「ヴァルターまかせる」
「了解」
「シュヴァルツ04そちらはどうだ?」
「戦車級に足止めされてレーザー級を確認できない!!」
レーザーヤークトの最中レーザー級を囲うように隊列を組んだbetaの群れを突撃砲で蹴散らせているが、数が多く先に進むことができない。
「シュヴァルツ02こちらも確認できません…残弾6割」
「シュヴァルツ05残弾4割…切ります」
「シュヴァルツ08同じく残弾4割」
「シュヴァルツ10残弾はファムちゃんと一緒の6割レーザー級は確認できず、グレーテルちゃんが眼鏡をはず…」
「同士大尉、作戦中に流れ弾で死ぬ衛士は少なくはないのだろ?」
「あぁそれなりにいるぞ、しかも後から撃たれてるのが殆どだ」
「ちょっ…なっ」
不吉な質問や回答を聞いて思わず射撃を辞めてしまった。
「そのうち撃たれますよ?同士中尉」
「う…五月蝿いぞテオドール!」
「お…落ち着いてください!!アネット!!」
『!?』
イングヒルトの悲鳴の様な声に中隊の動きが一瞬止まる。
「始まった…」
戦争神経症…それがアネットの病だ。1度症状が出ると収まるまでに時間がかかり、それがbetaとの戦闘中なら厄介な事になる。俺が死んだ世界でもアネットに発作を起こし止めに入ったイングヒルトが戦死している。
「落ち着け!!シュヴァルツ06撃ちすぎだ」
「進路上の敵を無力化しているだけです!!」
ヴァルターやイングヒルトの静止を促す声を聞かず、シュヴァルツ06のバラライカからbetaの死骸に向け弾丸が放たれている。
「ちょっと早くあれを何とかしろ!!まだレーザーヤークトの途中だぞ!?」
「こちら07!シュヴァルツ06は私がフォローします!」
「こちら10、06と07は俺が面倒見ます!」
「こちら01…2人は任せたぞ」
「先輩…」
「アネットを止めるぞ!!」
「はい!」
アネットのバラライカに近づきイングヒルトが肩を俺が突撃砲を抑えこむ。
「落ち着くんだアネット!!」
「そうです!このままじゃ皆の仇を打てなくなりますよ!!」
「わ…私…betaを…betaを殺す事しか出来ないし…毎晩死んだ仲間の夢を見るし…」
「大丈夫だ…俺が守ってやる!!お前も!皆もだ!」
「わ…私も先輩程じゃないけどアネットを守ります!」
左下に映るアネットの顔が落ち着きを取り戻し、顔色が良くなっていく。
「あ…ありがとう…イェーガー中隊…イングヒルト…」
「こちら01…06は本当に大丈夫なんだな?」
「はい、私と先輩でフォローします」
「よしレーザー級は丘の向こうだ!急ぐぞ」
『了解』
ジャンプユニットを使い丘を超えると、戦車級に周りを守られたレーザー級を発見した。
「レーザー級確認ッ切り込むぞ!03、04ぶちかませ!!」
中隊全員の突撃砲がレーザー級を守る戦車級に弾丸を食らわせ、蹴散らして行くと戦車級に穴が開きターゲットのレーザー級が目視で確認出来る距離まできた。
「よし戦車級の壁は抜けた!次はレーザー級を平らげろ!!」
『了解』
レーザーを縦でかわし、次の照射が来る前に一気に掃討する。
「1匹残らず撃ち殺せ!」
「わかってるわよ!同士大尉」
レーザー級を含めた小型種を掃討し終えた。
「大丈夫かイングヒルト、アネット?」
「ありがとうございます…先輩」
「だ…大丈夫です」
イングヒルトとアネットのバラライカに近くにいき、突撃砲を構えこのあとイングヒルトに起こる悲劇に備え周囲を警戒する。どうやらテオドールのバラライカが近くにいることから、大尉にフォローを頼まれたらしい。
「総員傾注、高度100まで跳躍!砲撃まで時間がないぞ」
「新たなbeta群確認!!奴らは歩兵に任せて引くぞ」
「まだ…きやがるか…この化物」
「アネットッ!?」
アネットの発作がまた起こると、それに呆れたテオドール機がゆっくり跳躍していく。
「もうすぐだ…」
「時間切れですアネット!」
「五月蝿い…私はまだ…」
イングヒルト機の手を振りほどいた瞬間2機の近くの地面が盛り上がり、そこから突撃級がアネット機に突進してきた。
「危ない!!」
「イングヒルト!?」
そう…ここでアネットを庇いイングヒルトは重傷を負ってしまう。
「やらせるかぁぁ」
突撃級の非装甲に120mm滑空砲をぶち込むと、突撃級はイングヒルト機のスレスレで力尽き止まった。
「大丈夫か!?イングヒルト!」
「だ…大丈夫です先輩…」
イングヒルトの無事を確認すると体から力が抜けた。
俺は…運命を少しだけでも変えられたんだ…
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