哉「いや、驚きはしたが人の価値観をどうこう言うつもりはないぞ?」
ジェニー「ありがとうございます。彼女はリン・ランブレッタと言います」
そう言いながら、写真を見せてくれた。すると、そこに茉莉香も写っていた。
拓哉「ん?茉莉香も写ってるな」
ジェニー「拓哉さんは、茉莉香さんをご存じで?」
拓哉「あぁ。分家の加藤家だからな。簡単に言えば親戚だ」
ジェニー「そうだったんですか」
拓哉「まっ、何にせよいきなり花嫁候補はないわな。別に俺は気にしないから、好きにしろよ」
ジェニー「・・・いいんですか?」
拓哉「あぁ。あんた程の美人を嫁にできないのは痛いが、無理矢理結婚させるつもりはない」
そう言われたジェニーは、顔を少し赤らめていた。
拓哉「・・・もし気が変わったなら連絡くれよ。それまでは、恋人さんと仲良くな♪リーラ、行くぞ」
リーラ「かしこまりました」
そう言い残して俺とリーラは、車に戻るのであった。
ジェニー「・・・加藤拓哉さん」
一人になったジェニーは、小さく拓哉の名前を呟くのであった。
拓哉「さて、次は白き月か」
リーラ「はい。今から新奥浜空港に向かいます。ロベルタ、出して下さい」
ロベルタ「分かりました」
そして新奥浜空港に向かった。そのままシャトルに乗り込み、中継ステーションに向かった。到着すると、軍服を着た女性が二人立っていた。
「加藤拓哉様ですね」
拓哉「そうです」
「私達は、シャトヤーン様の所で月の巫女をしています。私はアルモ・ブルーベリーです」
「ココ・ナッツミルクです」
拓哉「ご丁寧に。後ろにいるのはウチのメイド達で・・・」
リーラ「リーラ・シャルンホルストです」
ロベルタ「ロベルタと申します」
アンジェラ「アンジェラです」
ココ「よろしくお願いします。それではご案内致します」
一通り挨拶を済ませて、専用のシャトルで白き月に向かったのであった。中に入ると、ココさん達についていき、謁見の間にやって来た。
アルモ「ここで少しお待ちください」
二人は先に入ってしまった。
拓哉「初めて白き月の中に入ったけど、凄いな」
リーラ「私は、かぐや様の付き添いで昔来たことがあります」
ロベルタ「中の警備は手薄ですが、この白き月に入るのは簡単ではなさそうですね」
アンジェラ「ええ。見えないバリアに守られてるみたいです」
拓哉「見えないバリアね~」
謁見の間の前でそんな話をしていると、中からアルモさんが出てきた。服装はいかにも巫女ですって感じになったけど。
アルモ「お待たせしました。それでは中へお入り下さい」
そして俺達は中に入った。奥に進んでいくと、真っ白なドレス?に身を包んだ女性がいた。
「ようこそお出でくださいました。白き月で聖母をしております《シャトヤーン》と申します」
拓哉「加藤家次期当主の加藤拓哉です。突然の来訪失礼致しました」
シャトヤーン「いえ。先代のかぐや様のお孫様なのです。口調も元通りで構いません」
拓哉「では遠慮なく。初めて中に入ったけど、こんな作りになってるんだな」
シャトヤーン「はい」
シャトヤーンに言われ、いつも通りの口調に戻す。
拓哉「・・・正直言って、花嫁候補についてはどう思ってるんだ?あんたくらい美人なら、今までにも話があったはずだが?」
シャトヤーン「・・・はい」
俺がそう言うと、シャトヤーンは少しだが顔を暗くする。
拓哉「・・・リーラ、悪いが外で待っててくれないか?シャトヤーンと二人で話がしたい」
リーラ「かしこまりました」
シャトヤーン「ココ、アルモ、あなた達もお願いします」
ココ「分かりました」
俺とシャトヤーンの二人を残して、リーラ達は謁見の間を出ていった。
拓哉「さて・・・何か訳ありみたいだな?」
シャトヤーン「・・・そうですね。出来れば、今から話すことは他言無用でお願いします」
拓哉「分かった。約束しよう」
シャトヤーン「ありがとうございます。拓哉さんが言われた通り、私は1度結婚をしております。そして・・・子供もいます」
拓哉「子供も!?」
その言葉に、俺は驚いた。
シャトヤーン「その子供と言うのは・・・トランスバール皇国王子である《シヴァ・トランスバール》です」
拓哉「1度だがみたことある。あの子が・・・」
シャトヤーン「はい。ですので、それでもいいのでしたら、私は喜んで花嫁になります」
拓哉「子供がいるとか、誰の子供だとかは気にしない。あんたがそれでいいなら別にいいさ」
シャトヤーン「・・・ありがとうございます」
シャトヤーンは、声を震わせながらお礼を言うのであった。
拓哉「・・・これは俺の端末に直接繋がる番号だ。それと、俺が尤も信用しているメイドのリーラの番号だ。何かあれば、助けてやる」
俺は番号を渡すと、そのまま謁見の間を出て白き月を後にしたのであった。
ジェニー・ドリトル(モーレツ宇宙海賊)
ココ・ナッツミルク(ギャラクシーエンジェル)
アルモ・ブルーベリー(ギャラクシーエンジェル)
シャトヤーン(ギャラクシーエンジェル)