魔法の世界で、砲が轟く   作:spring snow

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第二話

扉が開かれた先は、協会のような形の部屋が広がっていた。正面には一段高いスペースが設けられている。そこに一つだけ玉座が置かれていた。そこから扉へかけ、壁に沿うように2、30人の武官や文官らしき人が並んでいる。

「国王陛下のご到着であります!」

声が響いた途端、武官や文官が一斉に頭を下げた。

それに習い、真一達も大急ぎで頭を下げる。

「面を上げよ」

クラスの大半は頭をあげようとするが、他のクラスメイトに無理やり止められた。これは一回目ではなく、二回目で上げなくてはならない暗黙の了解があるからだ。

「面を上げよ」

もう一度声がして、一斉に頭を上げた。

「私が、コットン王国 第8代国王 ウィルコム ノイマン フォン コットンである。諸君らには、我が国を侵略せんとする魔王 クロノスを倒していただくため、異世界から召喚させてもらった」

そう、国王が言った。

「どういうことです?我々はただの学生。そんな勝手に呼び出して魔王を倒せとは、余りにも身勝手すぎます!日本に帰して下さい!」

佐藤が、そう言うと多くの学生がそれに頷いた。

国王の横に控えていた宰相らしき人が、止めさせようとするとそれを国王が制した。

「それは出来ない。この召喚は大変な魔力と貴重な鉱石を使って行われる。帰すには、その倍以上の鉱石と魔力が必要だ。しかし、鉱石の産地を魔王軍に占領されこれ以上の量は確保出来ない。無理やり巻き込み、このような願いを頼むのは無礼千万な振る舞いなのは分かっておる。しかし、魔王を止めるにはこの手段以外無いのだ!どうか、協力していただきたい」

そう言った国王の目には涙が光っていた。

そんな国王を見て、同情心が湧いた佐藤達は

「分かりました。その魔王を倒し、鉱石の産地を確保すれば、私たちは帰れるのですね?」

「そうだ。そこの点は保証しよう」

そこでクラスメイトは互いに目配せをし、

「ならば、魔王を倒すため私たち41名は協力しましょう」

そう答えた。

この時の決断が後に大きな後悔をすることを誰が予測できたろうか。

いや、出来たのは悪魔だけだったろう。

そうして、世界は動き出した。

 

 国王との謁見が終わった真一達は、近くの部屋に通された。

「何故、あのとき賛同をした?戦争がどういうものか、お前ならわかるだろう」

守が怒ったように真一と譲に言った。幸一も理由を聞きたそうにしている。

というのも、この41人は賛成派と反対派に別れていたのだ。勿論、そんなことを国王の前で言えばどうなるか目に見えているため今まで黙っていたのだ。

「ならば、聞くがあのとき賛同をしなかったとして情報が無い我々はどうやってこの世界を生きていくのだ?」

真一は冷静に言った。

「ここで情報を集めつつ、事に当たるのが最善の策だと私は思うがね」

譲も続けて言った。

「まあまあ、ここで言い争っても何にもならない。ここは落ち着こうよ」

佐藤がそう言って、話は終結した。

 

 

10分ほど経ってから、今度はスキルや魔力を見るとグールが伝えにきた。

詳しく説明すると長くなるので、概要を話すとスキルと示すもので、知識が豊富な人だと賢者、魔力が豊富だと魔導師といった具合に人それぞれ違う。また、魔力は血液のようなもので体を循環しておはその人の持つ個性を示すもので、知識が豊富な人だと賢者、魔力が豊富だと魔導師といった具合に人それぞれ違う。また、魔力は血液のようなもので体を循環しており、呪文で魔力を必要な形に変換するらしい。

「では、早速測っていこう。まずは佐藤 昌之殿!」

グールは水晶のようなものを取りだし、佐藤にそこに手を触れるよう指示する。

すると

 

佐藤 昌之

Lv1

体力 138

防御力 107

攻撃力 98

魔力 139

スキル

全てを統べる者

勇者

 

と水晶に写し出された。

「これは凄い!成人の男性でも平均的には20程度です!レベル1でこれとは、流石です!」

グールは驚きつつ、そう言った。

「流石ですわ、昌之様!これなら魔王とやらも簡単に倒せんでしょう!」

と金髪美人が、歓喜した。

彼女は伊集院 マリアという佐藤のハーレム要員の一人である。

伊集院財閥の一人娘で性格はかなりあれだが、根は優しい人である。

「いやいや、それどころかこの世界一の実力を持っているだろう!流石、私の将来の旦那だな!」

そう叫ぶのも佐藤ハーレム要員の一人の岸部 柚子だ。

彼女は、武道の申し子のような存在で剣道、柔道、空手道をどれも二段の実力を持つ。

ちなみに、彼女はスレンダーな黒髪美人だ。大切なことだから、もう一度言うとスレンダーな黒髪美人だ。

「いや、あなたのではなく、私のです!兄さんは誰にも渡しません!」

そう言ったのは、佐藤の義理の妹の佐藤 雫である。

彼女はスポーツは人並みだが、勉強に関しては学年主席を取るなど才女であった。体型は人並みだが、顔が驚くほど整っている美少女である。

そんなハーレム要員達を宥めに昌之が止めに一苦労していた。

剥げてしまえ!と心のなかで百回ほど真一が叫んでいると、今度は自分の番が回ってきたらしい。

グールの前に出て、水晶に手を置くと驚愕の数値が出る。

 

秋山 真一

Lv1

体力 1

防御力 5

攻撃力 7

魔力 2

スキル

軍人を召喚する者

勇者

 

「こ、これは・・・」

グールが呟き、皆が凍りついた。

 真一は目を疑った。

勇者として強いどころか平均にすら達していない。

「とりあえず、他の人の数値も測りましょう」

混乱から回復したグールが呼び掛け、次の譲が前に出る。

 

近藤 譲

Lv1

体力 3

防御力 4

攻撃力 2

魔力 3

スキル

海上兵器を召喚する者

勇者

 

「ど、どういうことだ? この水晶は壊れてないはず。にもかかわらず、この数値とは」

グールが唸るように呟く。

次の守は

 

伊藤 守

Lv1

体力 4

防御力 3

攻撃力 7

魔力 1

スキル

陸上兵器を召喚する者

勇者

 

続く幸一は

 

加藤 幸一

Lv1

体力 4

防御力 8

攻撃力 2

魔力 4

スキル

航空兵器を召喚する者

勇者

 

なお、他のクラスメイトは大体は平均90の数値を出していた。

しかし、変人四天王が軒並み異常なほど低い数値を出している。

これは何かあるのではないかとクラス内にどよめきが起こった。

変人四天王は当然、普段からぶっ飛んだ行動はしている。ただ、それだけでそれ以上のことは何もない。

この不気味さから、以前よりも更にクラスメイトは変人四天王を忌避するようになった。

 

その夜、一人一つずつ部屋が与えられた。

そこで真一・譲・守・幸一の四人は真一の部屋に集まり、話し合いをすることにした。

「なぁ、何故こんなことになったんだと思う?」

真一が頼れる三人の愉快な仲間に聞いた。

「たぶん、キチガイの行動からでないのは確かだ」

と譲が答える。

「となるとスキルか。」

守はそう言って、スキルを頭の中で開いた。

本人の持つスキルに関しては、自分の頭の中で詳しい説明を見ることができる。

そうしてスキルの説明を見た四人はまたもや驚愕する。

 

スキル

軍人を召喚する者

地球上で1945年までに生まれたありとあらゆる軍人を召喚できる。なお、人数は何人でも召喚できる。しかし、召喚は一人辺り一度までで寿命はその時により変化する。

 

海上兵器を召喚する者

地球上で1945年まで製造されたありとあらゆる海上兵器を召喚できる。なお、何隻であろうと召喚はできる。しかし、実際に製造された数しか召喚は出来ない。

 

陸上兵器を召喚する者

海上兵器を召喚する者とほぼ同じスキルで対象が海上兵器から陸上兵器に変化したもの。

 

航空兵器を召喚する者

海上兵器を召喚する者とほぼ同じスキルで対象が海上兵器から航空兵器に変化したもの。

 

なお、これらの弾薬や整備に関する物資は必要であるため注意すること。

また、軍人達の食糧や生活用品なども同様である。

 

四人は顔を見合せ、同時に叫んだ。

「「「「チートじゃねぇか!!」」」」

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