JACK DANIEL'S   作:芽和津 真家

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カクテル言葉って皆さん知ってます?
カクテルそんな飲まないんですけど、この前生意気ながら初めてドライマティーニを頼みました。
僕にはまだ早すぎたカクテルでしたが、ちょっとだけ、大人な気分になれました。


今宵はキールで乾杯

「たまには若い子と話さないとね。すぐについていけなくなっちゃうから。」

 

シーナは正平と秋の方を見つめて優しく笑う。

 

「僕はシーナ。で、彼女はリサ。気持ちは10代だから気軽に接してよ。」

 

「10代は言い過ぎでしょ」

リサは軽くシーナに突っ込む。

 

「オレは正平って言います。美容師のたまごやってます!」

正平は元気に挨拶をする。秋も続けて挨拶をする。

「はじめまして。僕は秋と言います。」

 

二人の挨拶が終わるとシーナはグラスを持って

「じゃあ一日の終わりにお疲れ様と素敵な出会いに乾杯としますか。」

 

その言葉にその場の皆がグラスを手に取る

「お疲れ様。そしてよろしく。乾杯!」

 

シーナの乾杯の音頭に皆がそれぞれグラスを近づけ「お疲れ様」と「よろしく」と声をかける。

 

「シーナさんリサさん、実はね、今日みんなジャックダニエル飲んでるんですよ」

 

ジャックは嬉しそうに話すと、シーナもリサも嬉しそうに笑う。

 

「これは嬉しい偶然だね。初めてあったもの同士が同じボトルを開けるなんて」

「ラフロイグ頼まないでよかったねシーナ。」

 

「なんか意外ですね。」

正平が二人に話しかける。

 

「ジャックダニエルってどこにでも置いてあるお酒ですよね。コンビニとか最近だと居酒屋でも見かけるし。っていってもオレ今日初めて飲んだんですけどね。」

少し照れながら話す正平に

 

「フフッそうなんだ。」

正平をまじまじと見るリサ。

 

「御二人を見てると、凄い品が良くて、高級な酒しか飲まないって感じで。」

正平の一生懸命失礼のないような失礼な発言に

 

「そんな品は良くなくないよ。」

笑ってみせるシーナと、クスクスと笑うリサ。その二人を見て「大人だなー」と感心する秋。

 

「そーだね。まー付き合いで高い酒を飲むことはあるね。そういうお酒も好きだよ。」

「その席次第だけどね」

 

シーナの言葉にリサが言葉を加える

 

「でもね、若い頃はバンドしてたんだけど金なくてね。ほんと安い焼酎。大五郎ってわかる?それを打ち上げとかで仲間内で飲むんだ。それが楽しくてね」

「あー懐かしいね。」

 

「それでさ、初めてバー行ったときにかっこつけてジャクダニエルを頼んだんだ。その頃、バー=ウイスキーのロック。それで僕はウイスキーはジャックかトリス、角瓶くらいしかしらなくてね。その中で一番かっこいいと思ったジャックダニエルを頼んだんだ。」

 

「へーなんか意外ですねー!」

目をキラキラさせながらシーナの話にくいつく正平。ジャックと秋も黙ってシーナの話をきいている。

 

「あははっ。それで初めて飲んだんだ。ウイスキーをさ。それがきつくてからくて、消毒液を飲んでる気分だったよ。」

「すっごいそれわかります!」

正平は少し前の初めてのウイスキーの味を思い出した。

 

「でも男だからさ、意地はって旨いうまい言いながらチビチビとのむんだ。それから、バーにハマって、ウイスキーを覚えたんだ。」

 

シーナは自分の手元のグラスを見ながら

「青春の味なんだよね。ジャックダニエルは。だから今でもたまに飲みたくなるんだよね。」

 

しみじみと語るシーナにみんなが微笑みながら黙って聞いていた。

 

「ま、僕もリサも庶民なんだよね。」

 

シーナはくだけた笑いを正平にみせると、グラスを口に近づける。

 

「なんか・・かっこいいなぁ」

正平は憧れのまなざしをシーナに向ける。

 

「御二人はその、夫婦とか恋人なんですか?」

正平の問いにリサとシーナは笑って答える。

 

「んー。相棒かな。一度はつき合ったけど、今は仕事上のパートナーだね。」

 

「すいません。てっきりそうなんじゃないかと気になって。」

正平はぺこっと頭を下げるとリサがクスクスと笑う。

 

「でも昔よりもっと信頼できる関係になったと思うの。私は今の関係がベストだと思ってるわ。」

リサは一瞬シーナの方をみて、また正平の方を向く。

 

「正平くんと秋ちゃんは恋人か」「違いますよ。」

 

シーナが話し終わる前に否定する秋。その否定にジャックとリサが笑う。

正平はその秋の反応に気づかないまま

 

「オレと秋くんは今日はじめてあったんです。だからシーナさんとリサさんと同じ初対面なんですよ!」

 

と笑顔で答える。

 

「へぇー、歳も近そうだし、いいとおもうけどなー。お互い恋人はいるのかい?」

 

「オレは別れたばっかりで・・でも落ち込んでられないっす!前向きにかんがえてます!」

正平は思い出したように落ち込んだが、すぐに暗くなったテンションをあげる・

 

「ボクもいないですね・・。」

あまり興味を示さない感じの返答をする秋。

 

「じゃーいいじゃない!」

「シーナ。」

盛り上がるシーナにストップをかけるリサ

 

「若い子の関係に口ださないの」

「あ、あはは。ごめんごめん」

 

シーナは割れにかえったように髪をかきながら頭を下げる。

 

そんな会話から皆が打ち解けたようにいろいろと話し合う。気づくと各々のグラスは空になっていた。

 

「皆さん何飲みます?」

ジャックがタイミングを計って尋ねると、シーナが一番に答える。

 

「ジャックダニエルのリザーブってある?」

「それがあるんですよねぇ。看板酒ですから!」

「それは嬉しいなぁ。じゃー僕からの奢りとしてボトルもらっていいですか?」

 

その言葉に秋と正平は少し驚く。

 

「えっ!?悪いっすよそんな!」

「いいのいいの、奢らせてよ。歳で言えば先輩になるしね!大丈夫!お金持ってるから。」

 

シーナは機嫌良く笑うと冗談まじりに答え、ジャックにボトルを頼む。

ジャックは頷くと用意にかかる。

 

そしてまた各々のグラスにお酒が入ると乾杯をする。

話はさらに盛り上がる。特に正平はシーナのことをとても慕い熱心に話しかける。その熱にシーナもその気になり、なぜかジャックも巻き込まれ、熱い「漢」の話になる。

 

 

 

そんなシーナからリサは離れ秋の隣に座る。そしてじっと秋を見つめる。

リサの顔は酔いのせいか目が座っており、顔も少し赤い。そのせいか余計艶やかな色気を感じる。

そして甘い香水の匂いは魅力的で、秋も無意識にドキドキとする。

 

そんな秋の気持ちを知ってかしらずかリサは笑みをこぼし話しかける・・・。

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